全回復。身体に異常なし。
私は全回復したのを見計らい、茂治さんの試したいことをすることになった。
安全な部屋に、研究者の方数名と、私、実憂さん、琥珀さん、翠くんが集められる。
「全員、この石を触ってみてくれないか」
と、出されたのは先日海底から拾ってきた隕石。
カプテテフである琥珀さんがまず先に手に取った。
「うげ、なんすかこれ。すげー嫌な感じの石。綺麗な見た目してんのに」
「なにか惹きつけられるような感覚はないか?」
「え、ないですけど?」
「この石がどうかしたんですか?」
実憂さんがひょいっと隕石を手に取った。
が、結菜たちのように凶暴化する素振りはない。
「……僕たちのおもちゃです?」
「3名とも異常なし……?」
「ふむ、準伝説以上のポケモンには凶暴化作用が働かないのか?」
と、茂治さんは扉を開けて誰かを連れてきた。
そこにいたのはエビワラー。
「うちの職員の一人がポケモンになった。すまない、石田くん」
「え?」
エビワラーに石を見せると、エビワラーはそれに魅入ったかのように手に取る。
私はその石を奪い返すと、突然エビワラーは私目掛けてパンチを放つ。ビリビリと電気をまとった拳。かみなりパンチだ!
「うぐっ……」
「え、なになに!?」
「これは普通のポケモンに見せると凶暴化する。すまないが止めてくれ」
「サイコキネシス!」
「え、えと……ねっとう」
「変なポーズ!」
「おいおい」
実憂さんのサイコキネシスとスイクンのねっとうが当たり気絶。
「そんな危ないものだったの!? やめてくださいよ!」
「お父様……。なんともなかったから良いとはいえ私たちが凶暴化したらどうするおつもりだったのですか」
「すまん。だが準伝説には無効化か……」
なんとも不思議な隕石だ。
これがポケモン化した原因である……のは間違いないだろうが、これが全世界に降り注いだら割とマジでやばくないか?
この石がポケモンの近くに落ちたらこれをポケモンが奪い合うとか起きるだろ……。
「お父様、これは一体なんなのですか?」
「昨日、新潟湾に落ちた隕石だ。この隕石から紫色の光を見たという証言がある」
「となると、これってポケモンになった原因!?」
「だと思われる。少し砕いて成分を研究しようと思ったが……硬過ぎて砕けないのだ。今現在、これを調べる術は我々にはない」
そんな硬いんだ……。
これがポケモン化の原因だとして、これからどうやってポケモン化する光を放ったのだろう。
ポケモン化させる機能はすでに失ったのだろうか。
「だがしかし、これがポケモン化させた原因ならば今の今までも何度も落ちてきただろう。申し訳ないが、もし発見した場合……君たちに手伝ってもらうことがあるかもしれん」
「僕たちがそれを回収するってことですか?」
「なぜ私たちが?」
「成分が分からない以上、これが人間にとって毒であるかどうかも調べられん。準伝説は暴走しないことが分かった以上、多分だが君たちには無害だ……と思うのだ」
「りょーかいです! 私たちにしか出来ないって特別感あっていいですよねぇ〜」
「わ、わかりました……。僕が助けになれるなら」
「はぁ……」
全員了承。
とりあえずこの隕石が何かを調べないことには始まらないが……。調べる術がない。
気が遠いね……。