英雄讃歌 第二章   作:如月@カクヨムとなろうでも投稿しています

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「もうちょっと奥に行ってみようか。」

「うん。もう少し奥でも全然戦えそうだよね。」

 

 そうして俺とアリスちゃんは森の奥へと進んでいく。道中で薬草の群生地を見つけて採取したり、時々出る一体のグレーターラッドを倒していると、気づいたときには森の中層を超えていた。

 それでも、魔物の強さはそこまで大きく変わることはなく、特に大きな問題ないはなっていないかったが、がさがさとすぐそばの草が揺れ動く。

 

「ん?」

「……グレーターラッドだね。」

 

 ぴょこりと顔を出したのはもう今日だけで何度見ただろうかと見知った顔。アリスちゃんの表情もどこか弛緩して、油断しているようだった。

 とはいえ、俺も他人のことを言うことはできないだろう。何故なら、このレベルの敵なら三人で攻撃すればすぐに勝てる相手なのだ。だから、緊張しろという方が無理なものだ。

 だが、次の瞬間には油断は危機感に変化する。草むらから一際大きな個体が登場し、また周辺からわらわらとグレーターラッドたちが飛び出てくる。

 

「げっ!!これは、まずいか?」

「うん。まずいよね。とりあえず、範囲魔法を撃って数を減らさないと。」

「「「「チュ~~~~~~~!!」」」」

 

 群れの大合唱が耳へと響く。こうして突如グレーターラッドとその親玉との遭遇戦が開始されたのであった。

 

 

 

「“ライトシャワー”。」

「“ダークブラスト”。」

「“ぷるぷる”。」

 

 先制攻撃は当然こちらから。グレーターラッドの群れが到達する前に範囲攻撃でその数を減らす目論見である。目論見通り攻撃魔法はグレーターラッドの大多数に当たる。

 しかし、三位一体の攻撃ではグレーターラッドを倒しきることはできない。範囲攻撃は単体攻撃よりも威力が劣ってしまうから、それも仕方ないことだ。

 

「“チュ~チュ~“。」

「ぐっ……!!」

 

 後方にいる一回り小さな鼠が魔法を発動した。体格を見るに単純なグレーターラッドではないのだろう。その上位種だろうか。もう一体の一回り大きな鼠もまた上位種か。ただ、魔法は扱えないのか、どしりとこちらを見据えている。

 多数のグレーターラッドが到達する前に倒しきりたいが、俺とアリスちゃんにはもう範囲攻撃は使えない。ここは二属性使えるスラちゃんに任せて、他の二体を牽制するのが吉だろうか。

 

「“ぷるぷる”。」

「“ライトアロー”。」

「“ダークシールド”。」

 

 スラちゃんが範囲攻撃したのを見計らい、俺もまた一回り小さな鼠に対して魔法を発動する。それと同時にアリスちゃんが魔法を発動して、地面から闇の壁がそそり立つ。

 どんどんと音を立ててグレーターラッドたちがぶつかる音が聞こえる。みしりと壁が軋む様な音がして、すぐに崩れ落ちる。

 現状、十数体いたグレーターラッドたちの数は五体ほどになっており、その後ろの親玉二体を含めると、後七体倒さなければならない。

 

「チュ~~~~~!!」

「「「チュ~!!」」」

 

 後ろにいるのは司令塔なのだろう。一回り大きな個体が鳴き声をあげるとそれに呼応するようにグレーターラッドたちが鳴き声を上げて、ボルテージを上げている。さて、その隙に二体の鑑定をしよう。

 まず、一回り大きな個体。

 

 CN―Lv26/100 Race:グレーラッドLv10/50 Rank:2

 HP 2757/2757 MP 2145/2145 SP 2330/2330

 STR 94 VIT 110

 INT 124 RES 134

 AGI 122 DEX 126

 

 続いて一回り小さな個体。

 

 CN―Lv26/100 Race:スモッグラッドLv13/30 Rank:2

 HP 1550/1801 MP 1621/1773 SP 1018/1018

 STR 75 VIT 97

 INT 106 RES 110

 AGI 104 DEX 92

 

「先に小さい方を倒そう!!範囲魔法のスキルクールが開け次第グレーターラッドを討伐!!」

「うん。分かったよ。」

 

 250ダメージ。あと6~7発当てれば倒せるし、HPが低い方を狙うのは当然だな。魔法を扱うって言うことも厄介であるし。

 まずはグレーターラッドを討伐しきって、数的有利を取りつつ一体ずつ削っていければ問題ないな。

 

「“チュ~“、”チュ~“」

「“ライトカッター”、“ライトブロー”。」

「“ダークカッター”、“ダークアロー”。」

「“ぷるぷる”、“ぷるぷる“」

 

 ちっ、魔法が鬱陶しいなあ。それに意外とグレーターラッドがチクチクとダメージ当たる。大体俺がダメージ庇えているから、特に大きな問題にはならないだろうけどな。

 

 CNイリア=ローズベルLv20/100 Rank:3

 Race:光天族Lv8/30 Job:神官Lv21/30 村人ALv18/50

 HP 1812/2274 MP 1920/2234 SP 2173/2173

 STR 105 VIT 101

 INT 114 RES 143

 AGI 123 DEX 136

 

 うん。全然余裕だな。これなら負けることはないだろう。このままガンガン攻めて行こう。

 

「“ぷるぷる”」

「“ライトアロー”。」

「“ダークブロー”。」

 

 よし、これでグレーターラッドとスラッグラッドの討伐は完了だ。あと残るのはグレーラッドだけだな。後は順当に戦えばいいだけなので、苦戦することはない。

 

 

 

 よし。討伐完了。結局グレーターラッド十六体とグレーラッド一体、スラッグラッド一体の群れだったようだ。討伐数も多いし、経験値・ドロップ共に美味しいか?どうだ?

 鼠の牙(下級)が1個と鼠の魔石(下級)が三個、鼠の牙(中級)が一個。まぁ、十八体倒して五個なら悪くはないか。

 

「無事討伐できたね。」

「ああ、まさかこんな風に襲われるとは思っていなかったけどね。」

「スラちゃんも大活躍だったね。今度、マナポーションあげるね。」

 

 ……え。スラちゃんにマナポーションあげてるの?もしかしてスラちゃんの好物だと思っているのだろうか。単純にレベル上げのMPを与えるのに効率がいいってだけだったんだけど。

 まぁ、気づいてなくてもいいか。スラちゃんが強くなってくれればありがたいし。

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