連鎖の復讐 ~性犯罪の濡れ衣を着せてきた黒幕が30人って何~ 作:冴木甲士
体育祭の当日、
とある半グレ集団の構成員であることを隠して高校生活を送っている佐藤は、その立場を利用して宮澤に徹底的な恐怖を植え付け、隷属させていた。
その一環として自分の手を汚さず小泉の名誉を棄損することに一時成功していた。
さらには宮澤に適宜隠しカメラを校内へ設置させ、女子生徒への盗撮まで行わせていた。
その写真は所属する半グレ集団へと流通・販売することで利益を上げていた。
しかし、その宮澤が退学となり、挙句警察に御用となった。
罪状は奴が手先として使っていた菅への暴行未遂らしく、幸い盗撮の件にまで手が及んでいないらしい。
もし盗撮の件を追及されても、もし佐藤達の関与を供述したら
だから宮澤が自分達のことをバラす心配はないだろう。
宮澤との結び付きに関する証拠も念のため全部消去済みだ。
その代わり、盗撮用のカメラについては自身で設置しなくてはならなくなった。
証拠発覚を恐れ、宮澤にカメラの設置だけでなく回収までこまめにさせていたのが裏目に出た。
何とか人目を忍んで狙いの場所にカメラを仕掛けてきたが、ここまで心臓をバクバクさせることになるとは。
自分達に反抗して宮澤を退学させた小泉と菅はもちろんのこと、奴らにあっさりハメられた結果自分にこんな手間を掛けさせた宮澤までも、佐藤は恨んだ。
そして、その小泉の件が佐藤にとってもう一つの問題だった。
佐藤の所属する半グレ集団における先輩から、小泉という奴を犯罪者にでもして陥れてこい、という命令を受けたときは不思議に思ったものだった。
今でもその理由は不明だが、先輩の命令に逆らうわけもなくさしあたって自分の奴隷である宮澤へ丸投げした。
宮澤は菅を利用して小泉をレイプ魔に仕立て上げたらしく、そこまではよかった。
問題は小泉が反撃に出てからだった。
奴は菅の弱みでも握ったのか菅に冤罪のネタバラシをさせた。
さらには菅と通じて、宮澤を退学および逮捕に追い込んだ。
その結果、佐藤は学校で使える奴隷を失ったことにより、先の盗撮も含め自分がある程度直接動かざるを得なくなった。
こうなれば先輩からの命令の遂行は一からやり直しとなる。
とはいえみずからの手で小泉を再び犯罪者に仕立てるのは現状いろいろとリスキーだ。
となると校内で宮澤に代わる新しい奴隷でも調達してソイツにまた丸投げする、とした方が佐藤にとって都合がいい。
気掛かりは先輩への言い訳だが……多少ヤキを入れられることになっても何とかそれで通すしかない。
今の状況の苦々しさに佐藤は頭をボリボリと掻いて気を紛らわせた。
(さて、そろそろ頃合いか)
と佐藤は女性更衣室へ向かう。
普段は運動部員が使っているが、本日の体育祭では主に応援団が使用している。
本日小型カメラを仕掛けたのはこの部屋であり、バレる前にさっさと回収する必要があった。
怪しまれないよう自身が出場する種目はそつなく参加し、一番都合の良いタイミングが今ぐらいしかないだけに、佐藤は足を速めた。
そんなところを、
「おう、どうした。こんな時間にお着替えか?」
という男子の声がするものだから佐藤は心臓の跳ねる感じがした。
反射的に振り返ると、そこにはペットボトルを持った小泉。
そして、面識のない小さな女子が立っていた。
カクヨム
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