メガテンⅢセーブ縛り変態日記(真)   作:マキシマムとと

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11修羅と捕われた囚人

 

 オセを倒した後、俺達はイケブクロに帰還。

 

 

 ナイトメア・システムの発動により街の様相は様変わりしていた。

 いつもは酒に悪酔いしてゲロを吐いていたモムノフが地に倒れ、小刻みに痙攣して口からマガツヒを垂れ流し、路地裏にはいつもカサカサと不気味に踊っていたヤカーの片脚だけが残されて。

 

 ゲロではなく血が。

 暴力ではなく終焉の臭いが。

 街を支配していた。

 

 「畜生…チカラが…マガツヒが、抜ける……」

 

 陽気なオニのアンチャンが地に這いつくばり、自分から溢れる落ちるマガツヒを舌で必死に舐めて。

 

 「なんで…なんでこんな……」

 

 片目を無くしたネコマタがイヌガミの死骸を貪り、本営から逃げ出したマネカタが意図せず床に転がっていたランタンの頭を蹴り飛ばす。

 

 地獄のような光景が辺り一面に広がっていた。

 

 「ひどいよ…」

 

 知っていた俺は別として、相棒は強いショックを受けていた。

 

 「戻るか?」

 

 「…ダメ。ちゃんと…見る」

 

 こういう時、相棒の強さを眩く思う。

 マガツヒの消失により半狂乱になったマントラの悪魔を押し退けて本営ビルに辿り着く。

 

 「やっぱり、来たね」

 

 そこに待っていたのはチアキさんだった。

 外界の穢れとは隔絶した佇まい。

 愚かで、傲慢で、乙女のように夢見る思想。

 

 不要な物を廃した世界。

 優秀な者を選び、必要な物、完全なる質だけで再構築される理想郷───【ヨスガ】───。

 

 「号鬼くんならわかってくれるよね」

 

 その問い掛けに、俺は首を振って(・・・・・)応えた。

 

 「わかってくれて嬉しい!」

 

 愚かな少女。

 その叶わぬ願いをあえて肯定する。

 

 ………俺の【コトワリ】を叶えるために。

 

 

 ◆

 

 

 「マガツヒ吐きそう…」

 

 地獄と化したイケブクロに辿り着きマントラ本営の玄関口でチアキさんのコトワリの芽生えを見送った後、俺はイサムと会話し、ゴズテンノウの最期を見届け、トールの旅立ちを見送った。

 

 何というか、イベントが密である。

 コロナ禍だったら許されない過密スケジュール。

 しかも街には魔人の影があるとの事。

 

 肉体と精神の疲弊を癒やすため、俺はまた回復の泉を訪れていた。

 身体を洗い、サウナに篭り、水風呂で一気に引き締めて外気浴にて頭を溶かす。

 

 そのサイクルを繰り返し、ある程度気持ちが回復して来た頃を見計らったかのように『ぽにん』と相棒が俺の背に柔らかな胸のお肉を押し付けて、耳元でそっと囁いた。

 

 「あの娘…」

 

 相棒の言葉にゆっくりと頷く。

 

 「もし、助けられたら…とか。バカだよな」

 

 所詮、俺の中にあるのはゲームの知識だ。

 それを改めて認識した。

 

 チアキもイサムも、完全に手遅れ…いや、最初からか。

 ゴズテンノウに出会い、悪魔として成長したからこそ気付けた。彼らにねっとりと纏わり付く神霊の気配に。

 

 ゲームだから。

 エンディングの選択肢を担うキャラクターだから。

 だから、死なないのは当たり前(・・・・・・・・・・)

 

 ゲームだったら、そうなのかも知れない。

 雑な理由で済まされるのかも知れない。

 

 けれど、この世界には理由がある。

 ゴズテンノウの前に俺はただ一人で挑んだ。

 それは彼の神の霊圧に普通の悪魔が耐えられなかったから…そのように、ただの人間でしかないチアキやイサムが、このアホみたいな難易度のボルテクス界をお洋服に汚れ一つ付けず悠々と生き残った事にも、理由があった。

 

 「養殖…いや、マッチポンプ…同じか。アレを見た後だと選択肢を残してくれてる閣下の優しさが身に染みるわな…」

 

 チアキもイサムも。

 彼らは最初から悪魔(あえて神を悪魔と呼ぶ)の操り人形として生かされている。

 彼らの苦痛も、苦悩も、絶望も、その果に見出した真理も。その全てが悪魔の掌の上。

 

 ゴズテンノウに抗う事の出来なかった俺に、何が出来ると言うのか。

 

 下手に手を出せば消される。

 アレだけの圧を振り撒かれてはどうしようもない。

 

 「号鬼………」

 

 あの気配を思い出したのか、相棒の腕が微かに震える。

 

 「大丈夫…俺達は弱い。けど、前よりは間違いなく強くなってる。今よりももっと、神よりももっと強くなって。そして───」

 

 ───そして。

 

 その先は喋らない。

 この世界を、生き抜くために。

 

 「…とりあえず魔人、倒してみるか」

 

 「だ、ダイソージョー…だね! 前に号鬼がライドウくんと勘違いしたヤツ!」

 

 「うぐ…そ、そうだ。つまり対策はわかってる相手だって事、負ける要素はゼロだッ!!」

 

 「ホントかな〜?」

 

 「ホントホントー人修羅ウソつかないネー!」

 

 「え〜でも、こないだインキュバスとオセと間違えたじゃん」

 

 「アレはオチンポもっこり悪魔だから混同しちゃっただけアルヨーアルヨアルヨ〜!」

 

 「もっこりとか言わないの、えい☆」

 

 「ぐふぁッ!?」

 

 どこをどのくらいの勢いで「えい☆」されたのかの記述は避ける。

 ただ俺はそれからしばらくは相棒と一緒に温泉に入る事が無かった…とだけ伝えておこう。

 

 無事にダイソウジョウを下した俺達。

 3体目の魔人はおそらくペイルライダー。あれを突破すればカブキチョウへと辿り着くだろう。

 

 今日もボルテクスには残酷な風が吹く。

 人も悪魔も、何もかもを飲み込んで。

 

 

 

 

 ◆真◆・◆女◆神◆転◆生◆Ⅲ◆

 

 

 

 

 2066.8.12

 

 

 合体事故はクソ。

 

 いろいろと計画が台無しになったりしつつ、1日ぶりにメガテンを再開する。

 

 一応、対ライダー戦を主眼に揃えたのは以下の悪魔。

 

 ・オルトロス(火炎吸収アタッカー)

 ・スザク(バフ・デバフ要員)

 ・ヴァルキリー(回復・バフ要員)

 

 ………なのだが。

 よくよく考えたら全体回復を誰にも持たせて無かったのと、魔人を無視して進める事実が発覚した結果、別に無理して戦う必要も無いんじゃね?

 となった為スルーして現在カブキチョウ・ナウ。

 

 ここではオルトロスくん役に立たんのよな。

 サクサクッと合体材料にしてミズチを召喚。

 すまんなオルちゃん。

 今回は実利重視なんや。

 ゲーム上のマスクステータス補正で死ぬほど状態異常に弱い駄犬を連れて歩く余裕は無いんや…。

 

 

 

 つーかレベル高ぇよな俺。

 

 昔の記憶ではここに来る時にはレベル30前後。入り口付近で嫌々レベリングしてレベル34のオルトロスを召喚してた記憶がある。

 まぁ…その頃は周回プレイで低レベル攻略出来るように悪魔全書に必要なスキルを持った悪魔を登録してたから出来た芸当で、それを基準にしたらダメっちゃーダメなんやが。 カブキチョウ到着現在で俺の号鬼くん、レベル37なんよ。

 明らかに高い気がする。

 

 あ…話は変わるんやが、37で覚えた勝利の息吹とヒートウェーブの組み合わせが素晴らしくてな?

 『戦闘後にいちいち回復しなくて良い』これがどれ程ストレスケアに貢献してくれているか。

 MP消費無しで全体物理を連発とかもぉ最高。

 サラスヴァティの具足も放電もマハザンマもディアラマも、ヤベーほど便利やし、探索もボス戦も本当に楽になった。これには残り少ないジジイの毛根もニッコリやで。

 

 そう言えばステータスの『速』が上がってきた影響がモロに出てるのかミスも起こし辛い………つーか、絶対無印時代と命中判定変わってるやんな? 基本的にミスが出にくくなったの…かな??

 (そうでもないか?)

 

 なんにせよ戦闘が楽なのは良い事だ。

 ガンガン行こうぜ!!

 

 

 VSミズチ戦……は、特に言うことも無い。

 

 静天揃えてラクカジャとスクカジャとタルカジャして補強、雄叫びで劣化させればまず落ちることは無いしなー。

 ただ使ったからこそ思ったんやが、やっぱこの辺からタルカジャも必用になるんやろねー。タルカジャ継承済みの味方ミズチくんが良い仕事してたわ。

 

 その後はフトミミとイサムくんとの会話もイベントを消化して終了。次はギンザに行けとの事。

 なんかあったっけかな………?

 

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