「んぉー、ま〜た宝箱だよチクショウがぁ…!」
俺はオベリスクの塔を登っていた。
登って、地図を埋めて、ギミックを解除して、魔法の宝箱の前で反復横跳びをし続ける。
「ほらほらー足が上がってないよ〜www」
目立たないようにお座りをした相棒が目を細める。
「相棒が…ハッ…ッフ……楽しそうでッ…何よりダッ…うぐオォォ!!」
俺も色々試した。
カグツチ齢を進めるために宝箱の周囲をぐるぐる回ったり、箱の前でタップダンスを踊ってみたり、あえて相棒を称える歌を歌ってみたり、それはもう色々なことを試した。
その結果、一番敵の悪魔を牽制しつつカグツチを進めることができる動作が判明し、それこそが今俺が熱中してる反復横跳びだったという、ただそれだけの悲しい事情がココにあった。
「ハァ…ハァ……はぐぉ…」
悪魔にスタミナの概念はないとか言ったバカは誰だ→俺なんだよなぁ。
プルプルと震える大腿筋にエールを送りつつ、背後から近寄ってきた悪魔の群れを迎え撃つ。
…そんなこんなを繰り返しながら塔を登り、パーティーのMPが限界を越えるギリギリのラインを見極めてSターミナルを活用してアサクサに舞い戻る。
風呂に入って、リフレッシュして、また最初から塔を登る。ただそれを繰り返す毎日だった。
「ん〜…そろそろレベル上りそうだし、とりあえずアナテマにしてみっかなー?」
首の後ろがムズムズするのがレベルアップのサイン。
ゲームと同じくレベルアップ時に食っていたマガタマの性能が引き出される仕様上、永遠に安牌のマガタマを装着する事は出来ない。
少し危険を犯してでも新しい能力の獲得に励まなくては後々重いツケを払わなくてはならなくなるからだ。
(単純にマガタマのスキルコンプリートしたい欲もある)
「こーゆー時に限ってサキュバスくるよねー?」
「だな〜。もし俺が寝たら叩いた起こしてな?」
「敵が見逃してくれたらねー」
そんなやり取りを重ね、悪運に恵まれながら一歩…また一歩と塔を登っては振り出しに戻り。
戻って進んで、また戻ってを軽く5回は繰り返したと思う。
運命の女神だかなんだか知らんが、普通にウザい女悪魔達を蹴散らしてオベリスクの最上階へ登り詰めた。
「───きっとキミが助けてくれると思ってた」
確か…ユウコ先生、だったか?
ココで出会うことは覚えていたが、この後この人がどうなったかの記憶がない。
なんか希望がどうとか世界にパワーを取り戻すとか、調子の良いことばっかり言って自分では何もしないカス女というイメージだけが残っている。
なんと言うか…宗教の勧誘?
その手の人に似てる臭いがするんだわ。
相手のためにって言う体で自分の独り語りに没頭してるあの気色の悪い感じ。
なんでこんなふらっふらになるまで体を酷使した後で電波女の宗教トークを受けねばならんねん…と。
腹が立ったので強めのデコピンを御見舞しようとした所で異邦の
俺はついにオベリスクの塔を攻略したのであった。
◆真◆・◆女◆神◆転◆生◆Ⅲ◆
2066.8.14
オベリスク攻略後。
そう言えば少し前にアマラ深界に行った時。
その時は直前にアサクサでマガタマを買ってたせいで金がなくて手が出せなかったのだが、闇のブローカーなる赤紫の幽霊が15.000マッカでお役立ち悪魔を売ってくれる、と言う話を思い出した。
オベリスクを攻略した事で資金に余裕はある。
試しに寄ってみた所欲しかったエストマ(敵の出現抑制)とリベラマ・ライトマ・リフトマ、その他諸々を完備したピシャーチャ君を譲ってもらえた。
これはデカイ………オベリスク前にゲット出来てたら…良かったのにね………??
(血涙)
アサクサの北が復興したらしいが、うろつくのが面倒なので今日は無視。
アマラ経絡に行ってストーリーを進めましょうかね。
◇
アマラ経絡(セカンドステージ)
最初に出て来た悪魔がエアロスとアーシーズだったので先ほど手に入れたピシャーちゃんのエストマを使用。
レギオンがたま〜に来るくらいで道中は快適。
こ〜ゆ〜ので良いんだよ…わかるかいアトラス。
そんな訳で早々に。
VSスペクター(セカンドステージ)
今回は敵さん合体無し。
デクンダは使ってくるけど、ラクカジャとスクカジャを重ねとけば何とかなる。
通路の途中で出てくるから静天を使えなかった………と、言うか。そろそろ静天卒業の時期なのかも知れん。
コイツに合体能力が残ってたらヤバかったと思うが、この程度ならまだ余裕がある。
(初戦の頃の鬼畜さと言ったらオマエ…アトラスお前)
イサムくん面会の前にアライメントチェック。
人間ってのは独りで生きれるように出来とらんのよ。若い子故の過ちってヤツ。
お前、木の股から産まれたんけ?
自分だけの世界を〜とか言いながら身体に他人の顔面貼り付けてるのが悲しい。
なんにせよ、これで次に進める。
◇
この後の本命はアサクサ探索なのだが、ハイウェイの魔人が気になったので行ってみた。
出現時期から逆算すれば適正レベルを大幅にオーバーしてる事は間違いないだろうし、それなら多少敵の手の内がわからなくてもレベル差でゴリ押し可能…と判断したんやね。
VSヘルズエンジェル
ずっとペイルライダーペイルライダー言ってたけどヘルズエンジェルの事を間違えてペイルライダーって呼んでたんやね。俺の頭の中ではガイコツライダーの姿は浮かんでたんやで? ただその名前を間違えて覚えてたってだけで。
ヘルズエンジェル…ヘルズエンジェルな。
ⅤⅤでは仲魔にした記憶もあるんやがなぁ…。
メモ:デクンダと特殊デカジャ持ち。
反応は早い、両方とも1デで反応するのでレベル差ゴリ押しか静天殴りが有効。
必要な耐性は物理・衝撃・火炎かなぁ?
あの時余裕こいて対戦してたら死んでたと思う。
なんか俺の嗅覚鋭くなってね?
サス俺。
ヘルズエンジェルを討伐したノリでイケブクロ坑道の鬼退治を開始した。
VSキンキ
硬かったイメージはあったのだが、想定の倍は硬かった。殴りダメクリティカルで10とか言う鼻くそレベル。
魔法はザコ掃討用しか持ってないので火力は出ないのに消費MPは多い。なので…最初の1ターンで泥仕合を確信。
それから15分くらいは殴り合いしたかなー。
俺の記憶の劣化具合に泣きそうになった。
単体ダイン系とか持っとけば…もしくはマカカジャ。普段が物理で勝てるから余計になぁ?
はー…疲れた。
(ソーマの雫1 消費)
VSスイキ
そもそも論として。
なんで俺はこんな無駄な事をしているのだろうか。
マガタマなんてあっても無くてもゲームはクリア出来るのにな? まぁ一種の病気やんな。
エリクサー症候群とか、マップ踏破病とか。
RPGを楽しみたいって気持ちがあるのはプレイヤーとしては当然だとは思うんよね。
けどさ…今って縛りプレイの最中なんよね?
このクソみたいな運ゲーで死んだら終わりって言うアホみたいな縛りを自分から用意して自分から立ち向かってるんだよね?
………アホなの?
俺は…ガキの頃から変わらない。
アホなんだ。
それを今日。
思い出しました。
死んだ…。
12週目。
死んだ……。