メガテンⅢセーブ縛り変態日記(真)   作:マキシマムとと

19 / 29
11修羅のお別れと12修羅の再走

 

 「【汝ススミタル鬼スマウ坑道】」

 「【光ワスルルベカラズ】」

 「【影フミニ踊ルコトカナワズ】」

 「【我ナクシ凍ルトキカナラズ】」

 「【道スガラ願ワネバ失ウ】」

 

 

 予言を思い出したのは迫り来る死の直前だった。

 

 ───影フミニ踊ルコトナカワズ───

 

 オベリスクを攻略し、そのついででアマラ経絡のスペクターを退け、イサムと決別した俺は調子に乗っていた。

 

 ハッキリ言ってオベリスクは難所だ。

 あそこを無死で通り抜けた事により、俺は俺のモロさを忘れ、死を恐れる感覚を麻痺させていた。

 

 「俺、イケてる気がする……!!」

 

 ノリノリでヘルズエンジェルを下した俺の頭の中では、のりのりまさのりがノリノリノリノリ言いながら小粋なダンスを踊っており、予言を思い出そうとする俺の全身全霊の努力を無効化していた。

 

 …つまり、まさのりが戦犯。

 

 まさのりは来世で○すとして、あの予言の『影』とはオンギョウキを指していたのだと思う。

 影を踏めない。

 つまり、俺はオンギョウキと対峙すら出来ない。

 

 

 ───我ナクシ凍ルトキカナラズ───

 

 

 筋肉ダルマのキンキを下し、その後に坑道の奥深くで出会ったのは氷の鬼…スイキ。

 

 オベリスクに登るよりもっと前、俺はマガタマを食い間違えてスキル『氷結耐性』を手に入れていた。

 ゲーム上で、普通に遊ぶなら幾らでも上位互換のある微妙なスキルだが、記憶の底で……誰だったか『○○無効』以上の耐性スキルに反応して攻撃パターンを激化させるクソ悪魔が居た事が頭の中に引っかかっており、普通に行くならそんなバケモノと遭遇するハズが無いと理解しながらも氷結耐性を消さずにずっと保持していたのだ。

 

 その効果はそれなりに優秀。

 オベリスクでアラハバキの群れに囲まれてもただ一人平然としていられたのはこのスキルがあったからだ。

 

 だからこそ、俺は油断していた。

 氷結属性(凍結状態付与)の鬼を舐めていた。

 

 スクカジャもラクカジャも、敵に消される可能性を想定し、あえて2回までしか使わなかった。

 雄叫びは使ったかどうかすら覚えていない。

 

 何故なら勝てる勝負だから。

 勝てると…慢心したから。

 

 「属性相性も良いし、こいつ程度ならマガタマのスキル獲得サンドバッグにちょうど良いよなー」

 

 物理耐性も、氷結無効も無いマガタマを食らう。

 それでも勝てる勝負だと思った。

 ボス戦と言う名の作業を熟し、戦力を拡充させるための通過点としてスイキに挑んだ。

 

 「…本当に、大丈夫なの?」

 

 不安げな相棒に、俺はなんと答えたのか。

 

 ヨユーヨユー。

 任せとけ。

 楽勝だって。

 

 そんな軽くて薄っぺらい言葉では無かったか。

 

 【ジィネェエエエエエエ!!】

 

 「あ〜はいはいwww お得意のマハブフーラね? 耐性あるから余裕…う?」

 

 足が動かない。

 インフルでお目覚めした朝のように身体の中心が冷えていく。脚から胴、胸を通り過ぎて両腕にまでその寒気が走り抜け。

 

 「…あ」

 

 命乞いすら出来なかった。

 

 【地獄突き…!!】

 

 ヤバイ…と思った頃には、凍り付いた俺の心臓をスイキの金棒があっさりと撃ち穿いていた。

 

 「号鬼!!」

 

 叫ぶ相棒を尻目に俺は思う。

 

 (あ〜〜〜…また、最初から……か…)と。

 

 また最初から。

 また、最初の頃の相棒(ピクシー)と再会して、フォルネウスを倒して砂漠を抜ける。

 

 何度でも、何度でも。

 この子と一緒に旅を続ける。

 

 ───そう…。

 ───そう信じていた。

 ───過去の奇跡の上に胡座をかいて。

 ───俺はそう。

 ───正真正銘の………。

 

 「あなた……だぁれ??」

 

 ───どうしようもない。

 

 ───バカだった。

 

 

 

 

 

 ◆真◆・◆女◆神◆転◆生◆Ⅲ◆

 

 

 

 

 

 2066.8.14-2

 

 

 地獄の戻し作業が始まった。

 

 明日にしよう、そうは思わなかった。

 何故なら、明日にしたら立ち直れなくなる可能性があるからだ。

 俺はもう若くない。

 時間もない。

 

 見たら11週目のデータはプレイ時間35時間越えだった。

 普通に1日8時間働いてたら1週間で40時間だ。

 それに匹敵する時間をドブに捨てるのがこの縛りプレイの真骨頂な訳だが…な?

 

 普通にキツイ。

 キツイよそりゃキツイって本当にやってんだからキツイに決まってんだろ馬鹿野郎がよぉ………!!

 

 だからこそ、俺は『今日』動かなくてはならんかったんや。

 

 吐き気を堪えて作業を進める。

 イベント戦は運良く突破。

 フォルネウスも砂漠のチンも突破。

 問題のスペクター戦もかなり運良く強引に突破した。

 

 メモ:間違えて静天持ちはリリムだけになってた。ボス戦中に気付いたがアプサラスに付け忘れていたらしい。マガタマはシラヌイしか買わず、それすらボス戦で付け忘れてた。普通に運が悪かったら死んでたが、運が良かったので今までで最低のレベルでクリア出来た。わーい、やったー、うれしー。

 

 死ね。

 

 

 

 

 2066.8.15

 

 

 アマラを最短でクリアした結果、レベル不足で苦しむハメになった。

 (なんだこのクソゲー

 

 狙い目はフォーモリアなのかなぁ…?

 前はほぼレベルが足りていたので眼中に無かったし、バックアタックされた時のリスクを考えて除外していたが全滅のリスクを加味してもこの時点では(ジオを完備していれば)それなりに倒しやすく経験値効率も悪くない。

 

 とりあえず、レベル12から14までレベリング。

 ここから大地下道攻略に移る。

 

 …それにしても足が痛い。

 リアルの肉体の話。

 完治まで1週間はかかるんじゃねーかな。調べたら初期の没入型ゲームでは希にある症状らしい。

 …泣ける。

 

 

 VSトロール。

 

 ダツエ婆ちゃんが出て来ない。

 バイコーンの作成にはオババの協力が必要で…けどもう本当に婆を待つのは無理。

 

 しばく考えた結果今のメンバーでゴリ押しする事にした。

 

 前回の教訓を活かし、早い段階で宝石屋を利用して召喚したアーシーズを育生。ラクカジャを継承したスダマを作ってあるし、シーサーはレベルアップして雄叫びも覚えてる。

 静天だってあるなら………うん。

 

 少し厳しかったがなんとか突破。

 次はマタドール…マタドールかぁ………。

 

 ブロブ君が作れればギリで低レベル狙える…狙えない??

 どちらにしてもまだまだ先は長い。

 死にそう。

 





 ストック切れたのでしばらくおやすみします。
 ある程度溜まったら再開しますぞー☆
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。