ニャーは激怒したにゃ。
必ずあの邪知暴虐の担任を除かねばならぬと決意したにゃ。
ニャーには勉強は分からぬにゃ。ニャーは雄英の生徒にゃ。ヤニを吸い、マンガを読んで暮らしてきたにゃ。
それなのに…それなのに…
「でもやっぱり学校で煙草を吸うのはあかんと思うよ」
「ニャーのヤニが…ニャーのヤニが……」
「よしよし」
ニャーは単純な女だったにゃ。咥えタバコをしたままで、のそのそ下校しようとしたにゃ。たちまちニャーは担任に捕縛されたにゃ。調べられて、ニャーのカバンの中から1カートン出てきたので、騒ぎが大きくなってしまったにゃ。ニャーは職員室に呼び出されたにゃ。
校内禁煙、街頭禁煙という事で目の玉が飛び出すほど怒られてからやっと解放されたにゃ。
でもニャーは諦めないにゃ。圧政と戦って自由を手に入れるにゃ。自由を求めるにゃ、エレンのように。
文句言いながら帰っていると、途中で同級生が帰っているのを発見したにゃ。
あのぽよぽよした感じは……お茶子ちゃんだったかにゃ。
カートン取り上げられた話をしたら、困ったように同意してくれたにゃ。良い子にゃ、今度一緒にヤニすうにゃ。
「ん~それはええかな」
残念にゃ。じゃニャーはクールにそこのコンビニで1カートン買ってくるにゃ。
「いや、制服やし止めといた方がええと思うんよ」
「今朝もコンビニで買おうとしたら通報された上にヒーローに説教されたにゃ。あいつら横暴だにゃ」
「佐藤さん、私らヒーロー科通ってるんよ。それに絶対そのヒーローが正しいと思うわ」
「正論は一番人を傷付けるにゃ。ニャーに必要なのは優しい言葉にゃ」
と帰り道が同じ方向なので色々お互いの事を話しながら歩いていると
「おや、アレはもじゃもじゃとメガネじゃないかにゃ」
「緑谷君と飯田君やね。おーい」
「む。君たちは君は∞女子に喫煙女子」
「麗日お茶子です!」
「佐藤ヤニ子にゃ。にゃ~やっぱそこのコンビニで煙草買ってきていいにゃ?」
「あかんよ。帰るまで我慢しよ、ね」
「何と言うか、麗日君も大変だね……僕たちは…」
「あ、えっと飯田天哉くんに緑谷……デクくん…だったよね」
「デクって変わった名前にゃ」
そう言うともじゃもじゃの顔がちょっと曇ったにゃ。
「えっと、本名は緑谷出久って言うんだ。デクっていうのはかっちゃんが…その…バカにして…」
「蔑称なのか」
「ご、ごめん」
お茶子ちゃんは困った顔をしたけど、それでもパッと花が咲いたような笑顔を向けて
「でも『デク』って……頑張れ!って感じで、なんか好きだな」
「デクです」
前世でキャバクラでスーツ褒められたおっさんと同じような顔してるにゃ。お茶子ちゃん大丈夫にゃ?女性慣れしてないのは思い込むといざという時の行動力凄いにゃよ。
その後コペリさんとかいうメリケンの話してたけど、ニャーはヤニが切れてそれどころではなかったにゃ。
「あ、そうだ」
そんな雑談を終えてもじゃもじゃは真面目な視線をこちらに向けて
「僕、佐藤さんにお礼を言わなきゃ」
と、唐突にわけのわからない事を言い出したにゃ。にゃ?シケモクでも奢ったかにゃ?
「もう覚えていないかもしれないけど、昔佐藤さんと病院で会った事があって…」
と昔病院で会った事を話し出したにゃ。
病院にゃあ?正直あの時は喫煙をどう誤魔化すかで、誰とどんな話したのか覚えてないにゃ。
それでもお茶子ちゃんとメガネは感心したようで
「いい話じゃないか。諦めない事を教えてくれる」
「うん、うちも感動しちゃった。それに『僕は 「自分を信じている」もん。自分を信じて『夢』を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!』かぁ。良い言葉やね」
二人がベタ褒めするので、もう少し詳しく教えてあげるにゃ。もっと感動するといいにゃ。
「にゃはは~いい言葉にゃ。それにそれ言った人は諦めずに初恋の人に相手の迷惑も顧みず何度もアタックし続けたあげく、彼女が別の男とくっ付くと世界破壊しようとした偉人にゃ」
ニャーが司令の事を詳しく話してあげると、何故か三人の表情がどんどん暗くなってきたにゃ。にゃぜ?
「な、なあ…その諦めないの意味って」
「それってストーカーがヤケクソになって犯罪行為しただけなのでは…」
「ぐ…」
不意にもじゃもじゃが胸を押さえると、膝から崩れ落ちたにゃ。
「ぐ……おおおおおおお」
「緑谷君!!」
「デク君!!」
にゃ???
という事があったのは昨日にゃ。今日もニャーは元気に登校したにゃ。
ん?なんか門の前が騒がしいにゃ。
「ではここでオールマイトが教師になった事について、生徒の反応を聞いてみたいと思います」
とマイクを持った女がうろうろ生徒たちの間をしてたけど、どの生徒にも基本無視されてるにゃ。
ここは一つニャーが期待に応えるとするにゃ。お、ちょうどこちらに来たにゃ。
「すいません。〇〇テレビですけど、オールマ……タバコ!?」
「ニャーに質問するにゃ。なんでも答えるにゃ」
「これ放送していいのかな?で、ではオールマイトが教師になったわけですが、彼はどのような授業を…」
「知らんにゃ。それよりこの学校酷いのにゃ。校内禁煙とか言ってニャーのヤニ取り上げようとするのにゃ。」
「そ、それは当然では?そ、それよりオールマイトの授業は…」
「あんな全身タイツどうでもいいにゃ。それよりヤニ奢ってくれたらマスコミ受けする答えしたげるにゃ」
「い、一旦スタジオに戻します。現場からは以上でした」
「ヤニくれたら雄英の事なんでも喋るにゃ。実はプレゼント・マイクがドルオタだった……にゃふ!!」
残念ながらそこで担任に取り押さえられてしまったにゃ。
ただ捕縛布でぐるぐる巻きにするのはやり過ぎじゃにゃいか?
担任に連行されて教室に入ったけど、何か様子がおかしいにゃ。
お茶子ちゃんとメガネは何かもじゃもじゃに気を使って話しかけてるし、当のもじゃもじゃは一見普通だけど妙に目が荒んでるにゃ。やさぐれたような雰囲気も漂わせてるし。
便秘かにゃ?
「朝会を始める。佐藤は煙草を捨てろ、後放課後職員室まで来るように」
横暴にゃ。
その後授業を適当に受けつつ、他の生徒に担任の横暴さを訴えたけど誰も賛同してくれなかったにゃ。
というかこの後オーチマイトの授業があるというのでそれどころじゃなかったにゃ。
みんなそわそわして浮ついてるにゃ。ニャーだけはしっかりしないとにゃ。
オールマイトっていうのはアレだにゃ。青と白の全身タイツを着たガチムチだにゃ。てっきり芸人さんかと思ってたらヒーローだったらしいにゃ。
ニャーはてっきり髙羽の亜種かと……。トラックでヴィラン轢いたりしないのにゃ。
この時点でニャーの興味は薄れたのにゃが、他のみんなは妙に興奮気味にゃ。
そんなこんなしているうちにチャイムが鳴ったにゃ。
「私が来た」
「本当にオールマイトだ」
「すごい。銀時代のコスチュームだ」
上半身赤で下半身青の全身タイツ。やっぱコイツ芸人にゃ。しかも髙羽みたいに振り切れてない時点で、テレが捨てきれていない三流にゃ。
ニャーはお笑いにうるさい女にゃ。
そうこうしているうちに生徒たちもコスチュームに着替えるように指示が出て、みんな目をキラキラさせて出て行ったにゃ。
ニャーも行くかにゃ。と欠伸を一つしたところで残っていたオールマイトが声をかけてきたにゃ。
「佐藤少女。急がなくていいのかい」
「あ、コスチュームに着替えるのを忘れてたにゃ」
一瞬で衣装を変化させて、これでいいにゃ。
「それじゃ行くにゃ~」
「さ、佐藤少女。本当にそれでいいのかい?」
「問題ないにゃ。これが一番動きやすいにゃ」
ニャーが選んだのはいつもの格好にゃ。
伸びきったTシャツに下半身はスウェット。靴は黄色のクロッ〇スにゃ。
やっぱりこの格好が一番にゃ。
「せ、せっかくヒーローになったんだし、もう少し格好いいとかかわいい恰好したいとかはないのかな」
「面倒にゃ。ニャーは普段着が一番にゃ」
これがジェネレーションギャップ。とか何かショックを受けたようなガチムチを残してニャーは教室を出たにゃ。
芸人、漫才師も昔はスーツがデフォだったらしいけど、最近は普段着みたいなのが多いにゃ。
トップヒーローが全身タイツが正装みたいだし、次世代のヒーローは普段着で行くべきにゃ。
「あら佐藤さん、相変わらず早いですわね」
百ちゃんにゃ。……あれ?
「それ百ちゃんのコスチュームにゃ?」
「そうですけど」
「オールマイトリスペクトにゃ?向こうは全身タイツで露出控えめだけど」
「ろ、露出?こ、個性の関係でこういう格好が都合がいいだけです!!」
「まったくオールマイトにもこの潔さ見習って欲しいにゃ。高羽とは言わないけど百ちゃんの半分くらいは目指して欲しいにゃ」
「高羽って誰ですの?」
「伝説の芸人にゃ。それよりいいのかにゃ?ブドウが百ちゃんやお茶子ちゃん食い入るように見つめているにゃ」
教えてあげると慌ててバスタオル創造して羽織ったにゃ。お茶子ちゃんにもあげるの優しいにゃね。
ついでにブドウと金髪は女子をガン見してたけど、ニャーを見るとげんなりした顔になったにゃ。解せぬにゃ。
それにしてもこのクラスの女性陣、露出が激しすぎるにゃ。カエルちゃんとお茶子ちゃんは体のラインがはっきりとわかるスーツにゃ?前世で女性と布団圧縮機のアレ思い出したにゃ。透明な子に至ってはほとんど全裸にゃ。墨汁掛けたりしたらえらい事になりそうにゃ。ブドウには秘密にゃ。
後もじゃもじゃは相変わらず黄昏ていて、オールマイトが妙に心配そうに見てたにゃ。
やっぱりガチムチはオタクっぽいのが好みにゃのかね?
そう百ちゃんやピンクに言ったら、妙に目をキラキラ輝かせて反応してきたにゃ。なんか怖いにゃ。
そしてみんな揃ったところで、オールマイトが説明始めたにゃ。
なんかヒーローとヴィランに分かれて対戦するらしいにゃ。
核がどうのこうの言ってたにゃが、この世界はそんなものがそこらに落ちてるのかにゃ。もはや個性云々じゃない気がするのにゃが。
まあそんな事はどうでもいいにゃが、ニャーはニャーで気になっていた事を聞くにゃ。
「それで負けた方は除籍かにゃ?」
ニャーが疑問に思ったことを口に出すと、みんな一瞬で静まり返ったにゃ。
みんな青ざめた顔でオールマイトを注目してるし、オールマイトはオールマイトで何かこう、想像外の出来事が起こったみたいな唖然とした顔してるにゃ。
トイレでも行きたくなったのかにゃ?
「ま、負けたからと言ってじょ、除籍とかしないよ。だからみんなそれぞれの力をふりしぼって…」
「ニャー賢いから知ってるにゃ。合理的虚偽にゃ。流石トップヒーローにゃ。ここでクラスの半分を振るい落とすつもりにゃ」
「(あ、相澤くーーーーーーん)。と、とにかく私の授業じゃ除籍とか無しだから、で、ではみんなクジを引いて」
オールマイトがキョドっているにゃ。やっぱり新米教師だから慣れてないのにゃ。
みんなニャーみたいな大人しい生徒ばかりじゃないのににゃ。
さて、それではクラスの半分が消える人生のデスゲームの始まりにゃ。
【没ネタ供養所】
デク 「「個性」のない人間でも……あなたみたいになれますか?」
オールマイト 「はい!なれますよ」(ニコニコ)
トガヒミコ 「クククク…血はビタミン ミネラル タンパク質 そして塩分が含まれている完全食だァ」
観客 「いけー、NO.2の息子ーーーーー!!」