皇帝に成りたくない男の不本意奴隷ハーレム   作:サイリウム

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16:洗濯って重労働ですよね

 

え~、と言うわけで。

 

新たな奴隷こと、エルフのリシエラさんを雇用することになりました。

 

 

(いや明らかにヤバそうな人でしたし、可能ならお断りしたかったんですよ?)

 

 

ただこちらが求める能力を全て持っており、少なくとも表面上は問題なし。

 

ライカは勿論、私とも相性がいいというか。合わせてくれるような人が、彼女でした。エルフというどう足掻いても人間を恨んでいるだろう存在だったので、こっちとしては色々怖くてお断りしたかったんですケド……。

 

既にライカの頭の中では、リシエラさんが加入することは決定事項。そして値段を理由に断ろうにも、彼女は確実に『両親が皇位継承戦に活用できると判断する』人材。帝国成立以前の事情を把握しており、知識奴隷だけでなく、戦闘奴隷としての能力も持っている。つまり私のブレイン候補であり、護衛にも成れるわけだ。

 

幾ら高くても、他に奪われる可能性を考えれば買うしかない。

 

というか隠れてる母直属なのに私についてた護衛さんが、隠れながら財布。正確に言うならば金貨袋を複数投げてきたから、買う以外の選択肢がなかった。

 

 

(う~ん、逃げ道がない。)

 

 

まぁそんなわけで、それまでのネガティブな感情は一切顔に出さず、雇用契約を締結。無事ウチにお迎えすることになったわけです。

 

後はそのまま家に帰るだけだったんですが……。

 

ライカの時にやったのに、彼女の時に歓迎会をしないのは大問題。リシエラさんから色々と聞き出し、好物であるという野菜類やキノコを購入。野菜を見て文句を言い始めたライカの為に肉類も購入した後、家に帰ってきたってワケです。

 

んで、いつものように食事の準備をしてたんですが……。

 

 

「ちょ、ちょっと待って!? もしかしてご主人様が料理するの!?」

 

「え、えぇ。そうですが。」

 

「いつもうまいぞ? 野菜多いのは嫌だけど。」

 

「あ、そうなの。なら安心……。じゃなくてッ! なんでライカちゃん普通に食卓に座っちゃってるの!? 私達奴隷よ!?!?!?」

 

 

叫ぶリシエラさんに対し、何で怒られているのか解っていないライカに、心当たりは有るので頬を掻いて誤魔化す私。

 

あ、リシエラさんも私のこと好きに呼んでいいですからね? さすがに他の人の目がある時は控えて欲しいですが、敬語は好みませんし、むしろ呼び捨ての方がウェルカムというか。上下関係作りたくないというか。そんな感じです。

 

 

(……まぁ他の所じゃありえないだろうしねぇ。)

 

 

彼女が叫んじゃう理由も、理解できる。

 

私が好きにしてもらっているのもあると思うが、ライカは基本。食事の用意を手伝うことは無い。というか、家事をしない。

 

食器の用意などをお願いすればしてくれるが、基本的に何故か食卓に座ってじっと待っていることが多い。まぁそういうのが可愛らしいってところもあるし、肉類を焼いてる時の匂いを嗅いでニコニコしている時は眺めていて非常に微笑ましいのだ。

 

此方としては変にペコペコされるのは困るし、自由に好き勝手してくれる方がいい。

 

そもそも私自身、料理を始めとした家事に抵抗はないタイプなのだ。むしろ毎日喜んで元気よく食べてくれる彼女の存在にはありがたさしかない。やっぱり食べてくれる人がいると作りがいが出てくるもんなんですねぇ。

 

 

「まぁ流石に自分の分の洗濯はして欲しいんですけど……。」

 

「……あ!」

 

「ラ~イ~カ~ちゃ~ん?????」

 

 

何かを思い出したライカと、彼女の名前を呼びながら結構ブチ切れてるリシエラさん。

 

うん。まぁライカには、家の中でくらいは自由に過ごして欲しいという気持ちがある。外に出れば奴隷として振舞わなければいけないし、ダンジョンでは彼女が主戦力。というか私というお荷物を抱えながら戦ってくれるのだ。日常生活における雑務程度、私が引き受けるべきだろう。

 

何せ普段は鍛錬してるので時間が無いし、攻略後は疲労でクタクタ。ライカが家事をしている暇なんてない、むしろ家事するよりも鍛錬して強く成ってくれた方が私としても助かる。

 

というか彼女の性格的に、世話焼いてあげた方が好感度稼げるだろうな~ってのもありまして。ということで掃除洗濯炊事、家の管理は大体私が全部一人で回していました。

 

 

(けど問題が、幾つか。)

 

 

さ、流石に洗濯はね。い、色々辛く、そして気まずいものがありまして。

 

あとプライベートな場所のね? 彼女の自室に掃除目的とはいえ、勝手に入るべきじゃないってのもあって。あれから一度も清掃出来てないんですよね。彼女がこう、自分から掃除する様なタイプじゃないのはわかってるので、汚れてないかちょっと心配で……。

 

 

「ご、ごめんご主人! 忘れてた!」

 

「忘れてた、じゃないでしょうが! 何処に自分の主人に後始末させる奴隷がいますか! こんのお馬鹿! ほ、ほんとごめんなさいねご主人様! ウチの娘がホント失礼なことを! ちょっと農園奴隷生活が長くて、そういうの疎くて! 下着とか色々、大変だったでしょう?」

 

「……あッ!!!」

 

「え、えぇ。まぁ……。」

 

 

何かに気が付き顔が真っ赤になっていくライカと、思わず視線をそらしてしまう私。

 

自身が持つ倫理と価値観、そして森羅万象に誓って変なことはしていませんが……。なんかこう、私が触れていいのかすっごく悩みながら洗わせてもらったんですよね。流石にさ、洗濯籠に纏めて出されてたらさ、洗わない訳にはいかないじゃない。

 

昨日までこの家には2人しかいなかったわけだし、『汚れた洗濯物をここに出したら私が洗っときますよ』って籠に出されているということは『洗って』ということ。わざわざ本人に聞くのも、変に意識してるみたいで嫌だったし。つい理解しているものかと……。

 

 

(奴隷商館での生活って分業制というか、共同生活だっただろうから、自分でやらなきゃって意識が無かったんだろうねぇ、うん。)

 

 

……は、話は変わりますけど! リシエラさん! さっきも言いましたが、別に私のことは様付けしなくていいですからね! 別に呼び捨てでも全然大丈夫なんで! なんかこういうとこで変な上下関係感じさせて、恨まれるとかめっちゃ嫌なので! というか必要ならこっちが様付けするので許してください!

 

 

「あ、そういう。……なら“エド様”? 私もそういう『主従逆転モノ』は大好物でございますが、流石に寝台の上だけにしてくださいませ。じゃないとこの駄犬が勘違いしちゃいますから。だからそういうのは、“今夜”ね♡」

 

「なッ!?!?!? 先輩! 話が違うぞ!!!」

 

「だまらっしゃいッ! 貴女は反省!」

 

「……そ、そういう意味じゃないんだけどなぁ。」

 

 

なんか酷い勘違いをされた気がするが、Wげんこつでグリグリと処されているライカのせいで、色々とうやむやになってしまっている。

 

……と、とりあえず時間かかりそうだし、彼女は年齢も考慮してさん付けで。まだお仕置きも時間がかかりそうだし、ライカの相手はリシエラさんに任せて私はご飯の準備しますね?

 

ライカ用に肉の用意しなきゃだし、彼女が野菜を摂れる様にドレッシングの準備もしないと。後はリシエラさんが好きらしいキノコ類のスープなんだけど、あんまりエルフの好みよく解らないんだよね。……とりあえず前世のノリで何とか出来ないかやってみよう。

 

 

(先輩! アタシが先って言ったじゃないか!)

 

(えぇ、それは理解してるわよ? でも奴隷として仕事しないのは色々と駄目じゃない! いくらご主人様がお優しくても、超えちゃいけないラインがあるのよ!?)

 

(でも多分そういうの、ご主人嫌いだぞ?)

 

(……まぁ確かに、貴女の方が長く一緒にいるから解ることも多いだろうけど。それでも単に下着を洗わせるの色々と駄目じゃない! 自分で自分の世話してないのはもちろん駄目だけど、やるならもっと効率的にしなきゃ! ほら耳貸しなさい! もっといい誘惑方法教えてあげる! 下着にも使い方ってものがあるの!)

 

(ホントか!?)

 

 

小声で話してるせいかちゃんと聞こえないけど、なんかすごい悪寒する。

 

……もしかして今夜は2人がかりで襲撃される奴?

 

いやほんとにそういうの止めてね? マジで。物理的はもちろん、夜的な意味でも。

 

確かにリシエラさんは成人を軽く超えてるけど、それでも受け入れる気は無いのよ。確かになんかこっちを誘惑する様なこと言っていたが、マジで内心何考えてるか解んないのだ。経験値が違い過ぎて『鑑定』で覗き込まない限り、本当に表情から読み取れない。

 

 

(ライカぐらいだったら、何か演技してるなぁぐらいはすぐわかるんだけど……。)

 

 

彼女の場合、800年の蓄積がそうさせるのか。本当に“見た目通り”の情報しか読み取れない。

 

つまり内心で何か大きな感情を隠していたとしても、欠片も解らないのだ。現状、かなり愉快なお母さんというか。娘の彼氏を食べちゃう系のお母さんというか。かなりアダルティな雰囲気を醸し出しておられるが……。

 

普通にそれが、彼女にとっての“生存戦略”な可能性がある。

 

それに人間族がエルフを始めとした他種族に行って来た悪行を考えれば。全て覚えているだろう彼女が『人間族全てに強い恨み』を持っているのは確実だろう。むしろ持っていないと色々おかしい。

 

まぁつまり。ここで関係を受け入れちゃうと奴隷反乱時に『あの時断りませんでしたよね?』とか言いながら刺される可能性が出てくるのだ。

 

 

(生き残るためには、適切な距離感。これ大事。)

 

 

百歩譲って、マジで彼女たちの許諾が取れてたとしても。自身に関係を持つつもりはない。責任を取り切れる自信が無いというのも確かだが、自身の『生存戦略』に問題が出てくるからだ。

 

何せ既に自身は、途轍もなく美人な奴隷を2人抱えている。前世で言うところの『男と女の敵』な状態なのだ。そこに存在するだけで恨みを買われてもおかしくないだろう。つまり傍から見た時に『奴隷に関係を強要した』と見られる行為は、絶対に避けないといけない。

 

じゃないと反乱がおきたとき、『アイツ明らかにヤバい奴だ! 殺せ!』になりかねないからね……。身内がセーフでも、外見が終わってたらアウトってワケ。それまでに田舎に引きこもれたらいいんだけど、いつ崩壊するか解ったもんじゃないからねぇ。

 

 

(まぁあと普通に。どっちかと関係を持った瞬間、なし崩し的に色々ぶっ壊れそうで怖い。)

 

 

ハーレムものって傍から見ると素敵そうですけど、絶対人間関係がヤバいことになると思うんですよ。

 

というか実際。ウチの父親が妻を3人娶ってて、ハーレム作ってるんですけど……。まぁ色々終わってまして。女性同士の関係性が途轍もなく酷いことになってるんです。幼少期からソレに巻き込まれてきた手前、自分がハーレムを作ろうとは思わないというか。作った瞬間アレよりもヤバそうなことになりそうというか。前世の死因みたいに馬乗りにされてメッタ刺しされそうというか……。

 

うん。

 

そういう肉体的な欲が無いわけでは無いですが、自身に人間関係を良好に保ち続けるだけの能力を期待できないし、折角納まって来たトラウマを再発することになりかねない。まぁ色々とダメなんですよ。

 

だったらもう一生童貞でいいやって感じです、はい。

 

ま、まぁ自身としては彼女達みたいな綺麗な方々の語らいを聞いているだけでも十二分に恵まれているというか……。

 

 

 

(な、なるほど! そんな方法が!)

 

(素敵でしょう? でもここぞというときに使わないと効果半減どころか、無意味になっちゃうわ! 今は少しずつ距離を詰めながら、タイミングを見計らっていきましょう!)

 

(おう!)

 

 

……今すっごい悪寒したんだけど。

 

え、なに? 暗殺計画でも立ててる? 今いるの厨房なせいで色々ちゃんと聞き取れなかったんだけど。死ぬほど怖いんだけど。え、リシエラさんはともかく、ライカとは比較的真面な関係紡げてたよね私? も、もしかしてどっかで地雷踏んだ!?

 

こ、この先。無事に生き残れるといいなぁ……。

 

 





〇それぞれの関係性

・主人公
相変わらず皇帝はヤダ
奴隷と程よい関係で生き残りたい
肉体関係はご勘弁、スピキヲイジメヌンデ

・ライカ
ご主人は皇帝! 決まり!
やっぱコイツ良い雄ではあるよな……(純粋色ボケ)
さっさと押し倒せこのヘタレ! ヤレ! ヤレー!!!

・リシエラ
皇帝が嫌な気持ちは解るけど、全力で逃げ場無くして後押しするわ♡ なれ♡
改善点は多いけど、悪くはないわね。キングメイキングは勿論、男としてもメイキングしちゃいましょ!
あんまり待たせると爆発して大変なことになっちゃうわよ~。あ、勿論私も♡



次回はまたリシエラさん視点です。
(あと彼女の値段はおいおい、それを聞いたライカの反応含めお待ちください。)

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