ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー~アナザーワンの記録~ 作:睡眠タイム
さて今回の話の主人公は、『とある作品』のキャラです(その為、事実上『クロスオーバー』ネタになります)。
元々このネタは以前投稿して削除した物でしたが、私自身が結構気に入っていた事もあって、今回『リベンジ』の意味を込めて、Remakeして再投稿しました。
因みに途中から、視点が変わります。
自己満足な面&納得出来ない所はあるかもしれませんが、お手柔らかに御願い致します。
此処は中央トレセン学園。
今此処のグラウンドでは、2人の馬の耳と尻尾を生やした少女----ウマ娘が併走を終えて一息付いていた所であった。
「ふぅ……こうも暑いが続くと嫌になるわね」
「セイちゃんも……今日はもう体力0です~……」
高貴な雰囲気の鹿毛のセミロングヘアーのウマ娘----キングヘイローの言葉に、『ゆるふわ』と言う表現がしっくり来る雰囲気を醸し出す芦毛のウマ娘----セイウンスカイが、クタッとした様子で返す。
キングヘイローは汗をタオルで拭きながら、ふと呟いた。
「スカイさん。 若し宜しければ今度の休日、少し付き合ってくれないかしら?」
「えっ……『付き合う』って……セイちゃんまだ心の準備が出来ていませんよ……//」
「何を勘違いしているのよ、このおバ鹿! 実は……これ」
そう言ってキングは、ジャージズボンのポケットから2枚のチケットを取り出してスカイに見せる。
そこには『今年も夏がやって来た! 1ヶ月間ウォーターパーク無料権』と書かれていた。
「これは……ウォーターパークの無料券?」
「ええ。実はトレーナーから貰ったのだけど、一緒に行く相手が居なくて困っていたのよ」
最初は相部屋のハルウララを誘おうとしたのだが、生憎彼女の方も他の友人と遊ぶ予定が有った為に断念し、同期のスペシャルウィークとグラスワンダー等を誘おうとしたが、残念な事に彼女達もそれぞれ予定が有った為、少し困っていた。
キング本人としては折角貰ったのに1人で行くのは何だか味気ないと思い、誰か一緒に行ける相手は居ないかと思案した所、スカイに声を掛けていない事を思い出し、この話を持ち掛けたのであった。
「成る程……確かに1人で行くにはハードルが高い場所だよね~」
スカイもウンウンと頷くと笑みを浮かべると言った。
「勿論、御一緒させて貰いま~す♪」
「本当に良いの……?」
「うん。キングと一緒に行くのも楽しそうだしね♪」
「スカイさん……ありがとう」
キングは嬉しそうにスカイに感謝の言葉を述べた。
そしてその日は解散となった。
これは、ひょんな切欠から始まった2人のウマ娘の不思議な体験の話である。
☆☆
そして迎えた週末。
私は待ち合わせの場所でスカイさんを待っていると、約束の時間ギリギリになって彼女がやって来た。
服装も普段の緩い感じとは打って変わって、黒のタンクトップの上に白いシャツを羽織り、下はデニムパンツと言う大人びたコーディネートであり、これには流石に私も驚いた様子で言った。
「あら? 今日の貴女……何処か大人の雰囲気ね?」
「へへ~ん、驚いた? 今日のセイちゃんは少し奮発しちゃいましたよ~♪」
「スカイさん、貴女……普段はアレだけど、一応は女の子だったのね……」
「『一応』って何!? キングってば酷い!?」
そんなやり取りをしていると、突然周囲が騒がしい雰囲気になったのに気付く。
「何なの一体……?」
「! キング! あれを見て!」
スカイさんの指差す方向を見ると、其処には背中に巨大な翼を生やし、鳥の様な意匠の青白い全身の一つ目の化け物がいた。
「我が名は疫病のペスティス。 深淵なる厄災・クラディスの一角!」
その青い化け物----ペスティスが聞かせたのは、『ユニバース大戦』と言う厄災とスーパー戦隊達の大規模な戦い、テガソードという神と指輪の争奪戦の事だった。
その話を聞いた私とスカイさんは、唯愕然とするしかなかった。
「『ユニバース大戦』……それに『テガソード』に『指輪の争奪戦』……」
「私も、そんな御伽噺みたいな話なんて信じられないよ……」
私達が自身の夢の為にトレセン学園で切磋琢磨している日常の裏で、そんな大きな戦いが有ったなんて……。
しかしあのペスティスの存在が、私達にそれが事実である事を証明していた。
「人間共の願いが汚れ、テガソードは弱体化した。 だからその身勝手さで、貴様達は滅ぶのだ!!」
その言葉を聞いた私は、ペスティスに向かって叫んだ。
「勝手な事を言わないで! 私達が……人間やウマ娘達が己の『願い』の為に努力するその姿勢を、何故貴方が否定するのよ!? 私達が『願う』事は……それも貴方等にとっては『悪』なの!?」
「下等な人間よ。 所詮御前達の大半は、指輪に選ばれなかった時点で『主役にすらなれず、願いを叶える権利すら無い負け組連中共の集まり』なのだ! スーパー戦隊の主人公以外のメンバーの様にな!」
「「!?」」
ペスティスの言葉に、私達はショックを受けて絶句する。
私達が『主役にもなれず、願いを叶える権利すら無い負け組連中』?
そんな事……そんな訳無いじゃない!
そんな私達の想いに呼応するかの様に、スカイさんが叫ぶ。
「違うよ! 確かに私はマイペースでちょっとだけだらけている所はあるけど……自分の願いの為に努力しているし、キングだって私以上に努力しているもん!!」
「スカイさん……」
スカイさんの言葉に、私は思わず涙ぐむ。
「フン……。 所詮は下等な人間共の戯言。 なら、己の無力さに打ちひしがれながら滅ぶが良い!」
ペスティスが手を翳すと、俺達の目の前に黒い煙と共に異形の集団が現れた。
「キャアアアアー!」
「助けてくれーー!」
あまりの恐怖と混乱から周囲の人達が逃げ出す。
「およよ……これってヤバいかな?」
「呑気な事言って無いで逃げますわよ!」
唇だけの顔とタキシードのような服装に身を包んでいた異形達の姿を見た私は、スカイさんの手を掴んで駆け出す。
「キャア!」
突然聞こえた悲鳴の方に視線を向けると、其処にはサーベルを構えた布製の黒マスクの異形の数名が、小さな少女と彼女の母親と思われる女性に、少しずつ迫ろうとしている光景が飛び込んできた。
「スカイさん……貴女は先に逃げなさい」
「! 待ってキ……!」
スカイさんが言い終わらない内に、私は駆け出す。
「ハアアアアーー!」
そして距離が近付いたのを見計らって、キングはその儘跳び蹴りを黒マスクの異形の1人にお見舞いし、他の黒マスクの異形達も巻き込まれる形で倒れる。
「早く逃げなさい!」
「は、はい!」
母親は自身の娘を抱き抱え、急いで逃げる。
その様子を見届けた私は、改めて黒マスク達に向き合う。
「『一流』のキングであるこの私を、嘗めるんじゃ無いわよ!」
その儘私は黒マスク達と戦う。
普段からトレーニングで鍛えた筋力とウマ娘の高い身体能力の2つを駆使するも、倒しても倒して減る処か逆に増えていく黒マスク達の前に、私は少しずつ追い詰められていく。
すると黒マスクの集団の一部が銃を構えて、私に向けて弾丸の嵐を放つ。
「キャア!」
その儘地面に崩れ落ちる私を見た黒マスクの集団が、少しずつ近付いて来る。
(……骨が折れるわね……! でも若し此処で倒れたら……私は『一流のウマ娘』と言う目標に二度と向き合う事が出来なくなる……。 そうなったら……もう『死んでいる』のと同じじゃない! だから……この程度で……諦めるもんですか!!)
その時私の手が眩い光を放ち、やがて光が収まると同士に見ると、右手には銅のガントレッドソードが装着され、左手には銅色の指輪が存在していた。
「これは……!」
私の脳裏にあのペスティスに捕まった5人の戦士----ゴジュウジャーが所持していた物が浮かぶ。
唯一違うのは、私が所持している物は何方も銅色であると言う事だった。
(……力が……体中に力が湧いてくるわ……!)
それを見て意を決したキングは、立ち上がる。
「あなたが少しでも私の願いを支えてくれる力になるのなら……この『一流のウマ娘』と共に戦って!」
そして私は右手の銅のガントレッドソード----銅のテガソードに銅色のセンタイリングをセットして、叫んだ。
「エンゲージ!」
「一・二・一・二」の手拍子を行った後、光に包まれた私の体が変わる。
其処にいたのは、クローバーの意匠の仮面を付けた緑色の戦士だった。
「クローバーキング!」
黒マスクの集団達は突然の事に動揺しながらも直ぐに体制を立て直して、私に襲い掛かる。
「行くわよ!」
私は襲い掛かるクライマー達を、華麗な動きによる一撃で次々と捌いて行く。
「キングのパンチが唸りをあげれば、緑の旋風が可憐に渦を巻く! クラブメガトン!」
私は緑色のグローブを左手に装着して、鎖分銅になっている拳部分を外すと、その儘振り回してクライマー達を攻撃する。
「見たかしら? ……ッ!」
突然背中への一撃を浴びた私が背後を振り向くと、其処には先程のコットポトロの大群が細剣や機関銃などの武器の持って待ち構えていた。
「そう言えば……忘れてたわ」
そしてコットポトロがそれぞれの武器を持って、一歩踏み出した瞬間だった。
「天幻星・霧隠れ!」
突然、周囲を霧が覆う。
「行っけ~! 幻ダービー!」
するとコットポトロ達の前に沢山のウマ娘達の姿が現れ、その儘コットポトロに突撃して吹っ飛ばした。
「今のは……」
「大丈夫、キング?」
振り向くと其処には、獅子の意匠を施した緑の戦士がいた。
「その声、スカイさんですか?」
「そうだよ~。 皆の知ってる天才美少女、セイウンスカイちゃんで~す♪」
声を聞いて相手の正体が知り合いである事を察し、私は少し緊張が解れる感覚に襲われる。
「ハアアアアーー!!」
その瞬間、大きな叫び声と強烈な斬撃音が響く。
「今のは……」
「『厄災』と戦っているのは、私達だけじゃないんだよ」
「凄いわ……。 これが『戦隊』……」
「……皆、私達と同じ様に『自分達の叶えたい願い』の為に、頑張っているんだね……」
私達は再び現れた黒マスクとタキシードの軍勢に向き合う。
「行けるキング?」
「充分休めたわ。 『一流』のキングである私が、こんな所でへばった儘だったら、それこそ末代までの笑い物よ」
「ニャハハ。 それじゃあ、此処から私達2人の真っ向勝負のレースと行こっか♪」
そして、私達は名乗り出す。
「緑の旋風がキングの証明! クローバーキング! キングヘイロー!」
「私と大波乱、起こしてみません? シシレンジャー! セイウンスカイ!」
背後を、緑の閃光が輝く。
そして黒マスクとタキシードの軍勢も少しずつ数を増やしていた。
「行くわよ!」
「うん!」
そして私達は各々の武器を持って、戦闘員軍団へと同時に向かって行く。
「ハアアアー!」
私は再び緑色のグローブを左手に装着して、その儘鎖分銅を振り回して黒マスク達を薙ぎ払う。
「セイちゃんスラ~ッシュ!」
スカイさんの方も長剣と短剣を駆使して、タキシードの異形達を斬り倒して行く。
すると其処へ新たなタキシードの異形達が迫るのを見たスカイさんは長剣と短剣を合体させて銃を作ると、それを相手に向けて引き金を引く。
「セイちゃ~ん……ビ~ム!」
すると其処から放たれた光弾の雨が、タキシードの異形達を次々と撃退していく。
「ハァ……ハァ……!」
「フゥ……ハァ……。 おやおや……キング、もうバテちゃった?」
「……無駄口叩く暇があるのなら、もう少し……動きなさいよ……!」
徐々に疲労が体に溜まるのを感じつつもそれを振り払い、私達は尚も異形の連中共へ立ち向かう。
あなた達からすれば、私達は願いを叶える権利も無い負け犬……否、負けウマ娘でしょう。
でもそんな私達にだって。
譲れない物が……叶えたい願いがあるのよ!
誰にだって、私達の願いを否定する権利何て無い!
何故なら『緑』だって、戦隊の歴史の主人公の1人なのだから。
その時、剣でも銃でもない強い力が体中から湧き出てきた。
「キング……!」
「ええ。 行くわよ!」
そして私達は自身の体に宿った『想い』を緑の光に変えて、空に放出する。
そしてその直後、私達の意識は遠退いて行った。
☆☆
「いや~。 涼しくて極楽ですな~」
「もう……。 スカイさん、年寄り臭いわよ」
「え~? キングってばノリ悪いな~」
私はスカイさんの台詞を無視して、頼んだドリンクを少しだけ飲む。
あの不思議な体験から1週間が経った。
現在私達は約束した通り、ウォーターパークに遊びに来ている。
あの後目を覚ますと、『あの指輪』は私とスカイさんの手から消えていた。
結局状況が状況とあって、その日はウォーターパーク行きは中止となり、トレセン学園の寮に帰って私達は疲れから泥の様に眠った。
『トレセン学園の生徒及びにトレーナーと職員に告ぐ。 『銅色の指輪』。 この言葉に心当たりの有る者は、至急理事長室に来る様に。 繰り返す……』
そして翌日。
学園内にから秋川やよい理事長の放送が流れて、それを聞いた私達は直ぐに理事長室に向かった。
「キングヘイローとセイウンスカイ……。 その様子だと君達もか」
理事長室には、秋川やよい理事長と秘書の駿川たづなさんを筆頭に、トレセン学園の生徒会の会長であるシンボリルドルフ先輩やゴールドシップ先輩等、私達を含めて全10名の人物がいた。
理由を聞くと何とこの場にいるメンバーは全員、『あの日』の私達と同様にあの銅色の指輪で変身して戦った者達なのだった。
そして理事長からはその時の事に付いて色々と質問されたりして、私達は自分達の体験を正直に話し、その後は話し合いの結果、「『あの日』の一件の事は、この場にいる10名+私達の担当トレーナーのみの秘密にする」と言う形で落ち着いたのだった。
☆☆
「正直『あの日』の出来事は、今でも『夢』を見ているんじゃないかって思うわ」
「でも、私は後悔何かしてないよ。 だってそのお陰で救う事が出来た人達もいるんだもん」
スカイさんの言う様に、私達の体験談は結果的に多くの人達を救う事にも繋がった。
『あの指輪』が結局何だったのか。
何故私達を選んだのか。
其れは、もう今となっては分からない。
変身する事は出来無いけど……それでも『あの日』の出来事は、私達に確かな変化を齎したのは事実だ。
それ以来、私はより一層トレーニングに励む様になったし、スカイさんも以前よりも少しだけ真面目な様子を見せるようになった。
「キ~ン~グ♪」
背後からスカイさんの声がして、私は咄嗟に振り返る。
そして私の頬に『何か』が刺さる感触がしたので、よく見ると其処には、悪戯っぽく笑うスカイさんの姿が見える。
どうやら彼女に頬を指で突かれた様だ。
「……セ~イ~ウ~ンス~カ~イ~!」
「ニャハハハ♪ 怪盗セイちゃん、さらばですよ~!」
これから先、私には多くの困難が待ち受けているだろう。
だけど私はこれからも『一流のウマ娘』になる事を目指して駆け抜け、乗り越えて行く。
何故なら。
それがこの私----キングヘイローの目指す『夢』であり、叶えたい『願い』なのだから。
「コラ~ッ! 待ちなさ~い!」
そして私はドリンクの残りを飲み干して立ち上がり、スカイさんを捕まえようと駆け出したのだった。
因みにキングに関しては最初、『キングオージャー』系にしようかと思いましたが、後述の設定と『キングオージャーにグリーンがいない』と言う理由で、今の形になりました。
詳しい説明は別投稿になりますが、この作品の作中で『復活のテガソード』の時変身して戦った者『ウマ娘』のキャラ達は、以下の感じです(以下、判明しているキャラは五十音順)。
・秋川やよい(キョウリュウバイオレット)
・キングヘイロー(クローバーキング)
・ゴールドシップ(ツーカイザー)
・シンボリルドルフ(オオクワガタオージャー)
・セイウンスカイ(シシレンジャー)
・駿川たづな(オーグリーン)
・?①(?)
・?②(?)
・?③(?)
・?④(?)
若し暇潰しになる様なら、一応ネタバレヒント&関係者の会話ヒントを元に、4人のウマ娘と変身した戦士を推理して見て下さい。
ネタバレヒント
・4人の中には、キングとスカイ以外の『黄金世代』のメンバーはいない。
・4人のメンバーの変身した戦士に、グリーンはいない。
・4人の中には、ゴルシ以外の『チームスピカ』のメンバーはいない。
・4人のウマ娘の構成は、中等部2人と高等部2人。
関係者のヒント会話
キングヘイロー「?①の方は、私とスカイさんの説明を聞いている最中、妙に興奮して倒れたのよ。 後、変身した戦士はタイヤの顔だったわ」
セイウンスカイ「?②のウマ娘は、『高等部版キング』って印象だね。 変身した戦士は青色の動物だったよ」
キングトレ「?③のウマ娘は真面目な子さ。 そう言えば、?①のウマ娘が変身した戦士に似たデザインをしていたな」
スカイトレ「?④のウマ娘は中等部の子で、生徒会のメンバーの1人と仲が良かったのよ。 変身したのは黄色の戦士だったわね」
最後に、此処まで読んでくれて有難う御座います。