初代B小町にアイ超えスペック持ちTS転生者が入ってから始まる話 作:るつまと
まことに申し訳ござい゙ま゙ぜん゙(土下座)
なにが起きたのかを、そこらへんにいるかもしれない猿にも分かるように説明しようじゃないか。
すべてをありのままに話すから、冷静に聞いてね?
B小町の不動のセンターと呼ばれた伝説的アイドルことアイがファンでストーカーの男に刺されて死んだ。
いやなんというか……普通に悲しい。
同じグループにいたけどそこまで深く関わってきたわけじゃないから、鬱とかになるほどひどかったりはしないけど……それでも悲しい気分になるというものだ。
天然でちょっとズレててメンバーから嫌われてる人だったけど、僕は少しばかり良くしてもらったからねぇ。
「そういうわけなので、B小町をやめさせてもらいますね。」
「…えっ???」
言語としては表しようのないくらい不思議そうな顔をしている斎藤壱護“前”社長の妻…斎藤ミヤコ社長は、失礼ながら見ててすごく面白かった。
「あぁ、安心してください。アイドルをやめようとしているだけであって、苺プロという会社から抜けるつもりは少しもないので。まぁミヤコ社長が抜けろと仰るのであれば、当然ながら抜けますが…。」
「え?え?ちょ、ちょっと待って?貴女まで…月姫までいなくなったら、B小町はどうなるっていうの!?せっかくドーム公演に行きかけたのに、また目指さなくていいの!?」
「たぶん数年も耐えられずに、B小町は解散することになるでしょうね。グループの顔とも言えるメンバーが一人足りともいなくなってしまうわけですから。」
たしかにメンバーの皆さんたちに申し訳ないという気持ちは、少なからず胸のなかにあるよ?
だけどさ……メンバーの一人であるニノさん、彼女って今回のアイさん殺害に一枚噛んでるんだよね。
僕は少しも関わってないから安心してほしい。
この情報を知ったのだって、ほんとにたまたまだし。
まぁそれはともかく…数年もともに頑張ってきた仲間を間接的だったとはいえ、殺すような人と一緒にいたいわけがないじゃん。
僕は頭がイカれてたり、自殺志願者だったりはしないんだから。
「ドーム公演は私個人の目標じゃなくて、B小町というグループとしての目標です。それに…私はアイドルという仕事をやることの意味をこれ以降は見出だせそうにないので、続ける気はありません。」
すごくどうでもいいような話だけど、今までに歩んできた人生の中で、アイドルとして活動することに意味を見出だせた瞬間は一度だって存在しない。
だから、これ以降はじゃなくて、これ以降もと言ったほうが正しいんだよね。
そういうわけだから、これからの僕は織元月姫ver.アイドルじゃなくて、織元月姫ver.マルチタレントと呼んでくだせぇ。
まぁ、まだなーんにもタレント業をこなしてないんだけどね…。
「今の貴女は苺プロの看板の一人だから、やめようとしないのなら何も言わないわ。…じゃあ、これからはマルチタレントとしてやっていくってことでいいかしら?」
「はい。その予定で行こうと思っています。ある程度の知名度はアイドルをやって稼げていたはずなので、B小町が話題の渦中にいる今なら、番組のお誘いがある程度は来ているんじゃないですか?」
マルチタレント以外の選択肢を口にしようとしない時点で、それが最善だと言っているようなものだろう?
だから少しは番組からのオファーが来てる……はず!!
「はぁー…分かったわ。貴女が残ってくれれば、ドームの夢もまだ実現できたかもしれないのだけど…。」
「申し訳ないですが、もう二度とアイドルをやる気はないです。だって面倒なルールとかしがらみがむちゃくちゃ多いですし。」
アイドルというものは、とにかくめんどくさいのだ。
それはもう、こんなに縛る必要あるのか?ってくらいめんどくさいのだ。
事務所には世間からのイメージ像が崩れないようにと口酸っぱく言われるし、ファンとかはいろんな理想を押し付けようとしてくるし、アンチは言葉の揚げ足をとって炎上させようとしてくるし…。
んー…○ね!
大好きですってファンサしてるけどね…あれ、言わされてるだけの嘘っぱちだから。
「そう、よね…。これは私のわがままなのよね。」
よく分からんけど、なんかシリアスモードっぽいのに入っちまったぜ。
たぶん、前社長の夫に逃げられて仕事が大変なんだろうなぁ。
仕方ないから、数秒前までアイドルだったこの僕が慰めてあげようじゃない。
べ、別に感謝なんてしなくていいんだからね!
この後、前世が男の十五歳美少女(僕)がアラサーの女社長を甘やかすという世間から見たら、めちゃくちゃ危ないと思われるであろう現象が発生した。
幸いと言ってはなんだけど、誰にも見られなくてほんとに良かったよ!!