初代B小町にアイ超えスペック持ちTS転生者が入ってから始まる話 作:るつまと
「えっと…ミヤコ社長。もう一回…今言ったことを、もう一回だけでいいので言ってくれませんか?」
「別に何回でも言ってあげるわよ。月姫…貴女、恋愛リアリティショーに出てきなさい。」
アイドルをやめてからだいたい二年。
十七歳になった僕のマルチタレント業はかなり軌道に乗っていた。
今の僕は自他ともに認める苺プロの稼ぎ頭なのだよ。
だって年収一億を余裕で超えてるし。
まぁ、僕が年収が一億超えなこと(自慢)はさておきだ。
「それ、本気で言ってるんですか?元とは言えど、私はアイドルしてたんですよ?」
こういうことは不謹慎だから口には出せないけど、もしもストーカーが出来てアイさんみたいに刺されたらどうしてくれるん!?
菅原道真みたいなすごい怨霊になるぞ⋯たぶん。
それに僕さ、前世の性別が男だから男は恋愛対象外なんだよねぇ…。
「まぁそれもそうなんだけど…オファーがしつこくてね。それに、世間からのイメージを一新できる良いチャンスでもあるから。」
まぁ、ミヤコ社長がそこまで言うのなら…う、受けてあげなくもないんだからね!
あっ、でも────
「私、女の子としか深く関わりませんので。」
だって男と恋愛したくないし。
ホモじゃないから。
女の子と恋愛っぽいことをしとけば、ファンが激化することもないだろうしね。
つまり、これはアレだ。
名付けて、恋愛リアリティショーに百合の花を咲かせよう大作戦!
クックックッ⋯僕をオファーしてくれたこの恨み、徹底的に晴らしてやろうじゃないか。
番組をめちゃくちゃに荒らしてやるぜぇ!!
「こういう予感がしたから私は断ろうとしたのよ⋯。」
ミヤコさんのそんなつぶやきが、怨嗟の炎を燻ぶらせている僕の耳に届くことはなかった。
✦★*★✦
「んー⋯キャラ付けはやっぱり王子様系かなぁ。でも私の見た目じゃ難しいだろうから⋯仕方ない、女性が憧れるような王子様の素振りを身につけよっか。」
思い立ったが吉日だし、さっそくやるとしよう。
苺プロにあるスタジオでいつものように瞑想をしてから、僕はミヤコさんのもとへ行こうとする。
そして────僕はその双子と出会うこととなった。
ミヤコさんの近くですぅすぅと寝息を立てながら、穏やかに寝ている双子であろう少年少女。
「ミヤコ社長⋯その子たちはなんですか?いくら美形に飢えてるからといって、さらってくるのはさすがに⋯。」
まさか尊敬してた社長がそんなことをするなんて⋯⋯吾輩、ドン引きでやんすよ!
「勘違いしないで、月姫⋯。この子たちは私の子どもよ!!」
「いやでも、さすがに顔が違いすぎると言いますか⋯。」
「養子よ。この子たちの親が亡くなっちゃったから引き取ったの。」
ふむ⋯養子とな。
はは〜ん、なるほどね。
僕、分かっちゃいましたよ?
「アイさんの子どもなんですか。あの人、男いたんですね。まぁニノさんとかもファンと付き合っていたみたいですし、そこまで不思議なことじゃありませんが。」
「え⋯?なんで分かったの!?というかちょっと待って⋯。ニノってファンと付き合ってたの?」
「あ、そうですよ。もしかして知らなかったんですか?元社長は気づいた上で、なぜか黙認してましたが⋯。実に今さらですけど、私以外のメンバーは全員男作ってたってことですね。」
こんなの仲間外れやん!!
ひどくないかな!?
まぁ僕以外に芸能界で生き残ってるB小町の人は一人もいないから、男を作るっていう選択肢は結果を見れば間違いなんだろうけど。
って、ちょっと待ってくれる?
ということはさ、あのことをミヤコ社長は知らないってことでいいのかな?
「アイさんを刺したファンのストーカーがいたじゃないですか。あの人、ニノさんと付き合ってた人ですよ。だからニノさんを問い詰めれば、真犯人もも芋づる式で分かると思います。」
「⋯⋯ほんとに待って。情報量が多すぎるから、一回話を整理する時間をくれないかしら。」
「えぇ、別に大丈夫ですよ。」
ミヤコさんはどこからかペンを取り出して、僕が話したことを手元にあった裏紙へとまとめていった。
後悔してももう遅いんだけど、暴露系Yo○Tuberのノリで話すべきじゃなかったかもなぁ。