ドドドドドドドッ‼︎ と。
爆発する地雷原の中を
マイン=グレネードが身に纏う
ピンク色と紫色で構成された地雷系メイド服、『
その固有魔法は『地雷』。
空間上に攻撃魔法を設置すること。
仕掛けられた攻撃魔法は未完成であり、触れられた瞬間に完成して起爆する。
故に、事前に察知することは不可能である。どの道に地雷が埋まっているかは、進んでみるまで分からない。
けれど、
「魔法が一人一種類って決まりはないわよねぇ?」
それはあり得ざる光景。
キルティ=パッチワークは二つ目の固有魔法を発動していた。
(……流石にブラフですぅ? あーしの知る限り、複数の固有魔法を縫い付けられるほど
けれど、ブラフだとすれば、目の前の光景は何のか。
『加速』と『
(あるいは本当に複数の固有魔法を実現しているのですぅ? ……可能だとすれば、固有魔法はオリジナルよりも
「────換装:『
しかし、思考の暇はない。
瞬間、キルティ=パッチワークの
纏う
緑色から黄色へ。
地属性から風属性へ。
ガッギィ‼︎ と。
二人の攻撃魔法が互いに削り合い、不協和音が空気を揺らす。
鍔迫り合いのような状態。
そのまま、キルティは囁くように告げる、
「────換装:『
直後、
マイン=グレネードの右腕は、氷に覆われて動かせなくなっていた。
(これは神秘を冷気に変換するッ、水属性の────⁉︎)
どれもこれも『
明らかに一つではあり得ない固有魔法の組み合わせがマイン=グレネードを襲う。
マイン=グレネードは次の攻撃を防御魔法で受けるしかない。
(腕だけじゃなくて全身を凍らされたらマズいのです……‼︎)
思考が退避を促すが、寒さで足が鈍る。
しかし、マインが恐れた一撃は来なかった。
なぜかキルティ=パッチワークは
「…………っ、ひひッ!」
衝撃で体が浮き上がる。
マインはみっともなく地面に転がる。
しかし、それでもマインは笑う。
地雷の爆破で追撃を交わしながら、マイン=グレネードは確信する。
今の一瞬で、キルティ=パッチワークの固有魔法のタネが見えた。
「なる……ほどッ! 複数の固有魔法を有しているのは真実!
変身できる時間の合計に限りがあるのか、それとも一回一回の変身について持続時間に限りがあるのか。あるいは、そのどちらもか。
間違いなくキルティ=パッチワークの固有魔法には時間制限がある。
そう考えれば、縫い付けられた複数の固有魔法の選出にも納得がいく。
例えば『
『
「でーもー、時間制限というデメリットを飲んだとしても術式面積はせいぜい三分の一程度。縫い付けられる固有魔法は三つが限界なのですぅ」
『
『
『
キルティ=パッチワークが扱う固有魔法はどれも見切った。タネを暴いた
「いひひッ、あーしの勝ちなのです! 時間制限があると分かれば無理に攻める必要もない。あーしは悠々と地雷を増やして逃げ回るだけで勝利できるのですから」
「………………」
時間が経てば経つほど弱くなるキルティ=パッチワークに反して、マイン=グレネードが時間が経つほど地雷が増えて強くなる。
固有魔法の相性差。底が見えた時点で、キルティ=パッチワークはもう怖くない。
「────換装:『
「な────ッ⁉︎」
キルティ=パッチワークの姿が変わる。
孔雀のような赤い羽を纏った
『
あり得ざる四つ目の固有魔法。
マイン=グレネードの思考は塗り潰される。
(な、んで。四つ目。マズい。火属性。マズい。欠陥品の。固有魔法は。マズい。火力。攻城戦。射程は。マズいのです……‼︎)
咄嗟に、マイン=グレネードは足を踏み出す。
マインも当然知っている。その欠陥も、
(射程、火力、範囲……固有魔法の光線はどれをとっても一級品! 燃費が悪く一瞬しか使えないという弱点はあるのですが、
相打ち狙いの評価は低い。
一対一において、それは勝負を捨てたと見做される。
けれど、それが集団戦であるのなら。
負けそうな時に相打ちを狙うのは戦術の一つ。
(ナクア=アラクネーは最初からこれを見越して集団戦を選んだのです⁉︎ マズいのです! これを……撃たせてはならない‼︎)
ここでマインが落とされたら、キルティ=パッチワークは倒せても決闘自体は負けてしまう。
ナクア=アラクネーという脅威が、相打ちを高評価に繋げてしまう。
故に、マイン=グレネードに選択肢はなかった。
撃たせる前に倒す、それ以外に道はなかった。
「────
「………………ごッ⁉︎」
『
踏み込みだけに全身全霊を賭した無防備なマインの頭に、何の変哲もない攻撃魔法がゼロ距離で突き刺さる。
(撃たなかっ……た?)
いや。いいや。
撃たなかった、ではない。
撃てなかったと、するのならば。
(ま、さか。まさか……‼︎)
血の気が引く。
焦りに惑わされた頭が冷静さを取り戻す。
「
「
「────換装:『
青いドレスに変身したキルティの一撃が、マイン=グレネードの関節を
地雷使いのマインにとって
地雷を爆破して逃げる事もできない。
自身の進路上に地雷を仕掛けるという都合上、マインは自身の進む先に地雷を仕掛けることはできない。
そして、この瞬間においては進んだのはマインである。
全力の抵抗はするが、もはやこの場における勝敗は既に決まっている。
「……
「『
キルティ=パッチワークが着こなす黒いセーラー服型の
制服の『
『
しかし、その代償として制限時間がある。一着につき換装可能な持続時間と合計時間が決まっており、それを超過した時点でその
そして、『
ここまではマインの予想通り。
けれど、彼女は『
『
キルティ=パッチワークはあえてハリボテの『
(ナクア=アラクネー……だけじゃない。アルルーナ様の懸念は、合っていたのです)
マイン=グレネードは目にした。
『
「アルルーナ様……ご武運を」
次の瞬間。
振り下ろされた