翌日、イズと一緒に教室に入り適当な席に座る。イズは私の後ろに立っている、そういえばイズってどこにいるべきなんだ?
気になってイズに聞くが何も指定されていないらしい。どうすんだよホントに
まぁ考えてても仕方ない。とっとと受講登録を済ませるか
隣では達也がキーボードを叩いてる。この時代だと珍しいんだっけか、確か。
かく言う私もキーボード派だ。何しろ人生で一番打ち込んだものは?なんて聞かれたとしたら瞬時にキーボードって答えられるような前世だったからな。
「そのヒューマギア、何で連れてきたんだ?」
「新型の魔法検知システムを搭載したヒューマギアの実地試験だ」
実際イズにはVERITASを搭載してるからこの主張は間違いではない
「ーーなんかよう?」
頭を後ろに倒して私たちに視線を向けていた奴の方を見る
「いや、今時キーボードオンリーなんて珍しいと思ってな」
「慣れるとこっちの方がはやいんだよ」
「そうか。俺は西城レオンハルトだ。レオでいい」
「アルト・飛電・クレフだ。アルトでいい」
「司波達也だ。俺のことも達也でいい」
「アルトと、達也ね。オーケー。ところで、俺の得意な魔法は収束系の硬化魔法なんだが、二人はどうなんだ?」
「発散系と放出系かな」
「実技は苦手でな。魔工技師を目指してるんだ」
発散系に関しては爆裂をどうにかして習得した、放出系はナーブ・インパルス・ジャミングだ。一応加重系も使える、というか
「そうか。頭良さそうだもんなお前」
そうしていると予鈴が鳴る。席に着くと1人の教職員が入ってきた。
二科は教職員がつかないのでは?と思っていると自己紹介が入る。彼女は小野遥、学校のカウンセラーらしい。
そういや原作でもいたな。確か公安の人間だったか
「つうか、お前に聞きたいこと二つあるんだけどいいか」
「答えられる範囲ならな」
「なんでヒューマギア連れてんだ?」
「あ、それ私も気になった」
エリカも乗っかってきた
「新型の魔法検知システムを搭載したヒューマギアの実地試験だ」
「そうなのか。それじゃあ2つ目だが」
まぁ納得はしたようだ
「お前の前髪どうなってんだ?」
「色々だ。そんなことよりどっか見学行こうぜ」
校内施設の見学に行けたはずだ。3年間付き合っていく以上ある程度は見ておきたい
「だったら工房に行ってみねぇか?」
レオが言う。
「闘技場じゃないのか」
そう私が聞き返すと、レオがニヤリと笑う。
「そう見えるか?」
「どう見ても機械いじってるより、暴れてる方が似合うでしょ」
エリカが即答する。普通に同感だ
「硬化魔法は武器術とも相性がいい。だったら、自分で使うもんの構造や整備を知っとくのは別に変じゃねえだろ」
ムッとした顔をしながらレオが答える。それに関しては賛同する。魔法師だろうとライフル弾が頭に直撃すれば余裕で死ねる
その後、美月も賛同し6人で教室を出た。
工房はなんというかデカい。今まで使ってた一色家本宅のものよりもデカいし、下手したらGOCの工場とかに匹敵するんじゃねぇか?
「ーーなんだ、一科か」
一科生は先生に連れられて見学している。別にどうでもいい事だと私は思ってるが、レオとエリカの目には露骨な差別として映ったらしい。
思ったよりも時間が経っていた。が、中途半端な時間だ。
「昼食にするか」
全員が賛成し、食堂へと向かう
食堂へとつながる並木道はかなり混んでいた。この時期の新入生は勝手がわからず、どうしても混むのだろう。
「今のうちならなんとかなるか」
「ならないと困る。5人で立ち食いはごめんだぞ」
レオがそう言う。同意し、密かにマルチスコープを使用する
入口から少し離れたところに空いている席を発見した。
そうして昼食が始まる。私とレオはもう食べ終えていて、ほかは半分といったところだ
「お兄様」
「アルト~!」
その声に視線を向けると、司波深雪とアンジェリーナ・クドウ・シールズがいた。
クラスメイトを連れて、真っ直ぐ達也たちのテーブルへ歩いていく。
達也の顔に目立った変化はない。
私は普通に知らんふりをする
だが深雪とアンジェリーナの方は、最初からそこへ来るつもりだったのがよく分かった。
「ご一緒してもよろしいでしょうか」
「一緒イイ?」
「構わないが」
そう答えた瞬間に2人の背後にいた一科生の空気が変わる。
「司波さん、シールズさん、もっと広い席に行こう」
一科生の一人が深雪にそう声をかけた。コイツ森崎じゃん。この先起きることを予知した私はイズに指示をとばす
「二科なんかとかかわるべきじゃない。けじめはちゃんとつけるべきだよ」
ほらこうなった。呆れつつ対処を始める
「お前、なんて名だ?」
「僕か?」
「そうお前だ、お前」
「森崎駿だ」
「森崎ね。じゃあ聞くが、何でお前は2人の行動に口を出すんだ?」
「二科の分際で口答えする気か?」
「二科だろうと一科だろうと通すべき道理ってもんがあるだろ?じゃあ、同じことをあの2人から言われたとしてどう答える?けじめの一言で押し通す気じゃねぇよな」
「それは........」
原作読んでた時から思ってたがこいつ大した奴じゃないよな。実力隠してる時期だったとはいえ達也のライバルみたいな扱いはびっくりする。箸をぶらぶらさせつつ言葉を紡いでいく
「な?結局、お前は理論的な反論を何一つできないの。けじめの一言をリピートするだけならオウムでもできる。これじゃ、二科の方がましだな」
「お前!」
森崎は胸倉へとつかみかかり、盛大に空振る。私が避けたからなんだけど
「じゃあな、この席はお前たちにやるよ」
そう言って少し離れた席にいるイズたちのもとへ歩いていく
種明かしをするなら一科生の中に森崎がいることを確認した瞬間にマルチスコープでほかの空き席を見つけ、俺が気を引いている間にそこへ誘導するようにイズへと指示を出した
「なにをしたんだ。魔法を使っていたようには見えなかったが」
まぁこの疑問はもっともだ。いくら煽られたからってあぁはならないだろう。取り巻きの誰かは気づくはずだ。
「そりゃつかってないからな。奴らが想像を絶する低能だったってだけだ」
嘘である。箸をぶらぶらさせたときにキネトグリフ*1を発動してこっちに意識を集中させた。まぁ言ってしまえばそれだけだ
「何でさっき無視したノ?」
「何のことかな?」
そう言ってごまかし、昼食は終わる。この後も起こるであろう諍いに俺はため息をつくのだった
昼食後、午後の見学時間は射撃場に向かった。
3-Aの実習中だったこともあり、かなりの人だった。
やっぱり3年生にもなると違うんだろうが特に生徒会長は素晴らしかった。姿勢、照準、術式の起動と、どれも無駄がない。あら探しならいくらでも出来るが、すばらしいと褒められるだけのものはあった。
放課後、正門前で達也が足を止める。エリカも美月もレオも同じく足を止める。私も一応足を止める。今後の事を考えるなら森崎との一件には関わった方が良い
やがて深雪とアンジェリーナが現れる。
だが、一人じゃない。同じクラスの生徒に囲まれるようにしてこちらへと向かってくる。
それを見た瞬間、面倒だとそう思った。というかその場にいた全員が同じことを思っただろう
「お兄様」
「アルト!」
だが、一科生の一人が二人を呼び止める。
「司波さん、シールズさん今日はちょっと…」
「申し訳ありません。今日は兄と帰りますので」
「Sorry.ワタシもアルトと帰るから」
そう言って2人は去ろうとする。ここで終わればよかったのだが、
「少しくらいいいでしょ?」
「相談したいことがあるのよ」
「別に、ずっと引き止めるわけじゃないから」
口調だけを拾えば穏当だった。
けれど、2人の意思を優先するつもりがないのは明らかだった。
達也は静かに見ている。
深雪も口調を崩してはいない。
私もイズもこの面倒ごとをどうしようかと考えている。
その均衡を破ったのは、美月だった。
「いい加減にしたらどうなんですか」
その場にいた全員が、美月の方を向いた。
普段の柔らかな雰囲気のまま、美月は一歩だけ前へ出る。
「深雪さんもシールズさんも、さっきから何度もそう仰っています。お兄さんと一緒に帰りたいって。それなら、それでいいじゃないですか」
相手の生徒たちは驚いている。まぁ、どう見ても最初に出るのは私か、レオか、エリカだ。すなくとも、最初に強く出るのが美月だとは思っていなかったのだろう。
「お話があるなら、別の時でもできるはずです。深雪さんが嫌だと仰っていないからって、それを都合よく受け取るのは違うと思います」
「僕たちは彼女たちに相談があるんだ!」
男子生徒の一人が言い返した。
「相談なら、本人の都合を聞いてからにしなさいよ」
エリカが即座に返す。
「二人の意思が関係ないように聞こえるが?」
「自活中に時間はあるだろ」
私とレオも吐き捨てた。
「うるさい!」
別の男子生徒が叫ぶ。
「他のクラス、しかもウィードごときが僕たちブルームに口出しするな!」
その一言で、空気が変わった。
美月が口を開く。
「同じ新入生じゃないですか」
「今の時点で、あなたたち一科生が何をそんなに誇れるんですか?」
達也がわずかに目を細めた。
美月の言うことは正しい。普通の一科生と普通の二科生の間に、この時点での差などほとんどな
い。だが、その理屈は相手の一番痛いところをついている。
こういう連中はプライドだけ無駄に高いんだから
「……どれだけ優れているか、教えてやる」
案の定、だ。森崎がそう吐き捨て、腰のホルスターから特化型CADを抜く。
「へー、そこまで言うなら教えてくれよ。その優秀さってやつをさ」
そう言ってこっちに注意を逸らす。こうやって煽っておけばこっちに撃ってくるだろどうせ
「ーーなら、見せてやるよ」
森崎が魔法を放つ。2発、一年しちゃ悪くないスピードなのだろうがあいつらに比べりゃ遅すぎる。
2発の魔法を叩き落とし、背後へと回り込む
「ナーブ・インパルス・ジャミング」
うなじへの手刀と同時に電磁波を流し込んで森崎を無力化する。
一瞬、その場の全員が呆気に取られた。が、他の一科生が魔法を発動しようとしている。
「バカかあいつら」
この校内でうかつに魔法を使えばどうなるかなんてわかりきっているのに。
案の定、展開中の魔法式がサイオン弾によって打ち消される。
「やめなさい!自衛目的以外の魔法による対人攻撃は犯罪行為ですよ!」
「風紀委員長の渡辺摩利だ!事情を聞きます、全員ついてきなさい。」
「私が説明します。七草生徒会長、渡辺風紀委員長」
私が名乗り出て、この一件について説明する。深雪への強引な引き留めを私たちが止めた事、森崎の差別発言の事。そして私が魔法を使ったこと
「なるほど。しかし混乱していたとはいえ自衛目的以外の魔法の使用というのはな」
「ーー魔法といっても、編成されていたのは閃光系の目眩ましでした。危険がないとは言いませんが、致命的なものではありません」
風紀委員長の目が細くなる。
生徒会長も、面白いものを見るような顔で達也を見た。
「ほう?……どうやら君は、起動式が読めるらしいな」
「実技は苦手ですが、分析は得意です」
達也は事もなげに返した。ちなみに起動式から魔法の種類を判別するのは基本無理だ。私も
それを聞くと風紀委員長と生徒会長が顔を見合わせ、なにか小声で話している。
「…今回は不問にする。以後気を付けるように」
今回は引き下がってくれた。まぁ最悪記憶消して終わらせたけど
そうして帰ろうとすると、2人の女生徒から声を掛けられる。
「あの…私、光井ほのかって言います」
「私、北山雫」
さっきの魔法を発動した女子生徒とその隣にいた女子生徒。
「さっきは……取り乱してしまって、ごめんなさい。魔法まで使おうとしてしまって……本当に、すみませんでした」
「あの2人が収めてくれたんだ。気にしなくていい」
「そうそう。それじゃあね」
そう言って帰ろうとするが、アンジェリーナに腕を掴まれる
「何をする!」
「色々と聞きたいことがあるノヨ!」
振り切ってもよかったが面倒なことになりそうだ。それに
「分かったよ」
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PHYSICS部門フィールドマニュアル2からの抜粋:装備と器材
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