ULTRAMAN GINGA with GOD EATER   作:???second

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皆さんお久しぶりです、そして申し訳ありませんでした。

再開するまでのこの4年間、他の作品の執筆等もございましたが、それ以上にゴッドイーターに対する熱が完全に冷めきったり、病院のお世話になるくらいに精神面、体調面で度々不調をきたし、すっかり自分に自信を失っておりました。
それでもあの展開もやりたい、これもやりたい、そんな欲望を大真面目に全部形にしようとして結果、何も形にできずにもがく結果となってしまいました。

これまで楽しんでいたはずの、この二次創作という趣味や、新たに始めたデジラマも、好きで始めたことなのにどこか義務的というか、楽しめなくなっていたのも正直あります。しかもこの症状は現在進行形で僕を蝕んでおります。

心身ともに脆弱な自分が情けないです。

今回も辛うじて1パート出来上がり、生存報告も兼ねた投稿と言う側面が強いです。そのため今回で打ち切りになってしまう可能性も否定できないです(というか現状ほぼ確定状態)。

それでも良ければ、どうか最後まで読んで感想をください。皆さんの声は、執筆のみならず、僕の人生そのものの励みになってくれると思います。



第3部隊との共同作戦(前編)

シオが第1部隊と共に戦えるようになった。これは驚くべきことだったが、ある意味ではリンドウの穴を埋める戦力が現れてくれたという意味でも、戦いを通して第1部隊とシオの間に種を超えたさらなる絆が生まれる大きなきっかけとなった。

だが、第2のウルトラマン…ビクトリー。頼もしい味方になってくれると思われていた新たな光の巨人が、よりにもよって第1部隊にとっての新たな脅威となってしまった。

シオの服の素材探しはこれにより難航することを余儀なくされ、第1部隊は慎重にならざるを得なくなるのだった。

 

 

「困ったねぇ…」

サカキは自分の研究室に設置している自前のディスプレイを見て頭を悩ませていた。

「彼女が中々のグルメなのは前にも言ったよね。好みとなるアラガミの素材を食べさせておきたいんだが、このまま調達がままならないと…」

「シオの好物であるアラガミ素材が不足しがちになる、ということですね」

ユウが、サカキがその先に言おうとしていたことを言い当てる。

「だったら他の素材とか、いっそのこと俺たち人間の御飯とか食わせたらいいんじゃね?だって、博士言っていたじゃん。あいつの体って、俺たち人間とほぼ同じなんですよね?」

コウタが、以前サカキがシオの生態について明かしたことの一部を抜粋した考えを言ってみる。

「人間の食べ物に慣れさせておくってこと?」

「それは確かに一理ありますね。っと言うかコウタ、いつも講義中に寝てる割に、ちゃんと覚えてたんですね」

「うるせっ」

人を居眠り常習犯みたいに言いやがって、とコウタはアリサに言い返したかったが、自覚があるのでそれ以上は言わなかった。

「まぁその手も考えてあるが、だからといって安易に取れる方法ではないよ」

「なんで?」

まだ検討の内に入れておくべきと見解を示すサカキに、コウタはなんで即決しないのだろうと首を傾げた。

「シオはアラガミだから、アラガミの死骸や素材を主食としているんだ。けどその一方で、他の物質を食べてる傾向は見られない。今のところ、彼女の認識する補食対象の範疇にはないということだ。しかし下手に範囲外の物質を御飯として食べさせたりとかしたら…」

「人の飯を食いたいがために、それを探すためにこのアナグラの壁とか床さえも、食われる羽目になるかもしれないってわけか?」

今度はソーマが、サカキの言いたいことを先んじて言った。

人間の食事を食べさせること事態は良いのだが、問題は人の食事の味を覚えたその先。

小腹が空いたからと気軽な気持ちで、壊しては行けない壁や床を破壊して食料漁りに走る…と言う懸念だ。その際には床や壁も食べることもあるだろう。その味をも覚えてもしシオの好みにカウントされたら、アナグラ内がもっと食い荒らされてしまうことになる。

「そ、そこはなんとかシオに言って聞かせたら大丈夫だと思いますよ。だってシオ、頭いいし、素直に俺らの言うことだって聞切れてくれるじゃん」

「そうですね。コウタよりも頭はいいですから」

「だからさ、さらっと俺をディするのやめてくんない?」

またコウタに対して悪い合いの手を口走るアリサに、コウタは目を細める。

「それにもう一つ懸念すべきことがある。シオのデートについてだ」

「しお、みんなとおそとでたい!」

もう一つ、サカキが懸念している問題を提示すると、シオが親に少しばかり我儘をいう子供みたいに言った。

「シオは外の世界がたまに恋しくなるからね。それに加えて、君たちとのお出かけが気に入ったようだ」

「あんな目にあったのにか?あのビクトリーとかいう野郎に」

先日、シオがアラガミだからといって命を狙ってきた巨人、ウルトラマンビクトリーのことをソーマは思い出す。ギンガと違い、こちらには友好的とは言えないのが見えてくる。

「そうなんだよねぇ。けどちゃんと外に連れ出してガス抜きしてあげないと…」

「それこそ床や壁を食い破ってでも外へ散歩に出かねない、ですか?」

「そういうことだよユウ君。どんな偏執狂だって同じものを食べたり、ずっと同じ趣味に没頭できるわけじゃない。必ず飽きが来てしまう」

もう既にみんなとのお出掛けに楽しみを見いだしているシオ。それ以前に彼女も外の世界で生まれた身。アナグラに閉じ込めたままではいずれ我慢が限界に来るだろう。

「でも、ウルトラマンビクトリーがまたシオを狙って襲い掛かることがあると思うと…」

「それに俺たちの顔もそいつに割れているはずだ。俺たちが外に出れば、シオも一緒にくっついて来ていると奴も見るはずだ」

サクヤとソーマがそれぞれ、このまま外に出たときの懸念を口にし、悩む。

「くっそ、お手上げかよ」

「シオちゃん、かわいそうです…」

シオはアラガミとはいえ、外見だけではなく知性も感性も人間そのものと認知した以上、かつての犬や猫等のペットみたいに、家の中に閉じ込めたまま、というわけにもいかない。コウタは頭を抱え、アリサは外に迂闊に出られないシオを憐れんだ。

「せめて、アナグラの中くらい自由に散策してやれたらいいんだけどね。可能ならば、シオが我々人間と同じルールに従い、普通の人間として食事や娯楽を楽しんでもらえるなら…」

「そんなことをしたら、アナグラの内部にシオを連れ込んだことがバレますよ。あの子もアラガミなんですから」

少しでもストレス軽減ができればと、アナグラ内の散策だけでもできればとサカキがぼやくも、それはそれでシオの秘密がバレるとユウが指摘する。

せめてシオがアラガミだということがバレない対策が取れたら、後は彼女の正体を知る自分たちがそばで監視しつつ見守れば…

「あのさ、シオの周りだけレーダーに探知されないようにするってことはできないんですか?」

「そんな都合のいい技ができるわけないでしょう?」

コウタの提案にアリサがそんなバカなと呆れる。

「…まてよ、それだ!」

「え?」

が、今のコウタのアイデアを聞いてサカキが指を鳴らした。

「実は、一定の範囲だけこの基地のレーダーを回避する装置を作っておいたんだ。何かと私の研究の一部は支部長に知られるのが気まずいものもあるからね」

(一体何を研究してるんだこの人…)

ユウは、今ので確信犯的な疑惑を、このマッドサイエンティストじみた博士に向けていた。その視線にサカキは気づいていたが、構わず話を続ける。

「その装置を、君たちゴッドイーターの腕につけているその腕輪。それと同じ型式で作り、それをシオにつけてもらうんだよ。無論彼女の周りだけレーダーに探知されないように機能させることでね」

「シオちゃん用の腕輪ってことですか?」

「なるほど。それならシオがアナグラ内を歩き回ってもレーダーで探知されないし、見つかってもアナグラ所属のゴッドイーターとして誤魔化せるってことか」

アリサとユウが、それぞれ自分たちの腕に巻かれている腕輪を見る。

確かにアラガミとしての生体反応も感知されず、加えてゴッドイーターなのだと認識させておけば、アラガミとしてもフェンリル施設内に入り込んだ不審者としても怪しまれずに済みそうだ。

「うでわ?みんなのうでについてるやつのことか?」

シオが近くにいるコウタの、正確にはコウタの腕輪の方に目をやる。

「そうそう、この腕輪のおかげで、俺たちもシオの体と同じアラガミの力を使って、神機を振るって戦えるんだ」

「それじゃ、みんなとおそろいだな!」

「お、シオも着けてみるか?」

「うん!シオもつけてみたい!」

シオはユウたちの付けている腕輪に強く興味を抱いたようで、自分も無邪気に付けたがっている。まるでおもちゃをほしがる子供のようであった。

「この腕輪、正直そんなにいいものには思えなかったんだけど、そうね。お揃いって考えるのも悪くないかもね」

「アクセじゃねぇんだぞ」

サクヤも自分の腕輪を見つめながら呟く。あくまでこの腕輪は、自分たちの体に投与された偏食因子の安定と制御のためにあるもの。アラガミと戦うために刻んだ呪いのようなものだ。それをアクセサリー扱いするシオやコウタ、物の捉え方としては妙なものだとわかってはいるが同調するサクヤに、ソーマが呆れてため息を漏らし、更なる懸念を指摘した。

「だいたい、そううまくいくのか?それに、ゴッドイーターの数なんてかなり限られている以上、顔が知られていても不思議じゃねぇ。一人でも見覚えのない奴がいたと気づかれたらそれまでだぞ」

「後半の問いは、君たちとシオの行動次第にはなっちゃうね。それに、流石に支部長には一瞬でバレてしまうから、彼が不在の時だけに限られる。まぁヨハン以外になら別支部から異動か出向してきたゴッドイーターだと言えばなんとか誤魔化せるんだろう?」

「博士、そんな投げやりな…」

「だったら、このままシオがお腹を空かせたり部屋の中に飽きて部屋を飛び出すのを許しちゃうのかい?」

適当な期待を寄せるようなことを言うサカキにサクヤが言い返そうとするも、またもサカキがこちらの選択肢を封じるような脅し文句めいたことを言い出す。これでは誰も何も断れない。

「無論、私の我儘に付き合わせているという自覚はあるよ。だが科学者というのはどうもこの手の欲望は抑えられなくてね。ましてやシオの研究を通して、今この世界で生き延びやすくなる術も見出せるかもしれない。私としても辞めるわけにはいかないんだ。済まない」

それはユウたちへ苦労をかけていることへの後ろめたさなにか、いやそのいつもの笑みを浮かべたままだから単なる上部だけの礼儀なだけかもしれない。本心が読めない表情のまま頭を下げてきたサカキ。

「僕は構いませんよ。これもシオのためですから」

今となっては大事な仲間という認識でシオを見ているユウは、シオのためならばと、サカキの頼みには断ることはなかった。

「気に食わんところもあるが、頼みは聞いてやる。だが貸しは高く着くぞ」

 自身の出生関係のこともあってサカキのこともさほどよく思えてなかったソーマも、シオのことを放っておくことも無責任に野放しにする気もなかったので、一応サカキの頼みを聞き入れることにした。他の仲間たちもシオを思う気持ちは同じなので断らなかった。

 こうして、シオの服の素材に加え、彼女専用の腕輪開発のためにも、第一部隊は新たな任務に勤しむことになった。

 

 

 

 

 

 

「本日は、エイジスに接近中のアラガミの群れの討伐だ」

後日…ユウたち第1部隊は作戦室にて集められた。ツバキの口より、第1部隊に告げられたその日の任務が発表される。

「現在、ターゲットとなるアラガミの中に、エイジスを集中的に狙う群れが確認されている。エイジスは、名の通り『エイジス計画』の要となる最重要拠点だ。この極東支部のみならず、各支部より輸送されている素材も上質活希少なものが大量に使用されている。以前メテオライト作戦で得た素材も含めてな。言い換えれば、アラガミ共にとってエイジスはまさに宝の山、最上質なお菓子の家ともいえるだろう」

「なぜその任を僕たちに?」

「ええ、あそこならジーナたちが警護の任に当たっているのでは?」

ユウとサクヤは首を傾げた。エイジス島は、カレル、シュン、そしてジーナの三人…第3部隊が警護に当たっているはずだ。

「その通りだ。だが、そうも言ってられんことが判明した。ヒバリ、出してくれ」

「はい」

 ツバキは、オペレーターのヒバリに端末の操作を促すと、作戦室の大型モニターに、エイジス島周辺の電子マップが表示される。島の周辺に無数の、アラガミの生体反応を示す赤いマークが表示されているが、その中でも一際大きめのサイズの赤い点が表示されていた。

「レーダーによると、エイジス近郊の海域に特殊な反応を持ったアラガミが探知された。尤もこの特殊な反応というのは、この推定値の高さ等から察するに……合成神獣の類だ」

「合成神獣!?」

 ユウたちの間に戦慄が走る。これまで戦ってきた、怪獣と融合することで誕生した恐るべき超巨大アラガミ…合成神獣たちの姿が過る。

「いくら経験をそれなりに積んだ第3部隊だろうと、単独部隊で合成神獣の相手は不可能だ。そこで、これまで幾度も合成神獣と戦ってきたお前たちを派遣することが決定された、というわけだ」

 ツバキからそのように説明を受けて、任務の必要性に納得を示すも、コウタやアリサが難色を示した。

「うへぇ、ジーナさんはともかく、あの二人なんかとまた一緒に戦うのかよ。気が乗らないな…」

「私も、自業自得な面もあるとはいえ同感です…」

 ゴッドイーターは大方が曲者揃いだが、その中でもあの部隊は尖っている印象が強い。シュンは良くも悪くも子供っぽい性格故に感情的なため他者との喧嘩が多い。カレルは棘のある毒舌家な上に、度々金銭トラブルを起こすほどに金にがめつい。唯一第1部隊メンバーとは険悪ではないジーナも、戦闘狂…トリガーハッピーな気質持ちだ。どうしてもやりにくいものを感じ得ない。

「個人的感情でモチベーションを崩そうとするな。いつの時代、人類は気の合わない相手と共に苦難を越えねばならない時もある。これも一つの交流、関係改善の機会と思って当たれ」

そんな彼らの心情を察してツバキが諫める。

(…)

無論言ってることは正しいのだが、ユウとしてはただ一つ…第3部隊との間にある決定的な確執の要因があった。

それは……カレルとシュンの、ソーマを死神扱いする悪い対応。まず彼らがそれを改めてくれなければ、こちらとしても仲良くなり様がない。ソーマは好き好んで危険な任務に赴いたわけでも、同伴してきた仲間たちを死なせたかったわけではないのに…そんなことも察さずに好き勝手に批判するカレルとシュンにどうしても好印象を抱けないのが現状だ。

「ユウ」

ソーマがユウに声をかけてきた。

「俺のことは気にするな。俺たちは俺たちでやるべきことをやるだけだ。いつものようにな」

どうやら自分が何を考えていたのか察してくれていたようだ。自分が悪印象を抱かれていることはもう今更なことだから、と言いたいのだろう。でもソーマの人となりや本音、これまでの苦しみを知り、本当の仲間となった今、それは受け入れがたいものだ。

「僕はそれでも、君をみんなに認めてもらいたい」

「…ありがとよ」

ソーマは視線を合わせずに、でも純粋な感謝を込めてそう言い返した。

(エイジス…もしかしたら…)

そんな中、サクヤは一人…エイジスについて別視点からあることを考えていた。

 

 

 

 

『終末捕食』。

アラガミが互いに互いを食い荒らして巨大な一個体のアラガミとなり、やがて地球の全てを包み込む…つまりは地球そのものを捕食する。だが、無に帰るわけではない。

地球そのものを捕食し尽くしたアラガミは、その力を持って地球を再生し、生まれ変わらせる。

究極の破壊と再生をもたらす現象…それが終末捕食。

 

しかしこの終末捕食という現象は、起こりうるかどうか専門家の間でも懐疑的である。それもそうだ。いつ起こるかもわからず、今の世界が滅びる際に起こる現象など、確かめようもない。そもそもただでさえ自分たちの毎日が命の危機だというのに、これ以上の危機を誰が想像できようか。ましてや事実だとしても、これが起こればどのみち人類は助からないことを意味する。今まで積み上げてきた、かろうじて残っている過去の遺物すら含めて…

 

っと、このようにユウたち新人のゴッドイーターたちはサカキから講義を受けていた。

 

ちなみにヨハネスはこの現象は必ず起こるのだと主張している。故に彼は、その終末捕食の脅威から人類を守護するシェルターとして『エイジス島』建設計画…つまりエイジス計画を遂行させているのだ。

 

そして、その最重要拠点とも言えるエイジスを守るのが第3部隊…

 

カレル•シュナイダー

 

小川シュン

 

ジーナ•ディキンソン

 

の3名である。

 

 

 

 ヘリの発着場へ向かおうと、第1部隊がエントランスの方へ向かっていると、ちょうど出撃ゲート前のところで第3部隊のメンバーたちを見かけた。

 

 

 

「んでヨォ、この二人がバンバン打っても全然倒れねぇアラガミをよ、この俺の神機で掻っ捌いてやったってわけよ!いやぁ、お前らにも見せてやりたかったぜ!今度はカメラでも持ってくんだったな!」

「シュン兄カッケェ!俺も見たかったな」

 何やらシュンが、知り合いと思わしき幼い少年に熱弁している。ゲート前のソファではカレルがめんどくさそうに目を逸らし、ジーナはクスッと微笑みながら熱を入れるシュンを見ている。

 シュンは確かにそれなりにキャリアを積んだゴッドイーターだが、実際だと単独ではコンゴウにも手こずることもある。本人の性格もあって見るからに誇張しており、それにカレルが呆れてると言ったところだろう。だがあえて何も言っていないのは、ゴッドイーターであり自分とも親しい仲であろう子供の夢を壊さない彼なりの配慮か、いや単純に面倒なだけかも知れない。

「あ、シュン兄ちゃん誰か来たよ」

少年が第1部隊の来訪に気づいて、ユウたちの方を向くと、シュンたちもまた彼らの方を向き、っち…とシュンは露骨に舌打ちした。カレルはふぅ…とため息を漏らし、ジーナだけは気さくに手を振っている。少年がシュンたちの元を走り去っていくと、シュンは真っ先にユウにガン飛ばしてきた。

「あ~あ、サクヤさんだけならまだしも、まーたお前らと任務に行かなきゃなんねーとはよ」

しかも友好的とは言い難い、悪感情ありありな眼差しで、真っ先にユウやアリサにガン飛ばしてきた。その視線にユウは眉を顰め、アリサも不快感と罪悪感を同時に入り混じらせた複雑な表情を浮かべる。

「しかも今度の相手は、あの合成神獣とやらもいるって話じゃねぇか。ったく…めんどくせぇ。俺はそういう奴の相手は嫌だってのに。死神の呪いが引き寄せたんじゃねぇか?」

「…!」

ユウの後ろに控えているソーマも一瞥しつつ、そのあんまりな物言いにユウたちはカチンとくる。

「てめ…」

「コウタ!」

反射的に殴り掛かろうとしたコウタと、ユウが肩をつかんで止めた。

「なんだよ。殴らねぇの?いいんだぜ、かかってこいよ。前々からリンドウさんとサクヤさん以外のお前等第1部隊のメンツは気に入らなかったんだからな」

シュンはほれほれと人差し指で手招きし挑発する。自分の方が体術においてもコウタなど敵ではないとでも言いたいのだろう。

「やめろシュン。面倒ごとを増やすな」

だがそんなシュンを、ソファに座り込んだままのカレルが諫めてきた。

「なんだよカレル、まさかこいつらに肩入れしてんのかよ?お前だってあの死神野郎と生意気なロシア女が気に入らなかった口じゃねぇか。まぁ俺は、そこの生意気な新入り二人の方も気に入らねぇけどよ」

しかめっ面を浮かべたままソーマとアリサの二人を、続いてコウタとユウの二人をも指さすシュン。アリサが指をさされて顔を顰める。

「だからガキなんだよ。変わらず態度だけはでかいな」

「んだとこら!?」

シュンは子供扱いしてきたカレルを睨み返すが、カレルはそんな彼の睨みも気迫も受け流しながら立ち上がると、ユウたちに向けて口を開いた。

「一応言っておくが…悪いが俺も、死神の呪い云々については同意見だ。お前らと付き合うことで俺までそれに祟られてはかなわん。折角稼いだ金を無駄にしたくないからな。

とはいえ、今回ばかりは命令だからな。せいぜい稼がせてもらうぞ」

そう言って彼は、それ以上話すことはないと暗に言うように、先にエレベーターに乗り込む。詫びれもなくソーマ個人を悪く言うような言動にユウは表情を険しくする。シュンはそんなカレルにちっと舌打ちし、ユウを改めて睨みつけた。

「いいかお前等、ちっとばかし合成神獣とやりあったからっていい気になんなよ。大体お前等、運よくウルトラマンが助けてくれたから生き残ってこれただけだろうが。あいつがいなきゃお前等なんて、俺らの足元にも及ばねぇってところを見せてやるよ」

そう言ってカレルの後に続いていく。

最後にジーナが立ち上がった。流石に二人のように刺々しい態度ではなく、柔らかな口調でユウたちに言った。

「悪いわね。リンドウさんのこともあるから、最近あの二人はピリピリしてるのよ」

「…」

一応のフォローのつもりだろう。確かにリンドウはこのアナグラ内においても、実力や功績に驕らない気さくな人柄で人望が高かった。性格に癖のあるシュンとカレル、もちろんジーナも先輩として彼を慕い信頼していたのは頷ける。故に一番リンドウの近くにいた身でありながら彼を結果的に死に追いやった未熟者と呪われた者たちを恨むのもわからなくもない。

だが…

「そりゃ、リンドウさんのことは俺たちの…!でも!」

コウタは理解はしつつ、それでも反論の声を上げようと言葉を選ぼうとするも、後に続く言葉が出てこなかった。第1部隊全員の中に、リンドウの死は過去のものと割り切れていないのだ。それにシュンの言っていた「運よくウルトラマンに助けられただけ」という言動も、ユウを含めてあながち嘘とは言い切れない。

ソーマも、リンドウの死については自分の責任としても強く受け止めているため、二人の侮辱的な言動については胸糞の悪さを覚えつつも、先ほどから何も言い返すことはなかった。

「そうね、私もこのままでいるのはとても良いとは思ってないわ。ねぇ、サクヤ?」

「…ええ」

少なくとも今のお互いの仲間間にある悪い認識を改めなければならないことは、ジーナが第3部隊の中で一番自覚しているようで、それに関して同意を求められたサクヤは少し救われた気がした。

「ジーナ、早く乗れ」

「わかってるわ。それじゃ…今回の任務で、お互いのことで通じ合えることを祈るわね」

余計なことは言うなとでも言うようなカレルの声が聞こえてきて、ジーナは「また任務でね」と微笑みながら第1部隊と別れるのだった。

 

第1部隊は、ユウとアリサ…新型神機を扱うゴッドイーターの二人がいるため、神機の調整に少し手間がかかる分、旧型神機使いの身で占められている第2・3部隊と違って出発のタイミングがやや遅れる。そのため、元々エイジス専任でもあった第3部隊が先行し、その後応援として第1部隊が駆けつける手筈となっていた。

尤も、今の彼らの問題はそんなことにはない。

 

まったく足並みが揃うような気配もないまま、第1部隊と第3部隊はヘリでエイジス島へ向かうのだった。

 




※追記
話数調整のため後半に追加パートがあります。
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