ULTRAMAN GINGA with GOD EATER   作:???second

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飛べ!シュン(終編)

「ほうれほうれ鬼さん!俺を捕まえてみろよ!」

挑発的なシュンの声が響き、その声色で余裕しゃくしゃくな態度は理解できた合成神獣たちの怒りが高ぶる。愛する子供を殺した相手に手玉に取られて、屈辱と怒りが収まらない様子だ。怒りのままに、雷撃や毒ガス入りの冷凍波、オラクルの砲撃を続けていくも、いずれもシュンに当たることはない。それどころか、二体の合成神獣たちが頭上や真正面やらに表れるシュンの残像に攻撃を加えて空振りしていくうちに、お互いの攻撃の射程圏に入っていた。二体の合成神獣たちの間に、シュンが姿を見せ、それに対して合成神獣たちは頭に血が上り切ったまま雷撃と冷凍ガスを放ってしまう。

その結果、ザイシーモンスは雷撃を、ザイシーゴラスは冷凍波をモロに喰らうこととなった。

ザイシーモンスの前身に痺れや火傷、ザイシーゴラスには先日のソーマやシュンが受けたように酷い凍傷が起きていた。

「っしゃぁ!もらった」

その合成神獣の隙を…

「うおおおおらああああ!!」」

シュンは逃さなかった。メテオールの状態を維持したまま、金色に光る流星のように、ザイシーゴラスとザイシーモンスの角に神機の刃を食い込ませ、叩き斬った。

たった一瞬の出来事だった。シュンの刹那の一撃により、二体の合成神獣の角は木っ端微塵に砕け散った。

悲鳴を上げながらザイシーモンスはその場で悶えて転がり、ザイシーゴラスは角を失った鼻先を押さえてうずくまる。

 

 

 

「アラガミの角が!」

『っへへ、見たかお前ら!この小川シュンの超ファインプレーを…おおおおおおおお!!?』

【TIME OVER】

シュンの一撃により、合成神獣たちの角が破壊されたのを見たサクヤたち。角がおられたことで、あれだけ激しく吹き荒れていた竜巻が、嘘のように消え去った。それと同時に竜巻に閉じ込められていたギンガも解放される。尤も、カラータイマーの点滅速度もかなり早くなっていた非常にピンチなままではあった。

だが、それを成し遂げたシュンが、調子に乗って意気揚々と宣言している間に、ジェットスーツの勢いを殺しきれず、そのまま地上へスライディングするように墜落してしまう。

「シュンさああああん!?」

大手柄の直後のぶっとんだドジをこいたシュンを見て、カノンが思わず声を上げてしまう。

 

 

ギンガもシュンの墜落を目の当たりにして一瞬硬直するほど驚愕した。一方で合成神獣たちは角を叩き折られ、その場で苦しみ続けている。

今だ!ギンガは虚脱感の抜けない体を強引に動かして駆け出し、ザイシーゴラスの胸元にタックルを叩き込み、続けてザイシーモンスの頭を掴み、巴投げを使って荒野の方へ投げ飛ばした。

「シュンとウルトラマンだけにやらせたらだめだ!俺たちも続くぞ!」

「ええ、私たちで合成神獣を一体でも倒すわよ!」

「カノン、お前はシュンを探せ!」

「は、はい!」

タツミとサクヤを筆頭に、再びゴッドイーターたちが立ち上がる。その一方でタツミから指示を受け、カノンは墜落したシュンの捜索に向かう。少しでも早く見つけて自分も援護に行けるように。

ギンガと交戦中の合成神獣たちに向け、コウタ、サクヤ、アリサ、ジーナが駆け出しながら火属性バレットでザイシーモンスに、氷属性バレットでザイシーゴラスに射撃を与えていき、続けてタツミとブレンダン、そして銃形態から神機を切り替えたアリサが捕食形態を展開、バーストモードを発動させ、合成神獣たちの足を狙って斬りかかった。

角を破壊されてよほどダメージを負っていたのか、合成神獣たちにウルトラマンとゴッドイーターの双方を相手にするだけの余裕はなくなっていた。現に、二体揃って角を破壊されたことで反撃の一手でもあるはずの竜巻が、サカキの見立て通り発動させる気配がなかった。

「シュアッ!!」

左足のクリスタルにエネルギーを収束させた蹴りが1回ずつ、ザイシーモンスとザイシーゴラスの二体をそれぞれ別方角へ突き飛ばし、グロッキー状態に陥らせる。

「カレル、今よ!撃って!」

「あぁ、任せてくれ」

サクヤの呼びかけに応え、カレルはメテオールバレットを装填し直し、銃口をザイシーモンスに向ける。

「こいつで借りを返させてもらう」

照準をザイシーモンスの頭に合わせ、瞬時に引き金を引くと、神機の銃口より強力なエネルギーを凝縮した青白い光線…オラクルスペシウムが放たれ、ザイシーモンスの頭に直撃、激しい爆音と共にザイシーモンスの頭は粉々に吹き飛ばされた。

「っぐぉ!」

「カレル!」

強力なエネルギーの反動で、カレルも後方へ吹き飛び、そんな彼をジーナが受け止める。神機も今ので銃口が大きく破損していた。

「ギイイイイァアアアアアアア!!!?」

頭は砕け散り、斃れる妻を目の当たりにしたザイシーゴラスは、ショックのあまりその場で驚愕したまま狂ったように鳴いた。

(…)

ギンガ…ユウはやるせなさを覚えた。シオのような人としての心があるならまだしも、アラガミに対して申し訳ない気持ちが湧くとは。元々は子供を殺された怒りで、極東支部を襲ったザイシーモンスたちだが、今となっては人を無差別に喰らう怪物。シオのように理性と偏食傾向のもと人間を喰らわないとは到底思えない。放置すれば誰かを食らう以上、倒さなくては。

(ごめんね。さようなら)

ギンガは気力を振り絞って全身のクリスタルを光らせながら両腕で円を描き、L字型に両腕を組んで必殺光線を放った。

〈ギンガクロスシュート!〉

「ショオォラァ!」

渾身のエネルギーを込めた光線は、たちまちザイシーゴラスに直撃し、爆音と共にその身を砕け散らした。

光線を放ち終えると、ギンガはぐらっと姿勢を崩して膝を着くものの、何とか立ち上がったのちに「シュワッチ!」と叫びながら空の彼方へ飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

二大合成神獣の極東支部襲撃は、ゴッドイーターとウルトラマンの手で無事に鎮圧された。瓦礫によって怪我をした人は大勢いたとのことだが、犠牲者は奇跡的にいなかったとのことだ。これもタロウが頑張ってくれたおかげである。

一方でユウだが、体調不良のままギンガに変身し戦っていたこともあって、熱が更に上がってしまい、入院が長引く羽目になった。

「うぅ…気持ち悪い。頭がクラクラする」

「もう、そんな体で無茶するからですよ」

アリサが、ベッドの上で顔を青くしているユウに厳しく言い放つ。

「ソーマは?」

「俺はお前らに投与されているものとは別種の偏食因子を投与されているから、お前らより回復が早い。つくづく忌々しいものだがな」

ソーマの回復力が羨ましい…と口には出さなかった。あの回復力はP73偏食因子の回復力によるものであり、結果ユウよりも早く体調が良くなったのだ。だがその因子のおかげで、これまでのソーマの人生は、確かにアラガミに対する有効な対抗手段にこそなっているが、同時に彼を苦しめ続けてきただけに、素直に喜べない。

「ユウ、とにかく一刻も早く、だが焦らずにじっと療養し続けなさい。今の状態を敵の星人に悟られでもしたら、奴らのことだ。一気にこのアナグラを狙ってくるはずだ」

ベッドに寝ているユウの頭の傍らに現れたタロウも、療養に専念するように告げる。

そんな時、自動ドアが開き、咄嗟にタロウはユウの布団の中へ身を隠した。

「うーっすユウ!元気か!?」

「コウタ、来てくれたんだ」

来たのはコウタだった。

「とーぜんだろ。第1部隊の仲間の見舞いに来なきゃバチアタリもんだし。あ、これお土産ね」

「その果物どうしたの!?」

籠には見舞いのために持ってきた果物がたんまり入っている。

「っていうか、果物なんて珍しいものを持ってますね。一体どこで手に入れたんです?」

「エントランスにいる例のちょちっとあやしい万屋だよ。見舞いに行きたい奴がいるんだって言ったら、こいつ売ってくれたんだ」

万屋とは、コウタの言う通り出撃ゲート前のエントランスに露店形式でアイテムを売ってくれる怪しげな中年の男のことだ。どこから流通させたか不明だが、意外とレアなものを提供してくれるため、ゴッドイーターたちも怪しいとは思っている一方で、彼が店を開いてくれているおかげで物資面において助かっており、上層部からも今のところとはつくが、実質黙認されている。果物も今の時代では貴重なもので、滅多に手に入らない。

「昔の人はさ、見舞いに来る時はこうやって果物を相手に渡すんだって」

おそらく万屋から聞いた知識をコウタが明かすと、ユウは自分の布団の下に隠れているタロウに目を落とす。

(そうなの?)

(ああ。当時はそうやって患者を見舞う人が当たり前だった)

テレパシーを通して、過去の常識の一端を聞いた一方で、

(ただ…その、ユウ…その果物の中に、何かかじったりした音は聞こえないか?)

(聞こえないけど…なにかあったの?)

(いや、聞こえていないのならいいんだ。気にしないでくれ)

タロウは何かを話そうとしてくれたのだろうが、結局それ以上は言わなかった。その先の話が気になるところではあったが、ユウは話の先を聞かないことにした。

再び医務室の自動ドアが開き、サクヤが入ってきた。

「ソーマ、もう体はいいの?」

「あぁ、もう任務に出向いてもいいと言われた」

「よかったわ。あなたは昔から結構無茶するから、心配だったのよ。今回は今まで以上に回復が遅かったから」

「俺よりも、今はこいつの方に気を配ってやれ」

ソーマはそう言ってユウの方に目をやると、サクヤもそれもそうねと笑う。

「ユウ君、まだ治りそうにないの?」

「思った以上に症状が重くなったみたいです…」

サクヤも衛生兵の役目を担う身だからユウの体調の悪さは一目で分かる。

「ツバキさんから聞いたんだけど、私たちが合成神獣と戦ったこの前の任務、ソーマと一緒に作戦室に出向いて出撃願いをしたんですって?」

「え、ええまぁ…他に出撃できそうな人は僕とソーマ以外にいなかったですし…」

おそらく熱が引かずに長引いているのは、そのときの行動で体に無理をさせた体と思われてるのだろうと見た。そんな推察を立てていたユウにサクヤは言う。

「あの人にもう言われてると思うけど、それは流石に無謀というものよ。それはもちろん、ユウ君のことだから現場にいた私たちのことを思ってのことだとは理解できるの。でもね、助けに現れた人が、自分の体調不良が祟って目の前で倒れることがあったら、少なくとも私たちはかえって苦しい思いをすることになる。私たちもなんとか最悪な状況に陥ることは避けるよう努力するから、あなたも無茶しないで。私ももうこれ以上、仲間を失いたくないもの」

そう言って目を伏せるサクヤの目に映るのは、リンドウがいなくなったあの日の記憶。この場にいた全員にもそれは伝わり、沈黙が流れる。

しばしの間を置いてから、サクヤは思い出したように口を開いた。

「そうそう。ユウ君、ソーマ。あなたたちにシュンたちが話があるそうよ」

「え?」

思わぬ来訪者にユウたちがきょとんとしている間に、サクヤが「入って」と入室を促すと、ジーナとカレル、そしてバツが悪そうな表情でシュンが入ってきた。カレルは前回の戦いでの頭に包帯を、シュンは両手足と首に包帯が巻かれている。近接戦闘型メテオールを使って地上へ落下した際に負ったものだ。

「何の用だよ?ジーナさんならまだしも、お前ら二人まで。冷やかしのつもりか?」

コウタはカレルとシュンの二人を歓迎する気が起こらず、寧ろ早く出ていってほしいと今にも言いたげに睨みつける。

二人がこれまでソーマを死神と忌み嫌っていたこと、アリサについても最初の高飛車な態度のこともあったとはいえ、シュンの場合に至ってはユウすらもあまり良い態度を取ってこなかったこともある。コウタ自身も馬鹿にされたことがあるため、こうして会いに来られると、何か裏を思えてくる。

「コウタ、そんな言い方したらダメ」

気持ちを察しながらも、サクヤはコウタに注意する。

「悪いわね。二人がどうしてもって言って聞かないから」

「ジーナ、それ以上言うな、俺たちから直接言わせろ」

ジーナは二人の意思を汲んで付き添ってきたのだろう。そんな二人を思って何か言おうとしたが、その先は自分たちで言うべきだとカレルはジーナの言葉を遮った。

「それで、話とはなんだ?」

ソーマもやや棘のある視線をシュンとカレルに向ける。

シュンはその視線に怯みかけるが、気を引き締めてソーマとユウに向き直る。

「その…ソーマ、ユウ、あと…アリサ」

今にも顔から火が出そうな思いに駆られながらも、シュンは後頭部を掻き、バッ!と頭を下げた。

「この前…いや、今まで悪かった!」

しかも単に頭を下げたのではなく、土下座だ。

「俺、お前らのこと何も解ろうともしなかった。痛いとこを突いてマウントをとった気になって、調子に乗って馬鹿にしちまった!マジですまねぇ!」

「ちょっ、シュン…」

「お前…」

「ソーマ、俺もお前に謝らないといけない。今まですまなかった。そして、仲間を救ってくれたこと、感謝する」

シュンだけでなく、カレルまでも土下座まではしなかったが頭を下げてくる。

「二人とも、頭を上げてよ。そこまでしなくてもいいって。そこまでしたんだから、僕は許すよ」

「…まぁ、俺も別に死神呼ばわりについちゃ、理解はしている。お前等だけのせいにする気はねぇ」

ユウは二人に顔を上げるように言い、ソーマも彼らが謝った以上、自分に対する侮辱的な態度についてはもう水に流すつもりのようだ。

「お前等…いいのか?」

「誰かを嫌ったり憎むより、仲良くなる方がいいよ。その方が気楽でいられるもの。無理に仲良くなろうとするのも違うかもだけど」

ユウはそう言って、屈託に笑みを浮かべながらソーマに視線を向けると、ソーマもふっと微笑んだ。

シュンは、呆気にとられた。あれだけ酷い態度をとってきた自分たちを、たった一つの謝罪で許してしまうこの二人は実は結構な馬鹿なのか?と、またも失礼な言葉が喉から出そうになったが、その認識をすぐに改めた。二人は自分よりも、器を広く持っている。一方で自分は、カレルからたびたび言われてるようにまだ子供に過ぎないだけ。それに気づいたシュンは、前回の戦いの自分の情けなさと浅はかさを再度認識させられることになった。

シュン共々、ユウたちから許しを得たカレルも、表情が大きく変わったわけではなかったが、一時的に沈黙する程度には驚いていた。

「だが、どちらにせよ今回は借りができたな。知り合いも無事に済んだおかげで今後の予定が狂わずに済んだ」

「知り合い?それに借り?」

カレルの言葉の意味がなんなのか、ユウは尋ねる。

「あぁ、俺はいずれ病院を経営しようと考えている。フェンリルの管轄とは別にな」

「病院!?お前そんなこと計画してやがってたのか!?」

「私も初めて聞いたわね」

シュンは初耳だと言わんばかりに驚いていた。それだけでなくジーナも、カレルの人となりを知る他の面々も、あの金にがめつい行動が目立つカレルが他者に施しを与えるための計画を練っていたとは思いもしなかった。

「俺の知り合いが、前回の合成神獣が極東支部に竜巻を発生させていた時、ソーマやシュンに命を拾われたとか聞いたからな。借りってのはその件だ」

「あの時…あぁ、そういうことか」

ソーマは、カレルの説明を聞いて理解する。合成神獣たちの竜巻で外部居住区の建物が次々と崩れ、シュンが瓦礫の下敷きになりかけた際に、ソーマが現れる前に外部居住区の避難民たちが、シュンを助けようとしたときだ。その中にカレルの知り合いもいたのである。

「今言った知り合いに医師を任せるつもりだ。頭が固くて容量が良いとは言えないが、このご時世だからな。医者の存在は欠かせない」

フェンリルの保有する医療技術は現存している医療体制の中でも最も優れているが、アラガミに当時の現金も含めたあらゆるものが食い荒らされたこの時代だ。ゴッドイーター及びフェンリルの職員に属さない者がそれを受けるだけの大金を稼ぐことは不可能。だからと言って居住区の町医者程度では、診ることができる症状や怪我は風邪程度などごく限られた範囲しかない。防壁外なんて当然医者がいること自体ごく稀だ。

「…世の中金ではどうにもならないことばかりだ。だから、金で解決できる問題は、金で解決すればいい」

「カレル…」

これまでカレルは守銭奴ぶりを露わにしてきたが、その理由を聞いて腑に落ちた。彼の欲しがる金は、誰かを救うために必要なものだったのだ。その資金を集めるためにも、深追いこそすることはあっても、決して死ぬことは許されないと自覚している。同行する仲間の死亡率が高いソーマを敬遠していた理由も同意できなくとも理解ができる。

「お前たちへの借りだが、俺たちの謝罪一つで済むとは思っていない。だから、借りはこれからの任務で返す」

「いいのか?ユウならともかく、俺はお前たちの知る通りの『死神』だぞ」

ソーマは、以前のような他者を突き放すようなことを言う。もっとも今のは突き放すためというより、試すような意味を含めていた。するとカレルは不敵に微笑する。

「ふ…上等だ。死神の呪いが勝つか、俺たちの悪運と力が勝つか、賭けてみるのも面白そうだ」

「ふん、好きにしろ」

ソーマの呪いが本物であったとしても、借りを返すためならばそれにも挑む意思を見せたカレルに、ソーマも不敵に笑うのだった。

「っへ、俺だってやってやんよ。これからアラガミ共を狩りまくって、借りを返させてもらうぜ。一緒の任務の時は期待しとけよ、お前ら!」

シュンもユウたちに指を突き出してやる気を見せる。

1か月の謹慎処分を下されていた彼だが、今回新型メテオールの被験者となったことと、それを用いて合成神獣たちを相手に活躍したことで、特別に謹慎が残り3日と、特別報酬がサカキから贈呈されることになった。

が、そこでカレルが冷や水を浴びせてきた。

「お前は俺から借りている金もキッチリ返して行くようにしておけよ」

「あぁ!?今それ言うのかよ!」

「踏み倒されたら敵わんからな。この前の戦いで使った新型メテオールの被験者としての特別報酬がある以上、遠慮する必要もないしな」

「その報酬、今回の治療費と闇市のダチに結構使っちまってんだぞ!?ただでさえあん時落ちた時の怪我が滅茶苦茶痛かったのに追い打ちかけんじゃねぇ!」

せっかくいい感じに締められるかと思ったところでのカレルの茶々が入ったことで、おかしくなったユウやコウタが笑い、サクヤやアリサも吊られるように笑うのだった。

 

 

…ちなみに特別報酬の件だが、旧GUYS基地に保管されていたデータからオラクル技術によってレストアされた『ファンタズム・アビエイション』の被験者としてシュンがその役目を、知っての通りぶっつけ本番で担うことになった。効果のほどは、ザイシーゴラスたちを重力すら無視したスピードでかく乱して見せるほどのものを見せつけたため、その点については間違いなくあったものの、安全面については課題が残った。なにせメテオールの制限時間オーバーでシュンが地上へ思い切りスライディングしたのだから(一応パラシュートは完備されていたが、シュンがサカキの『制限時間の最低5秒前には地上へ降りること』という警告を忘れていたので結果的に効果無)。

まだ安全性が万全のものではない状態での運用だったこともあったことも特別報酬の贈与に繋がったのだが、元より借金を重ねていたシュンはその報酬のほとんどを返済に充てざるを得なかったのだという。

 

医務室内が笑いに包まれる中、ジーナがそっとユウに耳打ちする。

「こんな感じの子達だけど、見捨てないであげてね」

微笑みながらそう呟くジーナから、手のかかる弟を案じる姉のような母性が滲み出ていた。

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