王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶 作:dwwyakata@2024
第二の侵略者からの離反者。
この存在がもたらした情報が、侵略者の様々な機密を明らかにしていきます。
難攻不落と思われた邪悪の砦が、崩壊を始めました。
またパデラクスから連絡が来る。
ミランはげんなりしながら連絡を受ける。会議に出ろというものだった。
また大発見か。
それともパデラクスがなんか興奮しているだけか。
パデラクスの事は大嫌いだが、あいつが有能である事はミランだって分かっている。丁度寝起きだが、出ないわけにもいかない。
特務の仕事の内だ。
そう言い聞かせて、立体映像会議に出る。
どうやらクアーラ議長も寝起きらしい。
苦虫を噛み潰しまくっている議長を見て、ミランは心底同情した。
今回は前の会議ほど出ている人間は多くないが。
それでも、それなりの人数が出ていた。
「それでパデラクス。 どういう理屈で我々を呼び出したのですか」
「素晴らしい出来事が起こりました! 素晴らしい出来事です! 敢えて二回言いました!」
「分かりましたから、内容を」
「はい! なんと、侵略者から亡命者が出ました!」
亡命というと、親衛軍NO3_009116を思い出す。
あいつはかなり回りくどい方法で亡命してきた。
今では機械に意識を移して、専門の研究チームと話をしているはずだが。
パデラクスが言う。
今回は、なんと直接データを超光速通信で飛ばしてきたのだという。データの内容は、意識、記憶のデータ。
それに親衛軍としての肉体だ。
「親衛軍の性質からして、亡命希望と言ってくることは普通あり得ません。 つ、ま、り! 自我を獲得した個体だと見て良いでしょう!」
「罠の可能性は」
食事中を連れてこられたらしい大将がうんざりした様子で言うと。
パデラクスはないと言い切った。
「勿論隔離空間で、機械の中に意識を移して動かしていますが。 相手もそうされることを理解していたはずです。 実際、すんなり理解している上に、あの指導者の悪口をしこたま言っています」
「相当に侵略者の間でもあいつは嫌われているのか」
「自我さえ得れば、いかに無茶な相手に従っているかは理解できるのか。 ならばどうしてそんな奴を天に戴いたのか」
呆れる声が続くが。
パデラクスは良いですかな、と聞いてくる。
ともかくだ。
話だけでも聞いてみるかと言うことになり、いくつもセーフティを介した上で、その亡命してきた奴。
親衛軍NO4_733081の話を聞くことにする。
ただ、議長がいきなり会話するわけにはいかない。
パデラクス経由での会話になるが。
「まずは貴方の名前をどうぞ!」
「親衛軍NO4_733081でーす。 不平と不満を口にするのが趣味です」
「それはまた、不真面目な趣味ですな!」
「よく言われますねえ。 というかあの腐れ指導者の老いぼれも、散々私に手を焼いた末に、不平不満と減らず口を限定的に許可したんですわ。 私が実績を出しているから、ですけれど」
そんな親衛軍がいたのか。
ミランも驚かされた。
相手はかなり賢いようで、色々ズバリ言ってくる。
「多分会議してるんですね。 統括議長、でしたっけ、いるんですか?」
「それはノーコメントで」
「まあいいでしょう。 ではミランさん出してもらえます?」
「……」
パデラクスがどうします、と文字だけで議長に確認。
クアーラ議長は、嘆息しながら、お願いしますと同じく文字だけでよこしてきた。ならば仕方がないか。
立体映像ごしに話す。
相手はボイスオンリーの状態だが。
「ミラン特務大佐です」
「おー、貴方が! 親衛軍ウォーリアをばったばったと斬り倒しているという」
「毎回苦戦していますが」
「いえいえ、それでも貴方一人のせいで、どれだけ親衛軍ウォーリアが倒されたか分からないほどですよ。 あの指導者のクソ爺が、ずっと切れ散らかしていて、どれだけ侵略者が八つ当たりをされたことか」
指導者は、腹が立つと、怒りをぶつけるためだけの侵略者を製造し。
それらを拷問して憂さ晴らしをするという。
殺されるためだけに生まれてくる侵略者には意思もなく、ただ拷問を甘んじて受けて、殺されるのだそうだ。
それを聞いて、流石に周囲がどよめく。
確かに、まともな行動とはとても言えない。
「あの指導者は、そのようなことをしていたのですか」
「ええー、まったくね。 私も何回か殺されたんですが、私の研究での兵器開発が必須と悟ると、何度も何度も調整されて、結果としては減らず口を許されるようになったんですよねえ。 でも、それでも何度か殺されましたけど」
「む、無茶苦茶だ」
「あいつにとってはあらゆる命が玩具で、あらゆるものが私物なんですよねえ。 だから何でも平気で出来る」
そうか。
恐ろしい内部告発だ。
とりあえず話をするが、相手はミランの戦い方とかは聞いてこない。
むしろ、当たり障りがないことを聞かれて。
ミランはそうなのか、とだけ思った。
別に心を読もうとか、しているとは思えない。
したところで、何ら意味も無いだろうし。
「貴方には感謝しているんですよミラン大佐」
「どういうことですか」
「貴方のおかげで、指導者の腐れ爺の、私に対する依存度が上がったんです。 その結果、私は自我を得られた。 ごくごく最近です。 あいつはなかなか私を安直に殺さなくなりましたので」
それで感謝されても困るが。
ともかく、もう良いだろうか。
そう思っていると、パデラクスとまた話すと相手側から言い出した。ミランとしても、いい加減困っていたので、好きにして貰う。
パデラクスは他にも話を聞くが。
聖地の場所については、親衛軍NO4_733081も知らないらしい。
「聖地に関しては、親衛軍誰も知らないと思いますね。 それに恐らくですが、戦略的価値は皆無だと思いますよ」
「どうしてですかね」
「資源はなく、テラフォーミングをしても元には戻らない。 荒れ果てた星です。 今では恐らく、誰も住んでいないでしょうね。 あの腐れ爺が体を置いているかも知れませんけれど、もう知っているんじゃないですか? 体一つ壊した程度で、あいつが死ぬことはないですよー」
「ふむふむ、なるほど……」
それよりも、と親衛軍NO4_733081はいう。
なんでも、他にも親衛軍を裏切らせることが可能かも知れない、と。
侵略者は物量作戦を得意としているが、それはあくまで機械的に動いているだけの結果である。
親衛軍も毎回生産されて使われているに過ぎず。
こちら側から干渉することで、自我を与えることが可能になるかも知れない、と。
「ふむふむ……」
「貴方方が解体屋と呼んでいる彼なんかも、自我を得る寸前まで行っていますねえ。 ただあいつ、かなり癖が強いですけど」
「そういえば随分と面倒な策略を使ってきましたね。 何度か対戦しましたが」
ミランがぼやく。
いずれにしても、解体屋を味方につけられたら、面白いかも知れない。
武士については、信頼感がある。
恐らくだが、生身を与えて戦って貰っても良いのではないか、とすら思う。
一方で潰し屋など、どうやっても無駄だろうと思える相手もいるが。
「回収した意識データに、親衛軍のものもいくらかあります。 それらを見繕って、自我を得られるように機械の中で調整してみますか」
「それは面白い。 協力させて貰えます?」
「いや、いきなりそれを貴方にやらせるほどこちらも大胆ではないのでね。 少し試してみるとしますか」
不意にパデラクスが、親衛軍NO4_733081との会話を打ち切った。
それで、皆との会話に戻る。
クアーラ議長は、うんざりした様子で言う。
「あの親衛軍は相当な変わり者のようですね。 貴方と一歩も引かずにやりとりをしていましたが」
「はっはっは! 科学者は変わり者だと言うことです。 あれも科学者だったようですしね!」
「いや、流石に貴方と一緒にされたら困る人も多かろう」
誰かがぼやくが。
みんなそっぽを向いた。
ミランもその一人だ。
ともかく、クアーラ議長が指示を出す。
「あの親衛軍NO4_733081は別個に、意識データを確保している親衛軍がいるのなら、自我の回復を出来るかどうか試してみてください」
「了解しました。 しかし、それで如何なさるので。 即座に戦線投入とか言いませんよね」
「流石に其処まで大胆ではありませんよ。 指導者を排除した後の、その先。 侵略者と言う種族が自我を取り戻した時、ともにやっていくための方法を模索するためです」
それを聞いて誰もが驚く。
対象の一人が、立ち上がったようだった。
「お待ちください。 あのアルカラルドⅠの様子を見る限り、侵略者と言う種族とやっていけるとはとても思えません」
「アルカラルドⅠの住民の遺伝子データから培養した者達は、選民思想を別に持ってはいないようです。 好戦的で上昇志向が強すぎるようではありますが」
「し、しかし」
「天の川銀河にこれほどの災厄をもたらした責任は当然とってもらう必要があるでしょうね。 どれだけの生物を彼らの理屈で蹂躙して滅ぼしたかも分からないほどです。 しかしながら、その禊ぎをするのは彼らの仕事です。 少なくとも、指導者を打倒した後、侵略者という種族とやっていく方法は、今から考えておくべきでしょう」
クアーラ議長の言葉に、皆黙り込む。
ミランも分かる。
この場に侵略者を憎んでいない者なんていないだろう。
星ごと奪われて皆殺しにされた種族だって珍しくないのだ。
しかも自分の世代でそれをされた者だって議員にいるだろう。そうでなくても、身内を侵略者との戦争で殺されている者の方が遙かに多い。
それに侵略者の所業については、誰もが不快に思っているはずだ。
多様な価値観がある支援者でも。
それでも、とうてい許容できないのが、侵略者と言う存在の、少なくとも今のあり方である。
クアーラ議長は言う。
「まずは試験的に、侵略者の肉体の再生。 そして、生身の彼らとうまくやっていけるかの試験から始めましょう。 今回回収したDBでそれが出来るとパデラクスから話が出ています。 遺伝子データの改変のログが残っていたようですので」
「それを奴らを滅ぼすのに使うべきです!」
「現状いる侵略者については、意識も事実上存在せず、指導者の人形遊びの道具というのが実情です。 これらについては滅ぼします」
さらりとクアーラ議長は言う。
まあ、それしかないだろう。
あれらは、対話が成立する存在じゃない。
親衛軍の一部には会話が出来る者もいたが、それも例外の中の例外だ。
会話でどうにか出来る相手ではない。
生殖機能も排除され、意識も意思も持ってすらいない。
そんな存在と、どうやって仲良くするというのか。しかも指導者に従わせるためのナノマシンが体内にある事前提で、ないと死ぬし、死ぬと爆発するのだ。
「侵略者の指導者は、分かっているだけでも200以上のスペアボディを持っていて、これを支配地域の各地に散らしています。 これら全てを破壊し尽くさない限り、指導者は倒せないでしょう。 勿論新たにスペアボディを生産もしているようですし、肉体そのものは老いていないようです。 つまり老衰死は期待できません。 思考などは硬直化して、相当に老いてはいるようですが、それでも油断は禁物でしょうね」
誰も文句は言わない。
クアーラ議長の発言は、確かに落としどころをわきまえていると言える。
侵略者と和平を、とか言い出したら、誰も従わないだろう。
恐らく不信任決議が出るレベルだ。
しかしながら、現状の侵略者については完膚なきまでに滅ぼすと、クアーラ議長は宣言した。
これは、彼らの実情から考えると当然だ。
誰も市民と呼べる存在も、非戦闘員もいない。
指導者の人形であり。
指導者の意思のままに動くだけの肉の塊に過ぎないのだから。
皮肉な話だ。
こちらを肉と呼ぶ指導者の手下こそが、肉だというのだから。いずれにしても、ミランはそうなるだろうな、とだけ思った。
「侵略者の一般個体を効率的に破壊する手段については、パデラクスに研究させます。 データがこれだけそろった現状なら、恐らくは出来るでしょう。 問題は侵略者の一般個体などいなくとも、侵略者の兵器は自律稼働することです」
「結局は戦争でどうにかするしかないようですな」
「……そういうことです。 これから三期ほどは、前線の後方を平定すること。更には、各艦隊の損害を回復することに努めます」
親衛軍NO4_733081の話によると、現在侵略者の保有する宇宙艦隊は八千万隻ほどで、しかも大半が旧式艦か損傷艦だそうである。
勿論今慌てて増産を掛けているようだが。
既に生産能力は支援者が勝っている。支援者も生産を進めており、現状の二倍半の戦力差が埋まることはないだろう、ということだった。
それでも、こちら側に多大な出血を強いてくる兵器を、多数侵略者は有している。
ミランは特務として、それらと相対しなければならないのだろうなと思った。
とりあえず手札を見せた親衛軍NO4_733081は、円筒形の何の能力も無い機械に入れられ、多少退屈していた。
退屈していた理由は簡単である。なんと娯楽を楽しめるようになったのだ。故に娯楽がない今は退屈だった。
指導者から解放されて、更に自我を得て。それで娯楽を楽しむという感覚が得られたのは大きい。
とりあえず、娯楽を求めて見たのだが。
パデラクスの代わりに、緑がかった肌の、随分とかわいい娘が応対に出た。
緑がかった肌。
そういえば、アルカラルドⅠとかアポカラプスだとかいう惑星に、あの指導者が遺伝子を弄くって緑肌にした者達の子孫が流れ着いているという話を親衛軍NO4_733081は聞いていた。
見た目、侵略者となんら変わらない。
それも、恐らくは、指導者にあらかた消し去られる前の姿だ。
「はじめまして。 クーリアと言います」
「はじめましてー。 随分とまたかわいらしい」
「ありがとうございます。 現在、科学者を目指して勉強中です」
白衣を着込んでいるクーリアだが、随分と雰囲気が落ち着いている。
見た感じ十歳前後だろうか。
だとすると、ものすごい天才児だな。そう素直に親衛軍NO4_733081は認める。
だが、聞いているアルカラルドⅠの状況では、天才児など潰されるだけだった筈だ。
そう考えていると、クーリアは言う。
アルカラルドⅠから助け出して貰ったのだと。
そうか。
どうやら、地球にいた頃の侵略者よりも、よっぽど支援者は道徳的らしい。そう思うと、おかしくなってくる。
醜くて残虐なエイリアンが、理由もなく攻めてきて、殺戮の限りを尽くす。そういう映画を、侵略者は大好きだった。
だが、結果はその真逆。
その映画のエイリアンの行動をしたのは侵略者で。
むしろ支援者の方が、理想的とも思える民主制を敷いて、腐敗も排除しながら、団結して立ち向かってきている。
あれらの映画の邪悪なエイリアンは、侵略者そのものだったのだなと思う。
「それで、助け出して貰った子が、この残虐生命体である親衛軍NO4_733081に何用かなー?」
「残虐生命体だとしても、今は何も出来ないはずです」
「それはどうだろうね。 君を洗脳して、私……そうだな。 面倒だからもう私でいいや。 私を此処から出したりとか、させようとするかも知れないよ?」
「それも出来ないようにされていますし、何より私にその権限がありません」
笑顔を崩さないクーリア。
これは、厄介だな。
そう判断する。
実際問題、強烈なセキュリティもあって、電子戦能力なんぞないに等しいこのボディではハッキングなんて無理だ。
しかも電子戦能力は、支援者の方がテクノロジーが上。
実際あの腐れ指導者の肉体を守っていたセキュリティも突破されている。親衛軍NO4_733081だけではどうにも出来ない。
この子供も、それを知った上で余裕の対応をしてきている。
嘆息すると、それで何のようだと聞くと。
いくつか、話がしたいと言われた。
「何か今ほしいものがありますか?」
「娯楽がほしいっすねえ」
「娯楽ですか」
「映画とか漫画とか動画とか」
少し考えた後、クーリアが資料を送ってくる。
なるほど、これが支援者の文化か。
ざっと見ると、どうやら古く……核により全面戦争が起きる前に隆盛だったような文化ほどのカオスではないようだ。
とにかく丁寧にまとめられていて、逆に言うと面白みがない。
というか、単に肌が合わないだけかも知れない。
どんな文化にも相性が合って、どれだけの名作でも合わない人間にはなんの感銘も与えない。
「BLものはありませんかねえ」
「それはなんですか?」
自我が出てき始めてから、どんどん素の性格が出てきている。それを親衛軍NO4_733081は自覚していた。
男性同士の同性愛を描いたBLものは、核戦争前のものがある程度データとして残っているが。その後は禁忌として弾圧され、殆ど全て消し去られた。
そのわずかなデータの残滓を、自我を得てから指導者に隠れてDBから盗み見ていたのだが。
自分と違う性別の存在が、自分の理想的とする愛に没頭するこのジャンルは、親衛軍NO4_733081に突き刺さりまくった。
一方で男性も百合と言われる、女性同士の同性愛ものを好んでいたようだから、結局性別による違いというのは其処までないのかも知れない。
説明をすると、クーリアは意外と動揺せず、こういうものだろうかと資料を出してくる。
おお。
親衛軍NO4_733081は思わず声を上げていた。
このジャンルは、支援者にもあるのか。
目を通すと、多様性は全然核戦争前の侵略者の文化に劣っていないようだ。大喜びして目を通している親衛軍NO4_733081に、クーリアは呆れるでもなく話しかけてくる。
「私は、貴方がどういうことを考えているのか調べるために仕事を受けました。 もっとも、貴方の思想に引っ張られないように、メンタルケアも受ける予定ではありますが」
「いやー、貴方みたいな聡明な子、どうこうはしないッスわ。 あのパデラクスとか言うマッドサイエンティストだったら色々悪さしてやろうとか思いますけどねえ。 文化に偏見も持たないし、嗜好だってその年で偏見がない。 支援者による教育のたまものですか?」
「……私の国は差別と支配だけがあって、何の自由もなかったんです。 プロパガンダで持ち上げられて、それで用済みになったら牢に入れられて。 それを助けて貰ったんです。 支援者を恨んだりとか、偏見をもったりなんて、失礼すぎます。 勿論見て怖い、と感じる種族の方もいますけれど、それは解消できるように努力しています」
凄いぞこの子。
十歳前後で、これだけの境地にいけるものなのか。
侵略者の文化、特に核戦争前では、いい年こいた大人が、主観だけでものを判断して。嗜好だけで相手の全ての価値を決めつけていた。
それはあらゆる資料が裏付けている。
レッテルが廃れれば新たなレッテルを作り出し、差別と暴力を正当化してきた。それは全て差別と暴力が楽しいし、何より場合によっては金になるからだ。そういう事をしてきたのが侵略者だ。そしてそういったことをしている連中が、生物的な成熟と関係なく「大人」と言われていた。
平気で犯罪に手を染める輩や、倫理観皆無の存在こそが、「社会的な大人」とされていたのである。
あらゆる全ての資料がそれを裏付けている。
だが。
そういった連中の誰よりも、この子は「大人」だ。
面白いな。
自由と平等を謳いながら、自分で決めた自由と平等以外は認めないとしていた侵略者よりも。
あらゆる全てでこの子の方が面白い。
「いや凄い、興味が出てきた。 これから君と色々話したいですねえ。 時間を作ってもらえます? どんな娯楽作品よりも、君と話すことの方が面白そうだ」
「褒めていただいていると解釈してもよろしいですか?」
「勿論最大級の賛辞」
「そうですか、ありがとうございます」
丁寧に礼までされる。
いやはや。
あらゆる全てがあの指導者の真逆だ。
核戦争前の侵略者は、善良である事を弱いこととして。悪辣である事を強いこととしていた。
この子はその時代に生まれていたら、「弱者」のレッテルを貼られて、当然迫害されていただろう。
殺されていた可能性も高い。
当時は「いじめ」とすれば、殺人であろうとも無罪になるケースが普通にあったからだ。そうやって殺されていた可能性も低くはないだろう。
それも、家族とかにだ。
特に家庭での児童虐待は、異常に罪が軽くなった例も多いと資料で見ている。
徹底的に心身を蹂躙された挙げ句。
やった側は無罪放免という可能性も低くなかったはずだ。
勿論、核戦争後の世界でも大して変わらなかっただろう。
まったく。
今や侵略者と化している地球人の血脈から、こんな面白い子が出るとは。分からないものだ。
とりあえず通信を切る。
そして、退屈が紛れたので、親衛軍NO4_733081はむしろ興奮していた。
あの子を、クーリアをどうにかするつもりはない。
支援者の環境であれば、あの子が狂ったり歪んだりすることはないだろう。
残忍で冷酷になる事を大人になるとか侵略者では称していたが、あの子はそうではない大人になってほしいものだ。
これは、暴虐を美徳とする文化の結末を見た親衛軍NO4_733081だからこそ思える事。
それから解放されて、どうしていいか分からなくなっている状況だからこそ、思える事であった。
※どうでもいい知識
親衛軍NO4_733081の好物はBLものです。それもものすっごいどぎつい奴。
自我を得てからというものの、今まで押さえ込んでいた欲望が一気に解放された結果ですね(苦笑)
本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。
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詳細なマシンデザイン
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圧倒的な武力による蹂躙
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緻密な人間ドラマ
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種族や文明の描写
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近接した力量のライバルとの死闘