王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶 作:dwwyakata@2024
遊星での調査は大詰め。
この遊星で何があったのか、明らかになります。
第二十三艦隊は損傷艦を修復しながら、遊星の調査を急ぐ。現時点で、ケーニス中将は、ある目標を立てていた。
この星に問題がないか確認する。
問題がないことを確認できたら、安全圏まで工作艦で運ぶ。
それから本格的に調査する。
以上だ。
確かにこのままでいると、侵略者がどのような作戦を立ててくるか分かったものではない。
メタトロンのような超大型戦艦を出してくる可能性も否定できない。
現在、侵略者の指導者に対する精神的な攻撃が始まっているそうだが。それによると、指導者は既に正常な精神状態ではないという。
つまり何をやらかしてもおかしくないと言うことだ。
自殺でもしてくれればいいのだけれど。
そうぼやく兵士もいるようだが。
そうなったら、残された自動機械類がどのような暴走を始めるかも分からない。何が起きてもおかしくない状態で、それに備えなければならない。
今はとにかく、相手の戦力を削ぐ事に終始しているようだが。
それも何処までうまくいくか。
ミランはウォーリア四型の修理を横目に、兵士達からの話を聞いていた。
「相変わらずミラン大佐は凄かったな。 あんな巨大な親衛軍ウォーリアを相手に、支援ありとはいえ……」
「旗艦級戦艦の自爆をとめたのもミラン大佐らしい」
「すげえな相変わらず……」
そういう風に見られても困るというのがミランの本音だが、今は黙っておく。
程なくして、ウォーリア四型の修理が完了。
調査班の護衛として、また出てほしいと言うことだった。
遊星はブリザードが吹雪き始めていて、また調査が面倒なことになっている。それでもやるべき事はやるべきだ。
遊星に降りる。
強襲揚陸艦も降りていて、部隊も展開しているが。調査は難航しているようだった。
無菌室が作られ、回収された死体などが調査されている。
その数は決して多くないようだ。
「いくつか分かってきたことがあります」
「聞かせてほしい」
調査班と、ケーニス中将が話をしている。
ミランはそれを聞き流しながら、護衛を続行する。ワーカーもどきがいてもおかしくないのだ。
戦車隊なども、かなり警戒度を挙げているようだ。
「この遊星には元々コロニーを作る計画があったようですね。 残骸などから、それが中途で……それもかなり早い段階で頓挫したらしいことが分かってきました」
「何か理由については分からないか」
「いえ、其処までは。 ただ、コロニーの残骸周辺に、着陸船が何度か離着陸した形跡があります。 もしも何らかの形でアルカラルドの民やアポカラプスの民の先祖がここにおりたのなら、何かしらの資料が残っている可能性はあります」
「分かった。 他には何か分からないか」
分かってきたことは他にもあるそうだ。
戦闘中も、調査班は調査を続けていたらしい。
まあそれはそれで、きちんと仕事をしているとも言える。実際、敵艦隊は遊星に近づくことさえ出来なかったのだ。それならば、仕事をするのが筋ではあるだろう。
「やはり侵略者は此処には大規模部隊を送り込んでいません。 彼らが来た時特有の、根こそぎの環境の消去が起きていません。 もしも彼らが来たのなら、休眠中の細菌すら全てこそぎ取っていったでしょう」
「ではあのワーカーもどきは?」
「資料で確認しましたが、工場ユニットが出現する前は、あれを大量に宇宙艦隊からばらまいて、直に地上に落着させていたようです。 ただそれだと、様々な機能が破損しやすい事から、工場ユニットを落着させ、現地でワーカーをはじめとする兵器を生産する方式に変えたようです」
「つまり侵略者がドクトリンからして違った時代の遺物で、しかもそれが少数だけ投入されたのか」
それはまた。
随分と昔の話の訳だ。
いくつか他にも話を聞く。
まず休眠状態の細菌だが、この遊星全土で見つかっているわけではなく。今ミランが見張っている辺りでだけ出ているらしい。
この惑星をテラフォーミングしようとしてうまくいかなかったことは確実のようだ。
或いはコロニーも。それで早々に引き上げたのかも知れない。
だが、戦闘の痕跡は何なのだろう。
アネカが声を上げる。
「見つけた。 地下のそれなりの地点に、小型のシェルターや。 もう機能は停止しとるか、休眠状態のようやね」
「! すぐに掘り出せるか」
「分かりました。 対処します」
ボーリング用の装備が強襲揚陸艦から降りてくる。
元々地下に何かある可能性は高かったのだ。用意されていたのは当然だった。しかも、アネカがいう地下は、1500mほどの地点だ。
どうにも宇宙から撃ち込んだように見えるらしく。或いは、シェルターを弾丸のようにこの遊星に撃ち込んだのかも知れない、ということだ。
ミランはそんなことをする意味があるのだろうかと思ったが。
アポカラプスの民の行動を思い出して、あれらなら何をしてもおかしくないかと思った。
ともかく護衛だ。
ボーリングマシンが掘り出しを開始。それほど時間を掛けず、1500mの深さを掘り返す。
ブリザードは酷くなる一方だが、工作部隊が穴に入り、やがてシェルターを回収してきた。
一度気密された輸送船が来る。
内部を位相変換シールドで塞ぎ。超光速通信等も防ぐ仕組みが出来ている、鉄壁のシェルターだ。細菌どころか、光子一つ逃さない。
此処に、今回収したシェルターを含めて、此処にあった死体などを回収する。
死体は酷く損壊しているが、それは雑多な装備でワーカーもどきとやりあったからだろう。
ワーカーと生身で戦えば、誰だって原型も残らない。
まだ形が残った死体であったのは、幸運だったのかも知れない。
「一旦回収しました!」
「よし、工作船。 前線まで戻り、更にそこから無人の星系にまで移動する」
「了解!」
「帰路にも気をつけろ。 損傷艦の曳航も余さず行え」
第二十三艦隊は多少消耗したが、まだまだ全然戦闘続行は可能だ。
やはり敵艦隊の装備をはじめとした戦力が劣弱だったからだ。全戦線で、敵は弱っている。
それでも、あの旗艦級戦艦の自爆が達成されていたら危なかった。
相手が如何に弱っても、腐っても星間文明で、天の川銀河の4割弱を抑えている国家なのだ。
侮ることだけは、してはいけなかった。
ワープを繰り返し、到着した星系は、特に名前もなく、番号だけが振られている。
肥大化した赤色巨星だけがある星系で、戦略的価値も少ない。完全制圧後は、恐らくは水素などを適宜補給して、恒星を安定化させる作業に入るそうだ。超新星爆発が起きたら、周辺の星系にも迷惑が掛かるからである。
此処なら、事故が起きても大した被害にはならない。
それもあって、調査が始まる。
総司令部から、科学者のチームも追加で派遣されてきた。
パデラクスは流石にいないが、配下のチームの精鋭が何名か来たらしい。ミランとは面識がないので、軽く挨拶はする。
輸送船の中に、ミランも移動する。ウォーリア四型でだ。
これから何が起きるか分からない。
最悪の事態に備えなければならない。
アネカとハコトも、電子戦分野で協力する。
完全気密状態の中、調査が黙々と行われる。多弁な科学者は多いのだが、今回来た科学者は寡黙だった。
種族は違うが、年老いているのは一目で分かる。
頑固だが、技術も確か。
そういう人物に見えた。
「其処のロボット、確か新型だったな」
「アネカちゃんやで」
「そうか。 少し手伝え。 器具が其処にあるから、わしの言うとおりに渡せ」
「あいあい」
アネカが助手になって、調査を始める。
老科学者は以降は一言も言わず、アネカもその意思を察しているかのように器具を渡す。
運び出された小型シェルターは密閉されているように見えて。実際開ける方法などないようだった。
そもそもサイズも小さくて、中に何十人も暮らせるとも思えない。一体何の目的でこんな小型シェルターを、地下深くに撃ち込むようなことをしたのだろうと、ミランも不思議に思う。
他の科学者はデータを分析。
今まで回収されたDBのデータから、一致するものがないが調べているようだ。
老科学者はシェルターを丁寧に検査すると、開けることに決めたらしい。
周りに緊張が走る。
小型の護衛用ロボットが数体ついた。
中から強酸が噴き出したり、防衛用の兵器が飛び出してきたり。或いは生物兵器が出てきたり。
そういう可能性を否定できないからだ。
勿論老科学者も強力な防衛能力を持つ宇宙服を着込んでいるが、それでも所詮はパワードスーツに過ぎない。
防衛には限界がある。
どこか卵にも見えるシェルター。
それを外側からレーザーカッターで丁寧に切り裂いていく。
一枚ずつ皮を剥がすようにして。
「この辺りは撃ち込んだ時に焼け付いた遊星の岩盤だ」
「如何に極寒の星とは言え地下深くだ。 熱も漏れないし、冷えた時に逃げ場もない。 シェルターの構造によっては、内部は何も残っていないかも知れないな」
「それにしてもなんでこんな乱暴な……」
科学者達が話している。
遊星の方も、科学者が調査チームで調べていた。こちらは徹底的に調べた後、危険性がないようなら、後方に送って何らかの活用法を考えると言うことだった。
アルカラルド星系に送ってしまうのも手かも知れない。
そんなことを科学者達は言っていたが、ミランには興味がないことだ。
ほどなくして、老科学者が難しそうな装置を取り出してきた。
複雑な機構で、押さえ込むような形状をしている。
アネカが丁寧に操作して、無言で働いている老科学者を支援している。ミランは何が起きても対応できるように、ウォーリア四型でずっと状況を見ていた。
「外殻切開」
「切開開始」
言葉少なく老科学者がいい。
アネカがそれを手伝う。
ずっとハコトは情報をまとめていて。凄まじい速さでPCを操作していた。
ハーネイ中尉は遊星の方の護衛に回って貰っている。戦闘機としては、そっちの方がやりやすい筈だ。
程なくして、小さな穴がシェルターに開けられる。
完全機密の状態だが、それでもそこから空気が漏れるのが、ミランにも分かった。漏れた空気も採取される。
「細菌反応あり」
「調査」
「……一致結果あり。 惑星アポカラプス、惑星アルカラルドⅠに共通の細菌存在。 恐らくは、侵略者の聖地から持ち込まれたものと思われる」
「カメラ挿入。 内部を確認する」
小型カメラを内蔵したチューブがシェルターに挿入される。
手際はとても良く、寡黙な老科学者がとにかく良くやっているのが分かる。
ミランは周囲を確認。
爆発でも起きたら洒落にならないからだ。
ほどなく、カメラから映像が出た。
「内部は恐らく落着の衝撃で……いや、ある程度無事だ。 強力な緩衝剤を使っていたらしい」
「惑星アルカラルドⅠの技術を明らかに上回っている。 アルカラルドⅠにアルカラルドの民がたどり着いた頃には、それだけ技術が劣化していたと言うことか」
「内部に生存者は」
「いない。 細菌はいるが、それもごく少量だ」
カメラが映し出す。
宇宙服を着た屍蝋化した死体だ。
これを恐らく、送り出すつもりだったのか。いや、こんなシェルターでは、脱出も無理だったと思われる。
「まだ子供だ」
「……酷い話だな。 こんな狭苦しいシェルターで一人死んだのか」
「いや、この様子だと落着の時には既に死んでいたようだ。 ……周囲にあるのは、DBか。 破壊されていないか調べるべきだろう」
「よし、取りだそう」
老科学者は科学者達の発言を完全に無視しているかのようにだんまり。
黙々と卵のようなシェルターを開けて、内部のものを確実に分解して取り出していく。DBは貴重品だ。丁寧に運び出された。
いくつかの、完全に劣化したものが死体の周りに浮いていたようだ。
それらも回収されるが、組成を調べる限り、植物であるらしい。
植物。
ハーネイ中尉が、話を聞くと通信を入れてきた。
「恐らくは副葬品だと思います」
「植物を副葬品に?」
「ええと、アルカラルドⅠでも、上層民は死んだ時に花を飾る傾向がありました。 花自体が貴重品だったので、上層民だけでしたけれど。 花が貴重品でなかったのなら、或いは……」
そうか。
長い年月で塵に成り果てた花か。
そう思うと、少し悲しくもなる。
死体も運び出される。
屍蝋化していて、原型もない。まだ子供だ。選民思想に足首をつかまれていなかったのなら、それでいいのだけれども。
ミランには、何も分からない。
程なく、解体が完了。
内部の空気も含めて、全てがそれぞれ分割されて、専門の科学者が調査を開始していた。
ちなみにシェルターの電源は破損していた。とはいっても、これでは内部の存在を生かして送り出すためのものだったとは思えないが。
「よし、一度戻って休憩を入れてくれ」
「了解しました」
ミランはそのまま、アネカとハコトと一緒にオッドフォードに戻る。
風呂に入るようにハコトに言われたので、面倒だがそうする。ため息が出る。風呂はどんだけ入っても慣れない。
しばらくベッドで横になる。
アルカラルドⅠの屑みたいな連中は、コロニー船で指導者から逃げている最中にも技術を使い潰して行っていたのだろう。
今回の件で、更にそれが裏付けられた。
一シェルターですら、アルカラルドⅠのテクノロジーをだいぶ上回っていたからである。
属人的なテクノロジーは、簡単にロストテクノロジーになるというのは、催眠学習で学んだのだが。
或いはあの指導者が開発したテクノロジーが先進的すぎて、逃げ出した者達はとても解析できなかったのかも知れない。
あくまで彼らの基準では、であるが。
遊星にあった物資も、休眠中の細菌さえも、すべて回収が完了。
徹底的に調査班が調べたが、星に人工物はもうない。それもあって、後はしばらくは無人の星系で寝かせて。
それから本格的にどうするか決める、ということだった。
今回の任務はこれで終わりかな。
そう思って、ミランは伸びをするが。
先ほどの老科学者が連絡を入れてきた。
「ミラン大佐、少し良いか」
「はい、構いませんが」
「わしはクラスネスという。 先ほどのシェルターについて、あんたに意見を貰いたくてね」
「自分のような素人がですか? 別に構いませんが」
素人ではない、とクラスネスは言う。
なんでも、ミランは侵略者の指導者とも、親衛軍とも、それにアルカラルドⅠやアポカラプスの住人達とも話をしている。
アルカラルドⅠ出身のハーネイ中尉とも関係を良好に保っている。
侵略者と、その同祖存在と、これほど接している存在は、あまりいないらしい。
それもあって意見が聞きたいらしい。
ならば、ミランとしても応えるだけだ。
「DBの内容は、遺伝子データだった。 侵略者の……恐らく手を入れられる前のものだな。 それがざっと80億人分」
「!」
「人数から考えて、恐らくは核戦争を彼らが起こす前に集めていたものだと見て良いだろうな。 それに加えて、動植物の遺伝子データも膨大にある。 その気になれば、侵略者の聖地の核戦争前の環境を再現することも可能だろう」
そうか。
様々な情報からたどった末に。
ついにここまでたどり着いたのか。
だが、どうして棺桶同然のものにそれを突っ込んで、射出したのかが分からないのだと言う。
ミランは今までの情報から、話をまとめて。
やがて結論していた。
「なんとも言えませんが、捨てたのでは」
「なぜ」
「侵略者の指導者は、自分が最も優れた存在だと考え、過去の全てを否定しています。 それから逃げ出した連中も、アポカラプスでもアルカラルドⅠでもそうですが、性根の卑しさは変わりません。 或いは、核戦争前には、そういった未来に希望をつなぎたいと考える個体もいたのかもしれませんが。 コロニー船で殺し合うようなアルカラルドの民の先祖ですし、指導者と同類の思考をしてもおかしくはないかと」
黙り込むクラスネス。
しばらくは考え込んでいた。
老いたから、というよりも。
元々熟考する性格であるらしい。しばらく黙り込んでいたクラスネスだが、やがてまた聞いてくる。
「そうなると、あのシェルターを射出したのは誰だろうか」
「分かりません。 更に言えば、遊星での戦闘の痕跡についても分からない事がいくつもあります」
「確かに送り込まれたにしては少なすぎる旧式ワーカー。 それと相打ちになる程度の戦力。 抗戦した側も少人数だった。 それにテラフォーミングまでして、どうしてあの星を捨てた」
「なんとも。 いずれにしても、アルカラルドⅠの民の状態を見ると、少なくともコロニー船の内部の民も特に上層部が腐りきっていたのは疑いないかと」
クラスネスはまた黙り込む。
しばらく黙り込んでから、分かったとだけ言って。礼を言われた。
ミランとしては、役に立てたのかは分からない。
分からない事が多すぎて、ミランにも意見を求めた。それが正直なところだったからだろう。
素人ではないと言ってはくれたが。
ミランは別に歴史学者でも何でも無いのだから。
ハーネイ中尉が来る。
歩行補助用の小型ホバーに乗って戻っていくクラスネスを見送ると、遊星を警戒していたハーネイ中尉は席に着く。
アネカが飲み物を出してくれたので、しばらくゆっくりする。
先に話し始めたのは、ハーネイ中尉だった。
「あの星、中途半端に放り出したのは、私の考えですが……ワーカーが出たからではないと思います」
「何か根拠が」
「いえ。 ただ、選民思想を凝り固まらせたアルカラルドⅠの事を覚えていますから。 ひょっとすると、流刑惑星か何かとして使っていたのではないかなと」
「流刑惑星」
そんな用語があるとは聞いたことはある。
支援者でも犯罪者を収容する刑務所惑星は作っているらしい。どうしても犯罪者は出るので、そういう連中は刑務所惑星に入れているそうだ。
刑務所惑星はロボットが厳重に管理していて、犯罪者が連携して刑務所を乗っ取ったりしないように厳重にそれぞれの行動を監視しているとは聞く。
それを聞いたハーネイ中尉が、羨ましいと言っていたっけ。
アルカラルドⅠの刑務所は、上層民が気にくわない人間を入れて処刑する場所だったという話だったから。
上層民の中で権力闘争に敗れた者も刑務所に入れられたらしいが、それも結局は処刑するため。
警察など機能しておらず、下層民はあらゆる犯罪をやりたい放題。
それを聞いて、ミランはあれらならそうだろうなと、納得してしまったことを覚えている。
コロニー船に乗っていた頃からそんな感じだったのだとしたら。
何かしらの理由で気にくわない連中を、半端にテラフォーミングした惑星に放り出した可能性はあるかも知れない。
ただ、それだったらコストを掛けてテラフォーミングする意味があるのだろうか。
それもまた、分からないところだった。
いずれにしても、ミランの仕事は此処までだ。
戦艦オッドフォードのクルーに、声は掛けておく。
近々別の任務に出る可能性があるから。それぞれ準備はしておくように、と。
クルーもどんどん入れ替わっている。
それだけ損耗が激しいと言うことだ。
特務とはそういう仕事だ。
だから、ミランはそれに対して不満をこぼすこともない。
それに此処に来ているクルーは、殆どがミランと一緒に戦いたいと志願してきているらしい。
だったら、その意思を尊重することしか出来ないのも、また事実だった。
輸送船から離れる。
すぐに命令が来た。
現時点で各戦線は安定しているが、その一つ。
カルファール戦線を、各地の戦線の集約地点にするべく、かなり大型の要塞艦を輸送しているという。
この要塞艦は直径8000㎞とかなり大きな岩石惑星を改装したものらしく、多数の艦艇を同時に修理できる巨大なものだそうだ。
これを主軸に、戦線から多数の艦隊を他戦線や周辺星系に派遣できる態勢を整える。
三元帥の一人が後方からとはいえ直に指揮を執る他。
制圧した後方にある星系に存在する小型のブラックホールに、ブラックホール展開機を据え付け。
其処を兵器工廠にして、艦艇を生産、輸送する拠点にするという。
侵略者がヴァーグラット戦線での敗北以降、失った領域は奴らの領域の5%程度だそうだが。
それ以上の様々なものを侵略者は失ったのだと。
この話を聞くと分かる。
今回遊星を回収する際にも、侵略者の抵抗はまばらだったし。ミランが考えている以上に打撃は大きいのだろう。
また、これらの一連の作業には多数の労働者も動員され、仕事を作る事にもつなげるそうだ。
つまり戦禍が届かないように護衛がいる。
前線に到着。
第八艦隊の司令官であるメルティール中将が、歓迎してくれた。相応の戦歴を持つ人物だが、どういうわけか体を幼体のまま固定して、それでずっと生きているという変わり種らしい。
何でも幼体が一番頭脳的なスペックを発揮できる種族の出身者らしく。
それもあってアンチエイジングをしてまで、年齢を固定しているそうだ。
会いに行くが、ミランの腰くらいまでしかない。毛皮無しのヒューマノイドだが、幼いことは一目で分かった。
ハーネイ中尉から見てもかわいいらしくて、明らかに反応がかわいいものを見るそれだ。
ミランとしてはどうでも良いので、敬礼をして着任を告げる。
しばらくは、敵に対する押さえだ。
戦闘があるかは分からないが、ミランがいるというだけで、抑止力になるし。
何より見かけが幼かろうが何だろうが、中将にまでなっているなら、戦死する覚悟は出来ているはず。
ミランとしては、特別扱いだのをするつもりもなかった。
※メルティール中将
支援者の誇る名将がパドフだとすると、この人は指導者屈指の猛将です。
別に本人が荒々しい性格をしている訳ではないのですが(むしろ穏やか)、その用兵は苛烈そのもので、旗艦も常に最前線にいるため、被弾が絶えません。
幼い頃に頭脳がピークを迎え、老体は頭脳と反比例して身体能力が上昇するという変わった種族の出身者である事もあって、(このため幼体が社会運営をし、年老いると肉体労働に移行する)意図的に幼いままアンチエイジングを使っていますが、実際にはかなりの高齢です。
ちなみに支援者の提督の中では人気がありますが、同時に旗艦には絶対に赴任したくないと言われる人物でもあります。最前線に常に何の躊躇もなく繰り出すので、命がいくつあっても足りないからですね。
本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。
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詳細なマシンデザイン
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圧倒的な武力による蹂躙
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緻密な人間ドラマ
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種族や文明の描写
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近接した力量のライバルとの死闘