王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶   作:dwwyakata@2024

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4、罠

侵略者の指導者は神経質な性格だ。此処までの支配体制を構築するまでに、散々血の雨を降らせたし。

 

その後も、あらゆる手段を用いて、反抗の芽を摘んできた。

 

親衛軍を会わせないのもその一つ。

 

事務的な会話以外は一切許さない。

 

プライベートなんて概念は存在していない。

 

圧倒的な快楽をくれてやる代わりに。

 

繁殖機能も一切取り去った。

 

管理の外にあるものがあってはならない。だから親衛軍は必ずそれぞれが別個に活動する。

 

連携しての作戦は許さない。

 

ザコ兵士だったらともかく、親衛軍がまとめて刃向かってきたら万が一があり得るからである。

 

そうしてあらゆる手段を講じてきたから。

 

支配者は、身内ですら相食んできた侵略者をまとめ上げることが出来たし。

 

天の川銀河の四割弱を制圧することにも成功した。

 

だから、その全てが正しい。

 

指導者はそう自己完結していたし。その自己完結を疑う者が出る存在は、許すわけにはいかないのだった。

 

NO4_094016は、報告をしてきた。

 

肉の殲滅、難易度高。

 

少なくとも親衛軍ウォーリア二名以上で掛かるか。それとも、疲弊したところに連戦を強いるべきである。

 

そういう内容だった。

 

勿論却下だ。

 

指導者が選んだ精鋭である親衛軍である。それがたかが肉相手に二人がかりだとか、あり得ない。

 

NO4_094016を呼びつける。

 

NO4_094016は特殊な改造をしており、全身の要所に一種の金属を埋め込んでいる。

 

サイボーグとは違っていて、この金属は生体として動くのだ。

 

一種の半金属生命体。

 

そうなっているのがNO4_094016だった。

 

同じ系列の親衛軍も皆そうである。

 

跪いたNO4_094016に、指導者は叱責していた。

 

「よくもこのような負け犬根性丸出しの作戦を提案してきたものだな」

 

「確実に殲滅できる作戦を提案させていただきました」

 

「黙れっ! 貴様はまた出ろ。 そして今度こそ肉を仕留めてこい! お前達はどれほどコストを掛けて育成してきたか分からないほどだ! 考えられないほどの戦闘経験も積ませてやった! それでなぜ、次は確定で勝てると言わない!」

 

無言になるNO4_094016。

 

それが指導者を更に苛立たせたが。

 

此奴には反抗の意思がない。

 

それだけは評価していた。不愉快であっても、善意で提案してきた作戦と言う訳だ。頭が悪いことくらいは、見逃してやるか。お気に入りの人形を前にしているからか、指導者はそう思った。

 

ただし、単純に気分で殺さなかっただけだ。

 

気分次第で始末していただろう。

 

「まあいい。 もう一人親衛軍を生産する。 相互協力など必要ない。 それぞれ、この星に来ている肉を駆除して回れ。 その後はこの星の肉を解体して、私の元へ運んでくるのだ。 天然ものを喰いたいからな」

 

「了解。 作戦を実行します」

 

「……」

 

NO4_094016は頭を下げると、戻っていく。

 

ナノマシンは金属にも反応する。AIが反乱の兆候を見せているのに気付いたのは、AIを利用している機器がそれを探知したからだ。

 

あれは反乱をもくろむどころか、敵を殺すことだけを考えている。

 

それならば、それでいい。

 

媚態を尽くしたりはしない。

 

というか、指導者は媚態を尽くしてくる相手が大嫌いだが。

 

ともかく。言うことを聞くし忠実だからそれで良かった。

 

さて、問題は此処からだ。

 

各地の戦線が押されている。

 

それは指導者も苦々しくも認めなければならないことだった。部下がどいつもこいつも無能だからだ。そうとも考えてもいたが。

 

ともかく、戦況を建て直さなければならない。

 

それには、体力をつけるための肉がいる。

 

出来るだけ好みの味の肉が。

 

勿論そんなことで、劇的にパフォーマンスなんて上がらないのだが。

 

指導者の言うこと。

 

考える事。

 

いずれも絶対。

 

指導者自身がそう考えたらそうなのだ。

 

だから指導者は自身を絶対に疑わなかったし。

 

疑うことも、また許しはしないのだった。

 

 

 

(続)







※一般的な侵略者

作中で説明されたとおり、侵略者は指導者による絶対支配体制の下にいます。

其処にはプライベートとかプライバシーとかそういう概念は存在していません。

いきなり生体でクローンとして作り出され、その時には体内にナノマシンが入れられています。このナノマシンは指導者に対する疑念、反発などをした瞬間発火し、体内から焼き尽くします。また超光速ネットワークも確立しており、指導者からこのネットワークが切断された瞬間同じように発火して、体を焼き尽くします。

生体で無理矢理作り出されるため寿命も短く、「使い終わったら廃棄」されます。そしてまた指導者の気分次第で作り出されます。

古くには性別が存在していましたが、今は存在していません。

指導者は恐ろしく神経質な性格で、自分の「私物」である存在が、コントロールを離れることを徹底的に嫌っています。そのため繁殖機能は全てカットされました。

このほか感情なども殆どカットされており、侵略者の一般個体は、基本的に指導者の気分で作り出され、その私物として文字通り使い潰される生を送るのです。




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  • 詳細なマシンデザイン
  • 圧倒的な武力による蹂躙
  • 緻密な人間ドラマ
  • 種族や文明の描写
  • 近接した力量のライバルとの死闘
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