王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶 作:dwwyakata@2024
凄まじい侵略者の猛攻に苦しむ支援者ですが、ついに此処で決定的な援軍登場です。
支援者の名将パドフ中将が、戦場に到着しました。
ヴァーグラット戦線後方。
パドフ中将の率いる第四艦隊は、修理を終えた艦艇、補充した艦艇、合計65万隻にて出現していた。
既に敵は全力での戦線突破を狙っており、警戒網はスカスカ。
しかし、勝負は一瞬を争う。
既にヴァーグラット戦線は瓦解の一歩手前。
敵はどれだけの損害を出しても戦線を突破する勢いで攻撃を続けており、このままでは突破される可能性がある。
それを防ぐには。
「パドフ中将! 敵要塞艦確認!」
「攻撃を開始してください。 周辺にいる艦艇も含めて殲滅を」
「了解!」
第四艦隊が、一糸乱れぬ攻撃を開始。凄まじい砲火が、要塞艦にたたきつけられる。
現在ヴァーグラット戦線へ猛攻を加えている侵略者の艦隊に、補給物資を送り込んでいる中継地点である要塞艦は、小型の岩石惑星ほどもサイズがある。
だから最初から反物質砲をたたき込む。
幸い相手は戦闘タイプの要塞艦ではない。反撃はまばら。むしろ、逃げ散った敵艦隊が、本隊に確実に連絡を入れる。
その本隊と鉢合わせたら全滅確定だ。
それを避けるためにも、作戦は迅速かつ確実に行われなければならない。
主砲の第一斉射で、要塞艦の位相変換シールドは破れた。艦にも大きなダメージが入っている。
だが、まだ生きている。
此処を遮断しなければならない。
亜光速ミサイルの一斉射をパドフ中将は指示。
位相変換シールドを破られた質量体にとって、亜光速ミサイルは文字通り死の権化である。
それが惑星クラスのサイズがあっても同じ事。
65万隻に達する第四艦隊の整然たる砲火は凄まじく、程なく要塞艦は崩壊を始める。ただ、パドフ中将はそのまま油断せず、完全破壊までさせた。
要塞艦が消し飛ぶと同時に、パドフ中将は指示を出す。
「予定通り、ワープ阻害装置を散布。 無人艦に此処は任せて、先に向かいます」
「ワープ阻害装置展開!」
「全艦反転!」
声が掛かる。
そして、ワープ阻害装置を放り出した第四艦隊が、一斉に一方向へ進む。
それは、ヴァーグラット戦線の背後にある最重要戦略目標。
侵略者の巨大工廠だ。
巨大なブラックホールから、ブラックホール展開機で物資を取り出し、それをそのまま兵器に作り替えている施設。
大きさもそこそこのガス惑星ほどもあり、防御のための設備も備えている。
だが、守備の艦隊は一隻に至るまで出払っている状態だ。
守備隊の無人機を文字通り圧倒的な火力で蒸発させると、パドフ中将は一斉攻撃を指示。反物質砲がうなり、侵略者の工廠を直撃する。
ただ、流石に其処まで話はうまくいかない。
後方から連絡が入る。
「敵、不意に反転した模様! 全艦隊がこちらに向かっているとの事です!」
「まあそうでしょうね。 全艦隊、移動開始」
「は!」
既に作戦についてはミーティングをしてある。
目標の一つは、敵の補給中継地点である要塞艦の破壊。これは要塞艦がぽつんといるだけだったから、それほど難しくはなかった。
それも補給を専任している戦闘力の低い要塞艦だ。はっきりいって、別に苦戦する相手でもない。
問題はこの工廠だ。
今まで幾度か偵察艦隊が映像を撮ってきていたのだが、思った以上に守りが堅い。旗艦級戦艦からの反物質砲による斉射で、中破にまで追い込めなかった。
相手は好き放題物資を生産できる、ということもある。
故に、やるべきことだけやって。後は引き上げるだけだ。
全艦隊がパドフ中将の指示のもと、緻密に組んであったスケジュールに沿って移動を続ける。
そして、安全圏まで離脱。
敵の追撃はおろか、その影すら見ることはなかった。
「ワープ阻害装置を持ち込んだ意味がありましたね。 敵の追撃を完全に封じることが出来ました」
「ええ。 しかし問題はこれからです」
そう。
侵略者は今回の攻勢で、妙な動きをいくつもしている。
まだ油断することはしない方が良いだろう。
大きく迂回して、敵の勢力圏を避けつつ、移動続行。
迂回に迂回を重ねて、ヴァーグラット戦線の後方に到着。12回のワープを挟んで。その結果だ。
連絡を取る。
味方の様子は散々のようだが。それでも間に合った。それで充分だ。
「こちらパドフ中将。 戦線の様子はどうなっていますか」
「パドフ中将! 助かりました! 敵が一時兵を引きました。 今味方が総力で負傷者の救出に当たっています!」
どうやら戦線の崩壊には至らなかったらしい。
しばしして。
パーミルトン大将が、スクリーンに出る。相変わらず気難しそうな顔をしていた。
「参謀達の提案を受けてくれてすまなかった。 この戦線の戦力だけでは、どうなるか怪しいところだった」
「いえ。 侵略者を倒さなければならない。 これは全ての支援者の願いです」
「そうだな……」
一度敵は撤退。
その背後を途中まで追撃したが、想定ほどの被害は与えられなかったそうだ。
味方の損害、撃沈、大破した艦艇合計177万隻強。
これに対して、今回の戦闘で敵が失った艦艇は131万隻。
比率で言えば敵の損害比の方が大きい。
だが敵は損傷艦を盾にして逃げたこともあり、無事な艦艇は完全に無事。
これに対して味方は多くの艦艇が酷い損害を受けているとか。
提督の戦死者も多い。
艦隊司令官が三名戦死。副司令官も六名が命を落とした。
敵は変わりがいくらでもいる状態だ。
敗北ではないが。勝利ともとてもいえない戦果だと言える。
「すまないが、パドフ中将はこのままこの戦線に参加してくれるか。 無傷の第四艦隊の参戦は、我らとしても心強い限りだ」
「総司令部の指示は仰ぎますが、その要請についても伝えておきます」
「ありがとう」
深々とパーミルトン大将が頭を下げる。
あの頑固者が。
そう驚く者も多かった。
それだけ厳しい戦いだった。そういうことだ。
ふと気になったので、ミラン中佐の事も訪ねてみる。しばしして、検索結果が出た。
ヴァーグラット戦線にきてから、最前線でウォーリア100機以上を撃破。
親衛軍ウォーリア4機撃墜。二機を撃退。
イーターの撃破数250以上。
このほか、駆逐艦、戦艦などの撃破アシストに重要貢献。
それを聞くと、この間少将に昇進したキキキルルルキル元准将が、喜びの声を上げていた。キキキルルルキル少将は、ミラン中佐を気に入っていたようだから、余計嬉しいのだろう。
「凄まじい! 流石は英雄だ! 我らが種族で、英雄ミランとして語り継がなければならない!」
「見事な活躍ですね。 それはそうとキキキルルルキル少将、貴方にはこれから恐らく重要な仕事を任せることになります」
「は。 なんなりと」
重要な仕事。
それは、敵の報告にある超巨大戦艦の撃破である。
反物質砲はちゃんと通る。
それは既に戦闘データを確認している。
200期前に前線で目撃された時よりも性能は上がっているようだが、それでも所詮は一艦艇。
どれだけ強かったとしても、である。
そもそも岩石惑星を破壊する破壊力を持つ兵器だ。大きくても戦艦では、位相変換シールドを抜けば確定で潰せる。
しかも第三艦隊はその超巨大戦艦の周囲にいた取り巻きを相当数潰している。それを考えると、成功率は高い。
問題は、その超巨大戦艦の動きが尋常ではなく速いと言うことだ。
「戦闘データを見る限り、生半可な戦艦とは比較できない機動力を持っていますね。 200期前に出現した同型艦よりも、大幅に強化されているようです」
「厄介ですな」
「ええ。 そのため今回の作戦では、ミラン中佐に負担を強いることになってしまうかと思います」
パドフ中将が作戦を立てる。
それを聞いて、皆が難色を示す。
だが、やるしかない。
あの巨大兵器工廠、簡単には破壊できない。敵は戦線を後退させ、兵器工廠を守る動きを見せている。
次の艦隊戦で勝つには、あの超巨大戦艦の撃破が必須だ。
あれが現れてから、敵の動きが露骨に良くなった。
無関係だとは思えない。
此処で仕留めておかなければならなかった。
「そうだ。 敵の通信を傍受しました。 あの超巨大戦艦は、「メタトロン」というそうです」
「どのような意味の言葉ですか?」
「全く分かりません。 何かの暗号か、それとも」
「超巨大戦艦ではわかりにくいですね。 以降はメタトロンと呼ぶようにしましょう」
味方に通達させる。
実際、旗艦級戦艦も超巨大戦艦であることに変わりは無いのだ。独自のコードで呼ぶのはアリだ。
それが敵の名付けたものであってもである。
「メタトロン破壊作戦をこれより開始します。 皆、それに備えてください」
パドフ中将の言葉で、一斉に空気が引き締まる。
それだけ歴戦の名将の言葉は、重みがあるのだった。
侵略者の指導者は、好き放題後方に回られた挙げ句、兵器工廠が攻撃されたことで怒り狂っていた。
彼の用兵に隙があったことなど、考える訳もない。
間違いはあり得ない。
失敗があったらそれは部下のせい。
何か成果があったら全て彼のもの。
だから、今回の後退は、彼が部下に足を引っ張られた結果、という結論に行き着くのである。
当然兵器工廠にいた人員はその場で全て爆破された。
そして再生産される。
指導者にしてみれば、代わりはいくらでもいるのである。だから、いくらでも作り直すだけだ。
生命など所詮指導者には道具に過ぎない。
侵略者でさえ私物。
それ以外の生物は、ただの肉なのだ。
「愚かしい無能どものせいで、戦線を下げなければ行けなくなった! あと少しで勝利していたのだぞ!」
「申し訳ございません」
「黙れっ! 全ては貴様等のせいだ! ここのところ肉どもを調子づかせていたのを、全てひっくり返す好機が失われたのだぞ!」
即座にメタトロンのクルーや、各艦隊の司令官クラスも爆発四散する。
それらを再生産しつつ、苛立ちを指導者は辺りにぶつけ続ける。
「データをよこせ!」
「は……」
生産されたばかりの侵略者が、後方を襲った支援者の艦隊の映像などのデータを渡す。それを取り込んだ後、指導者はまた憤激していた。
肉ごときが、このような洗練された戦術を使うはずがない。
これは先にこちらがどう動くか知っていたからだ。
それは裏切り者がいるからに違いない。
勿論裏切りなどは侵略者は行えない。だとすれば、無能だから情報が漏れた。そう指導者は即座に結論していた。
勿論指導者は「肉」の個体識別などするつもりはない。
あまねく全てが指導者より無能だからだ。
少なくとも、指導者はそう本気で考えていた。
だからこそ、個体識別などしないし、興味もない。
彼が個体識別するのは、自分で優秀に作り上げた親衛軍くらいである。
「無能どもが! 情報が漏れている! すぐにセキュリティを洗い直せ! 徹底的にだ!」「分かりましてございます」
「早くしろ! 死んでもやり遂げろ! 私が満足するまでにやり遂げられなかったら、万年単位の体感時間、極限の拷問にかけてやるからな!」
吐き捨てる指導者。
それを影から、親衛軍NO3_009116は見ていた。
衰えたな。
くつくつと笑いながら、親衛軍NO3_009116は嘯く。
指導者は、親衛軍にわずかだけ開示されているデータを見た限りは、古くは相応に知恵が回ったようだ。
侵略者史上最高の知能の持ち主。
そう自負するだけのことはあったらしい。
まだ証明が出来ていなかった各種の理論をことごとく証明し、宇宙進出に際して必須の超光速テクノロジーやワープ技術などを作り出したのは指導者だ。これについては、全てが事実であるらしい。
しかも科学者が本職ではないというのだから、その才覚は本物だったのだろう。
少なくとも昔は。
用兵家としても、天の川銀河中枢を奪われて、決定的な劣勢になるまでは。ある程度まっとうに思考が働いていたようだ。
それも今では、明らかに様子がおかしくなっている。
自分の可能性は無限大だ。
そう指導者は昔よく言っていたようだが。
親衛軍NO3_009116は分かるのだ。
どれだけ優れた知能であっても、蓄え続ければ限界が来る。
どれだけ蓄えた知識でも、それを即座に引っ張り出すのは限界がある。
実際第四世代の親衛軍ですら、既にフィードバックした知識を扱いきれなくなってきている。
どれだけ戦闘での知識をフィードバックしても、強さが頭打ちになっているのはそれが理由だ。
侵略者の文化では、自分たちの可能性は無限大だのといった価値観が古くには存在していたらしい。
だがそれが大嘘であるのは。
恐らくは確かに昔は侵略者でもっとも優れた知能を持っていたらしい指導者の有様を見る限り、明らかだった。
ふっと笑うと、メタトロンを親衛軍NO3_009116は離れる。
この戦いは負ける。
60期以上続いたこの戦線は、恐らく近いうちに瓦解すると見て良い。
あちこちからかき集めた戦力にも限界がある。
此処を落とされた場合遅滞戦術に切り替えるしかなくなり、体勢を立て直すまでに領土の数割を失陥すると親衛軍NO3_009116は見ていた。
勿論そんな泥船に乗るつもりはない。
侵略者という種族が、神より偉大な存在と自負するあの指導者に私物化されてしまって久しい。
その過程については、親衛軍にも開示されていないから、親衛軍NO3_009116も詳しくは知らない。
だが、それでも。
なんとかこの身の枷を解いて、相手側に寝返ることは出来ないだろうか。
支援者は侵略者という種族について、情報を徹底的にほしがっている。
それならば、その生きた情報の塊である親衛軍NO3_009116が寝返れば、相応の地位も手に入れられるし。
何よりも、今まで助けられなかった愛するものも。
支援者の手で、よみがえらせることが出来るかも知れない。
問題は体内のナノマシンだ。
表だって造反をしたり、それを指導者に気付かれれば。即座に爆破される。本当に厄介なものを作ってくれた。
しかもこのナノマシンがなければ、長く生きられないように遺伝子も弄くられてしまっている。
このような奴に全ての権利を投げ出した過去の侵略者の愚かさに、親衛軍NO3_009116も苦笑せざるを得ない。
だが、苦笑してばかりでは事態は解決しない。
今は生きるための策を練らなければならない。
いっそ、一度死ぬのもありか。
この肉体にこだわる必要は無い。
何度も死んでは記憶を移植されたクローンにてよみがえる過程で、精神世界的な意味での魂なんてものは存在しないと親衛軍NO3_009116は知った。
ならば、記憶だけ何かしらの形で支援者に引き渡し。
そして遺伝子情報についても、何らかの形で引き渡せれば。
支援者の方で、うまいことどうにかしてくれる可能性もある。
だが、それをやるのも一苦労だ。
何しろ親衛軍の記憶情報は、相当高度なセキュリティによって守られている。
だが。
メタトロンが確か、それを積み込んできている。
親衛軍NO3_009116のもあるはずだ。他の親衛軍のもあるだろうが、よみがえらせても暴れるだけだろう。
まあ、親衛軍NO3_009116もある意味暴れるつもりだが。
こんな欲とも野望とも無縁なつながれた肉体。
さっさと乗り換えたいのである。
指導者が、自分のコントロールできないものを徹底的に嫌っていることは、親衛軍NO3_009116も知っている。
奴の操り人形のままでいいものか。
かならずこのくびきを脱してやる。
そう親衛軍NO3_009116は思うのだった。
パドフ中将の見事な用兵で、一気に敵が後退した。それを聞いて、ミランはほっとしていた。
流石だ。
きてくれた際の安心感がすごい。
苛烈な戦闘で疲弊した。ミランも楽勝なんかではなかった。何度も撃墜されてもおかしくなかった。
第三艦隊の被害も大きい。
味方の修理を急ぎながら、パーミルトン大将が指示を出しているようだ。
「敵は戦線を後退させた。 これは後方の兵器工廠が攻撃された結果だろう。 大規模な別働隊が、補給基地を叩いた上、本命の兵器工廠まで襲うとは予想できていなかった、ということだ。 敵司令官は目の前は見えているが、どうやら戦略的な柔軟性には欠けるようだな」
それについては、同意見だ。
補給基地を叩くのは当然の戦略だが、補給基地の防御を明確に怠った。それも、今や艦艇の数は支援者の方が多いのに、である。
それで中継地点の要塞艦を落とされた挙げ句に、兵器工廠を攻撃された。
泡を吹いて逃げ出したのは、もはや醜態だ。
攻撃時の用兵は見事だ。
それに関しては、指揮官ではないミランも、怒濤の攻撃には何度も肝を冷やされた。確かに凄い奴が来ていると感じた。
だが、一戦場しか見えていない。
それは決して、優れた指揮官と言い切れない。一艦隊の司令官としてなら、優秀なのかも知れないが。
或いは、ひょっとして。
いや、考えすぎか。
ミランは一瞬、話に聞いている侵略者の指導者がきているのではないかと思ったのだ。もしそうであったら。
いきなり敵の動きが良くなったのも。
しかし何もかもうまくいくと信じ込んでいて、足下を掬われたのも。
聞いているその性格からして、納得がいった。
だが、それは状況証拠だ。
なんとも言えなかった。
「英雄的な戦果を挙げたミラン中佐には、後で勲章を出そう。 一連の戦闘だけで、四機も親衛軍ウォーリアを落とし、更には二機を撃退した。 雑魚の撃墜数は途方もない数だ。 勝利に確実に貢献してくれている」
「噂には聞いていたがとんでもねえな……」
「親衛軍ウォーリアといえば、出くわしたら逃げるしかなかったのに。 流れが変わりやがったぜ……」
「俺は近くで活躍を見たぞ。 動きがまるで違ってた。 親衛軍ウォーリアが真正面から打ち負けるなんて、初めて見た。 特務が部隊単位で倒してたのに」
そんな声が聞こえるが。
ミランはちょっと気恥ずかしかった。
あまり褒められても、ミランは万能でも全能でもない。
出来ない事は出来ない。
嘆息すると、とにかく今は休む。
病院船がひっきりなしに行き来しているようだ。増援の艦隊も来ているが、損害は埋め切れないらしい。
デブリの回収も始まっている。
工廠で使える物資はそのまま使い。味方艦の修復に役立てる。
少なくとも、物質の補充は侵略者よりも遙かに楽だ。損害自体も敵より少なく、何より第四艦隊がきてくれたのが大きい。
味方の士気もそれで上がっているようだった。
しばらく休んでいると、呼ばれる。
ミーティングである。
自室で立体映像端末から参加することになる。
ミランを呼ぶことを反対する者はいなかったようだ。認めて貰ったのは嬉しい事ではあるが。
「先の大規模会戦で敵味方大きな被害を出したが、破損した艦艇の修復を終え次第、前線を押し上げる。 敵は回復力が間に合わない筈だ。 敵の存在しているN176ブラックホールと、その周辺の人工星系を落とす。 敵は大規模兵器工廠を失い、その戦力を大幅に削ることが出来るだろう」
「おおっ!」
「60期以上続いたヴァーグラット戦線が終わるのか!」
わいわいと声が上がる。
パーミルトン大将はそれで満足そうだが。パドフ中将が意見を求められると、難色を示した。
「正面から一度に敵の艦隊を打ち破り、兵器工廠まで破壊するのは難しいかと思います」
「ふむ、聞かせてほしい」
「敵は一戦場においては優れた指揮能力を有していると私は判断しました。 正面から会戦を挑んでも、一度に破るのは難しい。 しかも兵器工廠を抱えて、巨大なブラックホール展開機も側にあります。 補給に関しても、敵が有利です」
「なるほど。 それで如何にするべきだとパドフ中将は思われるか」
外様と考えているからか、パーミルトン大将は態度が丁寧だ。
パドフ中将は、それに対して、明言した。
「段階を分けるべきです。 敵の超巨大戦艦メタトロンを撃墜する。 これが第一段階になります」
「確かにあれがきてから戦況が変わったが、この規模の艦隊戦で如何に強大とはいえ一戦艦に固執する必要はないように思うが」
「いえ、あれは落とすべきです。 恐らく今回の会戦で、異常に動きがいい要因があれに詰まっているとみています。 親衛軍に相当する指揮官か、或いはもっと上位の存在かも知れません」
「……続けてくれ」
パドフ中将は丁寧に続ける。
ミランも話を聞き入ってしまう。
「第二段階で、敵兵器工廠……ではなく、側にある巨大ブラックホール展開機を破壊します」
「兵器工廠そのものではなく?」
「艦隊の火力を投入しましたが、耐えられました。 恐らく短時間で破壊するのは難しいと見て良いでしょう。 此処でするべきは、敵が想定していない攻撃です」
ブラックホール展開機そのものは、実のところ其処まで頑強ではない。というよりも、頑強にはなり得ないのだ。
ワープ阻害装置などとは違って、ブラックホールを展開するという都合上、色々と精密機器となるからだ。
勿論位相変換シールドはついているだろうが、その機能を停止することは不可能ではないはずだ。
「この二段階を成功させるのが、今回の戦線での勝利に必須となります。 被害を抑えるためにも、第一段階を可能な限り迅速に行う必要があるでしょう」
「分かった。 細かい作戦を提案戴きたい」
パドフ中将は頼りになるな。
パーミルトン大将も、それを理解した上で、明確に頼りにしている。
ただ、提示された作戦は楽なものではなかった。厳しい内容になる。それはわかりきっていたが。
それでもやらなければならない。
侵略者をこれ以上、進ませる訳にはいかないのだから。
鮮やかなパドフ中将による敵補給の遮断、敵最重要拠点の攻撃により、ついに苛烈を極めた侵略者の主力艦隊の攻撃は失敗。撤退に転じることになりました。
しかしこの勝利には代償が大きく、100万隻を越える艦艇と億を超える人員が倒れました。
司令官クラスの戦死者も複数。
勝ったと言うよりも、かろうじて守り切ったのです。
本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。
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詳細なマシンデザイン
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圧倒的な武力による蹂躙
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緻密な人間ドラマ
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種族や文明の描写
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近接した力量のライバルとの死闘