王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶   作:dwwyakata@2024

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最悪の意味での手厚い歓迎を目にするミラン。

此処に赴任する兵士がやる気をなくすのを、嫌でも理解します。

常に全てにおいて自分達のルールで相手を図り、相手側の事を一切考えることをしない。それがアルカラルドⅠの住民のスタンダードです。

侵略者に滅茶苦茶にされている所を助けられても、その態度は一切変わりません。





1、手厚い歓迎

陸上戦用にカスタムした駆逐艦で惑星アルカラルドⅠに下りる。かなり大きな岩石惑星で、侵略者に抑えられている地域だけではなく、かなり汚染が目立っているようだった。

 

汚染物資を垂れ流しながら、都市区画を広げている。

 

そういうことを、侵略者が現れる前からやっていたらしい。

 

そもそもこの星にどこからか来て住み着いたというのも事実らしく、未熟ながら宇宙に出るテクノロジーも持っているそうだ。

 

ただし支援者のそれと比べると極めて拙劣であり。

 

母星から出る時に移民船に乗ってきた者達の子孫がずっと前にこの星に到着はしたが。

 

この星から別の星に出向く移民船は建築できず。

 

支援者が救援に来てからも、開口一番に技術と資源をよこせとか言ってきたらしい。

 

最前線の基地に出向く。

 

酔っ払った士官が出てきて、敬礼する。

 

ヒューマノイドだが、昼間から酒を入れているようだ。

 

ミランとしてはあまり好感は持てないが。

 

ただ、事情を聞くと面罵も出来ない。

 

「こちらキミキ中佐だ。 あんたが親衛軍ウォーリア殺しのミラン特務中佐かい」

 

「はい。 こちらの戦況を緩和するために来ました」

 

「ありがたい話だがね、ロボットでさえやる気をなくすような戦況だ。 今はワーカーも仕掛けてきていない。 ちょっと外を見てくると良いだろう」

 

駆逐艦は停泊したまま。

 

駆逐艦艦隊をこれから下ろして、敵の戦力を削るべきだとミランは提案。カ・ト中将は本当に嫌そうな顔をしながらも、その提案をのんだ。

 

カ・ト中将は前は真面目で意欲のある指揮官だったらしいのだが。

 

この星系に来て、うんざりして、すっかり腐っているらしい。

 

トップがそれなのだ。

 

部下達だって、やる気なんて出ようがない。

 

キミキ中佐はミランからすると親くらいの肉体年齢のヒューマノイドで、雌であるらしいが。

 

毛皮無しの種族なので、どうにもよく分からない。

 

支援者六種族の一人ではなく、比較的古くに侵略者から助けられた種族であるパーダで。

 

パーダの母星はまだ奪還できておらず、今は後方の安全な星で生き残りが文明を作りながら、支援者に協力しているそうだ。

 

バランスがとれた種族で、戦闘も政治も出来るらしいが、それにしてはやる気が見られない。

 

青い肌のキミキ中佐が案内してくれる。

 

基地の外壁から、外を見ることが出来る。

 

其処には、なんだか板みたいなのをもった、この星の住人達がたくさんいて、罵声を張り上げていた。

 

言っている言葉は分からない。

 

あまりにも酷い罵声の内容なので、意図的に翻訳機能をオフにしているらしかった。

 

見た感じ、確かに侵略者の一般個体に似ている。

 

頭部に毛があり。

 

顔がそれぞれ違うのは、侵略者の一般個体と違っている。あっちは顔の造形までほぼ全部が同じにミランには見えた。個体識別がほぼ出来ない状態ですらだ。

 

ただ肌の色がもう少し緑色っぽく。

 

更には服も様々なので。

 

頭に毛が一切なく、背丈も皆同じくらいで、表情もなかった侵略者の一般個体とは色々違って見えるのも事実だが。

 

いずれにしてもこんな最前線の基地に来て、何をしているのか。

 

「あれは何をしているんですか」

 

「近くの連中の都市から来て、抗議活動とやらをしているそうだ」

 

「抗議活動?」

 

「此処から出て行け、だそうだよ」

 

呆れ気味にキミキ中佐がぼやく。

 

この状況で。

 

基地ユニットがなくなったら、侵略者にこんな星、一日で食い尽くされるのではないのか。

 

話には聞いていたが、ミランも思わず言葉を失ってしまう。

 

「彼らには客観性がないのですか」

 

「そんなものは彼らにはないよ。 彼らは自分を聖なる力の庇護者とか言ってる。 彼らの神に選ばれた、宇宙でもっとも尊い存在、というような意味だそうだ。 だから宇宙全部が彼らのもので、他の種族は全部邪魔らしい」

 

「……侵略者の指導者と思想が似ていますね」

 

「私も呆れて調べてみたんだが、こういう選民思想を持っている種族はそれなりにいるらしい。 恥ずかしながら私の先祖もそうだったらしくてね。 ただ、自分たち以上の技術を持っている存在と出会ったり、文明が発展する過程で客観性の重要性を理解すれば、そんな馬鹿げた思想は失うものなんだがな」

 

普通なら、とぼやく。

 

ロボット達が、「抗議活動」をしている「聖なる力の庇護者」達を押し返していく。そして、基地の近くから遠ざけた。

 

「最初は彼らの言葉も翻訳していたんだがね。 兵士達が病むケースが続出して、それで翻訳を切った。 今では専用の外交ロボットが彼らの「代表」と接している、いるんだが……」

 

「まだ問題が?」

 

「この状況でも、あいつらは100を超える国家に別れていてね。 まとまる気もないし、仲間内ですら争っているらしい。 酷い国家になると、基地に核ミサイルを撃ち込んできた事もある」

 

「工場ユニットではなく支援者の基地に?」

 

「そうだ」

 

絶句。

 

幸い、現状のテクノロジーでは、この星の住民の核兵器くらいは迎撃は簡単だ。極超音速兵器程度、問題にもならない。

 

被害は出なかったが。

 

ともかくこれは、まっとうな種族と考えない方が良いだろう。

 

さて、気になったのは。

 

ゲラゲラ笑っているらしい、なんだか若いのだ。アレはこの星の住民に見えるが、なぜ基地の中にいる。

 

「あれらは?」

 

「義勇兵という名目で派遣されてきた監視役のつもりの連中だ。 義勇兵と言いながら、戦う事は一切せず、こちらの物資を盗んだり、情報を奪うつもり満々だがな」

 

「隔離できないのですか」

 

「今の時点では、監視のロボットがついているので、悪さは出来ない。 とはいっても、食料などを無駄に消費されるのも事実で、しかも口を開けばまずいウザいだるい、だからね。 翻訳機能は切ってある」

 

なるほど。

 

これはみんなやる気をなくすわけだ。

 

ロボットの兵士が嫌がるというのは余程の事だ。

 

基地にはハコトやアネカは連れてこない方が良いと言われていたが。

 

なんでも容姿が似ているヒューマノイドの非戦闘員が強姦されかけた事があったらしく。恐らくロボットにも同じ事が起きるだろうということだ。

 

相手が子供に見えようがお構いなしらしい。

 

それに対して抗議を入れたこともあったそうだが、会話にならなかったとか。

 

カ・ト中将にたいして、もう少しやる気を出してほしいと思ってはいたが。

 

現状を見れば見るほど、そういう気はなくなってくる。

 

ミランを指さして、聖なる力の庇護者とやらがゲラゲラ笑っている。明らかに悪い意味なのは確かだ。

 

放っておく。

 

身体能力が全く話にならないのは一目で分かった。

 

監視用のロボットも目を光らせているし、悪さは出来ないだろう。

 

とりあえず、現状は分かった。

 

「交渉が得意な種族などが、交渉は試みてみたんですか」

 

「最初期にはあったらしいが、今までどんな分からず屋とも会話できてきた種族ですら、さじを放り投げたらしくてね」

 

「……」

 

「ともかく、親衛軍ウォーリア殺しのあんたなら、どうにかできるのなら、どうにかしてくれ。 兵士達から毎日のように異動申請が来ている。 私もはっきりいって、まともな戦線に異動したいくらいなんだ」

 

これは、責められないな。

 

ともかく、一度基地から出る。駆逐艦に戻る。

 

外では、まだ「抗議活動」とやらをしている連中が、顔をゆがめて何かがなりたてていた。

 

その内容を、理解しようとミランは思わなかった。

 

 

 

一度カ・ト中将と話をする。

 

駆逐艦に戻ってから、いくつかの基地の指揮官に話を聞き。なんなら兵士達から聴取もした。

 

勿論様々な種族がいるので、荒くれも話しづらい種族もいるし。更には個体差だってある。

 

だが、彼ら全員が。

 

この星には関わりたくない、一秒でも早く離れたい、ましてやこの星の連中のために死ぬのは絶対嫌だの一点張りだった。

 

ある程度の人権が認められているロボットですら、抗議してくるというのも理解できる。

 

実際基地にいるガードロボットにも聴取したのだが。

 

盗みや暴力行為は日常茶飯事。

 

監視役に来ている義勇軍の仲間内ですら派閥を作って殴り合いをしたり。

 

トイレではない場所で排便をしたりと、散々な有様であるらしい。

 

当然身体能力が弱い種族を付け狙って強姦をしようとするケースも何度もあるそうだ。

 

侵略者に襲われているこの状況下で、100を超える国家が好き勝手をしているという時点で頭が痛くなる話だが。

 

善意で来ている支援者にこの仕打ちか。

 

カ・ト中将を今は責められない。

 

「ミラン中佐、状況はどうかね」

 

「曰く付きといわれるのがよく分かりました」

 

「そうだろう。 兵士達も、ワーカーとの戦闘なんてこれではやっていられない。 私も兵士達に引くななんてこの状況ではいえない」

 

血を吐くような言葉だ。

 

ミランはいくつか提案をする。

 

「まず総司令部に増援を要請しましょう」

 

「既に何度か要請したが、四倍の戦力、しかも敵は孤立している。 どうにかしろの一点張りでな」

 

「まず宇宙戦力の完全排除をするべきでは」

 

「それも試みたが、四つもあるアステロイドベルトで散々ゲリラ戦を展開されて、駆逐は難しい状態だ」

 

八方塞がりではないか。

 

こんな星は放り出して、他に行くべきではと口にしかけるが、流石にミランも自制心を働かせる。

 

「分かりました。 ともかく、速攻でこの星系での戦闘は終わらせるべきです」

 

「それはまったく全面的に何から何まで同意だ。 それであのアホどもをあの星に閉じ込めて、位相変換シールドで封じ込めて、後は知らん!」

 

「カ・ト中将」

 

「分かっている! だがな、意味不明な選民思想での寝言を散々垂れ流された挙げ句、外交官が来たと思ったらこの星から出ていけだとか、物資とかよこせとか、そればっかり聞かされるんだ! 私も司令官だから話だけは聞かなければならないし、いい加減こんな戦線は放り出したい!」

 

半泣きのカ・ト中将だが。

 

気持ちは分かりすぎるほど分かる。

 

惑星アルカラルドⅠの数自転過ごしただけでミランもこれだ。

 

これはあの温厚なパドフ中将でも、この住民を目にしたら激怒するのではあるまいか。

 

「この星の住民で、まともな者はいないのですか」

 

「いるにはいる。 ごく一部、ウォーリアに乗って最前線で侵略者と戦いたいと言っているものがいる。 慎重に選別した後戦って貰っているが、それでもあまりこちらの言うことを聞かず、突出して戦死する者が多い。 しかもそれらが死ぬと、また抗議活動が来るのでな……」

 

「なんというか、ご心労察します」

 

「察してくれて助かる!」

 

バンバンとデスクを叩くカ・ト中将。

 

ミランも凄いストレスでおかしくなりそうなのを悟って、それで本当に悲しくなってきた。

 

ミランだって本音で言えば、侵略者と戦いに支援者が来た時、もっと早く来てほしかったと思ったことはあった。

 

だが彼らは命を賭け体を張って侵略者と戦ってくれた。

 

それでその気持ちは飲み込むことだった出来た。

 

この星の連中は一体何だ。

 

もしも侵略者と同種であるのだったら。

 

あの指導者から解放しても、それでもわかり合えないかも知れない。

 

「安全な都市にいるこの星の民と接してみたいのですが」

 

「あまり良い気分はしないぞ」

 

「前線にだけおかしな連中が来るのではなくてですか」

 

「外交官に出向いている者と渡りをつけておく」

 

ため息が出た。

 

とりあえず、地上戦の専門家の准将クラスを見繕ってほしいと依頼。

 

准将が地上に出る最高位である事は知っている。

 

カ・ト中将も、それは了承してくれた。

 

敵の工場ユニットを潰して、さっさとこの星から侵略者をたたき出す。その後は、外交を専門とする者達に任せるしかない。

 

とりあえず、宇宙での戦闘はカ・ト中将に任せるしかない。

 

ゲリラ戦を挑んできている侵略者の宇宙艦隊だが、少なくとも惑星アルカラルドⅠに近づくことは出来ていないようだ。

 

だとすれば工場ユニットが追加されることはないだろう。

 

現状のウォーリア三型がいれば、生半可な同サイズの兵器には負けない。

 

問題は攻勢に出れば敵も親衛軍ウォーリアがまず間違いなく出てくる事で、相手次第では相当な消耗を強いられる。

 

半端な兵力での攻勢は無意味だろう。

 

圧倒的な戦力で、一気に押しつぶして終わりにする。

 

それで片付けたいが。

 

カ・ト中将があの様子では、陸上での作戦に志願する兵士なんてほとんどいないと見て良い。

 

当然前線に出てきても、兵士の士気は著しく低いだろう。

 

作戦の準備をしている間、何度か惑星アルカラルドⅠの地表と宇宙を行き来する。

 

ミランが見たところ、敵の工場ユニットはいくつかが隙があり、それらから優先して潰して行くべきだ。

 

やる気をなくしていた参謀本部とも話して、作戦を詰めておく。

 

親衛軍ウォーリア殺しと気恥ずかしいながら名高いらしいミランが出てきたことで、彼らもやる気を出してくれている。

 

地上で、聖なる力の庇護者の都市を確認して回る。

 

治安は最悪レベル。

 

犯罪は日常的に行われ、それが取り締まられてもいない。

 

指導者層は腐敗しきっており、それが100以上ある国全部で共通している。誰もやる気なんかなく、稚拙なテクノロジーで作られたロボットに働かせて、飲んだくれている者が多数。

 

子供の頃から酒や薬物を摂取しては、辺りに怒鳴り散らかしている。

 

富裕層は富裕層で、必要も無い金を更に集め。そのためには他の者の命を奪うことになんら躊躇がない。

 

それどころか、支援者がどれだけ被害を出すか。

 

前線に位置している彼らの国家がいつ潰れるか。

 

そういったことで、賭け事までしているらしい。その賭け事を元に、前線の基地に邪魔まで意図的に仕掛けさせているようだ。

 

終わってる。

 

ミランはそう思ったが。

 

それでも知的生命体だ。

 

豊かになれば多少は心がマシになるかと思ったが、富裕層のこの有様ではそれも無理だろう。

 

ミランだってファーガの栄養液をもっと食べたいのに我慢している。

 

特務でも我慢ばかりだ。

 

それなのにこいつらときたら。

 

実態を見れば見るほど腹が立ってくるが。

 

地上の基地を視察している時に、ウォーリア乗りだという聖なる力の庇護者の一人を紹介された。

 

肉体年齢はミランと同じくらいだろう。背丈は向こうの方が高い。頭部の髪が長くて、灰褐色をしていた。

 

多分適齢期の雌だと思うが。

 

とにかく敵意マシマシの目で睨んでくる。

 

他の義勇兵と違って、ちゃんと最前線で戦い、指示も聞くそうだ。そういう意味で、マシな個体ということである。

 

翻訳機能をオンにして、敬礼する。

 

「ミラン中佐です」

 

「ハーネイ少尉です。 よろしくお願いします」

 

「それで、自分に何かご用ですか」

 

「その若さであんな強力な重カスタム機を与えられて、信じられない戦果を挙げているので、どんなごつい化け物かと思いましてね。 プロパガンダか何かで持ち上げられたんですか?」

 

いきなりだな。

 

呆れるミランに対して、紹介してきた士官が真っ青になる。

 

これでこの星の住民としてはマシな方なのか。

 

ちょっと言葉がない。

 

側にいるロボットが、説明をする。

 

「ミラン中佐は、今まで誰もなしえなかった単騎での親衛軍ウォーリアの撃破を達成した人物です。 それからも各地の戦線で、単騎で何度も親衛軍ウォーリアを倒しています。 だからこそ、重カスタム機であるウォーリア三型を与えられ、中佐にまで昇進したのです」

 

「そういう設定なのかしら、ブリキ人形さん」

 

「事実です。 プロパガンダで持ち上げられた例は過去にありますが、この人の場合はその必要もありませんので」

 

「ふうん……」

 

ミランは呆れた。

 

ちなみに向かい合ってみて分かったが、種族として身体能力が違いすぎる。瞬く間に制圧できる。

 

そういう意味もあって、本気で苛立つことはなかった。

 

「それでハーネイ少尉。 貴方は実力に自信は?」

 

「まあそれなりに戦えるつもりですが」

 

「親衛軍ウォーリアを見たことは」

 

「ありません」

 

そうか。

 

いずれにしても、大攻勢作戦には参加して貰う。

 

部下を持つつもりはないので、他の指揮官の下に入って貰うつもりだが。

 

ミランも忙しいので、後は紹介してきた士官に任せて、さっさとこの場を離れる。はっきり言って、あまり興味は持てない。

 

移動中にさっと戦歴を見るが、ごく平均的な腕前のウォーリア乗りだ。短時間で強くなったわけでもなく、普通に成長して運が良いから生き延びている。ただそれだけである。

 

ミランとしてはそれなら一兵卒として扱うべきだし。

 

覚悟して前線に出てきている以上、命を失うのも自己責任だと考える。

 

この基地でも、まともな聖なる力の庇護者とやらには出会わないな。

 

あのハーネイ少尉が一番マシなのだとすると。

 

正直、ミランまでやる気が出なくなりそうだ。

 

側についてくるロボットに聞いてみる。

 

「それにしてもあのハーネイ少尉、なんで敵意むき出しだったんですか?」

 

「彼ら聖なる力の庇護者の価値観では、ミラン中佐のような毛皮持ちのヒューマノイドや、肌の色が彼らと違うヒューマノイド、後は頭部に毛がないヒューマノイドも、明確に自分たちより下の存在だそうです」

 

「はあ……?」

 

「ヒューマノイド以外はそもそもとして動物としか認識できないそうでして」

 

ミランの呆れが強まるのを感じたか。

 

ロボットが謝ってくる。

 

貴方は悪くないとフォローを入れたが。これは本当に困りものだ。

 

ミランも兵士達から話を聞くが、とにかく愚痴しか聞かされない。本当に皆参っているのだ。

 

相手の工場ユニットは70オーバー。

 

短期決戦で片付けるには、駆逐艦だけでも100隻はほしい。だが、惑星アラタにいた頃に聞かされたが、地上戦用の駆逐艦は相当なカスタム艦だ。20万隻の第六十一艦隊で、準備できるかどうか。

 

もう一つの問題は、親衛軍ウォーリアだ。

 

地上戦限定なら、かなりの脅威になる。

 

誰が准将として来るかは分からないが、連携して対応しなければならない。

 

以前惑星アラタの戦いで、広域戦略を展開している際に。随分と各地に出てくる親衛軍ウォーリアに苦しめられたのをミランも聞いている。

 

ミランだって確実に勝てるわけではないのだ。

 

今回の戦いでは、特務がミランしかいない。

 

それもあって、上層部が何か考えているのか、ミランにはよく分からない。

 

議長であるクアーラは悪い人物には見えなかったが。

 

それも見た目ではどうにも分からないし。

 

決めつけるのも良くないことだ。

 

ともかく、いくつか考えておく。ミランに出来るのは戦場で暴れることだけだし。それも限定的だ。

 

ミランにしか出来ない事があるのなら、困難な任務でもやる。

 

今まで、困難であっても理不尽な任務は課せられなかった。その点では、ミランは支援者を全面的に信頼している。

 

勿論これだけの種族個人がいる以上、ろくでもない奴がいるのも分かってはいるが。それはそれだ。

 

支援者という組織は腐っていない。

 

それについては、ミランも分かっている。

 

何度か、基地近くでの戦闘を行う。

 

マニュアル通りに、押し寄せてくるワーカーを基地に誘引して、掃射砲で片付けるか。

 

或いは空軍と連携して、空爆で始末するか。

 

状況に応じて戦術を変える。

 

困ったのは、ワーカーと戦闘中も「抗議活動」とやらをアルカラルドの民は止めない事である。

 

それどころか、こちらにヤジを飛ばしている節すらある。

 

翻訳はしない。

 

不愉快なだけだからだ。

 

ミランの出る戦場でも、犠牲は出る。ただし、重カスタム機の力はフル活用して、ワーカーは片っ端から蹴散らすし、イーターも跋扈を許さない。

 

犠牲が殆ど出ていないと、基地の司令官から礼を言われる。

 

一度、例のハーネイ少尉とともに出撃したが、ごく標準的な腕前だ。精鋭として危険任務に出るのは厳しいだろう。

 

ただ、それでも隊長の言うことを聞いてきちんと前進後退している。追撃もしないし突出もしない。

 

それだけで、この星の民の中ではマシなのかも知れないとさえ、ミランは思った。







※ハーネイ少尉

この星の国の一つの英雄です。とはいっても少年兵(女性ですが便宜的にそう呼びます)として戦場に駆り出され(侵略者が攻めてきていても、それぞれの国で散々国境紛争をしています……)、ただ生き残ったこと、それなりにルックスが優れていることが要因です。要するにプロパガンダで英雄にされただけの人です。

腐りきった国で心身を徹底的に蹂躙されたこともあり、とにかく徹底的に擦れていますが……そんなハーネイ少尉が、これから変わっていくことになります。

本物の英雄を見ることによって。





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  • 詳細なマシンデザイン
  • 圧倒的な武力による蹂躙
  • 緻密な人間ドラマ
  • 種族や文明の描写
  • 近接した力量のライバルとの死闘
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