王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶   作:dwwyakata@2024

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前線に出現した強敵。

しかし問題は、後方の無能で敵対的な味方です。

アルカラルドの民は、国家元首が出てくると対応しなければならないという支援者の法に気付きました。

結果、アルカラルドの民の100を超える国家の国家元首が、我も我もと押しかけてきます。





1、拡大する騒ぎ

恐れていた事態が起きる。国家元首がくれば対応しなければならない。それを知ったアルカラルドの民が、国家元首を次々に「外交」に繰り出してきたのである。

 

ガルヴァード准将はその対応に追われなくてはならなくなった。

 

作戦行動がこれでは停止してしまう。

 

支援者の組織は、階級が絶対というわけではない。

 

階級が上でも、階級が下の者に対する横暴や暴力は許されないし、そういった行為には刑事罰が課せられる。

 

以前元帥が二等兵の新兵に暴力を振るったところ、元帥を解任された事例もある。元帥クラスですらそうなのだ。

 

軍組織は厳正に回っている。それが支援者の組織が腐敗しない要因ともなっているのだけれども。

 

今回は、その法治主義が徒になった形だ。

 

ともかくこれはまずい。

 

ミランはマルラ大佐と一緒に即座にカ・ト中将に連絡を入れる。

 

対策が必要である。

 

カ・ト中将もアステロイドベルトに隠れている敵艦隊の掃討作戦をずっと実施しており、やっと一万隻規模の敵を発見、苦労しながらも殲滅した所だったのだが。

 

その矢先にいきなり冷や水をぶっかけられたことになる。

 

ミランが連絡を入れて状況を説明すると、ものすごい渋面を作っていた。勿論気持ちは分かる。

 

「それほど酷い状況かね」

 

「こちらを」

 

マルラ大佐が映像を見せる。

 

其処は完全に動物園だった。

 

スーツというのか。

 

この星の礼服を着た年配の男女が、凄まじい剣幕で怒鳴り合っている。殴り合っている者もいた。

 

武器は取り上げてあるのだが、そうでなければ殺し合いになっているだろう。

 

調度品を蹴飛ばして、暴れる叫ぶ吠える。

 

これは「待合室」の光景だ。

 

ガルヴァード准将が対応しているのだが。100を超える国家の「国家元首」が三十人以上も訪れたのだ。

 

待合室でまってもらうしかなく。

 

そうすれば、こうなる。

 

乱闘を行っている連中が、それぞれの国家のトップである。

 

あれらが優秀な「血統」を称しているらしいが。

 

とてもミランにはそう見えなかった。

 

「高貴」だそうだが。

 

そんな雰囲気は微塵もない。

 

「これは刑務所の映像かね」

 

「いえ、あれらがアルカラルドの民の国家元首達です」

 

「……そういえば見覚えがある顔がいくつかある。 頭が痛くなってきた。 有給をとりたい。 敵の二割を殲滅したんだ。 少しは休ませてほしい」

 

「敵には親衛軍ウォーリアが、それも相当な難敵が出ました。 作戦を急がないと、機を逸します」

 

マルラ大佐がそういうと。

 

カ・ト中将は、本当に悲しそうにため息をついて、机に突っ伏した。なんというか感情豊かな人だな。

 

ミランも他人事ではないから、遠い目でそれを見るしかない。

 

何度もため息をついて、バンバンと机を叩くと。カ・ト中将は顔を上げていた。

 

「カクラム少将」

 

「此処に」

 

進み出たのは、カクラム少将。

 

第六十一艦隊の副司令官である。

 

歴戦の軍人だが、アルカラルドの民より頭一つ大きい屈強なヒューマノイドで、非常に圧迫感がある。ヨーンと言われる種族だ。

 

筋肉質な肉体の持ち主で、戦士としての適性が高い。

 

それなりに数が多い種族なのだが、兵士に向いてはいるが、高官には向いていないため。将官のヨーンは殆どいない。

 

赤黒い肌をしていて、とにかく非常に精悍だ。

 

ちなみに妻子持ちで、子供は六人いるそうだ。

 

「あの連中の面倒を見てくれないか。 その代わり、他の軍務は全部私がやろう」

 

「あのアホどもを殴っても良いですか」

 

「絶対に駄目!」

 

「分かりました。 では、出来るだけ怖がらせるにとどめましょう。 恐怖を知らないらしい連中に、恐怖というものを教えてやるとします」

 

筋肉を誇示するポーズをとるカクラム少将。

 

カ・ト中将は、嘆息すると、それで手を打ってくれと指示。

 

マルラ大佐が、そうして対応をしてくれた。

 

ミランはため息をつく。

 

それらの手続きだって、かなり時間が掛かるのだ。それでどれだけの時間のロスが生じることか。

 

「ミラン中佐、これから私は手続きに入る。 君はどの戦線にあの「武士」が現れても対応できるように、コンディションを万全に整えてくれ」

 

「了解しました」

 

「これで作戦が練り直しだ。 法治主義は立派だし、それがきちんと動いて支援者の組織は腐敗を免れている。 それでも、こんな所に脆弱性があるとは……」

 

マルラ大佐が嘆く。

 

ミランも、それには全面的に同意するしかなかった。

 

とりあえず、一旦ウォーリア三型の様子を見に行く。

 

長槍の調整をしているのだ。

 

あの太刀。

 

武士が振るう太刀の重さ、凄まじかった。今の長槍では、対応できないかもしれない。そう判断した。

 

しかし、使い慣れていない武器にすると負ける可能性もある。

 

それで試作品の長槍をいくつか作って貰ったのだ。

 

ドッグで試す。

 

順番に試していくが、やはり手慣れている長槍が一番しっくりくる。

 

それよりも問題な事がある。

 

ウォーリア三型のパワーが不足しているように思えるのだ。

 

以前から感じていたし、ハコトにも指摘されていたのだが。

 

ミランの力に、ウォーリア三型が追いつかなくなってきている。

 

しかし推力を更に上げる場合、またコストが跳ね上がることになる。機体の強度などでも、問題が出てくる。

 

それにミランの戦い方を見て、上層部が難色を示す可能性だって高い。

 

毎回機体を破壊しながら戦っているようなものだ。

 

それ相応の戦果は挙げているが。

 

そうでなければ降格もの。

 

それも聞かされている。被害を出来るだけ減らして、それでどうにか出来ないものだろうか。

 

長槍を振るいながら、一番合っているものにする。

 

少し重量を上げたが、今の技量なら問題なく振るう事が出来る。それから、対武士を想定して、何度かシミュレーションマシンで戦闘をしてみる。

 

非常に手強い。

 

相手もまだ切り札がある可能性がある。

 

それを思うと、勝てるなんて断言は出来なかった。

 

卑怯な手を使えば勝つ事は可能だが。

 

あそこまでまっすぐに突っ込んでくる相手だ。そうしようという気にはミランはなれなかった。

 

親衛軍のような存在で、あんな精神性を持っているのだ。

 

他と違うなら。

 

他と違う対応をするだけである。

 

連絡が来る。

 

パデラクスである。

 

ミランも苦虫を噛み潰してしまったが、とにかく話を聞く。

 

「ミラン中佐、相変わらず活躍のようだ。 仮に死んでも、すぐに私がクローンで肉体を作り、精神を移植してよみがえらせてあげるから、どんどん安心して死んでくれ」

 

「お断りします。 それで何用ですか」

 

「うむ。 小粋なジョークは此処までにしておこう」

 

絶句。

 

今のが小粋なジョークなのか。

 

本当に意味不明である。頭が良い奴の考える事はよく分からん。それで、話を聞くが。どうも親衛軍NO3_009116の事らしい。

 

アネカの同型機を見て、非常に美しいと言っているそうだ。

 

それから試してみたのだが。ハコトやアリカ中佐の同型機にも、同じ反応を示しているらしい。

 

「侵略者の女性を美化した姿がそれらなのは、これで結論できたと思うよ。 とても有意義なことだ!」

 

「はあ……」

 

「セクサロイドとしての機能をつけて、親衛軍NO3_009116にあてがってあげるのもいいかもしれんね! もっとも本来の肉体を再生させてからになるけれど!」

 

「それでなんでしょうか」

 

此奴は人を苛立たせる天才か。

 

苛立ちのボルテージが上がっていくが、それでもミランも此奴が様々な新兵器を開発していることは知っている。

 

だから我慢する。

 

とても嬉しそうに、パデラクスは言う。

 

「君にも共有しておこうと思ってね。 ……アルカラルドの民の女性を見て、親衛軍NO3_009116は美しいとは言ったが、好みではないと言っていた」

 

「まあ、それぞれの個体ごとに好みがあるでしょうし」

 

「いや、そういう問題ではなくて、肌の色がおかしいというんだ。 ちなみに親衛軍NO3_009116の言うとおり肌の色を調整した画像を出してみたら、好みだと言い出したよ」

 

それを聞かせてどうするというのか。

 

いやまて。

 

確かアルカラルドの民では、肌の色が美的感覚の重要な要素となっていたのだったか。

 

新たの民は、住んでいる地域によって毛皮の色が違ったり、毛並みが違うのは当たり前だった。

 

それもあって、「体の色が違う」ということが、善し悪しにつながるという概念がどうしても今でも理解できない。

 

「まだ資料が少ないからなんともいえないんだが、確かアルカラルドの民の救出作戦があるらしいね」

 

「はあ、まあ」

 

「連中が侵略者と同祖の可能性が高い事は君も知っているね」

 

「可能性はあるでしょうね。 確かに肌が若干緑がかっている以外は、侵略者に似ている気がします」

 

既にアルカラルドの民の体の情報。遺伝子データは、パデラクスも入手しているらしい。

 

アルカラルド星系での戦闘は、昨今始まったものでもない。だらだらと続いているのである。

 

入手したデータから再生したアルカラルドの民を、実は人工惑星で自治区を与えて様子を見ているそうだ。

 

だが、今のアルカラルドの民のような独善的で高慢な様子はなく、むしろ教育を任せている教育用ロボットの言うことを良く聞くそうだ。

 

全体的に好戦的で、階級を作りたがる傾向はあるそうだが。

 

「レポートを上層部にも提出したんだけれど、体の情報のデータが、80%以上侵略者と一致しているんだよアルカラルドの民は。 まだ調べてみないと分からないけれど、同祖かはともかくとして、過去に何かしらの関係があったのは確定だろうね。 こいつらの先祖が播種活動でもしたのか、それとも……」

 

「……」

 

「サンプルが増えるのは良いことだ。 救出作戦、頑張ってねえ」

 

通信を切るパデラクス。

 

アネカが話を聞いていたらしく、ミランに苦々しげに言う。

 

「嫌いまではいかへんけど、あの人ちょっと苦手や……」

 

「私もです。 それで、何かありましたか」

 

「ハーネイ少尉が用事があるとか」

 

「分かりました」

 

丁度話をしておきたいと思ったところだ。

 

作戦はしばらくは動かせない。なんでも、更に「国家元首」が押し寄せてきているらしいからである。

 

食事の席を作って貰う。

 

ハーネイ少尉の好みの味は再現できるらしくて、ハコトがテキパキとやってくれる。アルカラルドの民が使っているロボットとは次元違いだと、ハーネイ少尉が何度も感心していたが。

 

もしも侵略者と祖が同じであるのなら。

 

差はどうして生まれたのか。

 

ガワとAIの一部は侵略者製で、しかも相当に古い型式であるのだが。

 

親衛軍NO3_009116の好みの話をしておく。

 

そうすると、ハーネイは考え込んでいた。

 

「思い当たる事が?」

 

「私はその、他人を選べる立場ではありませんでした。 軍高官が手をつけたという話が出ると、戦場でその、寝込みを襲われるようなことはなくなりましたが」

 

「……」

 

いきなり反吐が出る話だが。

 

まあそれはいい。

 

続きを聞かせて貰う。

 

「ただ、そうですね。 肌の色が好みに大きく関係するのは私も同じです。 実は、私たちは、ハコトやアネカのような肌や容姿をとても綺麗だって感じるんです。 私のいた戦場で周りにいたような男どもだったら、多分見境なく襲っていたと思います」

 

「つまり親衛軍NO3_009116と見かけの肌の好みは同じだと」

 

「ええ。 どうして緑がかった肌色をしているのかは不思議です。 この色が薄くなるほど、高貴だという話もあるらしいですが、上層部の連中は肌の色を特殊な薬剤で調整しているという噂がありまして」

 

なるほどな。

 

ただ、ミランには同じ緑がかった肌色にしか見えないが。そういうものなのか。

 

今の会話のデータを、パデラクスに送ってやる。

 

それから、少しして。

 

マルラ大佐が、ぐったりした様子で来る。

 

「ミラン中佐、ようやく動くことが出来そうだ」

 

「やっとですか」

 

「ガルヴァード准将がアホどもから解放された。 カクラム少将が代わりに対応をしてくれる」

 

素晴らしい朗報だ。

 

国家元首どもはシャトルに乗せられ、さっさと連れて行かれるようである。カクラム少将はとても怖い人だと言われていて、実際に怖い。

 

部下に理不尽な暴力を振るったりはしないそうだが、軍律違反は容赦なく告発して、対応も厳しいらしい。

 

それ以上に一番自分に厳しいそうで。

 

そういう意味では、信頼出来る人だ。

 

「ただ、この無駄な時間の間に、落とせそうな工場ユニットは全て落としてしまった。 再度作戦の練り直しがいる」

 

「そうでしょうね。 何かしらハッキングの進展はありましたか」

 

「親衛軍ウォーリアを作っている工場ユニットを、二つまで絞り込めた。 ただ、一つに特定するのはまだだ」

 

「二つとも攻略してしまうのは」

 

今の状況だと、それにも作戦がいるという。

 

それよりも。

 

先にやるべき事があると、マルラ大佐は言った。

 

「以前説明した、亡命を希望している者達を救助する作戦を実施する」

 

「今のタイミングで大丈夫ですか」

 

「現在「思想犯」として収容されている者もいて、拷問まで受けている。 何時死んでもおかしくない事が分かってな」

 

思想犯。そんな犯罪があるのか。

 

丁度側にハーネイ少尉がいるのだが。

 

ハーネイ少尉は、マルラ大佐にびびりまくっていた。アルカラルドの民には見かけが怖いらしい。

 

「ハーネイ少尉、思想犯というのは」

 

「その、その方が上官であるんですね」

 

「話しているのを聞いていたと思うが、とても理知的な方だ。 作戦立案についても優れている」

 

「そ、そうですか。 私たちはその、足がたくさんある生物が苦手で。 知的生命体で、支援者に所属するずっと進んだ文明の持ち主だというのは分かるのですが、それでもちょっと怖いです……」

 

呆れるが。

 

ハコトがマルラ大佐に促して、体に登らせて貰う。

 

ひょいひょいと体に登って、頭に座るのを、マルラ大佐は何をしているんだろうという感じで見ていたが。

 

六つある複眼をカバーしているスコープをハコトがちょっと直すと、礼を言っていた。

 

「おお、ありがとう。 少し掛かりが悪くてね」

 

「ハーネイ少尉、これで怖くなくなりましたか。 マルラ大佐は怖い事なんて何もしませんよ」

 

「……分かりました。 私より少し年下に見える子がそういう風に振る舞っているのを見ると、たとえロボットであっても、ちょっと恥ずかしくなります。 見かけが怖くて受け付けないというのはありますけど、慣れないといけないですね」

 

咳払いすると、ハーネイ少尉は説明してくれる。

 

思想犯というのは、主に現体制に不利になるようなことを「考える」罪だそうだ。

 

「退廃的」とされる芸術を作り出したり。単純に権力を握っている層が気にくわないというだけで、思想犯にされる場合があるそうだ。

 

ハーネイ少尉が聞いた話によると、まだ8歳(アルカラルドの民の年齢ではまだ子供も子供である)の幼子を政府高官の性奴隷として召し上げられそうになった一家がその子だけは止めてほしいと懇願したら、一家そろって思想犯にされた例も聞いたことがあるという。

 

周りの兵士達が馬鹿な奴らだと笑っていたとか。

 

そして思想犯の烙印を押されると。

 

まず生きて戻る事は無いし。

 

乏しい資産も根こそぎ没収されるとか。

 

「なるほど、それは救助作戦が必須ですね」

 

「今、救出のための特殊部隊が動いている。 アルカラルドの民を傷つけないように、関与したことも理解できないように救助する作戦だ。 作戦の対象は合計で1800名ほど。 100ある国家に分散していて、これでうまくいったら第二陣も出す予定だ。 ミラン中佐は、前線で備えてほしい。 作戦は私の部下の少佐達が行う」

 

「あの、よろしいでしょうか」

 

ハーネイ少尉が挙手。

 

そして、ある者の名前を挙げた。

 

「私の友人がいます。 年がずっと離れた友人です」

 

「救助してほしいのですか」

 

「はい。 我々にも遺伝子操作技術は存在していて、人工的に作り上げられた天才児です。 もっとも遺伝子を直にいじるのではなくて、「優れている」と高官達が考えた人間を無理矢理交配させて作り出した子供だそうですが」

 

年齢はまだ9歳だが。

 

ハーネイ少尉とは昔プロパガンダの勲章の授与式で出会って、それから時々交流があったという。

 

天才と言っても、たかが知れているそうだが。

 

「あの子もプロパガンダで持ち上げられているだけの子です。 微積分が解ける程度の力はあるようですが、その程度です。 見かけがそんなに良くないので高官達はまだ目をつけていませんが、子供の頃は美人じゃない子はいます。 成長すればあの子は多分それなりに綺麗になります。 そうなったら何をされるか」

 

「亡命を望んでいるのは確かですか?」

 

「何度か私にだけ、盗聴器がない場所で逃げ出したいと打ち明けてくれたことがあります」

 

「……分かりました。 今いる位置、名前、それに所属を」

 

マルラ大佐が聞き入れてくれた。

 

ハーネイ少尉は。ぐっと言葉を飲み込むと。

 

ただ一つ、お願いしますとだけ言って。深々と頭をマルラ大佐に下げていた。

 

 

 

前線にワーカーが出てくる。敵が混乱から立ち直った証拠だ。

 

ミランは前哨基地の一つに控えているが、これは割り出した二つの親衛軍ウォーリアを作れる工場ユニットのどちらにも急行できる位置だ。つまりあの「武士」が現れても対応できる。

 

駆逐艦が上空に出て、味方部隊を援護する。

 

戦闘機隊がまずは制空権を確保。

 

攻撃機隊も出るが。

 

その時には、駆逐艦が圧倒的な制圧火力を振るって、ワーカーもイーターもあらかた黙らせていた。

 

ミラン達は取りこぼしの片付けだけだ。

 

ただ、後続がわんさか続いている。

 

この地点に、大戦力をたたきつけてくるつもりらしい。ただし、戦力はこっちの方が上だ。

 

宇宙空間からの支援攻撃で、密集したワーカーの大群が連続して消し飛ぶ。

 

そもそもこの星は荒野だらけ。

 

侵略者が制圧した地域には細菌すらいない。

 

更にアルカラルドの民はお世辞にも頭が良くない。侵略者をたたき出し、支援者が去った後。放っておけば核戦争でも起こして自滅するかも知れない。

 

それを見越して、生体データを取ったのかも知れない。

 

それによって種が滅ぶ事はなくなるのだから。

 

「第二波来ます!」

 

「来るだけ叩き潰せ! 総員攻撃!」

 

「この星の連中に足を引っ張らせたせいでせっかくの時間が無駄かよ……。 勝利も遠のいたんじゃねえのか」

 

「そうぼやくな。 ミラン中佐が来てる。 なんとかなる」

 

通信に自分の名前が出て、ミランも無言になる。

 

ともかく、最前線で戦う。次に来るワーカーの群れも、来るだけまとめて片付けてしまうだけだ。

 

ブレイカーもいるが、制空権を抑えている状態だ。

 

攻撃機が始末してしまう。

 

あれも宇宙空間とは速度が違う。大気圏内と宇宙空間では、出せる速度が全然違うのだからまあ当然だろうか。

 

しかしながら、接敵まで時間が無いのも事実で。

 

やりやすいかというと、そうでもない。

 

ともかく味方の支援をしながら、ワーカーの群れを削る。駆逐艦も相手を容赦なく制圧しており、第二波もまもなく片付いていた。

 

「第三波、第四波続いています!」

 

「ウォーリア部隊来ます!」

 

「地上戦で通常ウォーリアの部隊は珍しいな……」

 

「問題ない。 引きつけてつるべ打ちにしてやれ」

 

親衛軍ウォーリアならともかく、確かに通常ウォーリアが出てくるのは珍しい。侵略者の一般個体が乗せられているとして、必要な分だけ生産したのだろうか。

 

ウォーリア三型の羽を広げて回復をして。

 

それから、また敵軍を相手にする。

 

制空権は相変わらず問題ない。

 

ただ、ミランは親衛軍ウォーリアが来たら対応しなければならない。延々と戦闘が続くと流石に集中力が切れる。

 

それが敵の狙いかも知れない。

 

「一度戻ります」

 

「了解! 問題なく守れます!」

 

「敵を近づけるな!」

 

味方が奮戦している。ミランは、亡命申請者がまともだといいなと思いながら、前哨基地に戻る。

 

一旦横になる。どうにも、嫌な予感がする。

 

敵側の動きが妙だ。

 

何か企んでいるのかも知れなかった。







※支援者法

ガチガチの法治主義で支援者は動いています。勿論法には穴があるので、議会でそれを議論していくことが多いです。

支援者の政治家は基本的に担当地域で成果を上げることが重視され、政治的闘争の類の能力は一切求められません。求められた時期もありましたが、組織の腐敗を招き、無駄なマンパワーを使うだけだと理解した後は排除されるようになりました。

多数の種族がやって行くには、厳格な法整備が絶対なのです。

そして今回アルカラルドの民は、その穴を突いて、支援者の足をこれ以上もなく引っ張った訳ですね……




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本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。

  • 詳細なマシンデザイン
  • 圧倒的な武力による蹂躙
  • 緻密な人間ドラマ
  • 種族や文明の描写
  • 近接した力量のライバルとの死闘
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