AGX-04 ガーベラ・テトラ・リフィット
― シーマ艦隊現地改修仕様書 ―
機体名称: AGX-04 ガーベラ・テトラ・リフィット
所属: シーマ艦隊
改修拠点: オーブ モルゲンレーテ技術協力施設
改修主任: ハロルド・ベッカー
技術協力: モルゲンレーテ
運用目的: CE圏における継続的な戦闘・生存・整備性の確保
1. 改修方針
本機は、シーマ艦隊が保有するAGX-04 ガーベラ・テトラを、CE圏における継続運用に適応させるための現地改修機である。
基本フレームおよび主要機構は原型を維持し、機体そのものを別系統のMSへ作り替えることは避ける。
改修の基本方針は、
「勝つためではなく、生きて帰るための現地改修」
とする。
重視する項目は以下の通り。
CE規格部品との互換性確保
重力下における機動性能の改善
整備性および部品調達性の向上
電装系・冷却系の信頼性向上
長期運用を前提とした部品の共通化
地上・宇宙双方での運用を可能とするモジュール化
2. 機体構造
基本フレーム
原型フレームを維持。
CE側の部品を組み込むため、各部の接続部には変換アダプターおよび規格統合用の中間部材を追加する。
これにより、CE規格の補助機器、センサー、武装等を搭載可能とした。
完全な部品互換ではなく、
「既存機体へCE系部品を組み込むためのハイブリッド規格」
として整理されている。
3. 推進系
補助推進器
モルゲンレーテから供給されたCE規格の補助推進器を採用。
既存スラスターを完全に置換するのではなく、機体各部へ補助推進器を追加することで姿勢制御能力を改善した。
特に重力下では、宇宙戦闘を前提とした原型機の推進特性では細かな姿勢制御に負担が生じるため、補助推進器によって機体姿勢の修正能力を向上させている。
ただし、推力そのものを単純に増大させることは避けた。
機体性能の向上よりも、パイロットが制御できる範囲を維持することを優先したためである。
4. 冷却・電装系
CE規格部品との混載によって生じる負荷を考慮し、冷却系および電装系を改修。
既存設備を可能な範囲で維持しつつ、CE製部品との接続部分を中心に強化した。
CE製センサー類の搭載に伴い、データ処理系についても接続インターフェースを整理。
ただし、機体制御の中核部分については外部への開示を避けるため、従来系統を維持している。
5. センサー系
モルゲンレーテから供給された高精度センサーを採用。
以下の能力を改善した。
長距離索敵
目標識別
重力下での地形把握
低空・高速目標への対応
射撃管制
ただし、センサーそのものを高性能化しただけであり、機体側の制御能力を超える情報量をそのままパイロットへ提示しないよう表示系を調整している。
6. 武装
本機の武装については、シーマ艦隊が保有する独自兵器体系を外部に露見させないことを最優先とする。
そのため、既存の兵装をそのまま使用するのではなく、オーブ滞在中にCE規格の携行兵器を調達し、本機で運用可能となるよう機体側の接続・電装系を調整した。
これは単なる補給上の都合ではなく、シーマ艦隊が保有する兵器技術そのものを秘匿するための措置でもある。
6-1. 主兵装:CE製ビーム・ライフル
モルゲンレーテおよび関連調達ルートから入手したCE規格のビーム・ライフルを採用。
従来使用していたビーム兵器は継続使用せず、現地で調達可能なCE製兵器へ変更した。
これにより、
補修部品の現地調達
消耗品の共通化
CE側設備での整備
武器そのものの技術情報の秘匿
を同時に実現する。
機体側については、給電・接続・データリンク部分のみシーマ艦隊整備班が調整する。
武器本体については可能な限りCE側の既存規格を維持し、独自改造を最小限に抑える。
6-2. 近接兵装:CE製ビーム・サーベル ×2
ビーム・サーベルについても、従来装備を使用せず、CE規格品を新規調達する。
モルゲンレーテ側から供給可能なCE製ビーム・サーベルを選定し、本機のラックおよび電装系を対応させる。
これにより、主兵装と同様、
「武器はこの世界で買える物を使う」
という方針を徹底する。
特にビーム・サーベルは近接戦闘時に使用頻度が高く、消耗・破損時の補充を考慮すると、現地調達可能なCE規格品への統一は長期運用上の利点が大きい。
また、CE側の技術者に対しては、武器そのものの特殊な構造や動作原理を解析する必要が生じないよう、完成品として調達・運用する方式を採用する。
6-3. 実弾兵器
地上戦を想定し、CE圏で調達可能な実弾兵器にも対応。
特に、
対装甲火器
対車両火器
対施設火器
など、ビーム兵器では対応しにくい状況を補完する装備を優先する。
ビーム兵器への依存を減らし、戦場での選択肢を増やすことが目的である。
6-4. シールド
モジュール式シールドを採用。
CE製装甲材および耐熱素材を利用した補修・補強を可能とし、損傷時には現地で部分交換できる構造とする。
7. 装甲
CE製装甲材を一部採用。
全面換装は行わず、既存装甲を基本として、
被弾しやすい部位
関節周辺
推進器周辺
整備時に交換頻度の高い箇所
から段階的に導入する。
装甲性能そのものよりも、CE圏での調達性と交換容易性を重視する。
8. 関節・脚部
重力下での運用データをもとに調整。
宇宙空間では問題となりにくかった、
機体重量
着地衝撃
関節への継続的負荷
歩行時の摩耗
地上での姿勢制御
などを考慮し、関節部および脚部の耐久性を強化する。
ただし、地上専用機として設計変更するのではなく、宇宙運用能力を維持したまま地上運用への適応を図る。
9. 地上戦用パッケージ
今回のオーブ滞在中に、地上戦用パッケージについては実用段階まで完成させる。
主な改修内容
CE製補助推進器
CE製センサー
冷却系強化
電装系強化
関節・脚部調整
CE製装甲材の部分採用
CE製ビーム・ライフル
CE製ビーム・サーベル
CE規格実弾兵器への対応
重量バランス再調整
これにより、原型機では不得手だった重力下での継続戦闘能力を改善する。
10. 宇宙戦用パッケージ
今回のオーブ滞在中には、本格的な宇宙用改修は行わない。
この機体が再び宇宙へ戻ることを前提としているためである。
地上用装備を取り付けた状態で宇宙へ上がり、その後、宇宙空間で実際の運用データを取得しながら最終調整を行う。
そのため、
宇宙用重量バランス
推進系
武装配置
装甲構成
については今回、大規模な変更を加えない。
11. OS
OSの全面的な書き換えは実施しない。
今回の改修では、
CE製センサーとの接続
補助推進器との連携
電装系とのデータ整合
パイロットインターフェースの調整
など、必要最低限の対応に留める。
本格的な統合運用OSについては、今後の実戦データを蓄積した上で別途開発する。
12. 技術情報管理
シーマ艦隊にとって、技術情報そのものが生命線である。
したがって、モルゲンレーテとの技術交流においても、以下については開示しない。
動力系の詳細
動力炉の構造
機体制御コア
OS内部構造
独自兵器技術
艦艇の特殊技術
本来の兵器体系に関する詳細情報
特に武装については、主兵装・近接兵装ともCE製の完成品を使用することで、独自兵器技術そのものを見せる必要をなくしている。
つまり、
「機体の中身は見せても、武器の中身までは見せない」
という明確な線引きを行う。
今回の改修は、機体性能を劇的に引き上げるものではない。
最大の成果は、
「この世界で壊れても直せる機体」
へ変わったことである。
さらに、武装についてもCE規格へ合わせることで、戦闘後の補給・修理を現地で完結させやすくした。
ゲルググM改CE対応改修仕様
機体名称: MS-14Fs ゲルググM改
原型機: MS-14Fs ゲルググM
所属: シーマ艦隊
運用数: 12機
改修拠点: オーブ モルゲンレーテ技術協力施設
改修主任: ハロルド・ベッカー
技術協力: モルゲンレーテ
シーマ艦隊主力機であるゲルググMについても、同様の改修を実施する。
主な改修
CE規格補助推進器
姿勢制御系改良
CE製センサーへの換装
冷却系強化
電装系強化
接続規格のハイブリッド化
関節・脚部の重力下対応
CE製装甲材の部分採用
CE規格ビーム兵器への換装
CE規格ビーム・サーベルへの換装
実弾兵器への対応
OSに関しては、ガーベラ・テトラ・リフィットと同様の改修を行う
ゲルググMは機体数が多いことから、ガーベラ・テトラ以上に部品共通化と整備性の向上を重視する。
補助推進器、センサー、電装部品、武装などを可能な限り共通化することで、艦隊全体の整備負担を軽減する。
最終評価
ガーベラ・テトラ リフィットもゲルググM改も、最新鋭CE-MSと性能競争をするための機体ではない。
シーマ艦隊が目指したのは、
「一機で戦場を制圧すること」ではなく、
「壊れても直せる。弾が尽きても補充できる。地上でも宇宙でも動ける。そして何より、パイロットを生きて帰せる」
という運用体系である。
そのため今回の改修は、単なるMSの性能向上ではない。
シーマ艦隊が、この世界で生き残り続けるための兵站・整備・防諜を含めた運用基盤の再構築である。