ダンジョンに愛を求めるのは間違っているだろうか   作:新グロモント

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82:ヘスティア・ファミリア

 【ロキ・ファミリア】の遠征における惨状と実情が、ついに明かされることとなった。

 

 無事に生きて帰還した主力部隊と、それ以外の者たちからの報告を突き合わせ、主神ロキ自らが入念なすり合わせを行う。その報告が真実であるのか、蘇生されたばかりで足元のふらつくラウルに何度も念を押し、他のメンバーに対しても誤りや齟齬がないか繰り返し確認を重ねていた。

 

 その結果――上がってきた報告は、紛れもないすべて事実であると判明する。

 

 時を同じくして、神フレイヤもようやくオッタルからの遠征報告書に目を通す時間を確保していた。しかし、そこに書き記されていたのは、彼女の理解を遥かに超える驚愕の事実であった。

 

 そもそも”穢れた精霊”を討伐したのは、オッタル率いる【アスクレピオス・ファミリア】であり、彼らはすでに62階層までの到達を完了しているというのだ。

 

 もしそれが真実であるならば――【ロキ・ファミリア】が多大な犠牲を払って打ち倒したはずの”穢れた精霊”とは、一体何だったのかという話になる。

 

 この笑えない疑問と齟齬を解消するため、主神らを含む【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の合同主催による緊急会議が執り行われることとなった。双方の言い分や議論の脱線を防ぐため、事態から最も客観的な判断ができるヘディンが双方の資料を精査・整理し、会議の進行役を務める。

 

 その資料を突きつけられた際のヘディンの表情たるや、大好物を口にした直後に害虫の脚が歯に挟まったかのような不快感を極めたものだった。「悪い夢なら早く醒めてくれ」と言わんばかりの惨状である。

 

「どうして冒険者というのは、こうも馬鹿ばかりなのだ……」

 

 ヘディンの痛切な本音が思わず漏れ出していた。

 

 バベル内にある講義室を一フロア丸ごと借り切って集められた関係者たち。蘇生されたばかりで体調が万全でない者も多いが、今この事実を知っておかなければならない。そして全員で口裏を合わせておくべき内容もある。とりわけ、討ち死にした者たちには決して知らせられない残酷な真相だ。

 

 集められたのは、以下の面々である。

・主神を含む【ロキ・ファミリア】構成員全員。

・主神を含む【フレイヤ・ファミリア】の遠征参加者および幹部全員(※末端の強靭な勇士(エインヘリヤル)を除く)。

・主神を含む【アストレア・ファミリア】のオラリオ支部組。

・神ディアンケヒトおよびアミッド・テアサナーレ。

・神ヘファイストスおよび椿。

・『恩恵』封印中のレオン。

 

 会議の開始に先立ち、彼らの手元に配られたのは、ヘディンが徹夜で情報を時系列順に整理し、発生した客観的事実のみをまとめた資料、そして白兎(ベル・クラネル)に関する相関・事件関連図であった。

 

 ――ザワ……ザワ……。

 

 資料に目を通す参加者たち。そこに記載された驚愕の真実に、誰もが自らの目を疑い、二度見を余儀なくされる。

 

 とりわけ大きな衝撃を受けたのは、死闘の末に”穢れた精霊”を撃破したと信じ込んでいた【ロキ・ファミリア】の主力部隊と、仲間を無駄死にさせてしまっていたことが判明した【アストレア・ファミリア】のメンバーであった。

 

 昨日ようやく立ち直ったばかりのリュー・リオンの心を再び打ち砕く鬼畜眼鏡――これこそが、神フレイヤが最も信頼を寄せる眷属の一人であった。

 

「この場にいる全員が疑うのも無理はない。だが、これが変わらぬ事実だ。【ロキ・ファミリア】の遠征……その目的が”穢れた精霊”の討伐であったなら、間違いなく成功している。ただし、実際にそれを撃破したのはオッタルら【アスクレピオス・ファミリア】のメンバーだ。それも遠征部隊が分断された後の出来事である。手元の資料にある通り、59階層で主力部隊を待っていた者たちも同様の証言をしている」

 

「そうか……ラウルたちが僕らに何かを隠していると思っていたが、このことだったのか。確かに、あの惨状の現場でこれを聞かされていたら心が折れていたかもしれない。……じゃあ、僕たちが倒したあの”穢れた精霊”は一体何だったんだ?」

 

 あまりにも残酷な問い。

 

 確証はない。しかし、すべての状況証拠が一本の線として繋がってしまう。ダンジョンで発生した数々の不可解な事件。過去の事件をすべて洗い出し、白兎(ベル・クラネル)がオラリオへやって来てからの出来事を網羅した資料――それらはギルドに保管されていた膨大な記録から抽出・作成されたものだった。

 

「良い質問だ。結論から言おう……あれは、白兎(ベル・クラネル)の『幸運』がダンジョンに産み落とさせたモンスターだ。そんなことがあり得るのかと疑うだろう。だが、あり得るのだ。その片鱗が現れたこの半年の事件と、白兎(ベル・クラネル)との関係性を表した資料が三枚目にまとめてある。これがすべて偶然であるなどとは到底言えまい」

 

「ハハハ……じゃあ何かね、ヘディン。僕らの決死の遠征はすべて壮大な茶番だったと? 最終的に白兎(ベル・クラネル)がアイズと懇意になるためだけに『幸運』とやらが作用し、これほどの大事件を引き起こして大量の犠牲者を出したとでも言うのかい? 君らしくもない妄言じゃないか」

 

 声を引きつらせ、フィンは「嘘だと言ってくれ」とヘディンに懇願するように視線を向ける。

 

 だが、現実は神々が示してみせた通りであった。

 

「その通りなのだよ。オッタルから聞き及んだ話だが、Lv.7(レベルセブン)が5名に加え、あれほどの大戦力があれば”穢れた精霊”を退けるには十分すぎるほどだった。私もその見解には同意する。それほどの大戦力でありながら容易に戦力を分断され、あまつさえ落下した先で仲間と合流すらままならなかった……おかしいとは思わなかったのか?」

 

「違和感というか……”穢れた精霊”と相対している最中、不思議と連携が噛み合わなかったり、足元が突如崩落したりと、普段ならあり得ないミスやトラブルが多発していた。……その時、白兎(ベル・クラネル)はギルドのミッションでダンジョンに居たんだったね。プルシュカに警告されたのを思い出したよ」

 

 討伐の失敗を他人のせいにするような真似は、フィンにとっても心苦しかった。しかし、彼が関与した事件の資料を追うごとに、自作自演や事件の意図的な拡大によって事態を解決し、経験値を貪っていたのではないかという疑惑が拭いきれなくなる。

 

 わずか半年でLv.5(レベルファイブ)にまで達するという常軌を逸したランクアップ。しかも、その際のステータスはほぼすべてがオールSなのだ。

 

「その通りだ。今回の遠征が何事もなく成功してしまえば、白兎(ベル・クラネル)とアイズ・ヴァレンシュタインの接点は失われてしまう。神ロキ自身も眷属が彼と接触することを極めて嫌っていたからな。ゆえに遠征は失敗へと導かれた。そして、絶望的な状況下で彼女を白兎(ベル・クラネル)自身が救い出し、一気に好感度を跳ね上げる方向へと運命が傾いたのだ」

 

「流石に言いがかりが過ぎます! クラネル氏だって【ロキ・ファミリア】を救うために命を懸けて戦っていたはずです! このような言草はあまりにひどいではありませんか!」

 

 この場に集まったメンバーの多くは、少なからず白兎(ベル・クラネル)と関わりを持っていた。だからこそ、彼の異常なまでの交友関係や経歴を網羅・提示されると、その異様さが嫌でも浮き彫りになる。声を上げたリュー・リオン自身……言われてみればそうかもしれないと、心が揺らぎ始めていた。

 

 白兎(ベル・クラネル)と出会っていなければ、大切な仲間を二度も追加で手に掛けることなどなかった。それだけは間違いのない事実なのだから。

 

「そう思うのも無理はない。だからこそ、お前は白兎(ベル・クラネル)に協力させられた結果、何度も仲間を死に追いやることになったのだ。なぜ未だに庇う? その理由は、お前自身が白兎(ベル・クラネル)の『ターゲット』の一人に選ばれているからだ。そもそも、今回の遠征で生き残った者を分析すると、『金髪』『長髪』『エルフ』のいずれかの特徴に合致する者の生存率が統計的に著しく高い。これらはすべて白兎(ベル・クラネル)の女性の好みと一致している。よかったな、お前はそのすべての条件を満たしている。だから何度も救われ、好意を抱かされたのだ……ここからは、神ロキ、お任せしても?」

 

「もちろいや。今までの話はすべて事実なんや。ウチもフレイヤも納得した両者の共通見解や。あの腐れ兎の『幸運』は、運命そのものを改変する。周囲の者が持つ運を強奪し、自分にとって都合の良い流れを無理やり引き寄せるタイプやな。神の権能であっても、ここまでの代物はそうそうお目にかかれへん……やが、仕掛けさえ分かれば対処のしようもあるちゅーわけや。神を舐めるなよ」

 主神ウラノスを筆頭に、この事態に関与したすべての神々が協力して作成した、対『幸運』用の神聖文字(ヒエログリフ)が刻まれたブレスレットが全員に配布される。これは神ヘファイストスが神威すら用いて鍛え上げた、究極の対ベル・クラネル特化装備であった。

 

 これさえ装着していれば相手の『幸運』をジャミングでき、完全な実力勝負に持ち込むことができる。いくら半年でLv.5(レベルファイブ)に達したとはいえ、対人戦や実戦経験においては圧倒的に不足している。

 

 同レベル帯の手練れと正面から戦えば、白兎(ベル・クラネル)の勝率は限りなく低い。さらに、異常な威力を誇っていた『ファイアボルト』に付加されていた『幸運』の補正も消失し、常識的な速攻魔法の域に落ち着くこととなる。

 

「ロキ。僕たちの遠征の失敗については、どう扱う?」

 

「”穢れた精霊”自体は討伐できとるんやから、遠征自体は成功扱いや。『千蒼の氷園』へは、また改めて行けばええ……無用なトラブルが起きんよう、【ヘスティア・ファミリア】を完全に潰した後でな」

 

 だが、ここまで話が進むと、本当に白兎(ベル・クラネル)を討伐してしまってよいのかという疑問が焦躁とともに生じる。白兎(ベル・クラネル)に執着を見せていた神フレイヤ。いまのオラリオにおいて、彼女の一声さえあれば白兎(ベル・クラネル)を無罪放免にすることすら可能なのだ。それほどまでに、オッタルという規格外の戦力と蘇生魔法という奇跡が彼女の手中にある。

 

「”初恋は実らない”……まさにその通りだったわね。私は、白兎(ベル・クラネル)を伴侶とすることを諦めたわ。私はもう、彼を救わない。リュー、だからあなたも分かって頂戴。もう、オラリオの決定は止まらないのよ」

 

「これで何の憂いもなくなったわけだ。すべての元凶である腐れ兎……ならびに逃亡中の【ヘスティア・ファミリア】構成員を生け捕りにする。突然告げられて混乱するのも無理はない。だから今日一日はどう動くか各々の主神と相談して決めて構わん。ただし、そのブレスレットだけは絶対に着用しておけ。思考がクリアに保たれるはずだ。ああ、それと腐れ兎と小人族(パルゥム)の指揮官に関しては、生死を問わん」

 

 アレンとティオネが鋭い視線を交わし、目で訴えかける。『今度こそあの小人族(パルゥム)を殺しに行くぞ』と。

 

 アレンが神フレイヤへ確認をとる。これは作戦上、非常に重要な事項であった。

 

「フレイヤ様。どこに潜伏しているか分からぬ害虫を、確実に見つけ出せる者がおります。この場には居らぬ者ですが、協力させてもよろしいでしょうか?」

 

「あら、そんな便利な魔法やスキルを持つ冒険者がいるの? そういえば以前、オラリオ外にいた小人族(パルゥム)を捜し出した時も同じ手法だったかしら? 誰なの、私から頼んであげるわ?」

 

 目立つ容姿の連中であれば、追跡はどうにでもなる。だが、変身魔法を使われて大国に逃げ込まれでもしたら、自力で見つけ出すのは不可能なのだ。

 

「は、プルシュカです。あの子供がいれば、世界中のどこに隠れようと必ず見つけ出せます」

 

「……アレン。あなた、前回も勝手にあの子をオラリオの外へ連れ出したということね。今の私の立場では、非常に頼みづらいのだけれど……」

 

 つい先日もシルの姿で無理なお願いをし、【アストレア・ファミリア】のメンバーを蘇生してもらったばかりなのだ。それにもかかわらず、昨日の今日で再び頼み込むなど、オラリオ頂点に君臨するファミリアの主神として威厳も形無しであった。

 

「そういえば、あの院長たちが居らんな。遠征部隊が無事に帰還できたのも無人販売所があったおかげやから、直接お礼を言いたかったんやが」

 

「ロキ……野戦病院の隣にある建物が見えるでしょう? あれ、霊安室なんですって。ダンジョンで命を落とした冒険者を可能な限り回収・保存しているらしいわ。蘇生魔法の順番が回ってくるまで、遺体を可能な限り保全しておくためって言っていたわ。あそこで汗水垂らし、指示を出しながら冒険者たちに頭を下げて手伝っているのが【アスクレピオス・ファミリア】よ。会議にも誘ったのだけれど、一刻の猶予も惜しいとのことだったわ」

 

 都市最高のヒーラーが蘇生し、精神力も回復を遂げた。この状況であれば神ディアンケヒトも銭ゲバに走ることはないだろう。彼女が目覚めるまでの繋ぎとしての役割は終わった。だからこそ、彼らはダンジョン内の遺体を回収・保存する作業へとシフトしていたのだった。

 

 ヘイズ式蘇生魔法による確定蘇生待ち――モンスターに遺体が損壊・捕食される前に、一刻も早く回収しなければならないのだ。

 

「今もあの腐れ兎は、ダンジョン深層でモンスターに捕食されとる最中なんやろうか。ダンジョンに入って大丈夫なんか?」

 

「深層にさえ踏み入らなければ大丈夫よ。だって、彼女たちは強いもの。……アレン、あなたの焦る気持ちは理解できるわ。けれど、プルシュカを勝手に連れ出すことは許可しないわよ。だから、追いかけるべき『方角』を聞き出すだけで今は我慢しなさい。ヘディンなら、それだけの情報で十分に見当がつくはずだから」

 

 アマゾネス姉妹によって、半ば拉致される形でプルシュカが連れてこられる。

 

 外で懸命に労働中だった子供。そしてバベルの涼しい会議室に集まり、時間を浪費している無駄に高レベルな遠征関係者たち。そんな暇があるのなら、復興作業にもっと力を尽くすべきではないのだろうか。

 

「ちょっと! プルシュカは今お仕事の最中なんだけど!」

 

「ごめんなさいね、プルシュカ。あなたに占ってほしいことがあるの。【ヘスティア・ファミリア】の連中が今どこにいるのか……その『方角』だけでいいのよ」

 

 遺物『星の羅針盤』を使用するまで解放してもらえないと悟ったプルシュカは、ポーチからそれを取り出し、【ヘスティア・ファミリア】の面々が位置する方角を確認する。

 

白兎(ベル・クラネル)は真下……つまりダンジョンの中ね。ウィーネちゃんたちの愛の巣に連れ込まれたんじゃないかしら。深層のどこかにいるみたい。で、残りのメンバーは全員同じ方角にいるわね……あっちの方よ」

 

 プルシュカが小指で指し示したのは、オラリオの北方。そこに何が存在するのかを知る者たちは、一斉に椅子から転げ落ちそうになった。

 

 そして、レオンが激しい声を張り上げる。彼もまた、異彩を放つ白兎(ベル・クラネル)であれば、接近するだけで『風印』が解除されかねないと理解していた。ダンジョンの深層に囚われているとはいえ、彼の『幸運』が地上に更なる混乱を求めて蠢くかもしれない。その結果、白兎(ベル・クラネル)の力を必要とする最悪の展開を世界が望むかもしれないのだ。

 

 事態は一刻の猶予も許されなかった。

 

「『竜の谷』!?」

 

「愚兎が汚名を返上し、地上へ舞い戻るための功績……『三大クエスト』の達成という筋書きか。十分あり得る。だが、風印とはそれほど容易く解除できるものなのか? 学区が風印の監視や補強を行っているはずだ。有識者としての意見を聞かせてもらいたい、レオン」

 

「学区が厳重に監視していた。だが風印を補強するための設備も、すべて海の中に沈んでいる……正直なところ、どの程度で風印が解除されてしまうのか見当もつかない。すでに千年もの時を経た風印だ。何かの拍子に明日壊れたとしてもおかしくはない」

 

「愚兎の『幸運』が介在すれば、今日にでも可能ということか……フレイヤ様。オラリオの復興も急務ですが、直ちに出立しなければ最悪の事態を引き起こします」

 

 『竜の谷』の近隣には、ファナシェの里と呼ばれるエルフの集落が存在する。その出身者もまた、この場に居合わせていた。何か事があれば、故郷が跡形もなく滅び去る。【ロキ・ファミリア】のアリシアは、故郷を守るためなら神殺しすら厭わない覚悟を固めていた。神が死ねば『恩恵』が封じられる。つまり、すべての元凶を絶つことができるのだ。

 

「ヘディン。冒険者たちを集めなさい。貴方達が突如オラリオを抜け出せば大きな混乱を招くわ。だからこそ説明し、納得させた上で全力で『竜の谷』を目指し、敵を討ち滅ぼしなさい。この際、生死は問わないわ」

 

「しゃーないな。ウチは神々に説明して回るわ。だけど闇派閥(イヴィルス)がどこに潜んどるかも分からんし、ダンジョン深層におる腐れ兎の件もある。オラリオにも十分な戦力を残してからいってくれや。ウチからも必要な人材を連れ出してかまへんから」

 

 人は共通の強大な敵が存在することで一致団結できる。実に素晴らしいことだ。日頃対立している二大ファミリアがこうして協力し合うことで、ダンジョン攻略や危機の回避も大いに前進するだろう。

 仲が良いことに感心したプルシュカは、要望通りの占いを終えたため現場作業に戻ろうとしたが、鬼畜眼鏡につかまってしまう。

 

「良いことを教えてやろう、プルシュカ。【フレイヤ・ファミリア】の幹部(・・)は、フレイヤ様の命令に絶対服従なのだ。お前も当然、一緒に行くに決まっているだろう」

 

「ええーっ! 嫌だよ! 後、幹部(・・)じゃないわ。プルシュカは、これからダンジョンで亡くなった人たちを集めに行かなきゃいけないんだよ!? 早くしないとモンスターに食べられちゃうんだから!」

 

 ヘディンが「チッ」と不快そうに舌打ちをし、プルシュカを連行する代わりに強靭な勇士(エインヘリヤル)を総動員して回収作業に当たらせることで手打ちとなった。一人でも多くの遺体を回収できるのであれば仕方ないと受け入れ、プルシュカはボンドルドへとその旨を報告する。

 

「気を付けて行って来なさい」と、ボンドルドは快く彼女を送り出すのであった。

 

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