異物語 作:一兵卒
『だけど』
『僕はそれ以上、いやそれ以下だぜ――』
『100%不完全な二次創作だ!是非楽しんでね』
027
――なんだか珍しく、古賀ちゃんの思惑通りになったね。
と。
僕を眠らせた改造人間、古賀いたみは言う。
「んー、いやでも、別に俺に思惑とかはねーんだけどな……。第一心が痛むから俺的には仲間割れとか見たくねーんだけどな。まーでも!ああもはっきり三行半突きつけられちゃあ生徒会の連中に戦意なんてあるわけねーか……」
しかし。
名瀬の思惑に反し、生徒会メンバは――燃えていたし。
闘志の炎をたぎらせていた。
黒神めだか(改)を睨みつける。そんな闘志に引かれたのか、めだか(改)が振り向いた。
「悪いな。俺達は何があっても生徒会はやめないって、昔お前と約束したんだよ」
「たしかに変わってほしいと思ったことはなくはないですが。俺達は貴方に変わり果ててほしいわけじゃありません」
「自分のことしか考えない黒神さんなんて。悲しくって、見てられないよ」
「なるほどお前はめだかちゃんじゃねえ――めだかちゃんの敵だ!
そう叫んで、気合を入れて。
黒神めだかを取り戻すべく、飛びかかる――!
――たったそれだけで。
立ったその一言で、地面がへこむまで――ひれ伏した。
そう。
これはまさしく、都城王土の
「ほう、俺の
感心したように、都城は頷く。
……大方読めてきたぞ、黒神の――めだか(改)のアブノーマルが。
しかし、めだか(改)の
この予想が的中しているのであれば、最悪――世界が滅びかねない。
「ふむ。しっくりきますね――やはりあのような
自分の手を汚さず。傷も負うことなく敵を潰して清々しいとは。やはりめだか(改)は、黒神とは全く異なるようだ。
怪しく。
異なっている――。
「……ソレはどうかな、めだかちゃん」
と。
どこからともなく、真黒の声が聞こえてきた。
「…………めだかちゃんではありません。めだかちゃん(改)です。その声はお兄様ですね――どこに隠れておいでですか?」
「どこだっていいだろう?そんなことよりめだかちゃん。お前は荷物を下ろせてなんかないよ」
「……? 何を言っているのですお兄様。わたしの中にすでに心は欠片も残っていません。わたしは心なき人です」
「…………そうかい。だったらどうしてお前は泣いているのかな」
「え」
めだか(改)は。
黒神めだかは、泣き出した。
兄の言葉を聞いて、自分が手を汚さず、傷を負わないで潰した仲間を見て――泣き出した。
「これは……何?涙……ですか?」
「黒神。心ある人はその涙のことを優しく心と呼ぶんだぜ」
「暦さん――」
「くじらちゃんにも言ったけどね。人格をリセットすることなんてできないのさ。記憶を消しても心を消しても、どこかに欠片は残るんだ。だから安心しなさいめだかちゃん。十三年前の思い出は、お前の中から決してなくなったりはしない」
「私の、思い出――」
刹那。
黒神が、蹴り飛ばされた。
凄まじい音を立てて、ノーガードで頭部に蹴りを――
「――っ!」
「(あの男――『言葉の重み』を受けてまた――否!まだ動けるのか!?)」
「カッ!こちとら13年間お前に命令され続けてんだ!今更お前の言葉に重みなんか感じねーよ!」
028
善吉と黒神が、格闘している。
善吉はサバットを繰り、たいして黒神は四肢を使ってフルパワーだ。当然善吉は劣勢。そもそもの身体能力はめだかが上回っているし、加えて高千穂の
それでも人吉善吉は諦めない。
何度地に臥したとしても、即座に起き上がり立ち向かう。
例え全身を注射器で刺されようとも、
「……お前様よ」
「どうした忍」
「一つ提案なのじゃが、どうじゃ、わしらはここでフェードアウトして、地下で戦っている小僧どもの助太刀に行くというのはどうじゃろうか――あの裸の王はあの二人にくぎ付けじゃし、これ以上わしらが出張るというのも野暮じゃろう」
「裸の王――都城か」
ふむ。妙案に思える。確かにこれ以上僕たちがでしゃばるというのも野暮な話だろう。黒神が本当に元に戻るのかは心配だが、古賀の言う通り、あの二人に割って入ることのできる人間はいないのだろう。それに真黒もいるし……何より。僕は善吉を信じている。
最初に不知火に言われた目標は大方達成した――。
「……いや、でも忍、どうやって下に行くんだ?釘付けだと言ってもみすみす見逃してくれるわけないだろ」
「そこはわしに考えがある」
そう、自慢げに、腕をまくって力こぶを作る忍。
「忍、大方流れは察したけれど、いや、少し待って」
「あのライダー娘の様にはいかぬがの――っ!」
「いやライダー娘って誰だよーッ!?」
いやまあ、一応わかってはいるんだけどね?
メタ的には知らないのだ――とか言ってる場合じゃない!
あろうことかこいつは、思い切り拳を振り上げ――天上を崩落させ。その勢いのまま飛び上がる。
「かかっ、行くぞお前様よ!」
「うげっ!?」
瓦礫の隙間を縫うようにして駆け上がり、たどり着いたのは地下十一階――追手が来る前に駆け抜けるようだ。僕の首根っこを掴んで。
「忍ッ、首が詰まって」
「かかっ――」
それを聞いて一層スピードを上げ、階段をもトップスピードで駆けあがる。
うっすらと走馬灯が見えた気もするが――僕たちはたどり着いた。
地下一階に――拒絶の門の向こう側に。
そして。
僕らは出逢った。
最低最悪のマイナスに。
血みどろでいたるところに貼り付けられている12人。
血の海の中、その男は笑っていた。
虚ろに、笑っていたんだ――。
『一応弁明しておこうかな?』『僕が来た時にはこうなっていたんだ』
『だから』
『僕は悪くない』
――『金髪の女子高校生と、それに引きずられる君の気味も悪いぜ?』
それが、球磨川禊とのファーストインプレッションで。
長い夏休みの幕開けだった。
Minus-4のなじみアーカイブ第一話を参考にさせていただきました