異物語   作:一兵卒

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1072%趣味で書いた閑話です

宗像戦からかなり展開を変えるので書き溜めをしたいんですけど、一日6000文字は辛くって。

お茶濁しのお口直しです、メタ・パロディ注意。


第閑話:はんそでドーナツ・壹

 

 

 

000

 

 

 

 不知火半袖と言う少女は、何と言うか、外道というより外法と言うような、いや大方同じ意味なのだが、ともかくとして外法と言う言葉が似合う少女である。外道ではあるのだが。

 話が初っ端からずれたが、ともかくとしてその性格面はどうあがいてもまっすぐだという事は出来ない。

 

 かなりの健啖家であり、学食なんかはいつも皿が山のように積み重なっているし、常に制服のどこかしらに菓子類を忍ばせている。

 校則は一体全体どうなっているんだという話だが、過去に一度だけ(一度だけかよ)風紀委員とエンカウントした時があるが、その時は一切合切を喰らい、噛み砕き、吞み込んだことで事なきを得たそう。いやそうはならねえだろ。

 ちなみに体系は一言で言えばロリだ。一体全体その小さな体のどこに詰まっているというのやら。

 

 一年一組で人吉善吉と行動を共にすることが多いが、彼はあくまで「都合がいい時だけの友達」だという。

 その残虐性は人吉にも存分に発揮されるが、彼はそのことを理解したうえで不知火と交流を続けているし、不知火も恐らくではあるが、そんな人吉の事を好いているだろう。

 

 しかし黒神めだかの事は本心から嫌っているようだ。

 見ていると雲仙冥利とはまた別の方向性で、黒神とは真逆である。

 

 

 不知火半袖。

 一年一組。

 正に外道と呼ぶにふさわしく、根っからの黒幕気質。

 

 ――故にこそ、今回のひと悶着が起こったのだろうと思う。

 

「おやおやおやおや、あひゃひゃ木さんじゃないか。奇遇ですねえ、一体全体こんな時間にこんなところで何を?」

「……不知火、一体全体こんな時間にこんなところで何をしているのかは僕も聞きたいところだけど、だけど振られたら応えなきゃいけないんだよ。確かに君のことは友人として好ましくは思っているけど、だからと言って別に君の笑い声で呼ばれたって嬉しくはないよ。僕の名前は阿良々木だ」

「いいえ噛んでいません、貴方の名前はグララ木です!」

「どっちにしろ間違ってるんじゃねーか!確かにワンピースも好きだけど別に嬉しいわけじゃねえって!」

 

 っつーか結局別の奴のネタじゃねーか!

 やめろよな、やりすぎというのも考えものだし。幾らどっちもロリとは言えな?流石に擦りすぎじゃないのかとプロの僕は思うわけだった。

 

「こういう小ネタはあたし好きですよ」

「胃もたれするってことだよ」

 

 ──最も、目の前の後輩が胃もたれする、なんてことはなさそうだけど。

 

「イエイエそんなことはございません。流石に3食すべてを牛カルビにした時は酷い目に遭いました」

「なんでお前そんなことしたの!?馬鹿なの!?」

「あたし胃もたれなんてするのかと思いまして。しかし先輩、女の子のことを馬鹿呼ばわりするのはいただけませんねー」

「ああ、わる──」

「頭からバリバリ喰っちまうぞ!」

「こえー!」

 

 すんごい迫力。一瞬マジで食われるかと思った。

 

「先輩、今何時だと思ってるんですか?大きな声を出さないでください」

「そういう後輩はどうして大声を出すと注意されるような時間にいるのかな?」

「その言葉、そっくりそのままお返しします」

 

 うっ。

 正論だった。

 現在僕たちは箱庭学園の食堂で、()()()()()()()()雑談に興じていた。

 

「僕は、あー……ドーナツ、ドーナツが食べたくなった。三時のおやつってことで」

 

 ──実はこの文面は嘘ではない。強いていうなら主語が違うが。

 ドーナツを三時のおやつと言い張って食べようとしているのは本当である……ただし、それを言い出したのは忍野忍だが。

 忍野忍。

 元怪異の王の美しき鬼の搾りかす。というよりかは、健啖家のドーナツ好きという側面が今回は重要だ。

 ちなみに初回じゃない。前科ありだ。

 

「あっひゃっひゃ⭐︎ 奇特な方もいたものですねー」

「ラーメンをドリンクというやつには言われたくないな……それで?不知火お前は?」

「逢瀬です」

「えマジで!?」

「嘘です」

「嘘かよ!」

 

 いやわかりきってたけど!こんな奴と付き合うことができる人間なんて片手に収まるほどしかいないだろうし、加えて男女交際が可能なやつなんて片手を半分にしても事足りるだろう。

 

「ここ数日噂になってるんですよ」

「何がだ?」

「『怪奇!深夜三時に食堂に出現する金髪幼女!』」

「……はは、そうか変わった噂が流れるものだ」

 

 忍だった。忍野忍が学校の怪異としてカウントされていた。

 確か少し前……というか怪異の王時代には直江津高校で噂になっていたらしいけど、箱庭学園でもこいつは噂になるのか。ただし今度は美しい吸血鬼ではなく謎の金髪幼女として。

 

「私はその写真を撮ってみようと出向いたわけです。しかしなかなか出ませんね」

「そ、そりゃあ残念だったな……僕は帰ろうかな。邪魔しちゃ悪いし」

 

 踵を返す。ここはクールに去るぜ!忍、今日のところは悪いが諦めて──。

 

「嫌じゃ!何がクールに去るじゃ初期のキャラクターぶりおって!お前様のそれはただ諦めただけじゃ、いやじゃいやじゃいやじゃ今は帰りとうない!ドーナツが食べられるまでわしはここから梃子でも動かんぞ!ふんだ!」

 

 ……忍野忍が出てきた。しかも僕の影から、普段より三割り増しの派手なエフェクトを伴って、大声を上げて、駄々を捏ねながら影から排出された。

 とんだSRキャラだ。

 

「あらららららららららららら木せんぱーい?」

し、しッししし不知火。何をそんなに驚いているのか疑問に思っているのか残念ながらさっぱりわからないが、僕の名前は間違いなく阿良々木だ!」

「はいそうです、貴方は阿良々木先輩です」

 

 うおぉこれは新パターン!新「お前様よ!そんな某小学五年生のロリータとのパクリみたいなやりとりをやっておる暇があったらさっさとわしにドーナツを献上せんか!」

 

「お前ちょっと本当にいい加減にしろよ!?」

 

 事態の混乱は極まる。

 はてさて、どうしたものか──続くのコレ?




続くと思わなかった

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