Fate/alter Seven Sight ――the First Sight――   作:どっこちゃん

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 初めまして。どっこちゃんと申します。
 投稿自体が初めてなもので、勝手がわからずバカなことをするかもしれませんが、温かい目で見守っていただければと思います。
 どうか些細なものでもいいので感想をいただければ幸いです。

 キャラクターのプロフィールやサーヴァントのステータスはあとがきにちょくちょく書いていくつもりです。
 


プロローグ

 

 辺りには、厳かな静寂がまどろんでいる。

 

 日はとうに沈み、夜の帳は夕焼けの鮮紅の上に静かにその濃紺の色味を重ねていた。

 

 その黒く澄んだ天蓋には輝かしい月が鎮座している。しかし奇怪なことに、如何にしてか、その真相がようとして知れないのである。

 

 月だ。確かにそれは間違いない。

 

 だが、それが如何なる月であるのか、上弦の月か、それとも下弦の月なのか、はたまたこれから肥ゆる月か細る月か、それが東にあるのか西にあるのかすらも、判然としないのだ。

 

 ――なぜならば、この時、この夜の景観にあった月は一つではなかったのである。

 

 暗い虚空には、あろうことか三つもの月が垣間見えた。

 

 そのどれもが確かな月の形をしている。三つの月は闇の間に舞い上がり、あたかも旋転閃いて、魔魅の躍動を繰り返す。

 

 うち一つは確かな雲の向こうにあった。天空に或る月だ。真円に近い形状をし、夜を淡く照らしてはばかることのない、確かな月であった。

 

 しかし、だというのならば、後の二つはなんだといのだろうか。

 

 残りの二つの月はより地に近かった。それらは夜気の間を跳動していた。それも縦横無尽に、目視さえも許さぬほどの高速で飛び交っていたのだ。

 

 それらは天の月とは違い、共に三日月の形を取っていた。そして、天から刺す月光を弾き煌めくそれらは、単体で飛び交っているのではない。

 

 それらは共に刃を伴っていた。――否、そうではない。それ自体が刃なのだ。

 

 飛び交い、夜気に舞う一つ目の三日月には一本の矛が添えられていた。一文字のシンプルな直刃に平行に添えられる形で、一枚の三日月が閃いている。

 

 対するもう一つの三日月にも一本の槍が伴われていた。しかし先の矛と違うのはその槍の直刃が三日月を、そのまろい背面から、垂直に貫く形で交差していたという事だ。

 

 漢字で言うならば、前者の矛は刃で二の字をあらわし、後者の槍は刃で十の字形を模していたといえる。

 

 刃は幾重にも交差し打ち合わされ、静寂であった筈の空間には夜気を裂くかのような鋭い剣戟の音が、まるで怪鳥の囀りの如く響き渡っている。

 

 

 そう、今、この空間で行われていたのはそれぞれに槍と矛を用いての、抜き身の刃による決闘であったのだ。

 

 真月の照らす夜の下、轟然と三日月の如き月牙の刃を添えた矛を振るうのは、雲をつくような巨漢の男であった。

 

 その巨躯に似合わず、まるで飛燕の如き俊敏さと稲妻のような苛烈さを持って手にする長物を振るう、凄まじき猛武の担い手であった。

 

 しかしその巨漢によって、千の嵐に比してさえなお苛烈に放たれているはずの刃が、――当たらない。

 

 対峙する十字の槍の担い手に、その攻撃がまったく当たらないのである。

 

 その対手が三メートル余りもある十文字の穂先を持つ槍を振るうたびに、打ち放たれる砲撃のごとき巨漢の攻撃が空を切るのである。

 

「――フンッ! おのれ、この爺いめが!!」

 

 埒の明かない展開に業を煮やしたのか、巨漢の男が苛立つように憎々しげな気を吐いた。

 

 その岩をも抉り抜きかねない殺意の波動を、まるでそよ風でもうけるかのようにやんわりと受け流したのは、対峙する男と比するまでもなく、殊更に矮躯の老人であった。

 

 僧衣を纏った禿頭の老翁は長くふさふさとした眉毛の奥で、しかしその老齢を感じさせぬほどに精気に満ち溢れた瞳を燻らせ、好々爺じみた笑いを漏らす。

 

「ホッホ。そう()くでないわ。お若いの。まだまだ始まったばかりじゃろうに」

 

 距離をとって対峙した両者は暫し、朽木の洞の底にでもいるかのようにその存在を暗夜の帳の中に沈めた。

 

 それは高波を引いた海が今正に弾けんとするかのような、空恐ろしげな沈黙の前兆にも似ていた。

 

 畢竟、――次の瞬間には予期されるべき波濤が空間を打った。

 

「オオォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」

 

 巨漢が吼えた。するとその途端に、その気迫に打たれただけのはずの周囲の木の枝やアスファルトに確かな破壊の痕跡が浮かび上がったではないか。

 

 しかし、巨漢がやったのはまぎれもなく気勢を吐いたというだけの事でしかない。

 

「ふ……む……?」

 

 その不可思議な現象に、その矮躯には似合わぬ長大な槍を構えた老僧は怪訝そうな唸りを漏らした。

 

 たとえ彼らが互いに人を超絶した存在であったのだとしても、たかが気勢が四五間ほども離れた位置にある物体を破壊せしめるというのは、確かに理解に苦しむ事態だ。

 

 つまり、順当に考えるならば、今の「気迫」は唯のハッタリや精神威圧の類ではないという事になる。

 

 しかしそれ以上考える暇もなく。今度こそ巨漢が前進してくる。まぎれもなく全力投球と見受けるに難くない、渾身の振り抜きが遥かな頭上から矮躯の老人の脳天へと迫る。

 

 が、当の老人はそれを暖簾でもくぐるかのように上目でちらと眺め、ただ眉を顰めた。

 

 それもそのはず。てっきり今度は先の剛爆にも等しい攻撃を上回る一撃が来るかと思えば、先だっての大振りに輪をかけての大雑把な攻撃である。

 

 その豪気、もはや天晴れとは思いつつも、これは些か面白みにかける展開であった。

 

 いくら力自慢とはいえ、斯様に大振りを繰り返すだけの敵には大した面白みも感じない。

 

 こんなものか――と、僧衣の槍使いは嘆息してゆるりと長槍を執り成した。

 

 たったそれだけの動作で、巨漢の大振りとは比較にならぬほど静かに伸びた十字の穂先が、矛を振りかぶる異国の将兵の腕の間をするりと抜いた。

 

 狙いは喉だ。この巨漢がただの力自慢なら、にべも無くここで終わる。

 

 それほどに文句のつけようの無い正確無比な刺突であった。

 

 ――しかし、喉下を狙った穂先の末に、老いた槍兵は射抜くような灼熱の眼光を見た。

 

 老僧は咄嗟に退いていた。

 

 それもただ間合いを開けたというのでは無く、もはや互いの長物を持ってしても容易には触れ合えぬ制空圏の外まで引いていたのだ。

 ――否、後退を余儀なくされていたというべきか。

 

 大振りの間隙を抜いたと思い刺突を放った決殺の刹那、その間の更なる間隙に、何かが前触れも無く割り込み、一転、身を翻した老僧の僧衣の裾を切り裂いたのだ。

 

 そこで巨漢は初めて口角を歪め、ニイッと邪悪な笑いを見せた。まるで体躯に似合わぬ、年端も行かぬ悪童のような笑みだ。

 

「んん? どうしたぁご老体? ――フフン。そんなところにいては自慢の槍も届かんぞぉ、おい?」

 

 静かに黙する矮躯の老人に対して、まるで猫が鼠か何かでもいたぶりまわすように、巨漢は楽しくて仕方がないとでも言うような口調で揶揄を繰り返す。

 

 対する老兵は取り合わず、静かに先の不可解な「二の撃」の謎に想いを馳せていた。

 

 その無言を己の優越ととったか、巨漢はいよいよ愉悦極まったと見えて、

 

「フフンッ。おいおい、急に黙り込まれては、退屈で叶わんなァ。先ほどの軽口はどうした? あぁ!? こんの、……おいぼれがぁっ!!!!」 

 

 そして言いさした瞬間、肩に担いだ戟もそのままに、巨漢の燃え盛るような眼光が閃いた。

 

 すると、それまで何も無かったはずの虚空に真紅の亀裂が奔り、また身を翻した老僧の体から鮮血が散った。

 

「……やれやれ、そう言うことか。まさかとは思うたが、本当にこんな芸当をやる輩がいようとは思わなんだ……」

 

 明らかに互いの間合いの外、弓でもなければ届かぬこの間合いから、肩口を切り裂かれた老翁は紅い筋の流れる下腕をべろりと一舐めし、ただ、関心でもするかのように漏らした。

 

「御主、気迫……いや、殺気を飛ばしたな? いやいや。その程度なら、英霊なんぞと呼ばれる輩なれば、まぁ、出来ぬことではあるまい。――が、これ(・・)はさすがに埒の外じゃろうのう」

 

「ふん。気付いたか? ジジイめ」

 

「まさか、「唯の殺気」が本物の刃と違わぬ切れ味を持とうとはのう……いやはや……」

 

 互いの持つ長物の攻撃さえ届かぬこの間合いから、槍兵の身体を切り裂いた不可視の斬刃。

 

 それはこの巨漢が放った殺気、つまりは念意の放射だったのである。

 

 無論、唯人の戦闘においても、それを鮮烈なるイメージとして対峙する敵の脳裏に送り込み、おのれの攻め手を錯覚させるという魔術めいた技法は、しかしいくつもの戦術、闘術の奥義として口伝されている。

 

 何より、間近に互いの生と死をかけて展開される前時代的な戦場に置いては決して杞憂な事例ではない。

 

 しかしこの巨漢の為した仕儀は、かのごとき凡庸な範例とは一線を画すものであった。

 

 よもや、敵の錯覚を誘うだけの思念の技法が実際の攻撃と変わらぬ重さと切れ味をもってこの現に浮かび上がろうとは!

 

 ――さしもの古強者も、これには感嘆の想を隠せなかった。

 

「ホッホ。いや、驚いた驚いた。その粗雑な殺気が飛んでくるだけなら、むしろやりやすいというもんじゃがのう。――まさかその総てが必殺の刃と変わらんとはなぁ、これは少々骨が折れるわい」

 

 しかしその改めて鷹揚なる老僧の有様に、それまで得意満面といった様子だった巨漢の顔にはやおら蒼褪めた陰りがさした。

 

 どうやら、相手方の余裕めいた態度が気に入らないらしい。

 

「フンッ! おいジジイめ、痩せ我慢はやめておけ、年寄りは年寄りらしく、おとなしく観念したらどうなんだ? あぁ?」

 

「やれやれ……本当に気の急わしい奴じゃわい。ホッホ。せっかく御主の芸に感服して、こちらも一つ、面白いものを見せようというに……」

 

 言うや否や、今度は老僧の手元から妖術めいた光が奔り、互いの間合いの遥か外側から巨漢のいた位置まで伸びた。

 

 すんでのところでそれを躱した巨漢は、獲物に飛び掛る虎そっくりの姿勢と面貌で、凄まじい憎悪の念を放ってきた。その厳つい顎先からは猫の爪ほどの傷が僅かに鮮血を滴らせている。

 

 老齢の槍使いには、それがまるで横薙ぎに叩きつける刃の雨のようだと感じられた。しかし不可視にして必殺のはずの念意の刃は、怨敵の身体を捉える事が無かった。

 

 巨漢の位置から放射状に放たれたはずのそれらはしかし、先程までの、実際に手に取った戟の一撃同様。まるで柳に叩きつけられた大槌の如く空を切ったのである。

 

 

 今度は老翁の方が不敵な笑みを浮かべる番であった。

 

 

 間合いの外から矢継ぎ早に飛んでくるのは殺気という名の不可視の刃に相違なく、しかもその総てが必殺の威力を持つのである。

 

 が、たしかにこのように書けば如何にも恐ろしげに聞こえる巨漢の絶技ではあるが、しかしこの「覇気の刃」とでも言うべき攻法はその実、「殺気」であることには違いないもので、そもそもがありありと色を纏った殺意の念波である。

 

 たとえ視えずとも、この槍兵レベルの術者になら、補足するのは容易なことなのだ。一度わかってしまえば、これほど予見しやすいものもない。

 

 ただ厄介なのは、その手数の過多であろう。これほど怪物的な巨漢の手数が数倍になるというのはつまり悪夢以外の何ものでもないということを意味する。

 

 今もまた嵐の如く繰り出される可視不可視を問わぬ剛刃の連打が、矮躯の老体を粉砕せんと振るわれる。振るわれ続ける! ――振るわれるにも関わらず、しかし、当たらない。

 

 またもや当惑の憂き目に会うのは巨漢の方であった。

 

 轟然と嵐の如く刃を振るい続けていたはずの男の五体からは、逆に幾筋もの紅い飛沫が弧を描くのである。

 

「ぬ――う、うッ!」

 

「ホッ。どうした、お若いの!」

 

 再びの揶揄。苛立ちに蒼褪めていた巨漢の顔が、見る見るうちに憤怒の色に染まった。

 

 もとよりこの男、敵の特異性や技の摂理を見極めるなどという回りくどい戦術は頭に無い。

 

 あるのはただ攻勢、それあるのみ。それこそがこの男のもつ唯一の道義なのであった。

 

 しかし、それが今回ばかりは裏目に出た。

 

 まるで機関砲の如く撃ち放たれる不可視の刃を残らず受け止め、いなし、その断間を、まさしく針の穴を縫う精密さで突き崩してくるその槍の前に、とうとうこの巨漢も観念して後退せずには居られなくなった。

 

 その屈強な鎧姿からは鮮血が滴っていた。

 

 

 その背後に控える小柄な少女――この巨漢を統べるべき立場にある「主」が治癒の魔術を施行し、傷は塞がったが、戦況はどうにも分が悪いといわざるを得ない。

 

 治療と共に背後からは主である少女の「言うことを聞け」「もう少し頭を使え」というような内容の指示が聞こえているようだったが、この男には指示に耳を傾けるつもりなど毛頭なかった。

 

 いざ戦の場ともなれば、斯様な小娘の諫言など聞く暇などない。

 

 ――が、このままでは分が悪いのも確か。別に諫言を聞くわけではないが、ここは一時守勢に回るものもやむをえない、のかもしれない。いや、そんな深刻なことでもないが、このままやってもつまらない。のだから、仕方のないことなのだ。――フン!

 

 そう、ひねり出すように考え、巨漢は気を取り直して今度こそじっくりと敵を観察することにした。

 

 正確には、その手に執る大槍をである。

 

 驚愕の声こそ漏らしはしなかったが、その巨漢の内心の困惑は、己の絶技を見せ付けたはずの老僧のそれを上回っていたことであろう。

 

 敵が持つ三メートルあまりの十字の槍。その穂先が矢庭に揺らいだ。

 

 無論ここに来て我が目を疑う気にもなれなかった。今眼前に揺らぐ槍の穂先はそのとき確かにひどく歪に滅形していたのだ。

 

 その様は融解しているというには相応しくない。より軽やかに流動するそれは、言うなれば流水に溶け出すような光の様相であった。

 

 しかも、それは凄まじい光と熱を放ち、触れるものを焼き尽くす、という類のものではない。例えるならば陽光や輝炎とは無縁の、いわば流麗なる月の光に近いものだった。

 

 そこで始めて、巨漢の脳裏にその揺らぐような滅形の波紋が鮮烈な既視感と共に蘇った。

 

 そう、あれは月だ。それも空に浮かぶ月ではない。天空の月を写した水面。広大な湖の張力面にさめざめと揺らめく月の映し身の様相ではないか!

 

 あれは漣の流動に映る月の影と同じなのだ。

 

 嗚呼、なんということか! 水面の月を断てぬ以上、あの槍をかわせる道理も、また受けられる道理もありはしないとでも言うのだろうか。

 

 そして驚愕は揺るがない確信を導いた。あの奇怪な槍があの英霊――サーヴァントの「宝具」であることは間違いない。

 

 宝具とは現世に呼ばれた英霊が持つ彼ら固有の専用武装であり、そしてそれ以上に、その英霊の伝説を象徴するシンボルでもあるのだ。

 

 あの変幻自在なる不可思議な槍の担い手であるこの敵こそ、此度の「儀式」によってこの世に呼ばれたサーヴァントの中でも特に強力とされる「三騎士」の一角「ランサー」のサーヴァントに相違ない。

 

 しかし、同時に己の宝具を敵に特定されてしまえば、それはそのまま己の英霊としての素性に近づく情報を敵に与えてしまう事にもなるのである。

 

 つまりは、あの槍のもつ哲理を何らかの情報に照らし合わせてみれば、おのずとあの老僧の英霊としての正体も知れるかもしれないということである。

 

 とはいえ、今この場でこの巨漢がそれを察する事はなかった。

 

 もとよりそのような頭脳労働を嫌う男である。今彼の頭にあるのは、この怨敵を如何にして撃破し、踏みにじり、粉砕して血の海に沈めるのかということだけであった。

 

 

 

 ――その巨漢の背後で、今この場においてその一連の闘争を目撃していたただ一人の人物である少女は、ただ驚愕に足を竦ませることしか出来なかった。

 

 あまりに現実離れしたその光景に、すでに異界とでも言うべきものへと変容したその夜気(アトモスフィア)に晒された彼女の白い肌が、絶え間ない悪寒に震えていた。

 

 これが聖杯戦争。

 

 この地で百年以上にもわたり繰り返されてきた外法の儀式。英霊を現世に受肉させ、使い魔として使役するという、魔道の常識に照らし合わせてさえ規格外の魔道の極限。

 

 だが少女は震える肢体を己の細い腕に抱き、強引に押さえつけて、目の前で行われる気の遠くなるような激突の余波を受け止めた。

 

 身体を後ろに押し戻そうとするかのようなプレッシャーの列波を耐え、必死になって激闘に行く末を睨みつける。

 

 己がサーヴァントであるはずのあの巨漢の劣勢を知ってもなお、少女にはそれが覆るであろうという確信にも似た予感があったのだ。

 

 いや、彼女は物事を直感によって判断するような人間ではない。その確信は確かな推察から論理的に導き出された結論であった。

 

 そも、現代に蘇ったあの巨漢の素性を鑑みれば、この程度の事でむざむざと敗北するような可愛げのある男ではないのだ。

 

 あれは大陸の歴史書においてかの時代最強とまで称され、ただの一度も戦場で敗北しなかった猛将として歴史に名を刻むほどの男なのだ。最も、――その悪辣にして無知蒙昧な処世においても言及される無頼漢でもあるのだが――。

 

 

 確かに、あの光の槍を攻略する事は常の達人には不可能な事かも知れない。だがそれも常人同士の凌ぎ合いならばの話である。英霊の闘いとは、万象の道理を覆してなお常道と成すものなのだ。

 

 しかし、趨勢は一向に覆る気配を見せていなかった。たしかに巨漢もそれまでにも増して果敢に攻め立ててはいるが、その劣勢は火を見るよりも明らかであった。

 

 巨漢の攻撃は先と変わらず嵐そのものであったといえるが、しかしあまりにも単調すぎた。

 

 それ故に対するあの槍兵の技巧が冷然と冴えて見えるのだ。それはまさしく壮麗なる魔魅の戯れと映った。

 

 あの矮躯の老人が球でも放るかのようにゆるりと腕を執り成すと、やや遅れて手元に揺らめいた光溜まりが、不意にその閃線を見失うほどに細く引き延ばされ、次の瞬間には光の網が現れるのだ。

 

 しかも鯨でも取るつもりなのかというほどの巨大な網だ。それがまるで花火のように屈強な巨漢の身体に浴びせられ、銃弾すら弾き返しかねない剛体を松皮のように斬り裂き、削り取っていく。

 

「ぬ――う、くッ ぅおのれぇぇぇ!」

 

 これにはさしもの巨漢も退がるしかなかった。

 

 苦悶の声を漏らして後退しつつも、己が殺気の刃で反撃を試みるが、あの揺らめく光の十字槍は防備においてもほぼ万能と言っていい性能を見せつけた。

 

 あらゆる角度から波頭の如く飛来した不可視の刃を、まるで飴細工のように歪曲した光の十字槍の閃線が悉く受け止め、いなしてしまうのだ。

 

 ここまで聞こえてきた巨漢の舌打ちに、少女もまた緊張を高める。彼女の胸には懐疑と疑問の念がざわめいていた。

 

 ここまでのこの劣勢の要因を分析するならば、おそらくはランサーと見受けられるあの老僧にとって、一体一で向かい合い、互いに長物を駆使しての技巧の競い合いというこの状況は彼が最も得意とする土俵なのであろう。

 

 対して彼女のサーヴァントであるあの巨漢は、あらゆる戦技において並ぶ者無しと称されていたとはいえ、その本領はあくまでも騎馬を駆っての対集団戦である。

 

 さすがに相手の得意とする土俵では分が悪いと言わざるをえないのだ。

 

 そして――あの戦乱の泰斗がそんな事すら解からない筈はない。ならば、それはつまり……。

 

「コォォォォォォォ――――パァッッッ!!」

 

 そのとき、空間そのものをしたたかに打ったかのような裂帛の気迫に、少女の思考は現に引き戻された。

 

 見れば、巨漢の男が気を吐きながら己の中の魔力の密度を高めていくのが解かった。

 

 その余波だけで、少女は思わず膝を折って尻餅をつきそうになった。

 彼女たちは現在もパスを通してつながっている。それゆえにサーヴァントが全魔力を総動員するような事態になればマスターである彼女にも当然影響が出るのだ。

 

 事態はすぐに呑み込めた。彼は勝負をつける気でいるのだ。少女は一時、何事かを叫ぼうとしたがその言葉を呑みこんだ。

 

 むしろ、悪くない手なのかもしれない。

 

 見たところ、剣戟におけるあのランサーの防備は完璧に近い、どれほどの連打をどれほどの角度から打ち込んでも、おそらくはあの槍の防備を突破する事は出来ないだろう。

 

 ならば、防御が出来ないほどの痛烈無比な一撃によって、その防備を貫くしかないのだ。

 

 そのために、彼はいま己のスキルを使用して攻撃力を倍化しようとしている。

 

 サーヴァントが持つスキルにはそのクラスに英霊が据えられたときに付随されるクラススキルと、その英霊自身が生前から持ち合わせる技能によって設定される固有スキルとがある。

 

 あれは巨漢の持つ固有技能である『激昂』のスキルだと察せられた。

 

 発動する事により一時的に精神と身体のリミッターを外し、攻撃力を倍化する。同時に敵の精神にも『重圧』を与える効果もあり、敵に止めを刺す場合に有用なスキルではあるが、――しかしその反面、使用中は極端に理性を欠くこととなり、冷静な判断力を失うという副作用もある。

 

 つまりあの巨漢は、事ここにいたって乾坤一擲の勝負に出るつもりなのだ。

 

「ホッホ。――――喝!」

 

 まるで物理的に打ち付けてくるかのような闘気の烈波に対して、しかし僧衣の老翁は好々爺じみた笑みを崩すこともなく、槍をゆるりと右脇に抱えたまま左の掌を己が眼前に据え置き、精神統一のような所作を示した。

 

 何らかの対処をとったようだった。おそらくはあの槍兵の持つ対精神干渉系のスキルであろう。槍兵(ランサー)の持つクラススキルは対魔力だけであったはずだから、あれもまた英霊の固有スキルに違いない。

 

 どのようなスキルかまでは判じ切れないが、何かしらの精神防御が働いているのだ。でなければいくらサーヴァントといえども、これほどの魔的精神重圧の中でああも平然と笑っていられる道理がない。

 

 常人ならば、この重圧の余波だけであるいは死に至る者もいるであろう。それほどの圧力なのだ。

 

 

 その光景は、まるで烈火と止水の対立を見るようであった。

 

 

 澄んだ空の下、明るい月光の届くその領域が、光景が、両者の対立の境界に捕らえられて、在りえないほどに歪み、変幻していく。

 

 その対立は一気に泡の如く膨らみ、まるで引き絞られた弓弦の如く強張りを増していく。

 

 

 ――弾ける! 次に訪れるであろう決死の交差の瞬間を、その刹那の夢想に垣間見た少女は身を硬くして襲い来る諸々の衝撃に備えた。

 

 

 しかして、そのとき。

 

 その空間そのものをあらぬ方位からまったく予期せぬ波動が襲った。

 

 それ自体はさして激しいものではなかったが、その実はより恐ろしく状況が歪められたのだと、少女は己が魔道の摂理を知る存在であるが故に瞠目した。

 

 今この一帯の空間そのものが、何らかの魔術にとらわれたのだということが皮膚感覚でわかったのだ。

 

 何時の間にか彼女たちの周囲は一寸先も見えないほどの濃い濃霧に覆われていた。

 

 咄嗟に従者に指示を出そうとしたが後の祭りだった。途端に全身の力が抜け、四肢がなえるような喪失感が彼女の五体を襲った。

 

 恐ろしいほどの脱力感だった。不意に剥き出しの膝をアスファルトに突こうとして踏みとどまった、しかしそれが現界だった。

 

 そこから先は微動だにするこができず、もしも倒れこんでいたならもはや立ち上がれなかったに違いない。

 

 見習いとはいえ彼女とて由緒正しき魔女の端くれである。魔術戦に備えてそれなりの防備は備えている。

 

 並の魔術が相手なら、多少持ちこたえるぐらいのことは出来る筈なのだ。

 

 しかし、これは反撃どころか抵抗(レジスト)すらままならない。

 

 これは誰が仕掛けた魔術なのだろうか? とにかく現代の魔術者ものとは思えないほどの魔力の質と量だ。

 

 こんな攻撃を何の知覚もさせずに行うとは並みの魔術師の手練とはおもわれない。まさか、他のサーヴァント……七つのクラスのうち、最も魔術に長けるというクラス。キャスターのサーヴァントがこの場に直接介入してきたとでも言うのだろうか?

 

 空間を囲んだの檻の中では思考にさえ鉛のような澱にまみれたような感覚になってくる。それ以上の思考が働かなくなってきた。身体も思考も重くて仕方がない。

 

 そうしている間に、濃霧で煙る空間になにやら剣で刻み付けたような傷がついていた。

 

 それが拡がり、引き延ばされ、線となって繋ぎ合わされ、何らかの簡素な図形のようなものを虚空に描き出した。

 

 あれは……なんだっただろうか? 見覚えがある。

 

 ああ、頭さえはっきりしていれば、すぐに意味がわかるのに……いや、そうではない。

 

 意味なんてどうでもいい。あれはあぶない。どうにかしなければいけないのではないかにげるのかふせぐのかしかしこうもあしがおもいのでは、もう、どうにも、どうにも……――――。

 

 限界だった。

 

 動こうとした足は縺れて、少女は倒れこんだ。

 

 ほんの数十秒で彼女の抵抗は終わりを告げた。その間に空間そのものに刻まれた文様が魔術式として完成し、脱力の檻と化していた空間がおぞましい気配を伴い凝結を始めた。

 

 もはやこれまでか、とまで思いかけたそのとき、これもまた先触れもなく吹き荒れた真紅の閃光が、凝結し始めた空間を一閃し、粉砕し、攪拌して裏返した。

 

 

 

 ――気がつけば、彼女は従者たる巨漢の腕の中で、今にも潰えそうな己の息を聞いていた。

 

 不可解な霧の結界は跡形も無く消失し、体の自由も戻っていた。

 

「……なにが、あったの」

 

「何だ、見てもいられんほど余裕がなかったのか。

 

 フンっ、誰かは知らんが、何処からか他人(ひと)の喧嘩に無粋な事をしてくれた輩がいたようだな。

 

 我らをまとめて始末しようとしたようだったが。まあ、そんなものがこのオレ様に通ずるはずも無く……」

 

 そこまでは何とか把握していた。

 

 問題はその後だ。少女は己の胴体よりも明らかに太い巨漢の腕の中、己の自画自賛をしゃべり続けている従者に、丸まった猫のような姿勢にもかかわらず努めて冷静な声で先を促した。

 

「だいたいがな、オレ様かかれば――む? 

 

 フン。そうだな。まずあの爺のクラスはランサーで決まりだろう。さすがはセイバーに次ぐ対魔力を持つとの振れこみは伊達ではないらしい。ただ突っ立てるだけでも、奴と我らとではまるで術の効果が違うようだったぞ。

 

 まぁ、だからといってこのオレ様がやられると思ったなら大間違いだがな」

 

 そう言って巨漢はまた豪快な笑いを漏らした。

 

「……それで、あなたは宝具を使った。あの霧の魔術を蹴散らして、その敵はランサーともども姿を消した。と?」

 

「うむ。そういうことだな。反撃に出てやろうともおもったが、既に逃げたあとであったわ。

 

 ――まあ、ともかくだ。どうだ? 主よ。オレ様がいてよかったであろう? そうでなければおぬしはやられておっただろうな。うむ。これでわかったであろう。総てのことはオレ様に任せておけばよいのだ。だいたいな……」

 

「……というか、最初からそうしてたら良かったんじゃないの」

 

「ぬ?」

 

 その愛らしい外見からは予期せぬほどに抑揚の無い、冷淡な声で、少女が言った。

 

 

「……つまり、どうして最初から騎兵として戦わなかったのかってことよ。ライダー(・・・・)

 

 

「な、何をいっとる……フン!」

 

 すると巨漢、もといライダーと呼ばれたサーヴァントはばつが悪くなったのか、小脇に抱えていた少女を地面に降ろして威勢良く並べていた口上を引っ込めた。

 

 まさしく猫のようなしなやかさで地に舞い降りた少女はそっぽを向いてどっかりと胡坐をかいたライダーの背中を見下ろして細い腕を組み、抑揚の無い声で詰問した。

 

「……どうなの、ライダー?」

 

「ど、どうもこうもあるか。フン。あの程度の老いぼれ相手にこのオレ様が相棒(・・)の手を借りろとでもいうのか?! それではまるでこのオレ様が最初から全力だったようではないか!」

 

 手っていうか、その場合、どちらかというと借りるのは(ひづめ)だけどね。――などと、少女もたわいの無いことを考えた。無論声には出さないが。

 

「……けど、それで負けたら元も子もないじゃない。大体最後には使ってたんだし、それなら最初から……」

 

 背中を向けたまま、見なくてもわかるようなこの上ない仏頂面で沈黙した巨漢の広すぎる背中に、少女はその後も二三、四、五六ほど言葉をかけたが詰問の効果が無いと見るや、今度はただ無言でその背中を見下ろしていた。

 

 ライダーと呼ばれた異国の巨雄はしばらくの間そうして無表情に見下ろし続ける視線に耐えていたが、ついに観念したのか、

 

「フン。――続けていれば、勝っていた」

 

 そう、ぼそりと呟いた。

 

 何時もの五月蝿いくらいの声量とは打って変わって蚊のなくような声音だ。

 

 この状態では何を言っても負け惜しみになるということくらいは、本人のうすうす気がついているのだろう。

 

「……根拠は?」

 

「いいかッ!」

 

 本来ならこの上鞭打つのは憚られようというものだが、今後斯様に阿呆な真似を繰り返さないためにも念を押そうと、この見るからに可憐な少女はその外観からは予想も出来ぬほどの厳格さを纏って見下ろす己がサーヴァントに更なる追及をかけようとした、の、だが、

 

 ――しかし、ライダーはいきなり立ち上がると、ほぼ真上からのしかかるように、己よりも遥かに矮躯である主を睨み返し、

 

「フン。いいかこのオレ様なは、生まれてこのかた一騎打ちに遅れをとった事など一度としてないのだ! 

 それが絶対の蹲踞(そんきょ)だ! わかったか!!」

 

 と、言い放ち、そしてまたそっぽを向いてしまった。

 

「……根拠ね。こんきょ」

 

 聞いてはいないと思うが一応訂正する。

 

 否応なしに溜息が出た。珍しく意気消沈したかとおもえば何分も立たない内にこれである。

 

 結局は意味の無い小意地を張っていたということだ。

 

 まったく開いた口が塞がらない。

 

 さて困った、とばかりに頭を掻いた少女――こと、この街に根を降ろす魔術師の一人である魔女見習い、小高森(こだかもり)(くろむ)はこの先の闘争に想いを馳せ、黒い天蓋の広がり始めた空を仰いだ。

 

 闘いは始まったばかりだというのに、こんな調子ではあっという間に脱落するのがオチである。今回は贔屓目に見ても運が良かった。

 

 さて、どうやってこの強大かつ扱いにくい事のこの上ない最大戦力をうまく活用したものだろうか……。

 

 とにかく、今後は無為な意地など張って出し惜しみ(・・・・・)などさせないようにしなければならない。

 

 意地を張る事と秘密保持とは意味が違うのだ。手の内を温存しようとするあまり敵に好機を与えてしまうなど論外だ。

 

 切れるカードは切れるときに切らなければ意味がない。

 

 何時の間にか夜の頂上を通り過ぎた月は、すでにぼやけ始めた空の境界に向けて束の間の寝屋への帰途に着き始めていた。

 

 ――始めて聞き及んだ時には絵空事としか受け入れられなかった魔術師たちによる魔幻の饗宴が、今現実の気配を伴って彼女の世界を包み始めたのだ。

 

 そうだ。闘争はここに開幕する。魔道の摂理に従う狂演者達がこの街のしじまにて舞い踊る、命がけの生存競争。

 

 彼女――否、彼女たち魔道を担う者達にとっての魔魅の饗宴が、今宵、遂に開始されたのである。

 

 

 




ステータス


ライダー
真名:

性別:男性

身長・体重:約2、3メートル 約五分の一トン

属性:混沌・中庸

筋力A+ 耐久B 敏捷B 魔力D 幸運B 宝具A

クラススキル
対魔力:E
 魔術に対する守り。無効化は出来ず、ダメージ数値を多少削減する。

騎乗:A+
 騎乗の才能。獣であるのならば幻獣・神獣のものまで乗りこなせる。
 ただし、竜種は該当しない。

保有スキル
野趣:A
 押し隠すことのできぬ野性。
 同ランクの「直観・勇猛・視野狭窄」の効果を併せ持つ複合スキル。
 ※(視野狭窄:極限的な集中力。セービングスローが上昇し、本来回避できないはずの危険をも退けられる。反面、眼前の敵や一つの目的に囚われ、執着するあまりに大局的な視点を失う可能性がある。)

激昂:A
 精神と肉体の箍(たが)を外し、一時的に攻撃数値を倍化(+)できる能力。加えて対峙する敵に精神的な重圧をかける効果もあるが、その間冷静な判断力は失われる。

矢避けの加護B
 飛び道具に対する防御。
 狙撃手を視界に納めている限り、どのような投擲武装だろうと肉眼で捉え、対処できる。
 ただし超遠距離からの直接攻撃は該当せず、広範囲の全体攻撃にも該当しない。

宝具:-


備考
 どう見ても真明バレバレですね……。まぁ、生温かく見ていただきたいです。
 ……スキルに「反骨の相」入れた方がいいかな?
 ちなみに、○○の割に弱くない? と思われるかもしれませんが、このステータスはマスターの影響でかなり弱体化している状態です。今後、この弱体化がネックになることに……。


ランサー
真名:

性別:男性

身長・体重:148㎝・41㎏

属性:秩序・善

筋力D 耐久C 敏捷A+ 魔力C 幸運B 宝具C+
 
クラススキル

対魔力:C+
 通常時の対魔力は第二節以下の詠唱による魔術を無効化する程度だが、仏法の加護により魔術抵抗値を上げることが可能。その場合瞬発的にではあるがAランクを上回る抵抗値を獲得することが出来る。
   
保有スキル

宗和の心得:A
 同じ相手に、同じ技を何度使用しても命中精度が下がらない特殊な技能。攻撃が見切られなくなる。

浄眼:B
 元来は「視覚に捉えられないものを見る」能力。或いはそれに根ざすものを視覚化して認識するという上人の持つ能力である。
 Bランクでは明確な概念の視覚化までは出来ないが、通常のサーヴァントには視認できないレベルの魔術の痕跡や、さらに虚空に放出され霧散した魔力の残り香などでさえ視覚によって容易に看破することが可能。故に、あらゆる魔術はその霊的機構を見透かされてしまう。

■■■:A
 ■■■■■■において第一とされる奥義。常に浮かべる微笑により、いかなる精神干渉をも受け流すことが可能。
 また、微笑することにより己の心身の状態をリラックスさせ、常に万全な状態に保つことができる。
 精神集中により攻撃の命中率、回避率を上昇させる効果もある。

宝具:-
 月影の槍。波打つ水面に映るがごとく揺らぎ、実態を正視させない。刃筋を読ませない上にそれは任意の万物をすり抜けることを可能とし、防御を無効化することができる。
 その連突きはもはや槍の形状すらとどめず、まるで月光の網を見るが如しである。
 
 備考
  初戦の相手であるランサー。夜に三つの月が舞っているという場面を書きたくて登 場させてみた。
  驚くべきことに、「ファーストサイト」ではこの後まったく出てこなかったりす 
 る。今後に期待してほしいサーヴァントである。




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