六道青年のモンコレ道   作:みょこすけ

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やってしまった第一弾!!


モンコレ好きな方ウェルカム!!
そうでない人もカムヒア!! そしてモンコレやろうぜ!!

グダグダ書いてても始まらねぇ!!
さっさと本文へGO!!


第一話、我が名を叫べ! 八卦六道!
1-1、出会い1


 1、出会い

 

 

 ――四月。

 新芽の萌える始まりの季節。

 春の心地よい空気に誘われ、六道青年は外に出る――ことはなかった。今日から新学期。高校生活が始まろうとしている登校初日なのだが、八卦六道は三つ上の兄の部屋に入り浸っていた。

 兄はもう大学へ出かけている。

 あるじ不在の部屋のなかにはたくさんのゴミ袋が転がっていた。これらのゴミは自称・大学デビューした兄の抜け殻である。高校までマニア・オタクで通っていた兄が何を思ったのか、一念発起して春からイケイケゴゥゴゥなヤングマンに変身した。

 で。

 今までお世話になっていたホビー用品は無情にもゴミ袋に詰められたわけだ。

 捨てる神あれば拾う神あり。

 六道は遠慮なくゴミ袋を開いて中を物色していた。

「フィギュアにゲームソフト……知り合いに売ればそこそこの値になりそうだな……」

 ピンク色の箱を積み上げながら、六道は頭のなかで算盤を弾いた。

 しばらくそんなことを続けていると、袋の奥から緑色のストレージボックスが出てきた。

「うん?」

 六道は小首を傾げた。

 ストレージボックスとは何百枚と積み上げたカードを収納するための箱のことである。細長いその形状から「長巻」という名称で呼ばれることもある。もちろん、六道もストレージが何を指すかは知っていた。

 しかし、兄貴がカードゲームをやっていたとは知らなかった。

「ま、売れりゃ何でもいいけどさ」

 気を取り直してストレージを開けた。

 中にはぎっしり詰まったカードの束。きれいに整頓されたカード群を目にした六道は、ふと棺に納められたエジプト王のミイラのことを思い浮かべた。どことなく静謐とした雰囲気が漂っている。

 ――こいつァ良い値が付きそうだ。

 六道は丁寧にカードの束をストレージから抜き出してみた。

 と。

 その瞬間――

《また、俺の眠りを妨げる者が現れたか……》

「わっ! うわわわッッ!!!」

 頭のなかで声が響いた。

 脳に直接語りかけられたような、ダイレクトな音声。アニメの敵幹部みたいに低いイケメンボイス。六道は驚きのあまり派手に尻もちをつき、手に持っていたカードを盛大に床にぶちまけてしまった。

《あああ~~っ! もっとぼくたちを大事に扱ってよっ!》

 いつの間に現れたのか。

 小さい妖精みたいなのが二人。ちょこまかと床の上を歩き回りながらカードを拾い集めている。二人とも明らかに人間サイズではない。カードを三枚並べた程度の大きさしかない。こんなムチャクチャナ生物がいてたまるか!

 六道はブンブン首を横に振りながら目を擦った。

 ――そうだ!

 これは夢だ。夢なんだ! オレはまだ寝ぼけているんだ。寝ぼけてやけにファンタジックな幻覚を見ているに違いない! 変なクスリに手を出した覚えもないし、空想癖だって持ってない!

「オレは正常だ。正常、正常……」

 ぶつぶつ呟きながら、六道はもう一度床に目を落とした。

《やあ! ぼくクッキー!》

《あたしはチョコ! よろしくね!》

 頭が凍った。

 ホラーだ。こんなの、サイコ・ホラーだッ!

《あれ? マスターどうしたの?》

《だいじょうぶー? 顔色わるいよ?》

「ハ、ハハ……」

 六道は空虚な笑いを浮かべながら立ち上がった。

「……運が悪かったな、悪霊ども」

《え? あくりょう?》

《もしかして、それって、ぼくたちのこと?》

 双子の妖精はこちらを見上げながらちょこんと首を傾げた。

 これがスクリーンの上に映っているならかわいらしく見えるのだろう。しかし、自分の目の前で見せられてはかわいらしさより恐怖のほうが先に立つ。六道はビシッと二匹の悪霊に指を突き付けながら言い放った。

「お前たちはオレが成仏させてやる!」

《えっ》

《えっ?》

 いきなりの展開に驚く双子の妖精。

 ちなみに六道青年はお坊さんでも何でもない。ただのどこにでもいる高校生である。そんな彼が、なぜ、「成仏させてやる」などと宣言したのか……

「オレは負けたまま引き下がるのが大ッ嫌いだんだよ!」

《う、》

《うわぁ……》

 実に子供らしい言葉に、双子の妖精はすこし引いた。

 そもそも勝ち負けの話をいつしたんだよ!? とツッコむ人もいないので、場に妙な空気が漂う。それでも、おそらく六道青年にとってこの双子の妖精に負かされていたのだろう。よくわからないが、そういうことにしておこう。

 一人と二匹は、しばらく大量のカードを挟んで対峙していた。

 気まずい空気が充満したところで、リビングのほうから母の怒声が飛んできた。

「ロクちゃんッ! いつまで家にいるのッ!」

「あっ! ヤバッ!」

 パッと時計に目を向けると、もう集合時間の十分前。

 六道青年はゴミ袋もそのままに、さっさと部屋に戻り、寝間着を脱ぎ捨て、目にも止まらぬ早着替えで制服を着こみ、飛ぶように階段を下りてそのままノンストップで玄関を走り抜けた。

「いってきまーす!」

 慌ただしい足音とともに。

 そして謎のカードの精霊とともに、六道青年の高校生活が始まった。

 

 

 




王道・オブ・王道。

初心者の青年がカードの精霊と出会う。
これぞ王道(キングズロード)。


次回はヒロインが登場します。

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