六道青年のモンコレ道   作:みょこすけ

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電光石火の第二弾!!



そんなことより本文読みねぇ!!


1-2、出会い2

 

 たくさんの机と椅子の並べられた教室。

 今日から始まる高校生活に胸を高鳴らせる若人たちの集う場所。教室内の生徒たちは男女を問わずどこかそわそわした様子で喋ったり、黙って周囲を伺ったり、机に突っ伏して狸寝入りを演じたりしていた。

 そんななか、六道青年は自分の席でカードの束を前に険しい表情を作っていた。

 入れた覚えのないカードたち。

 教室に着いてホッとところで気付いたのだ。制服のポケットに妙なふくらみがあると。嫌な予感を覚えつつ取り出してみるとやっぱりコレだった。緑の裏地に六芒星のマーク。カードの表面にはモンスターの絵柄。

 机の中心に置いたカードの束を睨みつけながら、六道は呟いた。

「やっぱり、悪霊じゃねぇか……」

 ちなみに今朝見た双子の妖精の名前は「チョコ&クッキー」というらしい。

 そんなカードがあったのだ。

 イラストはまさにあの双子と寸分たがわず。いや、むしろあの双子がこのカードから抜け出てきたのだろう。六道は直感的にそう感じた。となると、まさかこのカード一枚一枚全部に悪霊が宿っているのか?

 六道があまりの恐ろしさに震えていると、正面から声を掛けられた。

「キミもモンコレやるの?」

「は?」

 すぐ真正面にショートカットの女の子が立っていた。

 六道は左右を確認してみたが、彼女が話しかけたと思われる相手は自分以外にいなかった。着席一番にカードを机のうえに載せる男子に話しかけるとは……かなりの豪の者だ。けっこうかわいい顔しているのだから、わざわざオレを話し相手に選ばなくても……

 こちらの困惑に構わず、目の前の女子は喋った。

「私は宮村りな。周りが見えなくなるくらい集中してカードを見つめるなんて、よっぽどモンコレが好きなんだね。でも、ダメだぞ! せっかくの登校初日なんだから、ちゃんとお友達作らなきゃ! 最初に躓いたら三年間すっごく辛くなっちゃうかもよー?」

 どうやらこのカードはモンコレというものらしい。

 ありがたい情報だが、この女はひとつ勘違いしている。六道はべつに楽しくカードを眺めていたわけではない。むしろどうやって処分してやろうかと考えていたくらいだ。そんな自分をさも当然のようにモンコレ好きに分類するとは……この女、見る目がないな。

 六道は女子とカードを見比べながら口を開いた。

「あのな、オレは別に――」

「ほらほら。照れない照れない。まずは自己紹介でしょ!」

「…………」

 どうやらこちらの話を聞くつもりはないようだ。

 六道は困ったように頭を掻いてから、観念して自己紹介した。

「オレは八卦六道。中学のときはバスケやってた」

「へぇー。体育会系なんだ!」

「そう。だからこのカードはたまたま持ってきただけで、好きでも詳しくもない」

「またまた~」

 この女、ホントに見る目ないな!

 六道は苛立ちを抑えながらどうしたものかと辺りを見渡した。しかし、見つかるものは男子の羨望と嫉妬の入り混じった眼差しくらいで、役に立ちそうにない。こいつのせいで友達できなくなるんじゃないか? などと逆に不安が広がったくらいだ。

 そうこうしている間に、宮村がカードの束に手を伸ばした。

「ちょっとデック見てもいい?」

「デック? ああ。もう好きにしてくれ」

「ありがとっ!」

 嬉しそうに微笑みながら、宮村はカードをめくっていった。

 何となく黙っているのも気まずいので、六道は二、三質問してみた。

「モンコレって、流行ってんのか?」

「またまた~。流行ってるどころの騒ぎじゃないでしょー。みんなやってるよー」

「そうなのか?」

 中学の頃はバスケで忙しくて、流行とかさっぱりだった。

 朝起きて、朝練に出かけて、授業は半分寝ながら聞いて、昼休みはもちろん昼練。そして午後の授業でまた寝て、放課後は延長届を出して学校の門が閉められるギリギリまでずっと練習。土日はだいたい練習試合。

「カードゲームが流行る時代になったのか……」

「そうそう。休みの日の大会とかすごいんだよー。人がたくさんいてー」

「十人くらい?」

「ううん。百人くらい」

 そんなにみんなモンコレやってるのか?

 六道はカードに目を落としたまま答える少女を訝しく思い、振り返って後ろの男子に声を掛けた。

「モンコレやってる?」

「う、うん」

「あ、そう。サンキュー」

 それだけ言うと、六道は前に向きなおった。

 どうやら宮村の話は本当らしい。まさかそれほどこのカードゲームが流行っているとは……日本の未来は大丈夫なのか? バスケに狂っていた自分もどうかと思うが、モンコレに目を輝かせる女子高生も相当ヤバいと思うぞ。

 六道が日本の未来を心配していると、新たな人物がやってきた。

 中背中肉の六道より頭二つも高い、見上げるような大男。やや横に広い体形をしているが、ただのデブではない。制服の上からでも見てわかる筋肉で覆われたマッチョマン。凶暴そうな面構えと相まって異様な迫力がある。

 その大男は背中越しに六道のカードを眺めると、馬鹿にしたように鼻で笑った。

「へっ! なんだァ? その紙クズはァ?」

 




ヒロインはお荷物じゃない!!
主人公の周りをうろちょろするニトログリセリンだ!!



次回はデュエルの前まで。


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