バンダイナムコ四天王アイドルシリーズ -暁光のシンギュラリティ-   作:BN四天王アイドルシリーズ執筆室

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第4話:不協和音の序曲 ─ 相反する絶対的哲学の激突 ─

➣ 品川プリンスホテル 多目的ホール

 

 品川プリンスホテルの広大な多目的ホール。四つの巨大な世界線が交差するこの場所で、かつてない合同プロジェクトの第一回ミーティングが開催された。しかし、そこには希望に満ちた熱気よりも、互いの「絶対的哲学」が激しく火花を散らす、重く張り詰めた空気が漂っていた。プロフェッショナリズム、刹那の青春、ストイックな求道精神、そして多文化共生。決して交わるはずのなかった四つの異なる価値観が、同じステージを創り上げるという目的の下で真っ向から衝突し、容赦のない「不協和音の序曲」を奏で始めようとしていたのである。

 

秋月律子:「それでは、合同プロジェクトの第一回ミーティングを始めます! まずは各ユニットの基礎レベルを統一するために、私たちが作成したこの分刻みのスケジュールに従って、徹底的な基礎トレーニングと論理的な戦術分析から……」

 

矢澤にこ:「ちょっと待ちなさいよ! なんであんたたちのその息苦しいスケジュールに、宇宙ナンバーワンアイドルのにこが合わせなきゃいけないの!? 私たちは『今』という限られた時間を全力で輝かせるスクールアイドルなのよ! 基礎練ばっかりじゃパッションが死んじゃうわ!」

 

紫吹蘭:「パッションだけで乗り切れるほど、アイドルの世界は甘くない。限界まで自分を追い込んで、血の滲むような努力をしてこそ、最高のステージが創れるんだ。私たちの『アイカツ』に妥協の二文字はない。現状に満足している暇はないんだよ。」

 

加部律:「……クソ、どっちもうるさいわね。型にはまった量産型のアイドルなんて退屈なだけよ。あたしたちDéesseみたいに、コンプレックスもバラバラな個性も全部ぶつけ合うカオスこそが、一番美しいんじゃないの? 計算通りのステージなんてつまらないわ。」

 

園田海未:「バラバラなままでは、お客様にお見せできるパフォーマンスには決してなりません! 基礎をおろそかにし、規律を守れないようでは、ステージに立つ資格すらありませんよ! 感情のままに動くのはただの身勝手です!」

 

星空凛:「うにゃー! 海未ちゃん怒ってるにゃ! でも凛も、じっと座ってスケジュール通りに動くのは窮屈で嫌だにゃー! 頭で考えるより、もっと体全部を使って自由に踊りたいよ!」

 

藤原歌南:「星空さん、自由と無秩序は違います。異なる哲学を持つ私たちが一つのステージを創る以上、まずは論理的なルールと完璧な統制が必要です。やるからには妥協なしよ! 情熱だけでは、この合同チームはすぐに崩壊します。」

 

高坂穂乃果:「ルールや統制も大事かもしれないけど、私たちが一番大切にしたいのは『心から楽しむこと』だよ! みんなで一緒に笑い合って、お客さんにもその熱を直接届ける! それが一番の奇跡を起こすんだって、μ'sは証明してきたんだから!」

 

如月千早:「……『楽しむ』だけで奇跡が起きるなら、誰も苦労はしません。プロとして舞台に立ち、お金をいただく以上、私たちはお客様に完璧な歌とパフォーマンスを提供する絶対的な義務があります。その重圧から逃げ、感情論で片付けないでください。」

 

霧矢あおい:「穏やかじゃないわね……。765プロの皆さんのプロ意識はデータ通り素晴らしいけれど、私たちのスターライト学園が掲げるのは、自らの限界を常に更新し続ける終わりのない求道精神よ。現状の完璧さに満足していては、真の高みには届かないわ。」

 

佐伯咲:「てやんでぇ! 完璧だの求道だの、堅っ苦しいことばっか言ってんじゃねぇよ! 音楽ってのはもっとこう、魂(タマ)のぶつかり合いだろ! ルールや常識なんて、あっしのギターのノイズで全部ぶっ壊してやんぜ! 自由にやらせろぃ!」

 

水瀬伊織:「ちょっとアンタたち、どいつもこいつも自分のやり方を押し付けてばかりじゃない! この誇り高き水瀬伊織様が参加する以上、私の完璧な美しさと実力を際立たせる構成にしなさいよね! 凡人どもの足手まといになるなんてごめんよ!」

 

星宮いちご:「みんな、ストップストップ! どっちのやり方も間違ってないよ! 765プロのプロ意識も、μ'sの情熱も、Déesseの個性も、全部すっごくアツいから……一緒にアイカツすれば、絶対にもっとすごいことができるって私は信じてるよ!」

 

天海春香:「そうだよ! せっかくこうして集まれたんだから、ケンカしないで、みんなで一つの目標に向かって頑張ろうよ! どんなに泥臭くたって、私たちの歌で世界中を笑顔にしたいって祈りは、みんな同じはずだから!」

 

平アンナ:「アンナもそう思う! 違う文化も、違う色も、全部パレットで混ぜちゃえばいいんだよ! そしたらきっと、誰も見たことない最高の『シャローム』が生まれるはずだよ! 世界は甘くないけど、私たちが甘くしちゃおう!」

 

絢瀬絵里:「……春香、いちご、アンナ。あなたたちのその『底抜けの肯定力』は確かに美徳だけれど、現実問題として、全く異なる価値観を『ただ混ぜる』だけでは、美しいエクレクティックにはならず、ただの悲惨な不協和音にしかならないわ。甘く見すぎよ。」

 

神崎美月:「絵里の言う通りね。トップに立つということは、自分だけの絶対的な哲学を証明し続けるという、残酷なまでの孤独を背負うこと。他者の色に安易に染まるくらいなら、自らの光で全てを呑み込む覚悟が必要よ。あなたたちにその覚悟はあるの?」

 

西木野真姫:「そうね。馴れ合いで最高の音楽が作れるなんて、思わないことね。私には私の信じる音楽の形があるわ。それを曲げてまで、あんたたちの不協和音に合わせる気は一切ないわよ。」

 

小泉花陽:「あぅぅ……みんな、怒らないでくださいぃ……。せっかくの合同プロジェクトなのに、どうしてこんなにギスギスしちゃうんですかぁ……。私、もう怖くておにぎりが喉を通りません……。」

 

萩原雪歩:「ひぃっ……! もうダメですぅ、私、穴を掘って埋まってますぅ……。こんなバラバラで殺伐とした状態で、みんなと一緒にステージになんて立てません……。」

 

山梨鳥:「みなはん、ええ加減にしやし。自分の『正義』を押し付け合うだけやったら、ただの子供の喧嘩どすえ。他所の哲学と真っ向からぶつかるんやったら、まずは己の器の底ば知らんとあきまへん。はんなりと、相手の心を見つめ直すんも必要どす。」

 

東條希:「鳥ちゃんの言う通りやね。今はそれぞれの運命のカードが逆位置に出とるみたいや。自分の信念を貫くのは大事やけど、ぶつかり合う痛みを知らんままじゃ、本当の自己理解の深淵には至らんのよ。今は嵐が通り過ぎるんを待つしかないね。」

 

プロデューサー:「……みんなの言い分はよく分かった。だが、今の君たちは『自分たちの存在意義』を証明することに必死で、チームとしての機能が完全に崩壊している。己の信念を貫く難しさと、他者との衝突……この過酷な不協和音をどう乗り越えるか、それが君たちに課せられた最初の試練だ。」

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