バンダイナムコ四天王アイドルシリーズ -暁光のシンギュラリティ-   作:BN四天王アイドルシリーズ執筆室

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第9話:奔放なる流星たち ─ 天才の孤独と理解 ─

➣ 品川プリンスホテル 共有ラウンジ

 

 合同プロジェクトの解体と再構築。そして「Queens」と「STAR★GIRLS」という巨大な壁。それらを乗り越えるための合同合宿は、連日過酷なスケジュールで進行していた。規律を重んじ、全体を統制しようとする参謀たちの苦悩(第7話)や、グループの顔としての重圧に耐える太陽属性の少女たちの共鳴(第8話)の裏で、ある特定の性質を持つ少女たちが、集団行動の枠組みの中で深い息苦しさを感じ、音もなく孤立しようとしていた。「マイペース」と「天才肌」。彼女たちの歩幅は、良くも悪くも「普通」とは違っていたのである。深夜の品川プリンスホテルの共有ラウンジ。消灯時間を過ぎ、薄暗い間接照明だけが照らすその場所に、星井美希、西木野真姫、紫吹蘭、そして佐伯咲が、誰に示し合わせたわけでもなく、ただ己の息苦しさを逃れるように集まっていた。

 

星井美希:「あふぅ……。ミキ、もう疲れちゃったの。みんなと同じペースで、同じことを何回も繰り返すのって、退屈で死んじゃいそう。なんでミキの言う通りにもっと楽しくやらないのか、全然わかんないの。」

 

西木野真姫:「……同感ね。基礎練習なんて家でやってくればいいじゃない。私には私の信じる音楽の形があるのに、わざわざ全体のレベルに合わせて立ち止まる意味がわからないわ。これじゃ、ただの足手まといの集まりよ。」

 

紫吹蘭:「……あんたたち、才能があるからって舐めすぎだよ。でも……確かに、息が詰まるってのは同意する。あたしは一人で高みを目指す覚悟を決めたはずなのに、この馴れ合いみたいな空気の中で、自分の刃が鈍っていくような気がして怖いんだ。」

 

佐伯咲:「てやんでぇ……。あっしのギターも、この窮屈なルールのド真ん中じゃ、ただのノイズにしかならねぇみたいだ。魂(タマ)でぶつかろうってのに、みんな型にはまることばっかり気にしやがって。これじゃ、最高のセッションなんて夢のまた夢だぜ。」

 

西木野真姫:「結局、私たちは『異物』なのよ。集団の中で、自分を殺してまで協調性を演じるくらいなら、一人でピアノに向かっている方がマシだわ。……でも、それじゃあこの合同プロジェクトに参加した意味がないことも、わかっているのだけれど。」

 

星井美希:「真姫ちゃんのピアノ、ミキ、好きだよ。でも、真姫ちゃんがピアノ弾いてる時、なんかすごく壁があるっていうか……ミキが入っていけない感じがして、ちょっと寂しいの。」

 

佐伯咲:「へっ、痛いところ突くじゃねぇか、美希。真姫、お前、本当は誰かに自分の音を聴いてほしいんだろ? だったら、そんなツンケンした壁なんて、あっしのギターでぶち壊してやろうか?」

 

紫吹蘭:「……佐伯咲。あんたのその無遠慮な踏み込み方も、周りを疲れさせる原因の一つだって自覚はある? でも……その真っ直ぐすぎる音色が、あたしの閉ざした心を少しだけ揺さぶるのは事実だよ。本当に、厄介な連中だね。」

 

西木野真姫:「な、なによ! 私のピアノは別に誰に聴かせるためでも……! ……でも、確かに、あんたたちのその予測不可能なリズム、嫌いじゃないわ。少しだけ、私の不協和音に付き合ってもらえるかしら?」

 

星井美希:「あふぅ! なんだか面白くなってきたの! ミキも、ミキだけのステップで、みんなの音に乗っかってみる! 今ここから、私たちだけのヒミツのセッション、スタートなの!」

 

佐伯咲:「よっしゃ! だったらあっしは、誰にも真似できねぇ極上のリフを刻んでやるぜ! ついてきな、天才ども! あっしたちの『音色』が重なれば、どんなルールだってぶっ壊せるって証明してやろうじゃねぇか!」

 

紫吹蘭:「……しょうがないね。あんたたちのその危なっかしいリズム、あたしがしっかり土台になって支えてやるよ。孤高の刃じゃなくて、みんなを輝かせるための刃に……少しだけ、なってみるのも悪くないかもしれない。」

 

プロデューサー:「(ラウンジの入り口で静かに見守りながら)……天才ゆえの孤独と、他者と重なることへの恐怖。それらを乗り越え、彼女たちはついに『己の音色が他者と重なる意味』を見出した。異なる個性を認め合うことでしか生まれない、唯一無二の調和(グルーヴ)。これが彼女たちの導き出した、新しいエンターテインメントの答えか。」

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