……はい。
あのあと、カイドウが来て、5人全員拘束されて、牢獄に入りました。
でも別に、そこまで待遇は悪くない。
だが暇なので、カイジンたちの昔話を聞くことにした。
その話が終わったあと、私が出した結論は「ベスターはクソ」という一言だけだった。
過去の話を聞いても一切同情する気が起きない、それほどまでのクズであった。
そしてカイジン以外に加え、3兄弟も来るらしい。
技術指導できる奴は多い方が良いからな、たいへん喜ばしい事である。
……この後の判決、どうなってしまうんだろうか。
今はそれが気がかりだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
牢獄での2日間の拘束の後、私たちは法廷に引きずり出された。
そこで起こったことを端的に説明すると、
①私たちの代理人が裏切った。
②王ガゼルの傍仕えが代理で判決を言い渡そうとする。
③ガゼルが発言、カイジンに戻る提案をする。
④私を新たな主とすることをカイジンが王の前で堂々と発表。
⑤全員まとめて国外追放に落ち着く。
……だな。
つまり、カイジンたちをゴブリンの村に連れていく口実が出来たってことだ。一件落着だな。
今は店の荷物をまとめて、国を出ていく準備をしている。
と言っても、全部私の「捕食者」で飲み込むだけなんだけどな。
その様子見せたら絶句してたけど。
さらにランガを見せたらもっと驚いた。今からお前たちが乗るんだぞって言ったらもう死にそうなくらい驚いていた。
私は面倒だからイザークと一緒にシュライバーの聖遺物だった軍用バイクに乗って戻ることにした。
……ただ技術支援の要請をしに行くだけだったのに、疲れたな……。
今日は城でゆっくり休もう。
あぁでも、まずはあの村の者たちにカイジンたちを紹介する所から始めないと……。
まったく、今日はやる事が多そうだ。
そんなことを考えながら、私たちは数時間でゴブリンの村に戻った。
カイジンたちはなぜか、気絶していた。
大賢者『おそらく、マスターの乗っている乗り物と個体名:ランガのスピードが音速を超えているからと考えられます。力加減をいい加減に覚えてください。』
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
村に戻ったら、皆に一斉に歓迎された。
そこまで集まられても、土産は持ってきていないというのに。
リグルド「お帰りなさいませ、ハイドリヒ卿!帰ってこられて早々で申し訳ないのですが、ハイドリヒ卿に客人が来ておりまして……」
そして、リグルドが急いで来たと思ったら私に客人が来たと言う。
私はそっちの方に行くことにし、イザークにカイジンたちとリグルドたちの交流を任せた。
私がいない間に、ゴブリンたちが建てたであろうテント、その中でも特に大きめのテントに、客人である別の村のゴブリンがいた。
この森の情勢とかどうでもいい所はすっ飛ばして、つまるところ私の配下になりたいと伝えに来た事が今回この村に来た目的らしい。
まだ家も何も建てていないから受け入れ態勢は整っていないが、まあ人手は多い方が良いだろうと思い、来たいやつだけ来させろと言ってその場を終わらせた。
……これは明日も忙しくなりそうだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして、昨日のゴブリンたちが仲間を連れてきたのだが……
多い、多すぎる。この村では確実に収容しきれない。
4つの部族が来て、数にしておよそ500。
残りの者は、反対派の村に去っていったそう。
……引っ越すしかないな。
私の脳内マップによると、私たちが洞窟から出てきた場所に丁度いい場所があったはず。
リグルドたちにこの事を伝え、3兄弟の三男、ミルド達率いる先遣隊と一個師団を用いて地質調査を行うことにした。
残りの者は、カイジンたちの指導のもと衣服・建築の技術的指導を受けてもらい、その間に私が約500人の名付けをした。
もう多過ぎたので名前が適当になったのは秘密だ。
そして、少しだが上下関係を作ることにした。
リグルドをゴブリン・キング、他の4部族の村の長をゴブリン・ロードとした。
周囲のゴブリンたちから割れんばかりの歓声が上がった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
技術指導も順調で、資材も中々集まってきたころ。
測量のため遣わせた先遣隊が帰還した。
今のところ、全てが順調。
新たな村の建設予定地の区画を確認する。
ここまで大きくなると、街と呼んだ方が相応しいかな。いずれは国になるのだろうか。
私たちの、新たな住処は。
全ての準備が整ったことを確認し、合計600越えの大移動を開始した。
新たな地へ向けて、私たちは踏み出す。
私たちの新たな国を作る、第一歩となるだろう。
………………………………………
ここに、3人の冒険者パーティがいる。
ラインハルトたちが洞窟から出ようという時、すれ違いになったあのパーティメンバーたちだ。
この者たちは、洞窟内の報告をギルドに済ませたあと、暫しの休憩を挟み、今度は森の調査に行こうとしていたのだ。
そしてそこに、1人男か女か分からない人物が加わる。
ここからが、正史世界と運命を大きく違える分岐点となっていく。
………………………………………
森の木を切る音が、あちらこちらから響いている。
今は新たな街になる予定の場所の整地を行い、順次家を建てていくのだ。
まずは衛生上、上下水管路を設置しなければいけないので、家はまだ一軒も建ってないのだが……。
とにかく、水関係のシステムは今整えてるし、仮説だがとりあえず皆が寝泊まりするための場所も用意した。
区画の整理も出来ているから、街づくりは順調と言わざるを得ない。
このまま順調に終わってくれれば良いのだが……。
リグルド「ハイドリヒ卿!ご報告があります!」
「どうした?」
まぁ、何かトラブルはあると想定してた。
リグルド「実は、不審な人間どもを捕らえまして。ハイドリヒ卿の取り決めにより、手は出していませんが……。」
人間?こんな辺境な地に?
流石にこれは私が対応するべき事案だな。
「分かった、その者たちがいる所へ案内してくれ。」
リグルド「はっ、こちらです。」
案内されている時に何故人間がいたのか聞いてみると、曰く巨大蟻と戦闘中だったそうで、村長の息子であるリグル率いる警戒班に救出され保護されたらしい。
それで、そいつらがこの辺りの調査を行っていたから、とりあえず私に指示を仰ぎに来たと。
うーん、となると普通にどこかの国の調査隊という線も考えられるな。
カイジンたちに聞いたが、ここ「ジュラの森」はどこにも属していない中立地帯らしいので、勢力拡大を狙ったどこかの国が調査の名目で送ってきていても不思議じゃない。
まぁ、どんな奴らかは会わないと分からないからな。
その者たちのいるテントに近づいてきたので、案内を終わらせた。
さて、どんな奴らなんだろうなと思い、テントに入る。
「こんにちは、客人たち。大したもてなしは出来ていないが、寛げているかな?私がここら一帯の主、ラインハルトだ。」
?「「「え、人間⁉︎」」」
「ああ、魔物を従えているからと言って悪い者ではないから、安心して欲しい。」
?「………」
……最初に反応した3人組、何処かで見た気がするなと思ったが、あの洞窟ですれ違った者たちか。
残り一人は会ったことないから分からんが……というか、顔が面をつけていて見えない。
「……このテントでは少し話しづらいな。卿らの食事が終わったら、私のテントに来るがいい。案内役を付けておく。」
?「……助かる。」
どうやら彼らは、焼き肉中だったようだ。
彼らの飯の邪魔をしては悪いなと、私は一旦テントから出る。
そのあとリグルドを呼び、彼らに私のテントに案内する者を一人付ける事と、食事中ならちゃんと事前に伝えておくことを話した。
リグルドらも種族が進化したから知能も上がっているんだが、まだ現場判断が足りていないな。
そこら辺は経験でどうにかする場所だから、今は責めないが。
とりあえず自分のテントに入り、彼らを待つ。
まだ少しかかるだろうから、ドワーフの国で作った武具をもう少し弄ってみるか……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そして暫くして、先ほどの4人が入ってきた。
彼らがテントに案内されたあと、別の者が飲み物を持ってきてくれた。
順調に彼らが成長しているようで何よりだ。
「改めて自己紹介しよう、私がここの主のラインハルト・ハイドリヒだ。卿らは何の目的でここに?」
カバル「えっと、初めまして。俺がこのパーティのリーダーのカバルだ。こっちがエレンで、こっちがギド。一応言っておくが、Bランクのパーティだ。」
Bランク……となると、そこそこの強さのパーティになるのか。
で、紹介されなかったもう一人の人物は?
シズエ「?知らないの?」
「いや、初対面だから知るわけなかろう。」
この世界に来て人間にちゃんと会ったのはこれが初めてだし。
カバル「ああ、その人は臨時で応援に入ってくれているシズさんだ。」
……この人、日本人だな。
立ち振る舞い、言動、仕草で分かる。
となると、異世界人か召喚者のどちらかか……
「では話を戻すが、卿らは何故ここに?」
カバル「ああ、それはですね………」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
とりあえず、一通りの話を聞いた。
彼らは人を疑うことを知らないのか、何一つ包み隠さずに言ってくれた。
どうやら、ここに来たのはギルドからの調査依頼らしい。
曰く、「怪しい物事が起きてないか調査してくれ」とのこと。
そしてこいつら、まるで話にならなかった。
調査と言われても何したらいいのか分からず、次第に依頼したギルドマスターの悪口になっていくし、異変だと思って剣を突き刺してみたらそれは巨大蟻の巣穴だったり。
私は依頼主であるギルドマスターに同情した。
そして一応、ここに街を作っている事について聞いてみたが、彼ら曰く問題ないだろうとの事。
元々中立地帯だから大丈夫だろうとは思っていたが、念のための確認だ。
まぁ、こいつらが悪い奴らじゃないのは分かったし、そろそろ解放してやるかと思ったら、今まで静かにしていたシズが、唐突に叫び、暴れ始めたのだ。
その瞬間、私はまた「厄介ごとか……」と考えてしまった。
だが、今回の事態に関しては、それだけで済まないことを知ってしまった。
書いた。
文章ぐちゃくちゃなのは許して。
色々書きたいシーンがあるんだけどなぁ……