六月。
初夏の瑞々しい青葉が街を彩る季節、インターネットTVで放送が始まった『今からガチ恋始めます』は、予想以上の反響を呼んでいた。人気インフルエンサーやモデルを揃えたキャストの話題性もあり、SNSのトレンドには毎話のように番組関連のワードが並ぶ。それは良くも悪くも、現代の若者たちの関心を一身に集める巨大な渦となっていた。
だが、その華やかな渦の中心から、黒川あかねは完全に弾き飛ばされていた。
回を重ねるごとに、番組の主導権はファッションモデルの鷲見ゆきを中心に回り始めていた。彼女の持つ圧倒的な華と、カメラの前で自然に異性を惹きつける天性の立ち回り。それに比べて、あかねの画面上の露出は目に見えて少なかった。
(私は……ここに何のためにいるんだろう)
スタジオの隅、あるいはデートの背景。カメラのレンズがあかねを捉える時間は数秒にも満たない。影が薄いという残酷な現実が、彼女の自己評価をじわじわと削っていく。さらに現場には、あかねを焦らせる特有の空気が漂い始めていた。
「黒川さん、もうちょっとリアクション大きくできない? このままだと使いどころがないんだよね。……いっそのことさ、ゆきちゃんの恋路を邪魔する〝悪女〟みたいなポジションに回ってくれたら、番組としてはすごく盛り上がるんだけどな」
スタッフが冗談めかして放ったその言葉に、現場の大人たちが無責任に同調する空気を、あかねの鋭すぎる洞察力は敏感に察知してしまった。台本のないリアリティショー。けれどそこには、制作陣が求める〝役割〟という目に見えないレールが存在する。真面目すぎるあかねは、その期待に応えられない不甲斐なさと、かといって誰かを陥れるような悪女を演じることへの抵抗感の板挟みになり、一層深く自分を追い詰めていった。
追い打ちをかけるように、ネットの海があかねに牙を剥く。
昨年末、ハルトのクリスマス二十四時間配信にサプライズ出演した際、彼女は良くも悪くも目立ちすぎていた。あの時の「『HARU』の可愛い幼馴染」というパブリックイメージを持ったまま『今ガチ』を観たリスナーたちは、番組内で全く存在感を発揮できず、おどおどしている彼女の姿に失望し、そして冷酷な言葉を浴びせ始めた。
『クリスマス配信の時はあんなに調子乗ってたのに、今ガチだと完全にモブじゃん』
『あざといだけで中身空っぽ。リアリティショーに向いてないから早く降板しろよ』
『結局、HARUの知名度に便乗しただけの売名女だったってことね』
元旦の初詣の時、ハルトから「ネットの叩きなんてノイズだと思え」ときつく忠告されていた。頭では分かっている。あいつらは画面の向こうのキャラクターを叩いているだけなのだと、自分に言い聞かせようとした。けれど、文字として網膜に焼き付く悪意の刃は、真面目であまりにも繊細なあかねの心を確実に、そして深く突き刺していた。
さらに悪いことに、ハルト自身の活動も、結果的にあかねの逃げ場を無くす要因になってしまっていた。
ハルトは『今ガチ』の放送直後、自身のチャンネルで感想生配信を行っていた。最初は純粋に、あかねを裏から応援し、ネットの空気を彼女に有利な方向へコントロールするための、彼なりのサポートのつもりだった。しかし、番組内であまりにも見せ場を作れず、存在感を失っていくあかねの状況に、さしものハルトも感想に窮するようになっていた。
『あー、今週のあかね? まぁ、あいつは劇団の人間だしな、カメラが回ってると緊張して借りてきた猫みたいになるんだよ。まぁ、そういうウブなところも含めて、あかねの良さなんじゃねえの?
卓越したトーク力とコメント捌きで、ハルトは何とか配信をエンターテインメントとして成立させていた。だが、内心では彼もまた、冷や汗をかくような苦しい立場に追い込まれていた。今さらこの感想配信を止めれば、それこそ『HARU』もあかねを見捨てたとネット民に解釈され、余計にあかねの立場を不利にしてしまう。ハルトはあかねの役者生命を守るため、張り詰めた糸の上を歩くような配信を続けざるを得なかった。
画面の向こうで苦肉の策を講じるハルトの姿を見て、あかねの罪悪感は頂点に達した。
(私のせいで……ハルトくんのチャンネルにまで迷惑をかけてる。私が不甲斐ないから、ハルトくんにあんな苦しい表情をさせてるんだ……)
あまりの申し訳なさと、あまりの焦燥感に、あかねはハルトへSOSを発信することすら忘れてしまっていた。
『今ガチ』の撮影が始まってからは、肉体的にも精神的にも限界を迎え、学校を休む日が増えていた。それは必然的に、日常の避難所であったハルトとの接触を激減させることになり、彼女の孤独をいっそう加速させていく悪循環を生み出していた。
☆ ★ ☆
ある日の撮影終了後。スタジオの片隅にある控室は、微かに残る冷房の冷気と、静寂に満たされていた。
あかねは一人、小さなパイプ椅子に腰掛け、膝の上に使い古したメモ帳を広げていた。手にしたボールペンは、白濁した思考を映すように、ノートの上で不規則に彷徨っている。
今日の収録も、何一つ上手くいかなかった。ゆきが男子メンバーと華やかに会話を弾ませる中、自分はただ相槌を打つことしかできず、カメラの赤いランプが自分を避けるように移動していくのを、ただ見つめることしかできなかった。
「どうしたら……どうしたらいいの……」
メモ帳には、自分なりの解決案が殴り書きされていた。
『もっと大きな声で話す』『リアクションを三倍にする』『悪女のキャラクターをプロファイリングして、明日から憑依する?』『でも、そんなことをしたらファンの人が……』『ハルトくんの配信のコメントがもっと荒れる……』
文字は徐々に乱れ、支離滅裂な思考の羅列へと変わっていく。完全に心の限界を迎えていた。ふと我に返り、自分の書いたあまりにも無様で、あまりにも追い詰められた文字列を見つめた瞬間、あかねの瞳から、堪えていたものが決壊した。
「……っ、う、うう……」
ポロポロと溢れ出た大粒の涙が、ノートの紙面へと落ちていく。インクが滲み、歪んでいく文字の群れを見つめながら、あかねは膝に顔を埋めた。
「私、どうしたらいいの、ハルトくん……助けて……」
声にならない、掠れた叫びが静かな部屋に響く。
その時だった。コンコン、と控えめながらも確かな足音が近づき、控室のドアが静かに開いた。
「あかねちゃん……? 入っても大丈夫?」
入ってきたのは、撮影中のあかねの尋常ではない様子を察し、心配して訪ねてきた共演者たちだった。先頭に立つのは、番組の中心人物である鷲見ゆき。その背後には、金髪のインフルエンサーであるMEMちょ、そして、どこか冷めた、しかし鋭い眼差しを湛えた星野アクアの姿があった。
撮影外では、ゆきは本当に優しく、あかねとも良好な関係を築いていた。最年長のMEMちょも、面倒見が良く、あかねの様子をずっと気にかけていた。アクアに関しては、ハルト――すなわち『ソレイユ』への接触ルートとしてあかねに近づこうとする明確な目的があったが、目の前で今にも壊れそうな少女の姿を見て、そこに純粋な人道的な心配が混ざっているのも事実だった。
「あ、みんな……」
あかねは慌てて袖で涙を拭い、顔を上げた。しかし、赤く腫れた目元と、小刻みに震える指先は隠しようもなかった。
「あかねちゃん、やっぱり無理してたでしょ? 最近、元気ないからみんなで心配してたんだよ」
ゆきが心配そうに顔を曇らせ、あかねの隣にしゃがみ込む。MEMちょも「そうだよー、辛いことがあったら何でも言ってね?」と優しい声をかける。
だが、今のあかねにとって、その純粋な同情と心配の視線すらも、自分を責め立てる「刃」のように感じられてしまった。
(みんなはあんなに上手くやれているのに……。優しくされればされるほど、自分がどれだけ無能か突きつけられているみたいで、苦しい……)
「ううん、大丈夫だよ。ちょっと、寝不足なだけだから……。みんな、心配してくれてありがとう」
あかねは引きつった笑みを浮かべ、当たり障りのない返事でその場をやり過ごそうとした。自分の殻に閉じこもり、他者からの救いの手を拒絶してしまうのは、彼女の悪い癖だった。
その時、静まり返った控室に、あかねのスマートフォンの電子音がけたたましく鳴り響いた。
画面に表示された名前は――〝日野ハルト〟。
「あっ……」
あかねは息を呑んだ。共演者たちの目が一斉に彼女の手元に集まる。特にアクアの瞳が、その名を見た瞬間に僅かに細められたのを、あかねは気づかなかった。
みんなが見ている前で、こんなボロボロの状態で電話に出るべきではない。そう思った。けれど、心の底から、一番欲していた人物の名前を目にした瞬間、あかねの理性を寂しさが上回った。ハルトの声が聴きたい。その抑えきれない衝動に駆られ、あかねは震える指で通話ボタンを押し、耳に当てた。
『――よう、あかね、元気にしてたか』
スピーカーからは、少し雑音混じりの、けれど聞き慣れたハルトの低く落ち着いた声が聞こえてきた。背景からは、車の走行音や人々の行き交う雑踏の音が漏れ聞こえる。外からかけているようだった。
「う、うん……ハルトくん。私は……元気だよ?」
涙を堪え、できる限り普段通りの声を絞り出そうとする。だが、何年もの間、彼女のすぐ隣でその声を聞き続けてきたハルトを騙せるはずがなかった。
『……まあ、元気じゃねーか。『今ガチ』の収録、もう終わったんだろ? 今から迎えに行くから、建物の外で待っとけ』
「え……? 迎えにって……どうして、今日の収録時間とか、撮影場所のこと知ってるの?」
あかねは驚きで目を丸くした。撮影スケジュールや場所は、出演者と関係者以外には秘匿されているはずだった。
『お前んとこの事務所には、事前に根回ししてっからな。「黒川あかねの役者生命の危機だ」って言ったら、あの冷徹な社長もマネージャーも、喜んでスケジュールを教えてくれたよ。ったく、あいつらも人使いが荒いぜ』
ハルトの言葉は、呆れたようなトーンだったが、その裏にはあかねの状況を正確に把握し、迅速に行動を起こした彼なりの怒りと、深い保護欲が滲んでいた。
「でも……」
あかねはチラリと周囲を見回した。控室にいるゆきやMEMちょの視線は、心配から明確な好奇のそれへと変わっている。アクアにいたっては、ハルトの来訪を確信し、その表情に微かな緊張感を宿らせていた。
「今、共演してるみんながいて……」
『ん? なんか問題あんの? これから全員で遊びに行くとか、そういう予定でもあるのか?』
「そ、そういうわけじゃないけど……」
『ならいいだろ。あと十分くらいしたらそっち着くから。じゃあな!』
「あっ、ちょっ、ちょっと待って、ハルトくん――!」
あかねの制止も虚しく、ツーツーと無機質な切断音が響く。スマートフォンを握りしめたまま呆然とするあかねに、MEMちょがニヤニヤとした笑みを浮かべながら近づいてきた。
「ねえねえ、あかねちゃん! 今の声って、もしかしてあのHARUくん!? 今からここに来るの!?」
「え、ええと、その……」
ゆきも目を輝かせている。「噂の幼馴染くんだ!」と、スタジオの空気は一一気に色めき立った。断る間もなく、あかねは共演者たちに促されるようにして、建物の正面玄関へと移動することになってしまった。
☆ ★ ☆
夜の帳が下りたスタジオの正面玄関前。街灯の放つ淡い光が、アスファルトを白く照らしている。
玄関口には、すっかり居心地の悪そうに縮こまっているあかねと、そんな彼女を取り囲む野次馬の面々がいた。ゆき、MEMちょ、アクアだけでなく、どこからかあの『HARU』が来ると聞きつけた男子メンバーの熊野ノブユキと森本ケンゴの二人までが合流し、にぎやかな一団を形成していた。
「マジで来んのかな、HARU。俺、あいつのパルクール動画めちゃくちゃ観てるんだよね」
「登録者数ミリオンのトップクリエイターだしな、どんな奴か生で見てみたいわ」
男子二人が興奮気味に話す中、あかねはただ、早くこの場から消え去りたい一心で下を向いていた。
その時、夜の静寂を切り裂くように、重厚で爆発的なエキゾーストノートが遠くから響いてきた。
バリバリと空気を震わせながら、鋭い二条のヘッドライトの光がこちらへ近づいてくる。街灯の光の下に現れたのは、鮮烈なオレンジ色のカラーリングが施された、超一流海外メーカーのスーパースポーツバイクだった。車体の鋭利なフォルムは、まるで獲物を狙う野獣のような獰猛な美しさを放っている。
バイクは滑らかなブレーキングで、あかねたちの目の前にピタリと停車した。
乗り手は、アッシュグレーのウルフカットをヘルメットから覗かせたハルトだった。彼はバイクのスタンドを立てると、ヘルメットのシールドを跳ね上げ、山吹色のような瞳を周囲に向けた。
「……おいおい、あかねだけかと思ったら、随分とにぎやかなお出迎えだな」
ハルトは、今をときめくインフルエンサーやモデルたちに囲まれても、全く気後れする様子を見せなかった。それどころか、バイクに跨ったままの彼の姿からは、スタジオにいる誰をも圧倒するような、別格のカリスマ性とオーラが放たれていた。
ハルトの視線が、あかねの顔で止まる。
(……あかねの奴、目が真っ赤じゃねえか。相当泣き腫らしやがったな)
ハルトの瞳の奥に、一瞬だけ鋭い怒りの火が灯った。だが、彼はそれを瞬時にビジネス用の笑みで隠し、周囲の共演者たちに軽く手を挙げた。
「どうも、初めまして。『今ガチ』メンバーの皆さん。日野ハルトです。いつもウチのあかねがお世話になってます」
「す、すげえ……本物のHARUだ……」
「バイク、めちゃくちゃカッコいい……!」
ノブユキたちが圧倒されている中、ハルトの視線は、一人の金髪の少年に止まった。
星野アクア。
アクアは、ハルトの山吹色の瞳を、じっと見つめ返していた。二人の天才が、夜の空気の中で静かに視線を交錯させる。アクアの瞳の奥にある探るような執念を、ハルトはその卓越した頭脳で瞬時に察知した。
(こいつ……星野アクア。ただの共演者じゃねえな。俺を見てる目が、完全に何かを値踏みしてやがる)
ニアミス。二人の間には、まだ言葉にされない巨大な伏線が横たわっていたが、今はそれを突き詰める時ではない。ハルトはすぐに視線をあかねへと戻した。
「ハ、ハルトくん、早く行こう……! みんな、お騒がせしてごめんなさい!」
あかねは気恥ずかしさと、周囲の好奇の視線から逃れるように、ハルトの腰のあたりをツンツンと突いて急かした。
「そうだな。じゃあ、皆さん、あかねを借ります。お疲れ様でした!」
ハルトは車体にくくりつけていた二人乗り用のヘルメットを外し、あかねの頭にすっぽりと被せた。そして、彼女の手を引いて後ろのシートへと乗せる。
「しっかり掴まってろよ」
「うん……!」
あかねがハルトの引き締まった背中に腕を回し、ぎゅっとしがみつく。
ハルトがアクセルを大きく開けると、オレンジ色のモンスターマシンは咆哮を上げ、夜の闇へと滑り出した。残された共演者たちの目には、傷ついた少女を連れ去るハルトの姿が、まるで現代の白馬の王子様そのものであるかのように焼き付いていた。アクアだけが、去り行くバイクのテールランプを、冷徹な目で見送り続けていた。
アクアは視線を切り、超有名YouTuberの登場に湧く共演者に向かい合った。
「なあ、みんな、ちょっと提案があるんだ」
☆ ★ ☆
都会の夜景が、高速で後ろへと流れていく。
高層ビルの窓から漏れる無数の光が、まるで光の帯となって二人の視界を通り過ぎていった。ヘルメット越しに聞こえる激しい風切り音と、バイクの重低音。ハルトの背中から伝わる確かな体温と、あかねのクリスマスの時に贈ったマフラーの感触が、彼女の張り詰めていた心を少しずつ溶かしていく。
赤信号でバイクが停止した。ハルトはインカムのスイッチを入れ、静かに口を開いた。
『……あかね』
「うん?」
『悪かった』
ハルトの声は、これまでに聞いたことがないほど、後悔としこりに満ちていた。
『俺のせいだ。俺がリスクをわかっていながらあの番組に出るべきだなんて押し付けたから、お前をこんなに傷つけることになった。お前がネットで叩かれてるのも、元はと言えば俺のクリスマス配信のせいだ。……俺が、お前をあの番組に縛り付けちまった』
ハルトはハンドルを握る手に力を込めた。自分の合理主義とビジネス脳が、最も大切にすべき幼馴染の心を壊しかけていた。その事実が、彼のプライドを激しく傷つけていた。
「う、ううん! 違うよ、ハルトくん!」
あかねはヘルメットをハルトの背中に押し付けるようにして、必死に声を返した。
「ハルトくんは悪くない! 私が……私が不甲斐ないから、上手く立ち回れないのが悪いんだよ。ハルトくんは、私のことを考えてアドバイスしてくれたのに、私が……役者として未熟だから……」
『未熟なわけねえだろ。お前の演技の凄さは、俺が一番よく知ってる』
ハルトは短いため息をこぼした。
『あかね。もういい、あの番組は降板しろ。お前の事務所の社長には、俺から話をつけてやる。〝ソレイユ〟の楽曲提供を条件にでもすれば、あの冷徹な奴なら喜んで違約金なんて踏み倒して降板手続きをとる。お前がそんなに苦しむくらいなら、あんな番組、今すぐ辞めちまえ』
ハルトの言葉は、彼なりの最大限の優しさだった。自分の持てるすべてのカードを使ってでも、彼女を救い出そうという一途な過保護さ。
だが、その言葉が、黒川あかねの芯にある「役者としてのプライド」に火をつけた。
「……嫌」
『あかね?』
「嫌だよ、ハルトくん。ここで逃げたら……私、一生自分を許せなくなる。ここで負けて降板したら、私は本当にネットの言う通りの無能な売名女になっちゃう。そんなの、絶対に嫌。ここで逃げたら、私はもう……役者を続けられなくなっちゃうよ!」
あかねの声には、先ほどまでの弱気さは微塵もなかった。劇団ララライの天才役者としての、そして日野ハルトにその才能を認められた一人の表現者としての、強烈な負けず嫌いが頭をもたげていた。
インカムから聞こえるあかねの毅然とした拒絶に、ハルトは一瞬、目を見開いた。
そして、ふっと、彼の唇が不敵な弧を描いた。
『……そうか。お前がそう言うなら、付き合うしかないな』
「え?」
『あかね、当初はお前の家まで送り届けるつもりだったが、予定変更だ』
信号が青に変わる。ハルトはアクセルを一気に捻り、バイクの進路を、自身のスタジオ兼自宅がある方向へと急激に変えた。車体が大きく傾き、あかねは思わずハルトの身体をさらに強く抱きしめた。
「ハルトくん!? どうしたの?」
驚き、問いかけるあかねに対し、ハルトはバックミラー越しに、山吹色の瞳を悪戯っぽく輝かせてニヤリと笑った。
『逃げないって決めたなら、話は早い。正面からまともに戦う必要なんてねえんだよ。あかね、これから俺の家で特訓だ』
ハルトの声には、いつものトップクリエイターとしての、太陽のような絶対的なカリスマ性が戻っていた。
『大人の事情だの、現場の空気だの、ネットの誹謗中傷だの……そんな安っぽいノイズ、俺たちの知能で上書きしてやる。――あの恋愛リアリティショーを、二人でハックするんだよ』
その力強い言葉を聞いた瞬間、あかねの胸の奥の霧は、完全に晴れ渡っていた。この少年と一緒なら、どんな泥沼からでも世界をひっくり返せる。あかねはハルトの背中で、静かに、しかし確かな闘志を燃やしながら微笑むのだった。
自分だけ(生成AIに原文投げてるだけだけど)で書いてるとストーリーの粗とかわからんものよね。着地点が決まってると余計に。
という言い訳。
最新話の更新時間は何時がいいですか?参考までに。
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