ハイスクールD×D ハートのA《セイブ・ザ・クイーン》 作:天神神楽
はくのんとか羊飼いとかも進めていくのでお許しを。
私はFF9のベアトリクス様が好き。
「シスターグリゼルダ。お庭のお掃除、終わりました」
とある国にひっそりと建つ教会の庭に、一人の少年がいた。外見はとても可愛らしく、少し見ただけでは少女とも見間違えてしまうほどの美貌である。
そんな少年に声をかけられた女性――グリゼルダは、その少年の元に行く。
「御苦労様です、ヴィーラ。あら、とても綺麗にしてくれたのね。では休憩にして、おやつにいたしましょうか」
「おやつ? それなら僕も手伝いたい」
少年――ヴィーラ・ユリアは無表情でありつつも、どこか嬉しそうにグリゼルダの後を着いていく。
「ヴィーラのお菓子もいいけれど、今日のは私が作ったものよ。代わりに今日の御夕飯は一緒に作りましょうね」
「うん。グリゼルダと一緒にご飯作るの好き」
ヴィーラの可愛らしい仕草と台詞に、グリゼルダはとりあえず苦笑いをして誤魔化すことにした。
おやつも食べ終わり、ぽっかりと空いた自由時間。先ほど食べたばかりだったが、ヴィーラは暇だったので、簡単なクッキーを作り、いくつかを包んで、こっそり教会を出た。
ヴィーラがやってきた場所は、とある丘の上。綺麗な景色なのに、不思議と誰もいないこの場所が、ヴィーラのひそかなお気に入りスポットであった。
ヴィーラはこの場所に到着すると、決まって歌を歌う。教会で習う歌や、どこかで聞いた歌のメロディーを口ずさんだりと様々だったが、その声は美しく響き、遠くにまで響き渡っていた。
一通り歌い終えると、ヴィーラはいつものように持ってきたお菓子を食べようとする。後ろを振り返ると、そこには一人の女性が立っていた。
その女性は閉じていた目をゆっくりと開くと、ニッコリとヴィーラに微笑みかけた。その笑みは美しく、この世のものとは思えないほどに芸術的な美しさであった。ヴィーラのお気に入りのこの景色でさえ、色あせてしまうと錯覚しそうになるほど、この女性は美しかったのである。
「どなた?」
ヴィーラは、そんな女性に対して、いつも通りの無表情に、少し高鳴った声を出した。
「ごめんなさい、あなたの声に聞き入ってしまいました。お邪魔してはいけないと思い、声はかけなかったのですけど……」
「そっか。僕の歌、気にいってくれた?」
その女性からは邪悪な感情を少しも感じられず、見知らぬ彼女に何となく好感を抱いたヴィーラは、自分の歌の出来を彼女に尋ねた。
その女性は、ヴィーラの言葉に、再び笑みを浮かべて頷く。
「はい。まさしくあなたの歌声は天上の音楽ともいえる美しさです。このような祈りを直接聞けて、とても幸せです」
女性はうっとりとしながら、ヴィーラの歌の感想を口にする。そんな彼女に、ヴィーラは自分のクッキーを手渡した。
「僕の歌をいっぱい褒めてくれたお礼。一緒に食べよ?」
はじめはポカンとしていた女性は、すぐに満面の笑みを浮かべると、一番綺麗な景色が見える場所に座った。
この日は気候も穏やかですがすがしく、外でぼんやりするには最高のシチュエーションだった。
「あら、とても美味しい。これはあなたが作ったの?」
「うん。僕、料理とか得意なの。えーと……」
ヴィーラは女性の名を呼ぼうとしたが、聴いていないことに気が付く。
「あ、自己紹介がまだだったわね。私は……、ガブリエル。ガブリーと呼んでください」
その女性――ガブリエルは、そういうと、次のクッキーに手を出すのであった。
その後も二人は他愛のない話で盛り上がり、気が付けば日も暮れかけ、うっすらと空も紅くなっていた。
「あら、楽しい時間はすぐに過ぎてしまいますね。教会まで送りましょう」
「うん。じゃあ、一緒に行こ」
そういうとヴィーラはガブリエルの手を握ると、教会の方へと進んだ。
とはいえ、暗くなってきたとは言っても、それほど遠いわけでもなく、ヴィーラが自分の料理のレパートリーについて話している内に、到着してしまった。そこには、心配して表で待っていたグリゼルダもおり、ヴィーラの姿を見つけると、すぐに駆け寄ってきた。そのとき、隣の女性の姿に内心驚愕していたのだが、表に出さぬよう細心の注意を払って。
「ヴィ、ヴィーラ。こんなに遅くまで遊んでいてはダメでしょう?」
「ゴメンなさい。つい楽しくて」
少ししょぼんとした顔で頭を下げるヴィーラ。そんな可愛らしい姿に、グリゼルダは苦笑しながらヴィーラの頭を撫でた。
「反省をしているのでしたらいいです。ほら、姉たちのお手伝いをしなさい。今日はポトフよ。一応、あの子たちを見ていてちょうだい」
ヴィーラはうん、と少々勢いよく頷くと、気持ち駆け足で教会の中に入って行った。
その場に残ったグリゼルダは、ヴィーラと一緒にやってきたガブリエルを見ると、心底疲れたようにため息をついた。
「ガブリエル様……ミカエル様が心配しておられます。今すぐセラフへとお戻りください」
「あらあら、うふふ。ごめんなさい、グリゼルダ。でも、あの子、本当に綺麗な子ね。あんなに綺麗な子は始めて見たわ」
グリゼルダは、謝りつつもガブリエルの視線は自分ではなく、教会内のヴィーラに向いていることに気付いていた。
「あなたが個人に興味を持つなんて珍し……まさか」
途中までいって、ガブリエルの笑みがいつもよりも輝いていることに気が付く。
「あの子、私のA(エース)にしたいわ」
その言葉を聞いたグリゼルダは絶句した。自身もガブリエルのQである。だが、だからと言ってヴィーラが御使いになるとは思ってもいなかったのである。
「ねぇグリゼルダ。私のお願い、叶えてくれるかしら?」
「……それは私が決めることではありません。あの子に直接お告げください」
一緒に生きていきたいという思い。こちら側に連れ込みたくないという思い。
様々な思いが渦巻く中、グリゼルダはヴィーラの意志に任せることにした。
「でも、あの子が嫌だといったならば、決して無理強いはしないでください」
「もちろんですよ。でもね、グリゼルダ」
そう一言置いて言葉を続ける。
「あの子からは何か特別なものを感じるわ。それがどう作用するかは分かりませんが、あの子は必ず世界の中心になる。だから、せめて私の元で働いてほしいの」
ガブリエルのその言葉は、図らずも現実となるのだが、今このときは誰も知る由もなかった。
この日ヴィーラは、とある国の教会に来ていた。出張に来ているグリゼルダのお付きである。とはいえど、ヴィーラは一人で外に出て犬と一緒に遊んでいた。
「わふ、わふ」
犬の鳴き声を真似しながら、じゃれついてくる犬の身体を撫でていると、教会の裏から一人の少女がヴィーラのことを見ていることに気が付いた。
「なに?」
「あ、ご、ごめんなさい! その、気になってしまって」
その少女は隠れるのを止め、ヴィーラの隣に座った。
「あなたは?」
「あ、私はアーシアであす。この教会でシスターをしています」
「僕はヴィーラ。グリゼルダのお供。よろしくね、アーシア」
挨拶を終えた二人は、犬と一緒に遊んでいた。いつの間にか、他の動物たちが集まってきて、大所帯になっていた。
すると、
突然、その動物たちがうなり声を上げた。何事かと周りを見ると何ものかが傷だらけで倒れ込んでいた。アーシアは慌てて駆け寄ったが、ヴィーラは虚空から聖剣を取り出してその「悪魔」に突きつけた。
「ヴィーラさん!? 何を!」
「アーシアは下がって。こいつは悪魔」
ヴィーラの言うとおり、倒れている存在は人間ではなく〈悪魔〉であった。アーシアはその真実に驚いたようで動きが止まったが、何かを決心したかのようにヴィーラの前に立ちはだかった。
「それでも……それでも私は目の前の傷付いた方を放っておくことなんて出来ません!」
「それが、アーシアにとっての悲劇の始まりだとしても?」
そう問いかけるヴィーラの表情は無表情である。それに震えつつも、アーシアは毅然とした態度で答える。
「はい。私は、私に嘘をつきたくありません!」
「それは怖くない?」
「怖いです……でも、それよりも怖いものがあるんです!」
しばしの沈黙。すると、ヴィーラは聖剣を下ろし、悪魔への道をあけた。
「それなら、僕から言うことはないよ。アーシアの心のままに」
「あ、ありがとうございます!」
アーシアは急いで悪魔の治療を始める。アーシアの神器の能力はすさまじく、悪魔の傷も瞬く間に治療する。
治療された悪魔はアーシアに声をかけようとするが、今度は本気のヴィーラが立ちふさがる。
「疾く去れ。展開の領域に貴様がいること自体、協約に反することだ。我らの仲間に声をかけること、許さない。返事することなく去るのであれば、アーシアの覚悟に免じて命は見逃そう」
ヴィーラの聖輝の強大さに、その悪魔は悔しそうにしながら転移した。
二人だけが残り、ヴィーラとアーシアの間に沈黙が走る。ヴィーラが聖剣を消してアーシアに近づくと、アーシアはビクリと方をゆらす。
そんなアーシアとは裏腹に、ヴィーラはアーシアの頭に手を置く。
「大丈夫? 随分力を使ったみたいだけど、疲れてない?」
やさしくされたことに目を丸くするアーシア。
「ヴィーラさんは私のことが怖くないんですか?」
「怖くなんかないよ。アーシアは自分のやりたいことをしただけなんだから」
「でも、私、主から頂いた力を悪魔に対して使ってしまって」
「それが神器に込められた力なら、アーシアが責任を感じる必要はないよ」
ヴィーラの笑みを見たアーシアは、緊張の糸が切れたのか、ヴィーラの胸の中で泣き出してしまった。そんなアーシアのことをヴィーラは優しく抱きしめる。
そんな暖かな空気の外。教会の裏から一人の神父が、そんな二人のことを覗いていた。
「い、いまのは……」
すぐ後に訪れる残酷な運命。それを知らないアーシアは、しばしの安息を享受していた。
「聖女、いや魔女アーシアよ! 貴様は追放だ!」
泣き止み、落ち着いたアーシアが教会に入ると、投げかけられた言葉は罵声であった。
それに気付いていたヴィーラは、アーシアの隣に立っていた。
「主から賜った大切な神器を、悪魔に使うなど、異端者である証である! ゆえに魔女アーシア! 貴様の教会の出入りを禁ずる! 今日中に出て行き……」
「それは主の意志か?」
出て行けという神父の言葉を遮り、ヴィーラが神父に尋ねる。これにはグリゼルダも驚いている。
「な、なにを」
「その言葉は、主の、いや、ミカエル様やガブリエル様の意志なのか、ということです」
「そ、それは、主に仕える者として当然のことを」
「その、貴方が自分の意志で、主に仕えるシスターを勝手に追放することが許されると?」
狼狽する神父に対して、ヴィーラはあくまで冷静に問いかけていた。
「そ、それは……」
言いよどむ神父に対し、グリゼルダが前に出る。
「ヴィーラ、無理をいうものではありません。しかし、神父様。貴方がここで明確な答えを出すこともまた酷なこと。そこでどうでしょうか。彼女、アーシアのことは私どもに任せていただけないでしょうか?」
どう答えても不味い状態にある神父に対して、妥協を図るグリゼルダ。神父としてもこれは救いということで、その提案に乗ることとなった。
「シスターアーシア。勝手に決めてしまい申しわけありませんが、私たちについてきてもらいます。今からとなりますので、急いで荷物をまとめて下さい。ヴィーラ、手伝ってあげて」
「うん。アーシア、いこ」
「は、はい!」
アーシアは突然のことに慌てつつも、神父に向けて一礼してヴィーラとともに奥にある自室に向かった。
残されたグリゼルダと神父。
「よいのですか、シスターグリゼルダ」
「えぇ。これは非常に難しい問題です。貴方が下した決断は、間違いではありません。しかし、最善でないことも確か。あとのことはお任せ下さい」
グリゼルダは神父に頭を下げると、教会の外に出た。
一方アーシアの部屋に訪れたヴィーラは、アーシアと一緒に部屋の整理をしていた。衣服の類いはアーシアがやっていたが、その他の細々としたものを片付けていた。
「アーシア、これは?」
ヴィーラが聞いたのはお菓子の缶。中には何かが入っている。
「あ、それは。はい、持っていきます」
「わかった」
言われた通りに、荷物をバッグに詰めていく。荷物は少なく、鞄2つ程度。それを持って外に出ると、グリゼルダだけが待っていた。
「終わりましたか?」
「は、はい」
「では行きましょうか。ヴィーラ、荷物を持ってあげなさい」
「うん。じゃ、行こっか」
そうして、アーシアと共に、ヴィーラは自分の教会に戻ることになったのであった。
久しぶりにシンデレラガールズ再開した。
Sレア+勢可愛い。クールよデレろ。アニ凛ちゃんSレア+はよ。
ハイスクールD×Dではシークヴァイラさんとかソーナ会長が好き。彼女たちはクールに違いない。