外スラを空振り続ける5番バッター   作:フランスパン

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同窓会~初めてのサイン

 シーズンオフの最中、哲人は地元の飲食店に訪れていた。

 ここ最近はテレビに出る機会もあり、忙しい日々を過ごしていたが、この日を楽しみに過ごしてきた。

 

 今日は、高校を卒業してから一度集まれていなかった野球部のメンバーが皆揃う日なのだ。

 

 

 

「テツ! もうみんな来てるぞ!」

 

「え、結構早めに出たつもりなんだけど……」

 

「予約の三時間くらい前からその辺のカラオケとかで集まってた奴らもいるからな」

 

 

 

 どうやら早めについていたらしい安堂に急かされ、哲人は店の中へ入る。

 

 今日は貸切。

 店主も顔見知りの地域のおじさんであるため、いくらでも騒ぐことも出来る。

 

 ただ、まだ20歳に満たない人間もいるということで、誰にも酒は入っていない。

 それもあるのか、何人か盛り上がっている者はいたものの、そこまでうるさくはなかった。

 

 

 

「おお、哲人! 見てたぞオールスター!」

 

「まさか俺のカスみたいな外スラにすら空振ってたお前があんな活躍するなんてなぁ……」

 

「今も打ててないけどね」

 

 

 

 店に入った哲人は、懐かしい顔ぶれから次々に声をかけられる。

 

 当時の四番で、現在は大学野球からプロを狙っている山口。

 背番号10をつけ、地方大会ではエース安堂よりも投げていた関原。

 

 その誰もが二年前の夏、甲子園を共に戦った仲間であり、哲人は久しぶりの再会を喜んだ。

 

 哲人が活躍した時はメッセージでお祝いを送ってくれるとはいえ、やはり対面で祝われる嬉しさには叶わない。

 

 オールスターでのホームランをかつての仲間達からベタ褒めされた哲人は、すっかり上機嫌になっていた。

 

 なおその間、安堂も褒め待ちをしていたものの、哲人が来る前に散々褒められたのか、「お前はもういいだろ」と冷たい対応をされていた。

 

 

 

「やっぱあの時の安堂は覚醒してたよな」

 

「ずっと三振に打ち取ってたこの6番とかさ、こいつ今大学野球で無双してるんだぜ?」

 

「でも今の安堂はこいつ以上の打者といつも戦ってるんだよなぁ、すげえよ」

 

「俺さ、安堂が打たれて俺がマウンドに上がることになったらどうしよう、ってずっと考えてたわ」

 

 

 

 それから、せっかく甲子園野球部の皆で集まったということで。

 彼らの青春の集大成といえる甲子園について語らないでいられないはずがない。

 

 当時のことを思い出しながら、今だに忘れられない好プレーをいくつも振り返る。

 

 それは、安堂と哲人だけではない。

 スタメンで出ていた他の7人から代打や継投で出ることもあったベンチメンバーまで。

 

 誰か一人でも欠けていたら、甲子園ベスト4には決して辿りつけなかったと確信できるほどに、彼らは全員で戦っていたからだ。

 

 

 

「ベスト4決めたあのサヨナラとか、よく外角に手出そうと思ったよな」

 

「外に逃げて詰まりでもしたら一気に流れ持っていかれてたぞ」

 

「……結果オーライだから別に良くない?」

 

「お前それあの時も言ってただろ」

 

 

 

 もちろん、哲人が準々決勝で打ったサヨナラタイムリーも触れられ、いじり倒される哲人。

 

 千葉でチャンスをモノにした時は真っ直ぐ褒められるというのに、それに対してこの空気感は流石高校生活を共にした仲間というべきか。

 

 もう何年も味わっていない久しぶりの部活の雰囲気が、哲人にとっては嬉しくてたまらない。

 

 

 

 昼過ぎから始まった彼らの同窓会は、空が赤く染まりはじめ、ついに日が完全に沈んでもまだ続く。

 

 気づけば、時計の針は十二時を差していて、いつの間にか日付を跨いてしまっている。

 思わず時間を忘れてしまうほどに、この集まりがあまりにも楽しかったのだ。

 

 そして、日付が変わったということで、予定がある者達が段々と帰っていく。

 

 哲人も予定こそなかったが、便乗してこの辺で帰ることにした。

 このままだと一部メンバーの勢いに呑まれて朝まで馬鹿騒ぎを続けそうだったのだ。

 

 それでは未来が心配してしまうと、まだ話し足りなくはあるが、哲人はここで退散する。

 

 来年か再来年かにはどうせまた会えるのだ。

 今も大事であることには間違いないが、固執する必要はない。

 

 

 

 なお、それから全速力で家に帰った哲人だったが、家には哲人の帰りを待ち続け、起きていた未来がいて。

 

「おそい」と頬を膨らまされながら怒られてしまう。

 

 それ以降、哲人の門限は少しだけ厳しくなるのだった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 また、同窓会があった日とは別の日のこと。

 未来の誕生日が近づき、哲人は近所のショッピングモールにプレゼントを買いに来ていた。

 

 子供の頃からの付き合いである哲人は、彼女が何をあげても喜んでくれると分かっている。

 

 けれど、どうせなら何か未来にピッタリなものをプレゼントしたい。

 そう思って、何か良さそうなものはないかと行ったり来たり。

 

 なるべくなら消耗品じゃなくて形に残るものがいいな、と雑貨店を中心に回ってみたは良いが、なかなか良さそうな品物は見つからない。

 

 

 

 そして、小一時間が経ち、また日を改めて、未来の欲しいものをリサーチしてから来よう、と。

 哲人が帰り道へ向かおうとしたその瞬間。

 

 突然、目の前の子供が哲人を指差し大声をあげた。

 

 

 

「重根だ! ママ! 重根選手だよ!」

 

「……あー、そういうことか」

 

 

 

 親戚のちびっ子でもいたかと身構えた哲人は、少年が千葉のキャップを被っているのを見て状況を理解する。

 

 どうやら目の前の少年は野球少年で、贔屓の球団に所属する哲人のことを知っているらしい。

 

 しかし、哲人が街中で声をかけられたのはこれが初めて。

 ファンサービスでもした方がいいのかと、少し戸惑ってしまった。

 

 

 

「こら、やめなさい。困ってるでしょ」

 

「あ、いえいえ。外で声をかけられるっていう経験が初めてでびっくりしただけです」

 

 

 

 すると、哲人が迷惑がっていると思ったのか、子供の母親が近づいてきて子供を制そうとする。

 

 けれど、別に迷惑でも急いでいる訳でもなかったので、そこは大丈夫だと伝えておく。

 驚きこそはしたが、自分を知っている少年がいるというのは、それだけで嬉しかったのだ。

 

 

 

「ほら、大丈夫じゃん!」

 

「もう……すみません、わざわざ」

 

 

 

 暴走気味の子供を宥めようとする母親の目からもかつての自分を思い出し、はにかむ哲人。

 

 野球少年だったころの哲人も何回か同じようなことをやって、断られてしまったこともあった。

 それが今ではサインをねだられる野球選手側。

 

 時が経つのは早いなぁとしみじみ思うのだった。

 

 

 

「サインください!」

 

 

 

 そして、子供からサインをねだられた哲人だったが、ここで一つ困ったことがある。

 サインこそ作ってあるのだが、いざそれを書いた経験がほとんどないのだ。

 

 当然練習なんかしているはずもなく、そもそもサイン自体がかなりうろ覚え。

 

 下手でも良いなら、と謎の前置きで断りを入れてから、渡されたペンで帽子をサインを書いたのだが……。

 

 

 

「ちょっと下手じゃない?」

 

「こ、こらっ! 本当にすみません、うちの子が……」

 

「いやぁ、ぐうの音も出ませんね」

 

 

 

 少し不格好になってしまった哲人のサインは、お世辞を知らぬ子供に正論で刺されてしまった。

 

 頭に血が上ってもおかしくなかったが、事実ではあるので哲人は苦笑いをするしかない。

 

 けれど、コケにされたままなのは流石に我慢ならなかった哲人は。

 

 

 

「キャンプか試合かに来てくれたら今度はもっと綺麗なサインあげるから、遠いかもしれないけど来てね」

 

「ほんとー?」

 

「ほんとほんと」

 

 

 

 次はもっと良いサインをすると約束をして、最後まで愛想よく子供の対応をするのだった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

【ぐう聖】テットのファンサが神すぎるwww

 

1:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

買い物をしてる時にファンの少年に出会う

サインを書くも下手すぎてそれを指摘され、次書く時までには上手くなると約束しお別れ

キャンプに同じ少年が来る

忘れてなかったテットはバージョンアップしたサイン入りユニを少年に渡す

少年「めっちゃカッコいいサインになってた」

 

13:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

これはぐう聖

 

24:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

1回目ようキレんかったな

 

32:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>24

子供じゃなかったらぶん殴ってる自信ある

 

43:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

野球選手の鏡やね

 

55:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

これでまだ今シーズン高卒3年目なんだぜ…?

 

58:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットはヤジに反応返してくれるんだよな

俺だけはあいつの良さに気づいてた

 

71:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>58

後方腕組み彼氏面やめろ

 

75:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

プライベートなのにサイン書いてくれる←おお

それに文句を言われても怒らない←おお

お詫びとしてサイン入りユニをくれる←こまったちょっとかてない

 

79:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>75

テットが愛される理由の8割くらいがここに詰まってる

 

94:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

千葉とかいう暗黒球団に置いておくにはあまりにももったい無い存在

 

101:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

はやく正妻の安堂のところに行けばいいのに

 

102:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>79

ちなみに残り2割は?

 

109:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>79

外スラと顔面の良さ

 

122:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

 

123:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

ぶっちゃけあんなイケメンが外スラ大振りしてるのはダサくて好き

 

124:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

お前らひどいな

 

137:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

頼むからずっと千葉にいてほしいわ

 

148:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

??「新しい風を吹かせられる選手が必要」

 

163:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>148

つまり選手が長年球団にいるのはよくないってコト!?

 

165:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

長浜「やあ」

 

178:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>165

チームの足しか引っ張れない無能

 

180:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>165

お前はマジで早くやめろ

 

189:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

10年以上も残ってくれてる選手に当たり強くて草

 

194:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

だってあのおじさん全盛期とっくに過ぎ去ってるから…

 

202:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

あのおじさんに全盛期とかあるんか?

 

205:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

ぐう聖テットの話のはずがぐう畜の話題に変わってるやん

 

220:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

あのおじさんの話はやめておけ

 

231:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

今年はぐう聖テットと打ち消しあってプラマイゼロかな

236:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>231

プラスにならんと意味ないのよ

 

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