外スラを空振り続ける5番バッター   作:フランスパン

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不調〜新人ドレイン

 キャンプから好調を続けた哲人は、オープン戦でもホームランを打ったりと前年の勢いを見事に引き継いだ。

 

 その結果、哲人は見事2年連続の開幕一軍スタートに勝ちとり、開幕戦のスタメンとして臨むこととなった。

 

 久しぶりの公式戦ということもあり、流石の哲人も珍しく緊張しながら試合が始まるのを待っていた。

 

 すると、そんな哲人の元に一人のベテラン選手が声をかけてくる。

 

 

 

「よお、緊張してんのか?」

 

「あ、お疲れ様です。去年はこんなに緊張しなかったんですけど……」

 

「まだ三年目だろ? そりゃ緊張もするさ」

 

 

 

 彼の名は長浜。

 細身の長身で髭を生やした、プロ野球の世界に入ってから千葉一筋のベテランだ。

 

 前年の打率はなんとか2割台に乗せたものの、リーグ最下位。

 かと言って守備が自慢かと言われても少し肩が強いだけの外野手というだけ。

 

 それでも一度くらい球団に貢献した年があれば良かったのだが……。

 悲しいかな、長浜はルーキーの頃から常にリーグでも下から数えた方が早い成績を残し続けていた。

 

 そのためファンからは、長年残ってくれるのは嬉しいがそれはそれとして早くいなくなってほしいと言われている。

 

 

 

「長浜さんが緊張してるの見たことないんですけど……」

 

「もう何回も経験してきてるからな。俺だって初めての開幕一軍とかは経験したさ」

 

「打率が1割台だったっていう年ですか?」

 

「あの年は……ギリギリ2割に乗った気がするな。1割だったのはその一年後だ」

 

 

 

 とはいえ、哲人にとって長浜は球団のことをよく知るベテランであることには変わりない。

 

 キャンプやオープン戦では結果を残すのに、何故ペナントレースが始まると打てないのか。

 そう思いながら、彼の頼りない背中をこの二年間見続けていた。

 

 成績こそ悪いものの、長浜はプライベートで哲人などの若手選手たちを食事会などに誘ってくれたりと面倒見は良い。

 

 それでも、打撃だけは何故か出来ない。

 それが、長浜という千葉でも屈指のベテラン選手だった。

 

 

 

 ここ最近の千葉は5年連続最下位ということで常にBクラス。

 当然、開幕戦を本拠地で迎えるなんてことが出来るはずもなく、今日はビジターでの試合だ。

 

 開幕戦ということもあって、今日の球場にはたくさんの野球ファンが詰めかけている。

 

 哲人はふと、これが千葉のドームでの開催だったとしたらどうなっただろうか、と考えた。

 しかしすぐに、どうせ座席はガラガラなんだろうな、と思いため息をつく。

 

 いつか本拠地で開幕戦をやってみたい。

 試合開始を前にして、そんなささやかな目標が哲人の中に生まれていた。

 

 そして、相手チームの本拠地近くを地元とするらしいアイドルの始球式が終わり、ついに哲人の三年目となるプロ野球が始まった。

 

 

 

 二回表の千葉の攻撃は四番デロスサントスが内野フライを打ち上げ1アウトランナーなし。

 その場面で哲人の一打席目がやってきた。

 

 対するのは、かつて最多奪三振を獲ったこともある好ピッチャー。

 対戦成績こそ悪くないがキレのある変化球を持ち、哲人が苦手とするピッチャーの一人だ。

 

 それでも、前年ホームランを放ったこともある哲人は1球目から手を出すが——

 そのボールは外へ逃げ、キャッチャーのミットへ吸い込まれる。

 

 続く2球目、3球目も外スラを投げられ、哲人は見事三球三振に打ち取られてしまった。

 

 

 

「重根、焦るなよ」

 

「すみません……」

 

 

 

 これには、思わず普段プレーに何も言わない監督も思わず口を出してしまう。

 

 ただえさえ貧打に悩まされているチームだというのに哲人まで簡単に打ち取られてしまうのは困るのだ。

 

 哲人自身もさすがに今のは情けなさ過ぎたと反省し、集中をし直す。

 

 だが、次の打席も一度も内角にボールが投げられることはなくフォアボール。

 ここまで外角だけを攻められた経験が少ないだけにやりにくいことこの上ない。

 

 

 

 結局、今日の哲人の打席で内角を攻めるボールが見せ球としても来ることはなく、無安打で試合を終えることとなる。

 

 なお、チームは1-9といつも通り大差で負け、今年こそはと意気込むファン達を絶望させた。

 

 一方、試合前は今年も1割台かと掲示板で馬鹿にされた長浜は珍しく3安打と今日チーム1の安打数を残していた。

 

 デロスサントスが不発だったこともあり、今日は完全に長浜の日だ。

 

 これまで野球人生を通して一度もこれといった結果を残したことのないベテランの奮起にファン達は盛り上がったとか。

 

 

 

 

 

「長浜さん絶好調でしたね」

 

「今年は任せとけよ」

 

「今日は外角しか来なくてキツかったです……」

 

「まあお前が外に逃げる球を苦手としてるのは誰でも知ってるからな」

 

 

 

 試合後、哲人はロッカールームにて長浜と今日のプレーについて振り返っていた。

 

 打撃だけではなく守備でも活躍を見せた長浜は、普段も高いテンションがいつもより高い。

 だが哲人はDHとしての役目を果たせなかったこともあって若干しょげている。

 

 基本的に笑みを崩さない哲人がここまで落ち込んでいる姿は、長浜も見たことがない。

 

 

 

「まあ、今日は飯食いに行こうぜ」

 

「……じゃあ長浜さんの奢りでお願いしますね」

 

「なんだよ、結構元気あるじゃねえか」

 

 

 

 流石に落ち込んでいる後輩をそのままにしておけなかった長浜は、哲人を元気づけようと食事へと誘う。

 

 だが、こういう場面ではしたたかな哲人。

 支払いの時に割り勘にされるのを逃れるために、しっかりと長浜の奢りにさせるのだった。

 

 

 

 そして、長浜によって焼肉屋へ連れられた哲人は肉を食べ、ご飯を食べ、とにかく食べまくる。

 

 そのあまりの食べっぷりに、おじさんの長浜は胃もたれはしないのかと不安そうだ。

 

 だが、これでも哲人は高卒三年目。

 まだまだ焼肉で音を上げるような弱い胃袋ではない。

 

 意外にも大食いな哲人がどんどんと肉を食べ進めていく様子を見て、食べ放題にしていてよかったと長浜は心底思っていた。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 そんな、長浜の奢りもあってその日は元気を取り戻した哲人だったが、打撃はそうは行かなかった。

 

 一年目、二年目ではされてこなかった、露骨な完全に外角にしか投げないという投球をされ、哲人が得意な内角には一切球がこない。

 

 フォアボールでの出塁率こそ増えたが、今までのような、哲人の持ち味である長打はすっかりなくなり、その間にフォームも崩れていく。

 

 気づいた頃には、何でもないただの外角のストレートを打ち返すことも出来なくなって。

 三振、もしくは内野ゴロという、ゲッツーまで産んでしまう存在に成り果てていた。

 

 

 

 前年あんなに成績が悪かった長浜は自身のプロ野球人生で史上初めてとなる打率を3割台に乗せたというのに。

 

 哲人は、五番バッターとしてデロスサントスが作ったチャンスを併殺で潰すという戦犯っぷり。

 

 掲示板でも哲人の打順を早く変えるべきだという意見が増えるようになり、哲人にとって苦しい時期が続く。

 

 

 

「打てよー!」

 

「かっ飛ばせー!」

 

「なんでお前が五番なんだー!」

 

 

 

 少し前までだったら笑顔で返せていたヤジにも反応を返せなくなり、まさに悪循環。

 

 プロ野球人生三年目にして、哲人はついに暗黒球団の雰囲気に飲み込まれてしまっていた。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

【絶対】テットとあのおじさんの成績【逆】

 

1:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

おかしいよ…

 

7:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットが打てない←そんな日もある

あのおじさんが3割打つ←????

 

11:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

あのおじさんホームラン打たないし逆ってことはないだろ

 

20:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

これテットあのおじさんに力吸われたか

 

27:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

そういえばあのおじさんって新人ドレインおじさんじゃん

 

30:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

まじで…

 

44:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>27

で、でもこれまでと違っておじさんの成績も上がってるから….

 

50:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

打点見ろよ打率がいいだけ

 

57:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

久しぶりに見たわドレインおじさん

 

67:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

よりにもよってテットかよ…

 

80:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

最近テットほんと笑ってないんだよな

 

89:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>80

わかるずっと辛そう

 

98:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テット「辛いです……」

 

111:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

どうすんのこれ

 

115:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

流石にテットかえてやれよ

 

125:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットの代わりになれるようなやつおる?

 

134:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

今のテットなら誰に変えてもいいよ

 

139:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

最近のテットはゲッツーマシンだからいらない

 

143:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

今年に入ってから何回デロスサントスのチャンス潰したん?

 

158:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

今のテット1割台でホームランも2本だけだろ?

流石にいらん

 

162:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットが外角苦手すぎるんよー

 

170:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットはフォームも崩れ出したしもう終わり

 

180:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

ちょっと前まで散々持ち上げてたのにお前ら酷いな

 

184:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

流石に今のテットは援護できんよ

 

187:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テットの外角苦手は今に始まったことじゃないしファームで調整してきてくれ

 

198:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

テット二軍となると誰あげるんだ?

 

210:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

>>198

監督が大好きな若手だろ

 

211:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

何人か高卒組調子良いらしいね

 

212:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

俺はホームランかっ飛ばしてるテットが見てえよ

 

223:(*^▽^*)やっと話せるんだ!

生き帰れテット

 

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