FINAL FANTASY Ⅶ Revengers 作:オレンジⅩⅢ
竜が崩れ落ちた後も、この場所を満たす気配は変わらなかった。
レッドⅩⅢの言葉が、頭の片隅に引っかかったままだった。
(――何かが、こちらを見ている、か)
義手の演算負荷を確かめながら、一同とともに白い靄の奥へと歩みを進める。
足元の結晶が、歩くたびに、微かな音を立てて軋んだ。周囲を見渡しても、変わり映えのしない、白と灰色の狭間が広がっているだけだった。
「なぁ、さっきから視線を感じるんだが」
バレットが周囲を警戒しながら、低く呟く。
「気のせいじゃない。俺も感じている」
短く応じる。誤魔化す意味は無かった。
歩みを進めるほどに、その気配は色濃くなっていく。まるで何者かが、この世界そのものを通して、こちらを観察しているかのようだった。
「ザックスの気配は、まだ感じるか」
隣を歩くエアリスに、小声で問いかける。
「うん……。でも、さっきより少し遠くなってる気がする」
その答えに、内心で僅かに眉を寄せる。焦りを表に出すつもりは無かった。だが、胸の奥に、鈍い不安が澱のように溜まっていく。
一同の足取りが、自然と速まっていく。誰も言葉にはしなかった。だが、この場所に留まり続けることへの漠然とした恐れは、皆、共通して抱えているようだった。
淡い光の空間が、不意に大きく揺らぐ。
足元の結晶が次々と砕け散っていく。まるで、この世界そのものが意志を持って拒絶しているかのようだった。
「――ッ、なんだ!?」
クラウドがバスターソードを構え直す。
視線の先、舞い散る黒い羽根とともに、銀髪の男が静かに姿を現した。
「セフィロス……!」
クラウドの声に、これまでとは明らかに違う響きが混じる。
咄嗟に義手を掲げ、みやぶるマテリアへと魔力を通す。
「――解析、開始」
蒼い光が、銀髪の男を包み込もうとする。だが次の瞬間、光は弾かれるように霧散した。仮想モニターには、意味を成さない文字列だけが、無数に流れていく。
(――読み取れない。この男だけは、規格外か)
内心で舌打ちを堪える。これまで出会った、どんな異形とも違う存在だった。
「随分と、賑やかにたどり着いたものだな」
抑揚のない声が、静かな空間に響き渡る。
「お前は……俺に何をさせたいんだ」
低い声でクラウドが問う。大剣を握る手に力が籠るのが分かった。
「決められた道の外へ踏み出そうとする者には、相応の資格が要る」
セフィロスの視線が、ゆっくりとクラウドへと向けられる。
「見せてみろ、クラウド。お前の、その足掻きを」
言い終えると同時に、男の姿が揺らめくように掻き消えた。
「――どこに!」
義手に魔力を込め、周囲を素早く見渡す。
「クラウド、下がれ!」
叫んだ直後、頭上から閃光にも似た斬撃が降り注いだ。
咄嗟にクラウドがバスターソードで受け止める。金属が軋む音が、鋭く空間に響いた。
「くっ……!」
弾かれるように後退するクラウド。追撃を防ごうと、義手を掲げる。
「演算開始――擬似バリア!」
蒼い障壁を、二人の間に展開しようとする。
だが届かなかった。
見えない壁のようなものが、身体を弾き返す。
「――ッ!」
思わず地面に膝をついた。
「ジュリアス!」
ティファの声が遠くから聞こえる。だが、駆け寄ろうとする彼女の足も、同じように目に見えない壁に阻まれていた。
「くそ……! なんで届かない……!」
バレットが銃口をセフィロスへと向ける。だが、放たれた銃弾は空を切るだけだった。
(――あの時と、同じか)
内心で苦く呟く。ザックスが靄に引きずり込まれた時と、同じ感覚だった。
(これは、クラウドとあいつだけの戦いだということか)
拳を強く握りしめる。無力さが腹の底に重く沈んでいく。
演算式を、幾つも頭の中で組み上げては、崩す。障壁を厚くしても、届かない。攻撃の軌道を変えても、届かない。あらゆる可能性を、試す前から、拒まれているような感覚だった。
(力が足りないんじゃない。届く場所に、いないだけだ)
その事実が、余計にもどかしかった。
「クラウド……!」
叫ぶことしか、できなかった。
セフィロスの刀が幾度も閃く。クラウドは、その一撃一撃を辛うじて受け流していく。
「お前は、まだ何も知らない」
刃を交わしながら、セフィロスが静かに告げる。
「己が何のために生まれたのか。何を宿しているのか」
「――知らなくても、いい」
食いしばった歯の隙間から、クラウドが絞り出すように答える。
「俺は、俺の意志で、ここに立ってる。それだけで十分だ」
「――強がりだな」
嘲るように、セフィロスの口の端が僅かに上がる。
刃が、これまでよりも遥かに速く振り下ろされた。
「――ッ!」
受け止めきれず、クラウドの身体が大きく後方へと弾き飛ばされる。
「クラウド!」
叫んだ声も虚しく響くだけだった。
その時だった。
「――邪魔するぜ、てめぇの相手は俺もだ!」
咆哮とともに、目に見えない壁をバレットの銃腕が力任せに打ち破った。
「バレット!?」
「なんでか知らねぇが、抜けたぞ!」
叫びながらバレットが、セフィロスへと銃撃を浴びせる。
「――ほう」
セフィロスの視線が僅かにバレットへと動く。だが、その隙を見逃さなかったのはクラウドだった。
「今だ!」
体勢を立て直し、バスターソードを再び構える。
(――バレットが届いた……?)
内心で素早く状況を分析する。障壁の性質が変わりつつあるのか。それとも、この場に何らかの条件があるのか。
答えを探る間もなく、ティファがこちらへと駆け出す。
「私も、行く!」
見えない壁に拳を叩きつける。一度、二度。三度目で壁が罅割れるように崩れた。
「――ッ、抜けた!」
「ティファ、無茶するな!」
叫びながらも、内心で僅かに希望が灯る。
(――この壁、絶対的なものじゃないのか)
ティファがクラウドの隣に並び立つ。二人がかりの猛攻に、セフィロスの動きが僅かに鈍る。
「私も!」
エアリスが杖を強く握りしめる。祈るように目を閉じ、その身を壁へと預けた。
淡い光が彼女を包み込む。壁が、まるで応えるように緩やかに開いていった。
「――行ける!」
跳ぶように飛び込んだエアリスが、クラウド達へと回復の光を注ぎ込む。
三人が揃った。だが、まだ足りない。
(――俺は、まだ届かないのか)
義手を掲げ、再び演算式を組み上げる。だが、目の前の壁は依然として揺るがなかった。
「私も行くぞ」
低い声とともに、レッドⅩⅢが地を蹴る。金色の瞳が壁を真っ直ぐに見据えていた。
跳躍した身体が壁へと体当たりする。一度弾かれる。それでも怯まず、二度、三度と繰り返す。
「――ぬぅっ!」
四度目で壁が砕けるように消えた。
(――クソ、なんで俺だけ)
内心で自嘲気味に呟く。だが、今はそれを悔やんでいる場合ではなかった。
四人がセフィロスを囲むように攻め立てる。バレットの銃撃、ティファの拳、エアリスの光、レッドⅩⅢの牙。それぞれが寸分の隙も与えまいと畳み掛けていく。
「――面白い」
セフィロスの声に、初めて僅かな驚きが混じった。
「だが、まだだ」
刀が一閃する。四人が同時に後方へと弾かれた。
「くっ……!」
膝をつくバレットの向こうで、セフィロスが静かにこちらを見た。
「――お前だけが、まだそこにいるな」
その視線に、思わず拳を握りしめる。
(――挑発、か)
だが、それでいい。
「ふざけるな……!」
叫びながら義手にありったけの魔力を注ぎ込む。
「演算開始――限界突破、雷神連撃!」
これまでにない密度の演算式を、無理やり組み上げる。義手の付け根に鋭い痛みが走った。だが構わなかった。
放たれた雷が、目に見えない壁へと直撃する。
閃光とともに、壁が粉々に砕け散った。
「――ッ!」
弾かれるように前へと飛び出す。
「待たせたな!」
叫びながら、クラウド達の輪に加わる。
(――全員、揃った)
内心で、そう確信する。
一人では届かなかった場所に、五人がかりでたどり着いた。皮肉なものだと、場違いな感慨が頭の片隅を過ぎる。復讐者として独りで全てを背負ってきたはずの自分が、こうして誰かの力を借りて、初めて目的に届いている。
地に片膝をつくクラウドの前に、セフィロスがゆっくりと歩み寄る。
「立て。まだ終わっていない」
低くそう告げると、セフィロスは追撃の構えを解いた。
(――待っているのか)
内心で素早く状況を読み取る。この男は、ただクラウドを痛めつけたいわけではない。何かを確かめようとしている。
クラウドが震える手で、バスターソードを地面に突き立てる。
その柄を支えに、ゆっくりと身体を起こしていく。
「――まだだ」
掠れた声で、そう呟く。
義手に鈍い痛みが走った。喪失の痛みが、まるで共鳴するかのように疼く。
(クラウド……もう、一人じゃない)
拳の中に爪が食い込む。
「立ち上がるか。悪くない」
セフィロスが静かに告げる。
「だが、それだけでは足りない」
刀が再び構えられる。
クラウドがバスターソードを引き抜く。その瞳に宿る光が、先程までとは明らかに違っていた。
「――アンジールから、ザックスへ。そして今は、俺が預かってる」
低くそう呟きながら、大剣を構え直す。
「この重さを貸してくれた奴に、無様な姿は見せられない」
「――ほう」
セフィロスの表情に、初めて僅かな変化が滲んだ。
クラウドが地を蹴る。
これまでとは違う速さだった。バスターソードが唸りを上げてセフィロスへと迫る。
「俺達も、続くぞ!」
バレットの銃撃が、側面からセフィロスを牽制する。ティファが間合いを詰め、エアリスの光が、常に四人を支え続けた。
刃と刃が幾度も交錯する。火花が宙に散った。
一撃、また一撃。重い斬撃を、セフィロスは最小限の動きでいなしていく。だが、その表情から、これまでの余裕は少しずつ薄れていった。
「――ッ!」
セフィロスの刀がクラウドの一撃を受け止めきれず、僅かに軌道を逸らされる。
その隙を逃さない。
クラウドの追撃が、セフィロスの肩口を浅く掠めた。
「――」
初めて、セフィロスの動きが止まる。
「悪くない、成長だ」
低くそう呟くと、セフィロスは静かに後方へと飛び退いた。
「見せてもらった。今は、それで十分だ」
「――待て、逃げるのか!」
追おうとするクラウドを、しかし身体が追いつかせない。膝が力なく崩れ落ちる。
「まだ、何も終わっていない。……否、始まってすらいない」
セフィロスの声が遠ざかっていく。
「運命は必ず、お前を迎えに来る。次に会う時までにな」
その姿が黒い羽根とともに、揺らめくように消えていった。
同時に、この場を包んでいた、あらゆる隔たりが、静かに、消え去っていく。
不思議な感覚だった。一人では超えられなかった壁が、仲間の意志が重なった途端、あっさりと崩れ去った。理屈では説明できない。それでも確かに、そこにあった隔たりが今は無い。
「クラウド!」
弾かれるように駆け寄る。ティファも、バレットも、エアリスも、レッドⅩⅢも同じように駆け寄ってきた。
「――大丈夫か」
膝をついたクラウドに手を差し伸べる。
「ああ…… なんとかな」
その手を掴み返し、クラウドがゆっくりと立ち上がる。
肩を大きく上下させながら、それでも、その瞳には確かな光が残っていた。
「クラウド、傷は」
ティファが、心配そうに、駆け寄る。
「平気だ。少し、削られただけだ」
強がるように、そう答えるクラウドに、エアリスが、そっと杖を向ける。淡い光が、傷を包み込んでいった。
「あいつ、最後に何て言ってた」
バレットが低く問いかける。
「運命が迎えに来る、と。詳しい意味は俺にも分からん」
短く答えながら、視線を周囲へと巡らせる。
「――エアリス、ザックスの気配は」
ふと、思い出して、問いかける。先程まで、微かに、感じ取れていたはずだった。
「――え……?」
エアリスが、目を閉じ、意識を、澄ませる。だが、その表情が、次第に、曇っていった。
「……分からない。何も、感じない」
「――何も?」
「うん……。さっきまで、確かにあったのに……。どうして」
戸惑うように、エアリスが、自分の両手を見つめる。
「変、なの。何かが、私の中から、抜け落ちちゃったみたいな……」
不安げに俯くエアリスの肩に、そっとティファが手を添える。
「大丈夫? 無理しなくていいから」
「うん……。ごめんね、心配かけて」
弱々しく笑うエアリスに、クラウドも心配そうな視線を向けていた。
その言葉に、内心で僅かに眉を寄せる。詳しい理由は分からない。だが、彼女の様子は、これまでとは明らかに違っていた。
(――あの戦いの中で、何かが起きたのか)
頭の片隅に、留めておく。今は、それ以上深追いする材料が無かった。
淡い光の空間が緩やかに揺らぎ始めていた。結晶が次々と光の粒子となって崩れていく。
「――戻るのかな、元の場所に」
ティファの呟きに頷きを返す。
「恐らくな」
視界が急速に白く染まっていく。
音が少しずつ戻ってくる。風の音、遠くの喧騒。
次の瞬間には、見慣れたミッドガルの夜景が目の前に広がっていた。
外縁のゲート、崩れかけたバイクとトラック。何一つ変わっていない光景だった。
だが、決定的に一つだけ、足りないものがある。
「――ザックスが、いない」
改めて口にすれば、その場の空気が重く沈んだ。
「くそ……!あいつ、どこに……」
バレットが拳を握りしめる。
「戻る術は」
クラウドが低く問いかけてくる。
視線を黒い壁があった場所へと向ける。だが、そこには、もう何も無かった。
「――無い」
短く、しかしはっきりと告げる。
「あの靄そのものが、もう消えている。戻ろうにも戻る先が無い」
「そんな……」
ティファの声に隠しきれない不安が滲む。
「必ず見つける。そう誓ったはずだ」
強くそう告げる。誰にともなく、自分自身に言い聞かせるように。
「今は、ここに留まっていても意味は無い。ミッドガルを離れるぞ」
「――離れる、って」
「あの場所で感じた気配。セフィロスの言葉。全てが、この街の外に繋がっている気がする」
淡々と告げる。根拠は薄い。だが、この場に留まる理由は既に無かった。
「ザックスも、きっとどこかで同じことを考えているはずだ」
その言葉に、誰も反論しなかった。
沈黙の中、それぞれが拳を握り、あるいは、武器を握り直す。誰の目にも、迷いは既に無かった。ただ、前へ進むという、ただ一つの意志だけが、その場を満たしていた。
崩れたゲートの向こう、荒涼とした荒野が夜の闇の中に広がっている。
背負ったバスターソードの重みを、クラウドが確かめるように肩を回す。
「――行くか」
低くそう告げるクラウドの声に、迷いは無かった。
一同は無言のまま、ミッドガルの外へと足を踏み出した。
夜風が、頬を撫でていく。荒野に敷かれた道は、街灯一つ無く、闇に沈んでいた。それでも、足を止める者はいなかった。
振り返れば、プレートに覆われた街の輪郭が、夜霧の向こうに、霞んで見えた。あれほど憎み、あれほど命懸けで駆け抜けた場所だというのに、今は、ただ、遠くに霞む影でしかない。
(――さて)
内心で、静かに息を吐く。
ザックスの行方も、セフィロスの真意も、エアリスの身に起きた変化も、まだ何一つ、掴めていない。だが、立ち止まっている余裕は無かった。
一つ確かなことがある。もう、独りで背負い込む必要は無い。隣を歩く仲間達の足音が、その事実を、静かに、証明していた。
===========
Side ザックス
冷たい。
その一言に尽きた。
目を開ければ、視界いっぱいに白が広がっていた。
「――は?」
身体を起こしながら、周囲を見渡す。
一面の雪原だった。吹きすさぶ風が容赦なく頬を切りつけてくる。
「なんだよ、ここ……」
先程まで、あの奇妙な白い空間にいたはずだった。靄に身体を絡め取られ、意識が途切れた。
そこまでは覚えている。
だが、目覚めた先が、まさか雪山だとは思ってもみなかった。
「クラウド……! エアリス……!」
叫んでみるが、返ってくるのは風の音だけだった。
「……はぐれたのか、俺だけ」
がっくりと肩を落とす。
(にしても、なんで俺ばっかり、こんな目にあうんだよ……)
内心でぼやきながら、震える身体を抱きしめる。
思い返せば、これまでも、似たようなことばかりだった気がする。ニブルヘイムで死にかけ、人体実験で四年も眠らされ、ようやく目覚めたと思ったら、今度は雪山に放り出されている。
(俺の人生、ロクなもんじゃねぇな……)
自嘲気味に、笑いが漏れる。それでも、身体を動かさなければ、本当に、笑えない結末が待っている。
装備は辛うじて無事だった。だが、肝心の得物が無い。
「あ、バスターソード、どこいった……!」
腰の周りを慌てて探るが、見つからない。
(そういや、靄に引きずられた時、手が離れたような……)
嫌な予感がした。あの大剣は決して手放していいものではない。だが、今はそれを悔やんでいる余裕は無かった。
「――にしても、寒すぎだろ、ここ」
歯を鳴らしながら、周囲を見渡す。
遠くに微かな明かりが見えた。
雪煙の向こう、木造りの小さな建物が幾つも並んでいる。
「あれは……村、か?」
目を細めながら確認する。看板らしきものが風に揺れているのが見えた。
(アイシクルロッジ……? って、ことは……)
以前、地図で見た記憶が蘇る。北方の雪深い地域。ミッドガルからは途方もなく離れた場所だった。
「マジかよ……!なんで、こんなとこまで飛ばされてんだよ……」
天を仰ぎながら、思わずぼやく。
だが、いつまでもぼやいていても始まらない。
このまま雪原に留まっていれば、遠からず凍え死ぬだけだ。
「――行くしか、ねぇか」
覚悟を決めて立ち上がる。
雪を踏みしめながら、明かりの方向へと足を進め始める。
風が容赦なく視界を白く塗り潰していく。一歩進むごとに、足が深く雪に沈んだ。
(こんな装備で、よく無事だったもんだ……)
自分の運の良さに、内心で苦笑する。もっとも、大剣一本失っている時点で、無事とは言い難いのかもしれない。
(あの剣…… アンジールから預かった、大事なもんなのに)
胸の奥が、僅かに痛む。だが、今悔やんだところで、どうにもならない。
(ジュリアスの奴なら、うまく回収してるかもな)
そんな根拠の無い期待が、頭を過ぎる。それでも、少しだけ気持ちが軽くなった。
しばらく歩き続けた頃、ようやく村の輪郭が、はっきりと見えてくる。
木造りの建物が幾つも、寄り添うように並んでいた。窓から漏れる暖かな灯りが、やけに眩しく感じられる。
(クラウド、みんな……無事だといいけどな)
胸の内で、そう呟きながら。
吹きすさぶ雪の中、ザックスはただ一人。
見知らぬ雪山の中を歩き続けた。
以上で、第1章が終了です。
テンポあげすぎたかな?と若干迷ってます。
次話より第2章(リバース版)開始です。
モチベーションが鰻登りにになるので、お気に入り・感想・評価お願いします