ロックマンゼクス&はぴねす!〜バディ・コネクション!!〜 作:騎士誠一郎
春の風には、まだどこか冬の残滓のような冷たさが混じっていた。
満開を過ぎた桜の花びらが、舞い散るというよりは、冷ややかな風に流されてアスファルトの上を滑っていく。私立瑞穂坂学園高等部を卒業し、晴れて大学生となった小日向雄真は、キャンパスの端にある古い資料館の裏庭で、ひとり缶コーヒーを手に空を見上げていた。
学園時代、数々のドタバタやトラブルを乗り越え、雄真が選んだ道は「魔法の研究者」だった。
魔法というものが人々の生活に溶け込み、日常の一部となっているこの世界で、その根本にある現象や原理を解き明かし、より多くの人を幸せにするための術を模索する。それが、かつてさまざまな魔法トラブルに巻き込まれ、そしてそれを仲間たちと共に乗り越えてきた雄真の、新たなる目標だった。
「……うーん、やっぱり基礎理論の論文、もう一回読み直した方がいいかな」
雄真は前髪をかき上げながら、小さく溜息をついた。
大学の講義は、瑞穂坂での実践的な授業とは異なり、理論と計算の連続だ。魔法陣の構成式、エーテル伝播の幾何学的解釈、精神力依存度の数値化。どれも刺激的ではあるが、脳の違う部分を酷使する感覚があった。
「でもまあ、やりがいがあるって意味じゃ、最高だけどね」
自分に言い聞かせるように呟き、缶コーヒーの最後のひとくちを飲み干す。ゴミ箱へ向かって歩き出そうとした、その時だった。
「——お若いな、青年」
しわがれた、しかし芯の通った声が、背後から響いた。
「うわっ!?」
雄真は思わず跳ね上がって振り返った。
いつの間にそこにいたのか。資料館の影、大きな楠の木の根元に、ひとりの老人が立っていた。
深く被ったフードつきのローブのような上着。擦り切れた布地からは長年の旅路を思わせる古びた匂いが漂っている。白髪の髭を長く蓄え、その奥にある双眸は、老齢とは思えぬほど鋭く、静かな光を宿していた。
「あ、あの……びっくりした。誰ですか、おじいさん? ここ、一応大学の敷地内だから、関係者以外はあんまり入っちゃいけないんじゃ……」
「クク……関係者、か。確かにワシはこの時代の関係者ではないのかもしれんの」
老人はかすれた声で笑うと、杖をつくように一歩前へ出た。その足取りには迷いがなく、立ち姿にはどことなく隠しきれない気品と、それ以上の深い「哀愁」のようなものが漂っていた。
「小日向雄真……と言ったな」
「え? なんで俺の名前を……」
雄真が身構える。いくら平和な街とはいえ、見知らぬ老人に名前を言い当てられれば警戒するのも無理はない。
だが、老人は雄真の警戒を気にする風でもなく、自らの懐へと手を差し入れた。そして、そこから何かを具現化させるように取り出した。
「これを持っていくが良い」
老人が差し出したのは、金属製の小さな物体だった。
手のひらに収まるほどの大きさの、青と白を基調とした菱形に近い立方体。表面には精巧なラインが走っており、中央には透明感のある赤いクリスタルのようなレンズと目のようなスリットが刻まれている。
誰かの顔にも似た造りだ。
魔法の触媒システムのようにも見えるが、雄真の知るどんな魔法具ともデザインのラインが違っていた。
有機的でありながら、極限まで磨き上げられた機械の美しさ。
矛盾する二つの要素が完璧に融合している。
「……何ですか、これ? 魔法具……にしては、魔力の波動が全然しないけど」
雄真は首をかしげた。
魔法研究者を志す者として、物体が帯びる魔力には敏感な方だ。だが、その青い物体からは、魔力の揺らぎが一切感じられなかった。
完全に「沈黙」している。
あるいは、魔力とは全く異なる次元のエネルギーを秘めているのか。
「今はまだ、何も知る必要はない。ただ……それを手放すな。いずれ、お前が護るべきもののために、それが必要となる時が来る」
老人は、雄真の返事を待つことなく、その物体を雄真の胸元へと放り投げた。
「っとと!?」
慌てて両手で受け止める。ひんやりとした、金属独特の冷たさが掌に伝わってきた。重量は見た目よりもずっしりと重い。
「ちょっと、おじいさん! 急にこんなもの渡されても困るよ! 遺失物届に出すにしても、おじいさんの名前を聞かないと——」
雄真が視線を上げたとき、そこにはすでに誰もいなかった。
「……え?」
楠の木の陰。風に揺れる木漏れ日と、舞い散る桜の花びらがあるだけだ。
気配が消えたとか、素早く走り去ったとか、そういう次元ではない。
まるで最初からそこに存在していなかったかのように、完璧に姿を消していた。
空間転移の魔法……にしては、詠唱も魔力の残滓も一切生じていない。
「……ヴァン、とか言ったっけ」
雄真は自分の口から漏れた言葉にハッとした。
老人は名前を名乗らなかったはずだ。
だが、なぜか頭の奥底に「ヴァン」という響きが、昔から知っていたかのように刷り込まれていた。
「……気のせいか。まあいいや、変なおじいさんだったな」
雄真は掌の上の青い物体——どこか生き物の心臓のようにも思えるメカニックな塊を見つめた。
普通なら、気味悪がって警察に届けるか、大学の遺物管理課に提出するところだろう。だが、雄真の持ち前の「大雑把さ」と「懐の深さ」が、ここで発揮されてしまった。
「うーん、まあ、綺麗な飾りだしな。研究室のデスクにでも置いておくか。それとも、ペーパーウェイト代わりに……」
雄真は特に深く考えることもなく、その青い物体をポケットに押し込むと、何事もなかったかのように缶コーヒーのゴミ箱へと歩き出したのだった。
翌日。
空は雲ひとつない快晴だった。
日曜日の午後、瑞穂坂の商店街は買い出しやデートを楽しむ人々で賑わっていた。
カラフルなパラソルが並ぶカフェテリア、焼き立てのパンの匂いが漂うベーカリー、そして楽しそうに行き交う学生や親子連れ。
「雄真くーん! ちょっと、聞いてるの!?」
甲高い、けれどどこか愛らしさの混じった声が雄真の耳を突いた。
「うおっ!? あ、ごめん春姫、ちょっと考え事してて……」
雄真は慌てて隣を歩く少女に視線を向けた。
神坂春姫。
瑞穂坂学園時代からのパートナーであり、雄真にとって最も大切で、そして最も頭の上がらない女性だ。
亜麻色の髪を揺らし、怒ったように頬を膨らませているが、その瞳には深い親愛の情が宿っている。
「もう! さっきから何ぼんやりしてるのよ。せっかくのお休みに、買い物に付き合ってあげるって言ったのは雄真くんなんだからね!」
「分かってるって。春姫が欲しがってた新しい魔法調合セットの参考書、探すんだろ? ちゃんと付き合うよ」
「ふん、よろしい。……で、さっきからポケットの中のそれ、触ってばっかりだけど、何か入ってるの?」
春姫の鋭い視線が、雄真のジャケットのポケットに向けられた。
雄真の手は、無意識のうちに昨日老人から渡されたあの青い物体——「それ」に触れていた。滑らかな金属の質感と、ほのかに帯びる温もり。
昨日はあんなに冷たかったのに、今日はなぜか肌になじむような温かさがある。
「あ、これ? いやね、昨日大学で変なおじいさんに会ってさ。これあげるって言われて拾った……というか、渡されたんだよ」
「変なおじいさん? 魔法具の押し売り?」
「いや、お金は取られなかったし、名乗りもせずに消えちゃったんだ。ほら」
雄真はポケットから青い物体を取り出し、春姫に見せた。
「へえ……綺麗な青ね。でも、これ魔法具じゃないわね。魔力の通り道が見当たらないもの」
春姫は手慣れた手つきで指先をかざし、微弱な検知魔法を走らせた。
しかし、返ってくる反応はゼロだった。
「ただの精密な玩具か、何かの部品かなって思ったんだけど……なんだか捨てづらくてさ」
「ふーん……まあ、雄真くんがそういうならいいけど。変な呪いとかがかかってたら、あたしが解呪してあげるからね!」
「はいはい、頼りにしてますよ、天才魔法少女さん」
「ちょっと! その言い方はバカにしてるでしょー!」
ぽかぽかと雄真の腕を叩く春姫。
その微笑ましいやり取りに、周囲の通行人たちも温かい視線を向けていた。
いつもと変わらない、平和で、少し騒がしくて、愛おしい日常。
——その平和が、唐突に「粉砕」された。
キィィィィィィィン——ッ!!!
耳腔を激しく刺す、高周波の金属擦過音が街中に響き渡った。
空間そのものが歪むような圧迫感。空を見上げた人々が、次々と悲鳴を上げる。
「な、何だ!?」
雄真は直感的に春姫の肩を抱き寄せ、上空を仰いだ。
雲ひとつなかった青空に、まるでガラスが割れるような亀裂が走っていた。
そこから噴き出すのは、禍々しい紫色の放電と、圧倒的な密度の「悪意」だった。
魔法の魔力とは根底から異なる、破壊と殺戮のためだけに錬成されたかのような異質なエネルギー。
「雄真くん、これ……魔力じゃない!? なにこれ、空間が切り裂かれてる……!?」
春姫が青ざめた顔で声を上げる。
次の瞬間、空の亀裂から「それ」は飛来した。
ズドォォォォンッ!!!
商店街の中央広場に、異質にも思える質量の物体が落下した。
アスファルトが炸裂し、爆風と粉塵が吹き荒れる。周囲の店舗のショウウィンドウが砕け散り、悲鳴と怒号が街を包み込んだ。
「ひ、ヒィィィッ!?」
「逃げろ! なんだあの化け物は!?」
粉塵の中から現れたのは、神話の怪物でも、魔法の召喚獣でもなかった。
それは、超高度に発達したテクノロジーが産み落とした悪夢——機械の獣だった。
全身を硬質な緑とゴールドの装甲で包み、背中には翼を思わせる巨大な高電圧発生ユニットを装備している。
頭部は猛禽類を思わせる鋭利なフォルムをしており、その双眸は血のように赤い光を放っていた。
『ゲハハハハハハハッ! 見つけたぞ、この領域の生命反応どもめ!』
怪物が、人間のような、しかし合成音特有の不気味なノイズが混ざった声を響かせた。
『我が名はハイボルト・ザ・ラプタロイド! イザナミ様の命により、この世界のデータを収集し、不完全なる有機生命体を排除する! 喜びなよ、お前たちの命は我が電流の糧となるのだ!』
「フォルスロイド……!?」
雄真の脳裏に、なぜかその言葉が浮かんだ。
見たことも聞いたこともないはずの単語。
しかし、その機械の化け物が纏う絶望的な破滅の気配が、その名を理解させた。
『死ねぇッ! サンダーボルト・スクリーム!』
ハイボルトが翼を広げると、超高圧の電撃が放射状に放たれた。
落雷のような激しい衝撃波が周囲の建物を破壊し、逃げ惑う人々へと襲いかかる!
「危ないっ!」
雄真は叫んだ。目の前で、幼い少女とその母親がすくみ上っている。
「春姫! 援護を!」
「任せて! 『汝、清らかなる風の刃、来たれ!』」
春姫が素早く詠唱を行い、手をかざす。瞬時に展開された巨大な風の結界が、少女たちを覆った。
バリバリバリッ! と激しい火花が散り、電撃が風の壁に弾かれる。
「くっ……なにこの威力!? 結界が持たない……!」
春姫の額に汗が滲む。瑞穂坂学園でもトップクラスの魔法の使い手である春姫の結界が、たった一撃の余波で亀裂を起こしていた。
「逃げて! 早く!」
雄真は少女たちを逃がすと、ハイボルトの前に立ちはだかった。
「おい! 機械の化け物! 街をめちゃくちゃにして、何が楽しいんだ!」
『ハハン? 有機生命体の羽虫が、我が高電圧の前に立ちふさがるか? 愚かな!』
ハイボルトが胸の装甲を開く。そこには高密度のプラズマエネルギーが凝縮されていた。
「雄真くん、下がって! わたしの攻撃魔法で——『舞い散れ、氷の尖棘!』」
春姫が瞬時に攻撃魔法に切り替え、無数の氷の槍を錬成してハイボルトへ放った。硬度を極限まで高めた氷塊の嵐。戦車をも穿つ破壊力を持つ魔法だ。
しかし。
ガガガガゴンッ!
氷の槍は、ハイボルトの装甲に触れた瞬間、蒸発するように粉砕された。傷一つついていない。
『ハハハハハ! 魔法だと? そんな未知のエネルギー波形、我が装甲の位相キャンセラーの前では無力! 計算通りの弱さだな!』
「そんな……わたしの魔法が、まったく効かない……!?」
春姫が絶望に目を見開く。
この世界において、魔法は絶対の力だ。それをここまで完璧に無効化し、嘲笑う存在など、これまで一度も現れたことがなかった。
『次はこっちの番だ! 消え失せろ、雑草ども!』
ハイボルトの翼から、今度は集束されたレーザー状の電撃が放たれた。ターゲットは——春姫だ!
「春姫ぃーーっ!!」
考えるより先に、雄真の身体が動いていた。
「がはっ……!?」
灼熱と衝撃が、雄真の全身を襲った。
雄真は春姫の前に飛び出し、自らの身を挺して電撃を受け止めたのだった。
手にしていた魔法の触媒が瞬時に焼き切れ、服が弾け飛ぶ。全身の肉体が焼け焦げるような激痛。衝撃で吹き飛ばされ、激しくアスファルトの上を転がった。
「雄真くんっ! 雄真あぁぁぁっ!」
春姫の悲鳴が遠く聞こえる。
「う……あ……」
視界が赤く染まる。全身の骨が砕けたかのような激痛。呼吸をするたびに、肺が焼けるように熱い。
魔法障壁を必死に展開しようとしたが、相手の攻撃は魔力そのものを分解・霧散させる性質を持っていた。雄真の魔力回路は完全にショートし、指一本動かすことすらできない。
「雄真くん! しっかりして! 雄真くん!」
春姫が駆け寄り、血まみれの雄真を抱き起こす。彼女の涙が、雄真の頬にぽたりと落ちた。
春姫の手が必死に治癒魔法の詠唱を始めるが、溢れる涙と激しい動揺のせいで構文が崩れ、光が雲散霧消してしまう。
「ダメ……治癒魔法が……なんで、なんで効かないのよぅ……!」
『ケーッヘッヘ! 無駄だ無駄だ! 我がプラズマ電流は、細胞レベルで生体組織を破壊する! お前たちの生ぬるい『魔法』とやらでは治癒など不可能!』
ハイボルトがズシン、ズシンと重い足音を立てて近づいてくる。
『感動的な仲間ごっこは終わりだ。まずはその男の首を跳ね、次にその女をじっくりと電熱で焼き尽くしてやる!』
ハイボルトの右腕が変形し、高周波のブレードが展開される。バチバチと青白い火花が散り、殺意の刃が二人へ向けられた。
(ダメだ……動き……動け、俺の体……!)
雄真は心の中で叫んだ。
目の前で春姫が泣いている。自分を庇って、死の恐怖に震えている。
護ると誓ったはずだ。学園での数々の事件を乗り越え、自分は彼女の隣に立つと、彼女の手を握り続けると決めたはずなのに。
(また……俺は何もできないのか……? 自分の無力さのせいで、春姫を……みんなを失うのか……!?)
悔しさと絶望で、血の涙が滲む。
魔法の研究者? 誰もを幸せにする力? 笑わせるな。目の前のたった一人、一番大切な女の子すら護れないで、何が研究者だ!
『死ねぇッ! ライブメタルを持たぬ弱者どもがッ!』
ハイボルトのブレードが、振り下ろされる。
死の瞬間。時間が極限まで引き延ばされたかのような感覚の中。
雄真のジャケットのポケットから、何かがこぼれ落ちた。
ポロリ、と。
昨日、あの謎の老人——ヴァンから受け取った、青い金属の物体。
それが、雄真の流した血と涙を浴びた、その瞬間だった。
——輝いた。
「——覚醒を確認。適合者と同調を開始します——」
静かな、しかし凛とした男性のような合成音声が、雄真の脳内に直接響いた。
「え……?」
瞬間、青い物体が激しい光を放ち、空中に浮遊した。
それまでの沈黙が嘘のように、世界の法則を書き換えるほどの高密度エネルギーがその中心から噴出し始める。
『な、何だ!? このエネルギー反応は……まさか、ライブメタルか!? なぜこんな辺境の領域にライブメタルが存在する!?』
ハイボルトが驚愕の声を上げ、振り下ろしかけたブレードを止めた。
青い物体——ライブメタルが、空中で変形していく。
それは小さな青い光の結晶となり、雄真の胸元へと一直線に飛来した。
「が……あぁぁぁぁっ!?」
胸の中に、冷たくも熱い「意思」が流れ込んでくる。
それは魔力ではない。古代から受け継がれ、未来へと紡がれる、無数の希望と戦いの記憶。
弱き者を護るために立ち上がった、青き英雄の魂。
「……聞こえますか、若き者よ」
脳内で、再び声が聞こえる。今度はより明確に、優しく、力強い声だ。
「僕の名は『ライブメタル・モデルX』。未知の脅威から世界を守るために作られた、始まりのライブメタルです」
(モデル……X……?)
「あなたの心を受け取りました。自分を投げ打っても誰かを護ろうとする、その強い意志を。……僕に力を貸してくれ!」
(力……? 俺に……春姫を護る力が……あるのか……!?)
「うん。あなたとならば、可能です。さあ、叫ぶんだ。あなたの魂の言葉で……『ロックオン』と!」
絶望の淵で、雄真の瞳に再び炎が灯った。
全身を苛んでいた痛みが、モデルXから流れ込む未知のエネルギーによって瞬時に上書きされていく。体内の魔力回路が、新たな「変換炉」へと再接続されていく感覚。
雄真は震える足で、ゆっくりと立ち上がった。
「ゆ、雄真くん……!? ダメよ、立っちゃ……!」
春姫が目を見張り、雄真の裾を掴もうとする。だが、今の雄真の全身からは、青く澄み渡った光の粒子が溢れ出していた。
『バ、バカな! 生きて立ち上がっただと!? ええい、何がライブメタルだ! 壊れかけの適合者ごと蒸発させてやる!』
ハイボルトが狂暴に叫び、全砲門を雄真へと向けた。超高圧の電流が、光の束となって押し寄せる!
雄真は前を見据えた。
怯えはない。迷いもない。ただ、目の前の大切な人を護るという、絶対の意思だけがそこにあった。
雄真は右手を高く掲げ、天を突いた。
そして、全身の存在をかけて、その言葉を解き放った。
「——
「適合者、確認。R.O.C.K・システム、起動開始」
ドォォォォォォォンッ!!!!
暴風と青い光の柱が、瑞穂坂の街を貫いた。
ハイボルトの放った放電攻撃は、雄真から溢れ出た光の障壁に触れた瞬間、跡形もなく消滅した。
光の柱の中で、世界の幾何学構造が組み替わる。
雄真の身体を、ライブメタルの変身機能「R.O.C.K・システム」が包み込んでいく。
頭部には、青いヘルメットとクリアブルーのバイザー。
胸部には、高出力エネルギー炉「R-コア」が輝き、四肢には衝撃を吸収し爆発的な脚力を生み出すアーマーが装着される。
そして右腕には、高エネルギー弾を無制限に生成・連射する絶対の象徴——『バスター』が生成された。
光が収まる。
そこに立っていたのは、魔法使いの卵である小日向雄真ではなかった。
「……これが……俺の……力……?」
雄真——いや、モデルXと融合し、青きアーマーを纏った「ロックマン・モデルX」となった彼は、自らの手を見つめた。
全身に満ちあふれる、絶大なパワー。体の軽さ。視界に表示される無数のデータと、敵の弱点を正確に捉えるターゲットセンサー。
「雄真くん……なの……? それ……」
背後で春姫が、息を呑んでその背中を見上げていた。
魔法の光とは違う。だが、誰よりも温かく、誰よりも頼もしい、青い光を纏った青年の姿。
『おのれぇぇぇっ! 本当にライブメタルと適合しおったか! だが、変身したばかりの素人が、我がラプタロイドの機動力についてこれると思うなよ!』
ハイボルトが怒り狂い、背中のユニットを全開にした。
爆風と共に急上昇し、上空から音速を超えるスピードで滑空してくる!
『死ねぇッ! ソニック・ブレード!』
超高周波の刃が、雄真の首元へと迫る。目視すら不可能な超高速の突撃。
だが。
(見える……動きが……はっきりと!)
モデルXのセンサーが、ハイボルトの軌道を完璧に予測し、雄真の脳内へと伝達する。
雄真は最小限の動きで身体を捻り、ハイボルトのブレードをミリ単位でかわした。
『なにっ!?』
すれ違いざま、雄真は右腕のバスターをハイボルトの脇腹へと突きつけた。
「はぁぁぁっ!」
パンパンパンッ!
至近距離から叩き込まれる、青いエネルギー弾。
先ほど春姫の攻撃魔法を完全に弾いたハイボルトの装甲が、激しい火花を散らして凹み、その巨体が空中で体勢を崩した。
『グハッ!? ぐ……バスターの威力が、なぜこれほど……!?』
「すごい……! 魔法が効かなかったあの化け物に、攻撃が通ってる……!」
春姫が歓声を上げる。
雄真は着地すると、ハイボルトを見据えてバスターを構えた。
(モデルX、こいつを倒せるか?)
「ええ、雄真。あなたの強い意思と私のエネルギーが完全に同調しています。最大出力の『チャージショット』を叩き込みましょう!」
(了解だ……いくぞ!)
雄真が足を踏みしめると、全身の装甲から「キュイィィィィン……!」という高周波のチャージ音が鳴り響いた。
バスターの銃口に、眩いばかりの青い光球が形成されていく。周囲の空気が歪み、地面の小石が磁力に引き寄せられるように宙に浮き上がる。
『ぬうぅぅっ! 舐めるなよ小僧ぉぉぉっ! 全エネルギー開放! サンダー・トネードッ!』
ハイボルトが狂乱し、全身から竜巻状の巨大な雷撃を解き放った。広場全体を飲み込み、周囲の建物を破砕しながら迫る絶望の嵐。
「逃がさない……誰も傷つけさせないっ!」
雄真は逃げなかった。一歩も引かなかった。
春姫を背に、街の人々を背に、固く踏みしめた足に全パワーを注ぎ込む。
チャージが限界ギリギリのフルチャージに達する。
「これで……決めろぉぉぉぉっ!!」
引き金が引かれた。
「——チャージショットッッ!!」
ズドォォォォォォォォンッ!!!!
バスターから放たれたのは、巨大な光の砲弾だった。
ハイボルトの解き放った雷撃の竜巻を、正面から破砕し、押し返し、文字通り「消滅」させていく超絶的なエネルギーの濁流。
『な、何ぃぃぃぃぃぃっ!? 我がラプタロイドの最大火力が……押し戻されるだとぉぉぉっ!?』
光の砲弾は雷撃を完璧に穿ち、そのままハイボルトの巨体を呑み込んだ。
『イザナミ様ぁぁぁぁぁっ! ライブメタル……モデルXの力を……甘く見……て……ぐあああぁぁぁぁぁっ!!!』
ドカンッ! ドカァァァァンッ!
空中で爆発が連鎖する。
ハイボルトの装甲が粉々になり、激しい炎と黒煙を上げながら空中で爆散した。
散り散りになった機械の破片が、黒い煙を引いて広場へと落ちていく。
静寂が、街に戻ってきた。
黒煙が風に流され、青空が再び広がっていく。
雄真は深く息を吐き出し、バスターを下ろした。
「はぁ……はぁ……勝った……のか……?」
「——見事です、雄真。初戦にしては満点以上の戦いぶりでしたよ」
脳内でモデルXの声が微笑むように響く。
次の瞬間、雄真の全身を包んでいた青い装甲が光の粒子となって解け、元の服姿(ジャケットはボロボロだが)へと戻った。
手のひらには、再び静かに佇むあの青い結晶——モデルXが乗っていた。
「雄真くんっ!」
「わっ!?」
不意に、後ろから猛スピードで飛びついてきた春姫に抱きつかれた。
そのまま二人は勢い余ってアスファルトの上に倒れ込む。
「春姫!? ちょっと、大丈夫か……!?」
「バカ! 雄真くんのバカ! 無茶しちゃって……! 死んじゃうかと思ったんだから……わたしを庇って死んじゃうかと思ったんだからぁ……っ!」
春姫は雄真の胸に顔をうめ、ボロボロと大粒の涙をこぼした。
自分の服が血と汗と泥で汚れるのも構わず、ただ雄真が生きて、ここにいることを確認するように固く抱きしめてくる。
「……ごめん、春姫。心配かけた」
雄真は優しく春姫の背中を撫でた。
その温もりに、自分が本当に生き残ったのだと、大切な人を護り抜けたのだと実感する。
「でも……怪我、治ってる……? あんなに酷い電気の傷だったのに……」
春姫が顔を上げ、涙で濡れた瞳で雄真の全身を見回した。
確かに、モデルXと適合し、
「うん。この……モデルXのおかげみたいだ」
雄真は手の中の青いライブメタルを見つめた。
「モデル……X……? それが、さっきの凄まじい鎧の力なの……?」
「そうみたいだ。魔法とは違う、遠い未来……ううん、別の世界から来た力なのかもしれない」
「……あいつ、言ってたわ」
春姫が思い出したように表情を曇らせた。
「あの機械の化け物……『イザナミ』って言ってた。それに『この世界のデータを収集する』って……」
「……ああ」
雄真の表情も引き締まる。
ハイボルトという刺客は倒した。
しかし、それは巨大な嵐のほんの「一触れ」に過ぎないのかもしれない。
魔法が存在するこの世界に、突如として現れた異次元の機械生命体フォルスロイド。そして、それを率いる「イザナミ」という存在。
なぜ、あの老人は雄真にモデルXを託したのか。
なぜ、この街が狙われたのか。
問いは山ほどあった。だが——。
「雄真」
モデルXが、直接春姫にも聞こえる声で語りかけてきた。
「キャッ!? 喋った!?」
「初めまして、春姫さん。僕はライブメタル・モデルX。……雄真、そして春姫さん。これから、あなたたちの日常には恐ろしい試練が訪れるかもしれません。イザナミの刺客は、一人では終わらないでしょう」
モデルXのレンズが、静かに光を明滅させる。
「僕と共に戦ってくれますか? この世界を、あなたたちの平和を護るために」
雄真はゆっくりと立ち上がった。
そして、隣に寄り添う春姫の手をしっかりと握りしめる。
春姫もまた、涙を拭い、強く頷いた。
「当然よ! 雄真くんを一人で危険な目に遭わせるわけにいかないもの。わたしは雄真くんのパートナーなんだから!」
「春姫……ありがとう」
雄真は前を見据えた。
大学での平和な研究生活、春姫との穏やかな日常。それらを脅かすものが迫るというのなら、自分は戦う。
魔法の研究者としての知恵と、ロックマンとしての青き翼をもって。
「行こう、モデルX、春姫。俺たちの街を、僕たちの未来を……絶対に護ってみせる!」
青空の下、風が吹き抜ける。
魔法とテクノロジー、そしてふたつの世界の運命が交錯する新たな物語が、今、静かに幕を開けたのだった。
瑞穂坂の街を襲った激震から数時間後。
事件の爪痕は凄まじく、崩落したビルや破砕されたアスファルトの修復作業のため、警察や魔法救援隊が慌ただしく行き交っていた。
しかし、その混乱から遠く離れた都心の超高層ビル——「セルパンカンパニー」の本社最上階にあるプレジデントルームは、下界の喧騒が嘘のような重々しい静寂に包まれていた。
壁一面の強化ガラス越しに、夕闇に染まりゆく街並みを見下ろしている男がいた。
仕立ての良い高級スーツに身を包み、鋭い眼光を放つ男——セルパンカンパニーの最高経営責任者、セルパンである。
「……ハイボルトのシグナルが消失したか」
セルパンは手元のグラスを傾けながら、冷ややかな声で呟いた。その言葉に焦りや落胆の色はない。ただ、冷徹な事実として処理しているかのような響きだった。
「ええ。異世界『瑞穂坂』の局所空間において、ハイボルトのデータ収集ミッションは失敗。機体は完全に破壊された模様です」
部屋の影から、静やかな足音が響いた。
現れたのは、黒を基調とした洗練されたドレスを身に纏う一人の女性だった。
吸い込まれるような黒髪と、透き通るような白い肌。そして何より異彩を放っているのは、その瞳だ。光を一切反射しない深い闇のような瞳の奥に、怪しい紫の知性が揺らめいている。
名を、イザナミ。
表向きはセルパンの有能な筆頭秘書として振る舞い、セルパンカンパニーの急速な成長を裏から支えてきた女性。しかし、その正体はセルパンにとっての「恩人」であり、未知の技術と絶対的な智謀をもたらした謎多き存在であった。
「あの程度のフォルスロイドでは、ライブメタルの真価を削り出すための『毒』にもならなかったということか」
セルパンは振り返り、イザナミに視線を向けた。
「しかし、イザナミよ。ハイボルトからの最終データ……興味深いものが映っていたな」
「ええ……」
イザナミが細い指先をすっと滑らせると、空間にホログラムのウィンドウが浮かび上がった。
そこに再生されたのは、爆発の渦中で一瞬だけ記録された、青い装甲を纏う青年の姿——「ロックマン・モデルX」の勇姿だった。
「この領域には存在しないはずの絶対的なテクノロジー『ライブメタル』……そして、それを起動させた適合者。まさか、あの『ヴァン』がこの世界に先回りし、適合者にモデルXを託していたとはね」
イザナミの口元に、妖艶で残酷な薄笑いが浮かぶ。
「ですが、セルパン様。これはむしろ好都合ですわ」
「ほう?」
「私たちの目的は、この不完全で混沌とした世界を再構築し、真の秩序をもたらすこと。そのためには、世界を構成するあらゆる事象……『魔法』と呼ばれる未未知のエネルギーと、『ライブメタル』のデータの融合が不可欠です。モデルXが覚醒したことで、世界は一気に加速します」
「ククク……なるほどな」
セルパンはグラスをテーブルに置き、獰猛な肉食獣のような笑みを浮かべた。
「ライブメタルを手にし、己を英雄と錯覚した青造作が、どこまで抗えるか試してやろう。モデルXのデータ、そしてあの街に眠る未知の魔法構文……すべて我がセルパンカンパニーが喰らい尽くし、更なる高みへと上り詰めるための糧としてくれるわ」
「御意に……セルパン様。次の『駒』の準備は、すでに整っております」
夕闇の影が深まるプレジデントルームで、二人の悪意に満ちた高笑いが静かに、しかし確実に街の未来を侵食するように響き渡っていた。
翌日。
激しい戦闘から一転、街はいつもの日常を取り戻そうと動き出していた。
崩落した現場の復旧には魔法救援隊が当たり、予想以上のスピードで瓦礫が撤去されていく。魔法が存在する世界ならではの驚異的な復旧力だった。
小日向雄真の自室。
ボロボロになった服を捨て、軽装に着替えた雄真は、デスクの上に置かれた青い金属体——モデルXを腕組みしながら見つめていた。
「うーん……やっぱり、どう見てもただの綺麗なおもちゃにしか見えないんだよなぁ」
「失礼だね、雄真。僕は世界を護るための高度な意志構造体ですよ」
脳内に直接響くモデルXの呆れたような声。
「分かってるって。昨日の今日だし、夢だったんじゃないかって思っちゃうんだよ。……ほら、傷もすっかり綺麗に治ってるし」
雄真は自分の腕や腹をさすった。ハイボルトのプラズマ攻撃で焦げ焦げだったはずの肌は、跡形もなく元通りになっていた。モデルXの適合プロセスによる自己修復能力の賜物だ。
「とにかく、君の存在と昨日の出来事は、僕と春姫だけの秘密にしておいた方が良さそうだね。あんな異次元の力が知られたら、大学の研究者たちや魔法省が大騒ぎして、僕が解剖されかねない」
「賢明な判断です。イザナミたちの動向を探るためにも、表立った混乱は避けるべきでしょう」
モデルXが静かに光を減衰させ、スリープモードへと移行しようとした、その時だった。
ドガガガガガガガッ!!!!!
「ゆーうまぁぁぁぁぁぁっ!! 生きてるかぁぁぁぁっ!?」
けたたましい爆音と共に、部屋のドアが勢いよく開かれ——いや、正確には「蹴破られんばかりの勢いで叩き開かれ」た。
「うおっ!?」
雄真は飛び上がってモデルXを瞬時にポケットへ突っこんだ。
部屋に土足同然で雪崩れ込んできたのは、派手な柄シャツに身を包んだ、背の高い青年だった。整えられた髪と、どこかチャラつきつつも親しみやすい顔立ち。
高溝八輔(たかみぞ はちすけ)。
瑞穂坂学園時代からの雄真の「悪友」であり、バカな騒ぎを起こしては一緒に怒られていた腐れ縁の男だ。卒業後は実家の老舗旅館および手広く展開する実業グループの跡取りとして、若くして現場に引っ張りだこになっているはずだった。
「ハチ!? なんだよ急に……! ドア壊れるだろ!」
「ドアなんかどうでもいいんだよ! お前、昨日あの襲撃現場の広場にいたんだろ!? 春姫ちゃんから連絡があってな、『雄真が怪我したかも』って聞いて飛んできたんだよ!」
八輔は雄真の肩をガシガシと掴み、ぐるぐると振り回した。
「い、痛い痛い! 大丈夫だって! ちょっとかすり傷を負っただけで、春姫の魔法で治してもらったから!」
「本当か!? くそっ、あのニュース見た時は生きた心地がしなかったぞ! 街の真ん中に怪獣みたいなロボットが降ってきた挙句、爆発炎上だもんな。まったく、お前は昔から謎のトラブルに巻き込まれる才能だけは一級品だな!」
「巻き込まれたくて巻き込まれてるわけじゃないって……」
苦笑いする雄真。しかし、八輔が心底自分の身を心配して駆けつけてくれたことが伝わり、胸の奥が温かくなる。学園を卒業してそれぞれの道を歩み始めても、こういうバカで熱いところは変わっていない。
「で? 怪我が無事なのは分かった。……でだ、雄真!」
八輔の目が、急に怪しげな光を放ち始めた。
ズイッと顔を極限まで近づけてくる。
「な、なに……?」
「お前……見たか? 現場で」
「見たって……何を?」
八輔はバッと両手を広げ、熱弁を振るい始めた。
「決まってんだろ! SNSやネットニュースで今、持ちきりのあいつだよ! 巨大な雷の化け物を、たった一撃で粉砕したっていう……『青い謎のヒーロー』をさぁっ!!」
「ブッ!?」
雄真は盛大に自分の唾を吐き出しそうになった。
「ひ、ヒーロー……!?」
「そうだ! ネットじゃもう『瑞穂坂の青い彗星』だの『装甲ヒーロー』だの大騒ぎなんだよ! 魔法障壁を一切使わず、手からとんでもない光の砲撃を出して化け物を吹き飛ばしたってな! 現場にいたやつらの目撃証言動画が上がりまくっててさ!」
八輔はスマートフォンを取り出し、雄真の目の前に画面を突きつけた。
そこに映っていたのは、画質こそ荒いものの、鮮烈な青い光を放ち、ハイボルトへチャージショットを放つ「自分」の姿だった。
(うわぁぁぁぁぁっ! しっかり撮られてるぅぅぅっ!?)
心の中で叫び、顔を引きつらせる雄真。
「なあ雄真! お前、現場にいたんなら、絶対間近で見たろ!? あのヒーローの正体、何か聞いてないか!? 魔法具の新作プロトタイプか? それともどこかの秘密結社のエージェントか!?」
八輔の興奮は最高潮に達していた。
実家を継ぎ、経営者としての視点も持ち合わせた八輔にとって、この「未知のヒーロー」が纏うテクノロジーや存在感は、男の浪漫としてもビジネスの種としても、飛びつかずにはいられないビッグニュースだったのだ。
「いや……あの……俺は必死で逃げてたから、全然見てなくて……」
「マジかよー! もったいねえ! 俺だったら命がけで写真撮りまくってサインもらうのに!」
地抱えて悶絶する八輔。
その大騒ぎぶりに、雄真は冷や汗が止まらなかった。
(やばい……ハチの勘の良さとミーハーさは異常だからな。これ以上突っ込まれたらボロが出る……!)
雄真はポケットの中のモデルXをそっと手で押さえた。
モデルXから「……大変ですね」という呆れ交じりの念話が送られてきて、さらに胃が痛くなる。
「まあでも、お前が無事だったなら何よりだ! 今日は無事だった祝いと、ヒーロー出現のカウントダウンってことで、俺のおごりで飲みに行くぞ!」
「ええっ!? い、今から!?」
「当たり前だろ! 春姫ちゃんも呼んでさ! さあ着替えろ、雄真!」
八輔は雄真の腕を強引に引っ張り、部屋の外へと連れ出そうとする。
不敵な笑みを浮かべるセルパンカンパニーの暗躍。
そして、目の前で大騒ぎする昔馴染みの悪友。
日常と非日常、魔法と未知なるテクノロジーが激しく交差する中で、小日向雄真の「ロックマン」としての嵐のような日々は、まだ始まったばかりだった——。