変身中の無敵状態でフリーズした魔法少女(男の娘)は服が欲しい ~ヤンデレ欠損少女達に肉食介護されてるけど、謎の光に包まれているので多分セーフ~ 作:信頼できる語り手
我は裸の少女に組み伏せられ、あらゆる尊厳を蹂躙されていた。
「はーい、あーん」
桃色髪のサイドテール少女が苺を咥え、口移しで食べさせてくる。かつて『事故』で右腕を失ったらしい彼女は、残った左手を器用に使って我の頭を抱き締めた。
「ろーお? おいひー?」
この『幻想世界』最高の美男鬼を自負する我の尊顔が、柔らかい唇が、瑞々しい舌が、未熟な鬼娘に弄ばれる。
……何という屈辱か。だが、自力では何もできない今の我は、屈辱に耐えるしかなかった。
「んー。はむー。ちゅー、ちゅー」
桃色の少女が口内を吸う。明らかに必要のない行為に対して、我は舌を軽く噛んで抗議した。
「い、ひゃーい! ……えへへー、優しく舌噛まれるの、食べられてるみたいでヤッバいねー。僕、余計に火照ってきちゃったかもー」
彼女はペロリと舌なめずりする。痛みに反応して好戦的な鬼の本能が昂ったのか、額には半透明な3本の角が出現していた。
「必死に抵抗するアヴィオンは可愛いねー。でも、逃がさないよー。
リールに巻かれたカラフルなテープが出現し、我の裸体を縛り上げる。
「おほー、『今日は』男の子の日なんだねー」
「くっ、変態め……! いっそ殺せ……!!」
我は羞恥に悶えながらも、ようやく自由になった口で叫んだ。このアヴィオン、どれだけ体が堕落しようとも心までは屈さんぞ……!!
「いけませんわ、ドキュメント様」
「やーん!」
そんな狼藉を諌めるように、1体の女鬼が割って入る。その豊満な胸に押し出され、桃色のサイドテール娘が何処かへ転がって行った。
「ふぅ……もう大丈夫でしてよ、アヴィオン様。貴方様の御身は拙が御守りいたします」
助かった……などと浅はかな事は考えない。細い目で清楚に微笑む緑髪少女の額では、立派な4本の角が猛るように反り返っている。
「さあ、湯浴みの時間ですわ。背中だけでなく、隅々まで清めて差し上げます」
しっとりと水に濡れた肌が肩に触れた。片足のない彼女は、我に寄りかかりながらバランスを保つ。
「ああ、何て綺麗な体。それでこそ、洗い甲斐があるというもの」
「待て、ネムコ! 我は貴様の上司じゃぞ! 幻想世界に名を轟かせる『
「くすす。ええ、存じていますとも。拙は貴方の御世話係ですので」
「あー、ずるーい! 僕もゴシゴシするー!」
女鬼達にもみくちゃにされながら、我は心の中で祈っていた。ああ、どうか。一刻も早く。
──服が欲しい。
我が名は『アヴィオン』。
広大な幻想世界の中で、最も美しく、最も気高く、最も強く、最も優れた鬼である。
そんな我の趣味はファッションの研究だった。神秘的な儚さと強烈な個性を兼ね備えた美貌に相応しい服を着て、道行く鬼達の視線を釘付けにする。これに勝る悦楽があるだろうか。
しかし。
「……また『女性向け』の衣装じゃ。これも、あれも、それも。まったく、嘆かわしいわ」
性別の壁。無論、我はどんな服でも着こなしてみせるが……。
「我の性別が女であれば、この服本来の良さをもっと引き出してやれたはずなのに……!」
買ってきた服を握り締めて、深く悔やむ。
(ずっと女になりたいとは思わん。ただ、少しの間だけ『変身』できれば……)
そう念じた事と関係があるのかは分からないが……衣装棚に服を戻そうとした我の掌が虹色に輝いた。
「おわっ! 何じゃ!?」
いつの間にか掴んでいた物体を反射的に投げ捨て、即座に臨戦態勢に入る。
「
鬼の固有能力。虚空から発生した白い雲が床に落ちた何かを拾い上げた。
「虹色の、鍵……?」
バグ解決部隊こと『
「驚かせるでない……。いや、過敏に警戒してしまうのは我の職業病か。まあ、もし
手袋を装着して鍵を慎重に持ち上げた。さて、誰のところに持って行こうか。
ふむ、一刻を争うレベルの代物ではなさそうだし、解析班の目を通して問題がなければ道具屋に売ろう。そうしよう。
「で、その稼ぎで新しい服を1着……。いや、『在中世界』の最先端ファッション誌を買うのもありじゃのう。人間の流行は参考になる」
我ら
そして、未だに影響を受け続けている。想像力に優れた人間が現れた時、しばしば幻想世界は新しい形に
服も例外ではない。人間社会で流行った服は幻想世界でも『出現』しやすくなる。必然的に鬼の流行も人に追従するわけだ。
「わはは、我は幻想世界のファッションリーダーとして、更なる高みを目指すのじゃ! 血気盛んな鬼達よ、我の華麗な『
その瞬間。まるでタイミングを図っていたかのように、我の体は虹色の光に包まれた。
「えっ、えっ……!?」
着衣が霧のように消失する。我は突如放り込まれた光に満ちた空間の中で、目を白黒させていた。当然の反応である。
だが、我は凡百の鬼ではない。人間の空想に左右される不完全な幻想世界では、時折こういったバグ……
すぐさま頭を仕事モードに切り替える。人間の文化から該当する項目を列挙し、最も可能性の高い仮説を立てた。
「鍵というアイテム……。謎の光る空間と、自動的な脱衣……。何より、女性の体になりたいと願う我に適合した事……。つまり、これは……『魔法少女』の変身じゃな!!」
まさか。成れてしまうのか、本物の美少女に。
ついに、カリスマ美鬼として新たなステージに足を踏み入れる日が来たというのか!?
「やはり、女の体になるからには胸の膨らみを活かした着こなしをすべきじゃな! 安直かもしれんが、露出が多めのドレスとか……」
虹色の光が我の体に纏わり付く。衣装チェンジの時間だ。どんな姿になるのかワクワクする。
そして。
「む……?」
体を覆う謎の光は特に変化を見せない。
「あれぇ……?」
変身が完了していないからか、虹色の空間もそのままだ。端的に言って。
「嘘、じゃろ……?」
──閉じ込められた。全裸で。
「そう来たかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!」
我は屍のような虚無の表情で、
魔法少女『アヴィオン』が限定変身するとしたら?(票数多い順に衣装獲得)
-
①ボディスーツ
-
②ゴスロリ
-
③修道服
-
④チャイナドレス
-
⑤体操服
-
⑥キャミソール