変身中の無敵状態でフリーズした魔法少女(男の娘)は服が欲しい ~ヤンデレ欠損少女達に肉食介護されてるけど、謎の光に包まれているので多分セーフ~ 作:信頼できる語り手
「ドキュメント副班長! 周辺住鬼の避難と事情聴取が完了しました!」
「お疲れー。やっぱり、予想通りだったー?」
「……はい。おそらく、アヴィオン班長はあの虹色の空間の中に取り残されています」
班員が指差した場所に石を投げる。虹色のベールは僅かに揺らぐ事もなく、クイと反発するように石を弾き返した。
「干渉拒否空間ー。かなり厄介な
桃色の髪の少女が虚空からテープを取り出し、サイドテールを結び直す。
「だとしたら、ヤバいねー。あらゆる接触を拒絶する『絶対領域』はその場から動かせないしー。あー、でも、解析班が言うには中で体を動かす事はできるんだっけー。唯一の救いだねー」
「救い……?」
「だって、『自害』できるからー」
部下達が息を飲む。永遠に閉ざされた孤独と絶望。幻想生物である鬼には、絶食による自然死という
「全員下がってー。できれば、警戒区域の外まで逃げてくれると嬉しいかなー」
「は、はぁ……?」
「お待ちください、副班長!」
意図の読めない指示に困惑する若手班員の後ろから、ベテランの班員が声を上げる。
「何をするつもりですか!?」
「……僕なら干渉できるかもしれないでしょー? 解体作業中に
ドキュメントは中身のない右袖をヒラヒラと振ってみせた。
「侵入できるかもー?」
「危険です! 絶対領域は通常の
「知ってるー」
「過去にそれを試みた者は……!」
「理解してるよー。高確率で死ぬより酷い目に遭ってるねー。その上でやるって言ってるのー。……アヴィオンのいない明日なんて、僕にとっては何の価値もないから」
人間の空想から生まれる鬼に血縁や家族という概念はない。鬼達は何処までも『個』でしかなく、それ故に……彼女らの愛や殺意には僅かな偽りもなかった。
「止めたいなら、殺してみるー?」
彼女の額から3本の角が飛び出す。意見が対立した際、幻想世界では武力による解決が望まれやすい。人間達がイメージしたままに、鬼は血の気の多い種族としてデザインされていた。
「……やめておきます。それは卑怯でしょう」
アヴィオンを助けたい気持ちは皆同じだ。一番危険な作業を担当するドキュメントに責を負わせ、自分達は反対したという立場を取るのは、卑怯極まりない。
「他の部署に状況を報告してきます。結果が出たら連絡してください。……ご武運を」
「んー、任せてー」
班員達の気配が遠ざかる。ドキュメントはコキリと首を鳴らし、虹色の靄に左腕を伸ばした。彼女の指先は抵抗なくスッと中に沈む。
「よー、しー。ちゃんと入……らないー?」
手首を突っ込もうとしたところで急に抵抗を感じ、小柄な体が弾き飛ばされた。
「……何でー?」
首を捻る。普段はアヴィオンが経験と直感で答えを導き出してくれるが、この時ばかりは彼女自身で考える必要があった。
「もしかしてー」
上着をガバッと脱ぐ。白い肌を晒し、左腕が肩まで沈む事を確認。
「……着衣禁止、って感じかなー?」
ドキュメントは下着をポイと脱ぎ捨てた。
「そろそろ、うちの班員が強硬手段を試みる頃合いじゃな」
閉所という環境は生物の本能的な恐怖を呼び起こす。どれだけ屈強な鬼でも不安に駆られ、パニックになってしまう。
我が冷静でいられるのは単なる慣れだった。謎の空間の端まで入念に調査し、脱出不可能と結論付けた後は、横になって体力を温存する。
「助けを待つだけというのも暇じゃのう」
意図的にリラックスする為に自己暗示をかけ、長期休暇中のような精神状態を作った。状況が変化するまで落ち着いて過ごす事。それが今の我にできる最善である。
「せめて鏡があれば、我の美しい姿を眺めて時間を潰せるのじゃが……」
「どうぞピヨ」
「おお、気が利くのう」
手元に現れた鏡を受け取り、サラサラと流れる優美な白髪の毛先をうっとりと……。
「って……誰じゃ、貴様!?」
思わずツッコミを入れると、鏡はポンと丸いヒヨコの形に変形した。
「私は魔法少女を導くマスコット……『マシュマロ』だピヨ。虹色の鍵の持ち主を全力でサポートするピヨ。ピヨピヨ」
あの鍵が魔法少女の変身をモチーフにしている、という我の推測は正解していたか。いや、そんな事はどうでも良い。それよりも。
「……つまり、貴様はこの不具合を解決する方法も知っておるのか!?」
「当然ピ……。警告、警告。変身システム『ドクサ』、正常に完了せず。補助システム『マシュマロ』、さ……再、さ……さささ……」
「おい、マシュマロ……?」
ヒヨコの体が薄くなっていき、最後には虹色の空間に吸い込まれてしまった。
「……やはり、鍵自体の機能で
まあ、世界の仕組みに文句を言っても仕方ない。幻想世界に運営はいないのだ。
それに、つい先ほど。鏡に映った自分自身を見て、他にもっと気になる事ができた。
「胸が……」
明らかに膨らんでいる。裸だから逆に気付きにくかったが、尻も普段より丸みを帯びているような……。
「しかし、まだ男の部分もあるのじゃ」
股間を触って呟いた。そうこうしている間に、膨らんだ胸がフッと平坦に戻る。それどころか、意識するだけで髪が腰まで伸びた。
「性別が……否、輪郭が揺らいでいる……?」
無論、原因は虹色の鍵の使用しか考えられない。おそらく、魔法少女への変身途中でフリーズした事で、我の体は曖昧な不定形になってしまったのだろう。
「くっ……これでは男物も女物も着れんではないか……! おのれ、
世の理不尽を嘆いていると、虹色の空間の隅に何かが入ってくる様子がチラリと見えた。
「女の手……ドキュメントか!」
我は両腕で裸を隠しながら待機する。こんな中途半端な体を見られたくはないが、背に腹は変えられない。
「アヴィオンー! 無事ー!?」
我の誤算は2つあった。
1つ目は、飛び込んできた直属の部下『ドキュメント』が素っ裸な事。
2つ目は……彼女の体が傷だらけだった事。
「こんな時にごめんだけど、悪い知らせだよー! 外でデッカい幻妖獣が暴れてるー! 大ピンチー! 咄嗟にアヴィオンの『絶対領域』に逃げ込んできたけど、どうしよー!?」
その瞬間。我は天啓のような閃きを得る。
「ドキュメント。貴様の腕を採寸しても良いか」
「えーと……どういう事ー? ジョークー?」
我は考えていた。移動できない虹色の空間の中で、これからどうやって生きていくか。その悩みと現状がガチッと噛み合う。
「──我が貴様の失くした『右腕』になる、と言っておるのじゃよ」
魔法少女『アヴィオン』が限定変身するとしたら?(票数多い順に衣装獲得)
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①ボディスーツ
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②ゴスロリ
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③修道服
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④チャイナドレス
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⑤体操服
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⑥キャミソール