第四魔法使いのヒーローアカデミア   作:ネル

10 / 10

 感謝…圧倒的感謝…!
 感想も来てるし思ったより読んでもらえてるしで感謝…!


10話蠢く闇

 

 

 雄英高校襲撃が終わると同時に大都会の片隅にある、薄暗いバーの空中に暗い穴が空く。

 這々の体で中から出てくるのは死柄木と黒霧。

 

 語るまでもないがヴィラン連合による襲撃は失敗。襲撃開始時には100を超えるヴィランが参加したが逃げれたのはたった二人。

 

「完敗だ……。脳無もやられた。手下共は瞬殺だ……子供も強かった……。平和の象徴は健在だった……!話が違うぞ、先生……」

 

 死柄木たちは箱内との戦いを終えた後、予定通りオールマイトと対峙した。

 脳無は対ショック耐性、超速再生、素でオールマイトに迫るほどのパワーが備えられ、並のプロヒーローなら無造作に薙ぎ払えるほどの怪人。

 しかし脳無は期待されていた対オールマイトとしての働きは出来ず、オールマイトの数発のパンチでUSJから吹き飛ばされ撃退されていた。

 

「違わないよ」

 

 死柄木の恨み言に、バーカウンターにある一台のモニターから男の声が響いた。

 

「ただ見通しが甘かったね」

「うむ……なめすぎたな。敵連合なんちうチープな団体名で良かったわい」

 

 モニターから響く声は2つ、どちらも男性。

 

「ところで、ワシと先生の共作脳無は?回収してないのかい?」

「吹き飛ばされました。正確な位置座標を把握出来なければ、いくらワープとはいえ探せないのです。そのような時間は取れなかった」

 

 黒霧の言葉に自分のことをワシと呼ぶ男性は落胆したかのような声を出した。

 

「せっかくオールマイト並みのパワーにしたのに……。まァ……仕方ないか……残念」

「アイツがいなければ、オールマイトを殺せたかもしれない……。

 ガキがっ……ガキ……!アイツがいなければ脳無はオールマイトに勝ててたのに…!」

 

 その言葉を聞いて興味深そうな声がモニターから出てくる。

 

「そこまで言うとは興味深いね、どんな生徒だい?」

 

 死柄木が思い出すのは片腕にも関わらず脳無を刀で切り捨て、オールマイトに勝てると信じた脳無を追い詰めた生徒。

 挙げ句の果てには間違いなく当たったら死んでいたと確信する攻撃を躊躇いなく放とうとした生徒。

 

「うん、興味深いね。刀に魔術か…その子供はコチラでも調べてみよう」

「畜生……畜生っ……!」

「悔やんでも仕方ない!今回だって、決して無駄ではなかったハズだ」

「精鋭を集めよう!じっくり時間をかけて!」

 

モニターから巨悪の声が響く。

 

「我々は自由に動けない!だから、君のような"シンボル"が必要なんだ。

 死柄木弔!!次こそ君という恐怖を世に知らしめろ!」

 

 

 

 モニターの電源を落とした後。バーから遥か離れたとある病院の地下で巨悪たちの反省会が続く。

 

「予想通りではあるが…うむ、脳無を回収できなかったことが悔やまれるわい。」

「生徒を相手にして消耗した脳無が相手だといえ、数発のパンチで吹き飛ばすとはオールマイトも思ったより衰えてないようだね。全盛期並みのパワーを維持してるんじゃないかな。

 後継者に個性を渡したら衰えるかと思っていたんだけど、まだ次を決めかねてるのかな?」

 

 オールマイトの個性はワンフォーオール。聖火の如く代々引き継がれていく個性。

 個性の中でも異質であり、社会の混乱を防ぐためにも極秘とされ知る者は片手で数えられるほど。

 そんな秘された情報を闇の中では当然のものとして語られる。

 

「どうじゃろうな。雄英高校におるのは後継者育成のためじゃと思ったのじゃが。…もしや個性を譲渡した上で全盛期並みのパワーを維持してるんじゃなかろうな。」

 

 勿論、オールマイトは緑谷出久に個性ワンフォーオールを譲渡済みで全盛期のパワーはもはやない。

 脳無を数発のパンチで吹き飛ばしたのも脳無が消耗しきっていたのと血まみれになっていた相澤、箱内、八百万を見て勝負を急いだ結果でしかない。

 

 そんなことはつゆ知らぬ巨悪たちはまさかの推測に沈黙が走る。

 あり得ないと思いつつもオールマイトの規格外さをある意味最も知る2人にはその推測を否定し切る勇気はなかった。

 

「ドクター、予定変更するよ。オールマイトが思った以上に衰えてない可能性が出てきたからね。万一の為にもコチラも戦力を増強しなくてはね」

「それは良いがどうする?弔に同行させたのは対オールマイトに特化させた上位脳無。上位より上はハイエンドしかおらんが、ハイエンドを創るには時間がかかるぞ」

 

 少し悩み数秒、巨悪が答えを出した。

 

「僕も予定を変更してしばらくはハイエンド製造に集中するよ。僕も全力で協力すればハイエンドだろうと半年で数体は創れるだろう?」

「もちろんじゃ、お主が協力してくれるなら心強い。ハイエンドになれなかった失敗作も上位となるし、それなりに戦力を増やせるじゃろうな。」

 

 個性社会の闇の中で蠢く。蠢く悪意が世界の分岐をまた少し歪めた。

 

 

 

 雄英高校では敷地外訓練施設でのヴィラン襲撃を受け一日の臨時休校が挟まれた。

 事件の捜査と警備の敷き直しの為の時間だ。

 

 そんな学校を挙げての捜査が終わった後の休校明け、教室は襲撃時の話題で持ちきりになっていた。

 お互いの無事を労った後に話題になったのは箱内の事。

 

「箱内君、大丈夫かなぁ」

「帰ってくると信じて待つしかないだろう」

「あんな事あって、帰ってきてくれるかなぁ」

「ヒーロー目指すの辞めないといいんだが…」

 

 相澤先生、八百万と共に病院送りになった箱内。

 搬送時に片腕が無くなっていて、更に気絶しているとなれば心配しか残らない。

 少なくとも雄英に戻る迄、しばらくは時間が必要だろうと考えられていた。

 

「もう一度聞くけど本当に八百万さんは登校しても大丈夫なの?」

「うむ、大事をとって安静にするべきだと思うのだが」

 

 恐る恐る緑谷が既に登校していた八百万に問いかける。

 

「ええ、毎日リカバリーガールのところに通うならば登校して良いとのことでしたわ」

「無理はダメよ、百ちゃん」

 

心配気に問いかける蛙吹に対し無理はしてませんわと笑う八百万。

 

「病院で検査を受けましたが全くの異常なし、健康そのものだそうですわ」

「それはおかしくない?めっちゃナイフで刺されてたよね。それで健康なわけなくない?」

「刺された後も治療の後もないので個性で幻を見せられたのではないかという意見もあった程の健康体ですわ」

 

 ただ幻覚を見せられたのではと言う意見は血まみれになった八百万のコスチュームにより否定された。

 あまりの痕跡のなさに物証たるコスチュームがなければ幻覚を見たとして処理されていただろう。

 

「おはよう」

「あぁ、おはよう箱内君」

 

そんな話をする中、ガラガラっと遠慮なく教室の扉を開け近くを通り過ぎていくのは話題の箱内。

 

「待った!箱内君待ちたまえ!」

「何や何や!カチコミか!?」

 

 飯田の声に釣られて他の登校済みのクラスメイトもゾロゾロと集まってくる。

 

「腕は!?」

「痛くない!?平気!?」

「もう来て大丈夫かしら?」

「漢見せたんだってな!」

 

 登校しただけで包囲された。

 完全に包囲され身動き取れない、コレが動物園の珍獣、あるいはメタルスライムの見る世界か…!

 ダンボールを被って潜入するべきだったのか…!この千里眼E --を持ってしても見破れなかった…!

 

「箱内さん!腕はどうなりましたか!?」

 

 八百万と耳朗が揃って走ってやって来る。

 まだ元に戻ってない左腕をふると肘から先はないので袖が力なく垂れる。

 二人の顔色が真っ青になったがそこまで心配する必要はない。

 

「すみません!私が不甲斐ないばかりに!お詫びに何でもさせていただきます!」

「今なん…いらん、いらん!」

「ウチにもなんでも言って」

「いらん言ったの聞こえてない?」

 

 今、何でもって言ったよね。とネタに走りたい所だったが辞めといて正解。

 二人とも罪悪感まみれの表情をしている。

 特に八百万はお嬢様らしいのでネタに走り適当に言った無理難題すら実行しそうなのが危険なところ。

 そんな地雷が埋まってそうなところでネタに走る勇気はなかった。

 

「今は腕ないけど魔力さえあれば生やせるから、実質無傷。気にしないように」

「どのぐらいで元に戻るの?」

「三年ぐらいかな、多分きっとおそらくメイビー」

 

 ヒュッと息を呑んだ二人のただでさえ真っ青な顔が更に青くなる。

 後で聞いていた他のクラスメイトも顔を歪める。

 

 勿論三年の期間は嘘。俺の魔術の腕はそこまで良くない。

 特に回復させる系の魔術はまともに使えない、おそらく真面目に魔術だけで治そうとすれば寿命が来る。

 

 なので治すときには魔法を使いましょう。魔法さえ使えば一発解決、一分で元通り。

 ま、絶対ヒーロー活動に関係するところで魔法は使わないけど。

 

 それはそれとして、見た感じ八百万と耳朗の罪悪感が強そうなので一応卒業前には腕を元に戻すことにした。

 八百万や耳朗も俺の腕が治るなら安心。俺も無闇に魔法を使わずOK!みんなWin-Winだね!

 

「そんな…」

「三年も…」

「仕方ないさ、致命傷を治す対価にはそのくらいは必要、分が悪い賭けだったからボロ儲けだな!」

 

 一応こちらは本音。割とかなり分の悪い賭けだったので成功した分だけボロ儲け。

 

「…どうしてそこまで…していただけるのですか?」

 

 理由は特にない。強いて言えばハッピーエンド信者で八百万や耳朗と意外と気が合った。それだけだ。

 勿論見ず知らず人にはそこまでする気はない。あぁ残念だね、次頑張ろーとなる。

 

「こんなところで知り合いに死人が出ちゃ目覚めが悪い。それだけで充分では?」

 

 ふっ、ヒーローエミュ成功だな!多分これが皆の求めるヒーロー像!完璧なエミュだぜ!

 

「くぅっ、漢だ」

「我が身を捧げ友を救うか、これぞ英雄の行い」

「僕たちも協力出来ることがあったら言ってね!」

 

 俯いていた八百万が覚悟を決めたような顔でこちらを見た。

 

「私の個性、創造ならば三年より早く代わりの腕を創造して移植できるかもしれません。

 時間がかかるかもしれませんが必ず成し遂げますわ。ええ、今すぐは難しいですが、いつか必ずっ!」

 

 出来るもんならやってみな!と思ったがダメだ。

 八百万が腕を治す、俺の腕を代償に誰かを治すのループが出来上がってしまう。

 最悪腕のロスト、再生で稼働する高性能治療機器として八百万とセットで病院に据え置かれ運用されかねない。

 

「ほ、ほどほどでいいのよ?それより自分のためにね…!」

 

 やばいループに入るルートを避けようと説得するが八百万の意思は固かった。

 

「いえ、絶対に治してみせますわ!」

「アンタはウチらの恩人なんだからお礼の気持ちは黙って受け取ってればいいんだよ」

「だから要らんわ」

 

 むしろ止めて!少なくとも腕の再生はノーサンキュー!ただ、説得しても八百万の決意は変わらなかった。

 

 こうやって地獄への道は善意で舗装されていくんだね…。知りたくなかったよ…。

 

 その後のお話、御礼は要らないと言ったが授業が始まった途端手のひらを返す事になった。

 そう見抜けなかった…片腕なしでノートを取ることが大変だということに…

 なので八百万に文鎮作って貰いました。そんな顔しながら作らんでも…

 耳朗にはノートを借りることになりました。

 悪いね、二人とも速攻手のひら返して。

 

 そしてお返しっていうのはこういうのでいいんだよ。

 だからこっち来んな!二人揃って俺の世話しに来るな!一人で歩けるっての!俺は要介護の重病人じゃないんだぞ!

 

 

 ヴィランの襲撃で病院に搬送されたのは三人。箱内、八百万、相澤の三人。

 箱内と八百万は無事かどうかはさておき登校済み。

 では最後の一人の相澤先生の安否は?

 

 予鈴が鳴り、静かになったタイミングで、教室の扉が開いた。

 

「おはよう」

「「「相澤先生復帰早えええ!!!!」」」

 

 扉を開いたのは相澤先生。

 しかし怪我は治しきれなかったのか全身ミイラの如き姿でやってきた。

 

「先生、無事だったのですね!!」

「無事言うんかなぁアレ……」

 

 見てるだけでも危なっかしいヨロヨロした動きで教卓に向かうのを眺める。

 重体でとてもではないが出勤には早すぎる。

 ヒーローはこんな重体でも復帰しなくてはいけないのかと戦慄がはしる。

 やっぱヒーローはブラック企業。

 

「俺の安否はどうでも良い、そもそも箱内の方が重傷だ。何よりまだ戦いは終わってねぇ」

「戦い?」

「まさか……」

「まだヴィランがー-!?」

 

 ヴィランはない、あったら臨時休校は何の為にあったんだという話になる。

 

「雄英体育祭が迫ってる!」

「「「クソ学校っぽいの来たあああ!!」」」

 

 相澤先生の言葉を聞いて、皆はほっとすると同時に歓声を上げた。

 

 雄英体育祭。多数のメディアを入れた会場の中で行われる、個性ありの体育祭だ。

 テレビでも放送されるそれは、かつてのスポーツの祭典であるオリンピックに代わって全国を熱狂させている。

 

 まず前提としてこの世界、スポーツ業界が規模も競技人口も縮小してしまった。

 これは『異形系個性や身体的特徴を持った選手の参加を認めるか、否か』という問題に否を突きつけた結果だ。

 

 これは仕方のない部分がある。例えばバスケットボールやバレーボール、これらのスポーツは身長がものを言う。

 個性社会になってからは異形系の個性持ちだと素で4メートルぐらいある人もゼロではない。更に発動するタイプの個性も含めれば二十メートル越えする個性も少なからずいる。

 ここまで身長差があると個性がない人とは公平な試合など望めない。なので当時のスポーツ界は個性持ちの参加に否を突きつけた。

 

 当時はこれで良かったのだ。否を突きつけた当時は個性持ちがほとんどいない社会。1割に満たない個性持ちを排除しても問題はなかった。

 

 だが時代は進み、今や人口の8割が個性を持つ個性社会。

 異形系のスポーツ参加を禁止するだけでも人口の数割が参加資格を失う。

 となれば競技人口は減り、競技人口が減れば規模も小さくなり、スポーツ業界が斜陽となった。

 

 その代わり雄英体育祭は派手に個性が使われるため見応えのあるお祭りとして楽しまれている。

 

 そんな一般の人には見応えのあるお祭りだが雄英生にとって雄英体育祭は全く違う意味を持つ。

 この体育祭には、現役プロヒーローがスカウト目的で大勢観戦に来るのだ。ここでプロに見込まれれば未来が開けると言っても過言ではない。

 

「資格取得後はプロ事務所にサイドキック入りが定石だもんな」

「そっから独立しそびれて、万年サイドキックってのも多いんだよね。上鳴あんたそーなりそう。アホだし」

「くっ!」

「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が経験値も話題性も高くなる。

 時間は有限、プロに見込まれればその場で将来が拓けるわけだ。年に1回……計3回だけのチャンス。

 ヒーローを志すなら、絶対に外せないイベントだ!」

 

 

 相澤先生から喝を入れられた放課後。1-Aの教室前は人ごみで大変なことになっていた。

 

「うおおお……何ごとだぁ!?」

「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」 

「敵情視察だろザコ。ヴィランの襲撃に耐え抜いた連中だもんな。戦いの前に見ときてえんだろ。意味ねェからどけ、モブ共」

 

 びっくりする麗日や憤る峰田に爆豪がこの人ごみがどういう目的で来ているのか口は悪いがキッチリ説明している。案外親切。

 

「知らない人のこととりあえずモブって言うのやめなよ!」

 

 爆豪はこういうところはすぐ答えを出す。

 口は悪く態度もどうかと思うが、頭の回転は良く、個性も運動神経も良い。

 後は口と人当たりの悪さをどうにかすればいいヒーローになるだろう。…出来ればね。

 

 その後は紫髪の普通科の人が宣戦布告したり、B組の人が怒鳴り込んできたり、爆豪が煽った上でそれらを無視したり色々あった。

 敵を増やしたなんて上鳴が爆豪に怒っているけど、最終的に同じクラス、友人ですら体育祭では敵になるのだから全く関係ない。

 

「全く…宣戦布告しに来るとは余裕だよな。警戒されるデメリットがあるのに姿を見せに来るなんて。後ろから刺せるチャンスをふいにしたな」

「アンタたまにシビアになるよね」

 

 だってな…不意打ちのチャンスを自分で逃してるんだ、勿体なさすぎる。そう思わないか?

 敵を倒すのに暗殺は1番手軽なやり方の一つだろ?

 

「じゃ、オメーが体育祭に勝ちたいならどうすんだよー」

「体育祭当日にバレないぐらい薄めた毒をライバルの教室に流す」

 

 どこまで薄めず毒を流せるかがカギですね。濃すぎたらバレ、薄すぎたら効果がない。

 ギリギリを狙うチキンレースの開幕だ。

 

「オメーは倫理観ゆるキャラか!」

 

 失敬な、確実に勝つ方法を考えただけじゃないか。

 

 

 放課後。

 

「そういえばどうしてヒーロー目指してるん?」

 

 駅まで何人かと一緒に話しながら歩いていると、ふいに耳朗がそう訊ねた。

 麗日は家族を楽させるためにお金を稼げるヒーローを目指してる、そんな話をしてるのを耳にして気になったのだろう。

 

「箱内がヒーローに憧れて目指してるって理由はなんかイメージと遠い」

「たしかに!」

「耳朗は憧れからってのが意外だったけどな」

「それより今は箱内!」

 

 顔を赤くした耳朗が話を無理やり戻す。

 

「…結構みんな真面目にヒーローになりに来てるから言いにくいんだけど…」

「実は峰田と同じくモテたいから?」

 

 流石にない。モテたいにしてももっと手軽な、危険のない選択肢を選ぶ。

 逆にモテたいの一心だけで雄英ヒーロー科に合格した峰田は凄いんだけどな!

 

「目標達成のため個性を鍛えるのが必須だったからヒーロー科に。もう必要は無くなったけどな。

 それと自衛手段を持つ為だよ……今の社会どう思う?」

「どうとは?」

「オールマイトが台頭してからヴィランは減少した。人通りの多いところなら何処でもヒーローの1人や2人見つけれるヒーロー飽和社会になってる」

「だよねーヒーローを見ない時はないぐらいだもん」

 

 そうなのだ、何処を見てもヒーロー。そしてたまにヴィラン。

 ヒーローだけならまだいいがヴィランがセットで付いているのがダメ、致命的。

 殺虫剤まみれの場所に虫が出てくるのと同じ様なもの。殺虫剤たるヒーローが全くヴィランに効いてない。

 

「犯罪率6%、コレは平和の象徴がいてだ、オールマイトだって衰えるし寿命もある。

 オールマイトがいなくなったら社会は荒れに荒れるだろうさ。

 今のヒーローはヴィランと戦う最中に守るべき市民を遠ざけることなく近くに居させたままいるぐらい平和ボケしてる。

 だから自分の身は自分で守らないとな。なのでヒーローに。ヒーローになれば個性使用許可証が手に入るからな」

「し、辛辣ー」

「随分悲観的な見方だね…」

「イヤイヤ、オールマイトが引退してもよ!

 オールマイトより事件解決数が多い、No.2のエンデヴァーとかさ。沢山凄いヒーローいるじゃん大丈夫じゃね!?」

 

 確かにまだヒーローは人材豊富だ。だが問題はヒーローにだけあるわけではない。

 

「問題はまだあるさ、守られる方も問題だな。

 ヴィランのことは突然でてくるやられ役としか見ずに発生原因を考えようともしない。

 それにヒーロー社会の仕組みは個性黎明期に出来てそれっきり大きな変化はない。

 オールマイトに全てを頼りオールマイトが全てを支える構造になってしまった。正直なところ、このままうまく続くとは思えない」

「確かに問題がないとは言えませんね…」

「そっかー、そんな見方も出来るんだー」

 

 これは結構悲観的に考えた未来。

 個性で自衛など考える必要もないくらい誰かが上手いこと次の社会へ着地させるかも知れない。自分たちが生きてる間には問題はないかもしれない。

 だがそれに期待して何の備えもしないのは間違えているだろう。

 誰かに期待だけして何もしないなど笑い話にもならない。

 

「ハイ!この話終わり。悲観的な考えもありますよぐらいで忘れるのがちょうどいいさ」

「そ、そうだよな!次は明るい話だ!体育祭、去年の見たよな!今年は何やると思う!?」

 

 去年は競技中に全裸になっていた人がいて話題になっていたが今年はどうなることやら。

 

 

 




感想にあった箱内の礼装について解説。


箱内の礼装
 趣味で個人的に作っている。都市伝説をモデルとしてるが大抵ガラクタ。
 戦闘用は持ってない。礼装使うより自力で倒した方が早いと思っている脳筋。

人体模型 
 家事をする礼装があれば便利では?との思いつきで作られた礼装。
 家事をさせたが自分で動いた方が早かった為、稼働2日目にして放置された。
 放置して数日後に胴体のど真ん中を踏み抜いてしまい破損。

テケテケ 
 上下に分断してしまった人体模型の残骸から作られた礼装。
 当然ながら人体模型より身長がない為、家事に向かなかった。
 稼働2時間で廃棄。

メリーさんの電話
 雄英に入ってから制作された対ヴィラン向け携帯電話型礼装。
 電話をかけた相手の背後に転移することが出来る礼装。
 完成後、ヴィランの携帯番号を知らないことに気づく。泣いた。
 それでも稼働実験はしたが礼装だけが転移して携帯は壊れた。また泣いた。

 なお二学期になったら箱内の礼装が原因でちょっとした?騒動が起こる模様。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

個性図書館によるヒーローアカデミア(作者:ヨガマスター)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ヒロアカを見ながらLibrary of ruinaをやってたら死んだっぽい。▼そしたらなんかヒロアカの世界に転生した。▼しかも個性図書館。▼……どうしよ?▼ヒロアカ世界で図書館の機能を使えるように拡大解釈と強化が施されてるのでそこで無理になった人は素直に見るのをやめましょう。▼あと作者は割とヒロアカのにわかだから設定に矛盾があったらごめん▼ちなみに個性図書館…


総合評価:2763/評価:8.17/連載:33話/更新日時:2026年08月12日(水) 12:03 小説情報

この超常社会Live2Dのイケメンアバターより『疲れ切った23歳男の地声を持つロリ美少女』の方が需要あるのバグ以外の何物でもないでしょ(作者:九咲)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ヒロアカ世界でVTuberを兼業する底辺ヒーロー(転生者)の話


総合評価:288/評価:8.12/連載:17話/更新日時:2026年08月11日(火) 07:08 小説情報

個性、海賊。ヒーロー向きじゃないって?これ以上ない英雄の個性だろ!(作者:紡縁永遠)(原作:僕のヒーローアカデミア)

事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。▼ 以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。世界総人口の約八割が何らかの「特異体質」である現在、個性を悪用する敵(ヴィラン)により混乱渦巻く世の中で、かつて誰もが空想し憧れた一つの職業が、脚光を浴びていた。そう、「ヒーロー」と呼ば…


総合評価:690/評価:5.92/連載:6話/更新日時:2026年07月15日(水) 00:00 小説情報

十種転生(作者:さすらいとさすらいと)(原作:僕のヒーローアカデミア)

呪術廻戦してたらヒーローの世界へ転生した▼ヒーロー精神何かいらねぇ!!!楽しけりゃ良いんだよ!!


総合評価:187/評価:6.33/連載:4話/更新日時:2026年07月20日(月) 13:12 小説情報

幻想の力でヒロアカ生活(作者:ろぐいんち)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ちょっと毒舌で皮肉屋、だけど困ってる人をなんだかんだ見捨てられないクール女子が頑張ってヒーローを目指すお話です。▼基本的に主観で進みます。ロボトミ、プロジェクトムーンの知識がないと少し分からない所が多いと思うので、少し情報を書いておきます。これはネタバレではなく前提知識としてお読みください。▼【EGO】▼主人公が使う武器や防具の事▼【侵食】▼EGOの力に精神…


総合評価:199/評価:7.75/連載:16話/更新日時:2026年06月14日(日) 18:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>