第四魔法使いのヒーローアカデミア 作:ネル
分からない。分からない。
何故、終わりのエリちゃんがカルデアのマスターを並行宇宙転送で拉致れたのかが分からない。
終章で判明したとおり、カルデアは普通じゃない世界(FGO2部終章未プレイ向け配慮)だよね。何で拉致れてるの?
1.終章の説明は嘘、あるいはこれから覆せる
2. 蒼輝銀河では特殊な世界でも存在を特定できる
3.ハロウィンだから
このぐらいしか思いつかない。何か見逃してる。
教えて有識者。
第4試合、箱内対上鳴戦。
発目によるサポートアイテムのプレゼンで生まれた微妙な空気を残したまま、上鳴対箱内が始まろうとしていた。
ステージの上に向かう選手2人。
ステージで向かい合った瞬間、箱内と上鳴は同時に顔を顰めた。
「ウエーい…箱内かー!」
「いやーだ…上鳴かー!」
上鳴は騎馬戦で同じチームだった相手が一戦目からという意味で。
箱内は相手の戦力的な意味で。
「2人とも落ち込んでいるところ悪いけど準備はいいかしら?」
「2000年後まで準備できないです」
準備?ノーに決まってる。相手は上鳴だよ、上鳴。
上鳴は体に電気を纏わせて放出する事ができる個性。
上鳴の放電は小規模な雷と言っても良い、かなりの脅威。
そんな強敵相手に準備もなしに立ち向かうのは正気の沙汰じゃない。
地面タイプになって電気無効化できるまで試合延期でよろしいか?
「箱内君は準備万端ね!上鳴君はどうかしら!?」
あっさりと俺の冗談を受け流したミッドナイトは上鳴の方を向く。
上鳴は頬を叩き気合を入れ直した。
「ウェーい…!しぁねぇ、やるか!OKっす!」
OKじゃねぇんだよ。やりたくないんだよ。本戦に出てしまった以上一回ぐらいは勝っておきたいんだけどな。
そんな俺の心の声は誰にも伝わることなく熱狂が戻りつつある会場に溶けて消えた。
『オーケー!選手の準備が整ったようだぜ!
では、いくぜ!第4試合、スタート!』
プレゼントマイクの声が試合の開始を告げる。
「いくぜ!一瞬でケリをつけてやる!」
スタートの合図と共に上鳴が全身に力を込めた。
上鳴の基本にして必殺技となる放電をしようとしているのだ。
放電は広範囲に及び、早く、避けるのは難しい。
当たれば敗北は必至。
そんな上鳴に対抗するように魔術回路に魔力を流す。
「セット、投影開始っ…間に合うか!?」
「10万ボルト!」
動き出しはほぼ同時。
上鳴の全身から閃光と共に凄まじい電撃が放たれる。
ステージを奔るのは避けられぬ電撃。USJ、騎馬戦と10数人もの敵をたった一度の放電で戦闘不能とした一撃が迫る。
当たれば戦闘不能は免れぬ必殺の一手。
しかし、それは当たればの話。
電撃が迫る直前、箱内が投影したものが10数本ステージ上に乱立した。
上鳴が必殺を期して放った電撃は投影したものに吸い込まれ地に流れた。
「何これ!?」
上鳴が驚愕した声を上げる。
「避雷針。既に人類は雷への解答は終えている」
狼狽える上鳴を見てギリギリ間に合ったと胸を撫で下ろす。
避雷針。
雷による電流を安全な経路へ導き、地面へ逃がすための設備。
落雷による被害防止の為、20メートル以上の高さがある建物は法律で設置を義務づけられるほど普及した一般的なもの。
雷は古代には無慈悲にも建物を焼き、人の命を奪っていく恐ろしい災害であり、神の御業とされていた。
だが、今や雷はベンジャミン・フランクリン、ニコラ・テスラを始めとする偉人により神の御業から単なる自然現象にまで貶められた。
かって人類には抗い難い対処不可な神の御業とされた雷は攻略可能な現象となったのだ。
つまり?電気対策に地面タイプになれないなら避雷針を持ってきましょう、って話ですよね。
「えっ、じゃあ放電しても無駄ってこと!?」
「完封しました。対戦よろしくお願いします」
「マジかよ!?」
嘘。
俺の拙い技量では投影魔術は十数秒も持たない。
オールマイトの初授業後の反省会で投影した消しゴムと同じく、投影した物の寿命は十数秒。
それを思い出していれば上鳴も避雷針が消えるまでの残り数秒を耐えて仕切り直すことができた。
だが上鳴は個性が効かなくなったと信じて狼狽えるばかり。
そんな数秒があれば上鳴を殴り飛ばすには充分な時間。
上鳴までの道中にある避雷針を軽く触れるだけで砕きながら上鳴へ駆ける。
「うぇい!?そんな簡単に壊れるの!?」
「豆腐より柔い避雷針だ!頑丈さはお墨付きだぜ!」
偽物だからね、しょうがないよね。そんなことを思いながら握りしめた拳に日頃の恨みを込める。
「日頃の恨み!これは今日のスペシャルランチ売り切れてた分!」
「ちょっ!?俺も食べ損ねた奴じゃね!?理不尽!?」
感電防止に投影した厚手のゴム手袋を身につけ、上鳴とは無関係の長年、具体的には1時間熟成された恨みと全体重を乗せた拳を上鳴の腹にめり込ませる。
「ゔぇい!?」
殴られた上鳴の身体がくの字に折れそのまま宙に浮き、そのままの勢いでステージの外に向かって飛ぶ。
そんな宙に浮く上鳴をターゲットにして魔弾を用意する。
「これはガチャで爆死した分!すり抜けは悪い文明!
これはタイムセール争奪戦に負けた分!売り切れも悪い文明!
そして、これは、これは…何となく!ストレス発散!」
思いつく限りの恨みを魔弾に込めて宙に浮く上鳴にぶっ放す。
宙に浮いていた上鳴が幾つもの魔弾で打ち据えられ、遠くへ飛んでいく。
たっぷりと溜まった恨みにより空中で何度も魔弾で遠くまで押し出された上鳴はステージの外にドサリと放り出された。
「上鳴くん!場外!勝者、箱内くん!」
ドッと観客席から歓声が湧き上がる。
『YAEEEEE!理不尽な理由の攻撃で箱内が一回戦突破ぁぁ!やべぇぐらい理不尽すぎるぜ!
ともかく、電気に対して避雷針を作るカウンターが決まったぁー!
おい、イレイザーヘッド、避雷針作るなんてアイツスゲェな!』
観客の歓声を塗りつぶすプレゼントマイクの絶叫が響き渡る。
それに同調する相澤先生の声。
『………ああ、俺も驚いている。個性であんな避雷針を作れるとはな』
(ん…?なんだ?)
相澤先生のその言葉にふと、嫌な予感を感じる。
何か書類らしきものを捲っている、放送席の相澤先生。
『…入学時の個性届けには書いてないな』
…投影を個性届けに書いた覚えはないな。
おっと?もしかしなくても、勝ち方を間違えた?
『箱内、今度職員室に来い。書いてないことがあるようだな、書類の書き直しだ』
おわー!藪蛇ー!上鳴に勝った勝利の余韻など跡形もなく溶けて消えた。
5回戦 芦戸対耳郎。
「勝ったけど…勝ったけど…、勝ったんだけど…」
「…ドンマイ!」
負かした上鳴に慰められながら観客席に戻る。
まさかの体育祭終了後に書類の書き直しとは…
「お!帰ってきたぞ!」
「2人ともいい試合だったぞ!」
確定した職員室への呼び出しにウンザリしながら観客席に戻るとおめでとう、と声をかけてくるクラスメイト達。
「狭ちゃん、個性のことは全部、先生に伝えなきゃダメよ」
「個性事故もあるからねー、ウチも前やっちゃったことがあるんだよ」
ついでに蛙吹からも苦言も呈される。
うーん、正論。個性の件は反論できない。
つまり、個性じゃない魔術は隠してもいいって事っすよね!だから隠すね。
ま、今はそれより次の試合だ。
ステージを見るといつもと同じ笑顔の芦戸と冷静な冷えた瞳で向かい合う耳郎。
二人は向き合い試合開始を待っている。
「どっちが勝つと思う?耳郎勝つといいんだけどな」
「耳郎が不利じゃないか?芦戸は全身から酸を出すからイヤホンジャックを近づけにくいでしょ」
上鳴と一緒に空いている観客席に座る。
芦戸の個性は酸。
全身どこからでも溶解液を出せる個性。
全身から酸を出されるだけで接近戦を主体とする俺のような奴らは近づき難くなる。
なのでサポートアイテムなしだと接近戦しかできない耳郎が不利。
そんなことを考えているとプレゼントマイクの試合開始がスタジアムに広がった。
『スタート!!』
開始の合図と共に耳郎が動いた。
「速攻!」
開始の合図と共にイヤホンを伸ばし芦戸に駆け寄る耳郎。
「甘いよ!」
対する芦戸も即座に反応。
酸を全身から飛び散らしイヤホンを近づけさせない。
「やっぱり相性が良くないなぁ」
芦戸は撒き散らした溶解液を使い地面を滑る。
自分で作った溶解液を利用して、まるでスケートのように移動している。
芦戸は酸で道を作り滑って耳郎に接近する。
耳郎の周りを動くたびに周囲の地面が溶解液で濡れ、逃げ道が塞がれていく。
耳郎もなるべく逃げ道を塞がれないようにと動くが次第にステージの隅へと追い詰められていく。
「マズっ!」
耳郎が酸で濡れたスタジアムを歩こうとして足が滑った。
そんな明確な隙を芦戸は見逃さない。
「隙ありー!」
体勢が崩れたところを狙って芦戸が急接近して殴りかかる。
しかし耳郎の方が一枚上手だった。
溶解液でステージの濡れていない部分にイヤホンを刺し、それを支えとして芦戸の拳を回避する。
「えっ!?」
予想していなかった回避方法に拳を振り抜いたまま動きを止めた芦戸。
「焦ったね、悪いけどウチの勝ちだ」
そう勝ちを宣言して芦戸から滴る溶解液で焼けるのにも関わらず芦戸の胸にイヤホンを突き立てた。
「ハートビート!」
「アギギギギギ!!」
突き刺されたイヤホンから音が衝撃波として体内に直接流し込まれる。
芦戸の動きが止まり、一拍あとにステージに崩れ落ちた。
「芦戸さん行動不能!」
第5回戦、耳郎の勝利。
勝った耳郎は次へ進み、敗れた芦戸はここで敗退。
体育祭は、少しずつ勝者と敗者を分けていく。
第6試合。常闇と八百万。
「緑谷君、この試合どう見る?」
「この試合は時間がカギになると思うよ」
飯田と緑谷が話しているようにこの試合は時間がカギになる。
八百万が強力な、もしくは常闇に対して有効な道具を作り出したら八百万の勝ち。
それまでに常闇が押し切れば常闇の勝ち。
「短期決戦を望む常闇対長期戦に持ち込みたい八百万の構図だな」
案の定、試合は盾を作り出す八百万と敢えて盾を攻撃して八百万を場外に押し出す常闇から始まった。
常闇が操るダークシャドウの一撃目は盾ごと八百万を吹き飛ばし、八百万も負けじと2枚目の盾を創り出したが二撃目も盾ごと八百万を吹き飛ばした。
その二撃で八百万は場外、開始数秒で決着はついた。
強いのに負けるとは、なむなむ。ま、そういうこともあるよね。
戻ってきた八百万は悔し気に一言。
「何も出来ませんでしたわ…」
「ドンマイ!俺と同じだ!」
上鳴が不器用な慰めかたをしている。
八百万は常闇との相性が悪かったのでしょうがない。
「戦うのに準備が必要な個性は不利だよな」
「そもそもダークシャドウ強いしね。次、ウチの相手だけど勝てるかな?」
さあ?だが頑張って常闇の弱点を見つけてくれ!俺が常闇を攻略する時のヒントになるからな!
影って、ダークシャドウって殴れるのかな?殴れるなら勝てそうだけど、そこらへんどうなんですか!?
第7回戦 尾白対切島
『オオオオオー!』
試合が始まって数分。
ステージに立つ尾白と切島は真っ向からの肉弾戦を演じていた。
「そうそう!これ!こういうのを求めていたんだよ!」そんな声が聞こえてきそうな、興奮と熱狂がスタジアムに広がる。
この試合は派手さはないが、真っ当かつ、熱い体育祭らしい戦い。
「そこっ!」
切島の拳が尾白に迫る。
尾白はその拳を受け流しつつ、切島の脇腹に尻尾を強打する。
「甘いぜ!」
切島は身を固め、その一撃を容易く受け止める。
派手な攻撃はない。
だが、お互いに自分の強みを押し付ける動き。
個性の尻尾や身体捌きで切島の攻撃を受け流し反撃に繋げる尾白。
受け流し、躱し、前に出る。
硬化の個性で全身を硬化させ尾白の攻撃を真っ向から受け止める切島。
受けて、耐えて、前に出る。
尾白の技と切島の力、互いに決定打が欠けたまま長い攻防が続く。
柔よく剛を制し、剛よく柔を断つ戦い。
そんな言葉が似合う激戦。
「尾白は上手いな」
「切島も硬ぇぞ」
尾白と切島の2人は大きなダメージを負わずに戦い続けている。
「でも、これ長くない?」
「あと少しでタイムアップになるよー」
「じゃあ、そろそろ決めないと」
上鳴の言葉に頷く。
このまま決着がつかなければ時間切れ。
だが両者とも、そんな不粋な終わり方をするつもりはなさそうだった。
時間切れが目前に迫る中、ステージに立つ2人の動きも変わる。
尾白が尻尾を低く構え、切島も拳を握り直した。
明らかに次の一撃で決める、その決意が姿勢からも読み取れる。
「次で決める!」
「望むところだ!」
切島が地面を蹴り、尾白も同時に踏み込んだ。
ここまで来たら、もう小細工はない。
「うおおおおおおっ!」
「はあああああっ!」
二人の距離が一気に縮まる。
切島は拳を振りかぶり、尾白は尻尾を大きく引いた。
互いの渾身の一撃が交わった後。
「やっぱ力勝負はダメだったかな…」
尾白が一言だけ言葉を漏らしてぐらりと倒れた。ステージに立つのはギリギリだったと息を吐く切島。
勝者、切島。
8回戦 麗日対爆豪
『ああ麗日…うん、爆豪一回戦突破』
『ちゃんとやれよやるなら…私情すげぇな』
プレゼントマイクのアナウンスが爆豪の勝利により響く。
爆豪と麗日の戦いは爆豪の戦闘センスが輝き続けた見事な勝利だった。
麗日が弱かった訳ではない。
麗日は下方向に爆豪の視線を集め注意を引き、その隙に上空に一撃必殺の策を仕込んだ。
普通なら、それで勝負を決められた可能性もある。
少なくとも雑魚ヒーロー達には勝てる。
だが、それすら爆豪は力技で突破した。
正面からの火力のみならず、相手が何を狙っているのかを察し、その上で最も危険な瞬間に対応をしたのだ。
爆豪が優勝候補かな?やはりクソな性格なだけで戦闘力はトップクラスだ。