第四魔法使いのヒーローアカデミア   作:ネル

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3話 訓練開始!仲良く即死攻撃をブッパしよう!

 

 唐突な入学初日の除籍危機を乗り越え、翌日。

 

 雄英高校での初めての授業が始まる。午前中は必修科目・英語などの普通の授業。ヒーロー資格を取ることを目標としている学校でも一般科目を学ぶことになる。

 

 特徴らしき特徴は英語や現代文、数学なども雄英では全てプロヒーローの教師陣が教えていること。

 が、中身は驚くほど普通。そして普通に難しくなる鱗片が漂っている。

 マジ?このペースで進むの?

 

「んじゃ次の英文のうち間違ってるのは?ヘンズアップ盛り上がれ!」

 

 前の席にいるヴィランじみたセリフを吐いていた爆豪も普通に問題を解いている。

 偏差値79のここに来れるだけあって勉強は出来るらしい。筆記の成績は悪いのでどうにか頑張らなくては…!座学で留年は…イヤだ!

 

 昼食は食堂で。食堂は思っていた以上に広く、料理ヒーロー・ランチクックの作る昼食も普通に美味かった。三年通わせてもらいますぜ!

 

 午後はいよいよヒーロー科らしい授業が始まる。昼休みが過ぎ、腹が膨れたところでヒーロー科の本番が始まる。

 午後は『ヒーロー基礎学』。実質的なヒーロー科の勉強はここからだ。

 

「わーたーしーが!普通にドアから来た!」

 

 午後のチャイムが鳴ると共にNo.1ヒーローがドアから普通に入ってくる。この時間はオールマイトが担当。現役トップヒーローの登場にクラスが大きく沸き立つ。

 

 周りが沸き立つ中、俺も初めて生で見るオールマイトをジッと見つめる。

 この個性社会を作ったと言うべき平和の象徴を。この歪んだ社会を作った原因の一つを。

 

 歪んだ社会を作った原因と言えど、オールマイトに咎はない。

 オールマイトは完璧なヒーローだ。

 混乱渦巻く世の中でヴィラン、事故、災害、ありとあらゆる理不尽を跳ね除け、完璧なヒーローとして突き抜けた強さ、信念を示し、人々が求める全て、求められる以上を成し遂げた。

 その偉業は他のどのヒーローにも不可能だった事。

 

 故に個性社会はオールマイトが居れば大丈夫、オールマイトが何とかしてくれる、オールマイトに任せようと、あまりにも無責任なことに全てをオールマイトの肩に乗せ自ら何かを変えようとしない社会となってしまった。救いを求める声に完璧に応えすぎたことが唯一の罪だとすれば、それはもはや罪とも言えない。

 だが、そういう絶対的な存在は時に世界を腐らせる。

 

 ま、俺には関係ない事。そして最早、俺にもどうにも出来ないこと。

 

 そんな風に平和の象徴を眺めていると、教壇前に立つオールマイトがBATTLEと書かれたプレートを高々と掲げる。

 

「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!」

 

 オールマイトが手元にあるリモコンを操作すると壁が動き飛び出る。壁の中に仕舞われていたのはAクラスの人数分のアタッシュケース。

 

「入学前に送ってもらった『"個性"届』と『要望』に沿ってあつらえた……コスチューム!!」

「おおお!!」

「着替えたら順次、グラウンド・βに集まるんだ!!」

 

 

 

 着替えて集合したグラウンド・βは入試の時に使った市街地を模した演習場。

 

 わかりやすくオールマイトを模したコスチュームの緑谷、ピチピチの宇宙服にしか見えないコスチューム着た麗日、車の外装を纏ったような飯田、凄い攻めたコスチュームの八百万。

 そして透明で手袋と靴以外見えないコスチュームの葉隠。

 

 多様多種なコスチュームで見応えのある風景だ。

 …待て、葉隠は制服の時から透明だったが、あれコスチューム着てないよな!?個性社会なら着てなくてもOKなのか!?…いるってことはOKなのか…。

 

「ヒーロー科最高」

 

 何処からか男子高校生の欲望ストレートな感想が聞こえてくる。

 せめてもう少しオブラートに…。そして葉隠はコスチュームを着てくれ。見えないからセーフ理論はダメだと思うぞ。

 

 俺?ワイシャツにジーンズ、その上から古風な魔術師が着るような顔を隠せるフードをコスチュームにした。当然耐刃、対爆、対衝撃、対炎など戦闘時の生存率に関わりそうなものは実装されている。

 

 コスチュームを着て口々に感想を言い合うアホ騒ぎが収まるとオールマイトの初授業が始まった。

 

「君らにはこれからヴィラン組とヒーロー組に分かれて2対2の屋内戦を行って貰う!

 状況設定はヴィランがアジトのどこかに核兵器を隠している!ヒーローはそれを処理しようとしている!ヒーローは時間内にヴィランを捕まえるか核兵器を回収する事!ヴィランは制限時間まで核兵器を守るかヒーローを捕まえる事!」

 

 なかなかアメリカンな設定をされている舞台設定。オールマイトが新人教師らしくカンペをチラ見しながらの授業は進む。コンビとヒーロー、ヴィランの役目はくじで決まる。適当だな!?

 

 授業最初の一戦はヒーローチームの緑谷と麗日対ヴィランチームの爆豪、飯田の組み合わせ。

 

「ヴィランチームは先に入ってセッティングを、5分後にヒーローチームが潜入でスタートだ」

 

 一戦目は爆豪の奇襲から始まった。ビルの壁にヒビを入れるほどの爆破を使う爆豪。そんな爆豪の猛攻を躱し、個性を使わず凌ぐ緑谷。

 

 中々緑谷の読みが凄い。個性抜きで爆豪の猛攻を凌ぐなど、俺は出来ない。アッサリ爆破されて終わりだ。

 

「すげぇなあいつ!!"個性"使わずに渡り合ってるぞ、入試一位と!」

 

 緑谷の技と爆豪の個性を歓声をあげながらモニター越しに見る。爆豪の爆破に個性を使わず対抗する緑谷中々見応えのある力と技の応酬。

 

 爆豪に捕捉されたヒーローチームは爆豪を撒いた後、二手に分かれ麗日は核の確保に向い緑谷は爆豪との対決を選んだ。

 

 爆豪を撒けたなら二人で飯田の守る核に特攻かました方がいいんじゃない?合流されても爆豪の性格からして連携取れなさそうだから有利じゃない?

 そんな感想を抱きつつ核を守る飯田と攻めに回る麗日の攻防を見守る。

 

 麗日と核を守る飯田の戦いは地味ながらも安心して見ていられる戦い。

 

 だが歓声をあげてられるのもそこまでだった。まず爆豪が爆破でビルを一階から四階まで大穴を開ける半壊させた。次に緑谷が二階から五階までビルの中央を超パワーで吹き飛ばした。

 

 ひぇっ、訓練でやることか?そしてビルの修繕費いくらよ。

 

 そんな肝が冷える戦闘訓練だったが、最終的には緑谷が一回だけ使った個性で麗日のサポートをして緑谷チームの勝利となった。

 

 が、緑谷は腕と建物の大規模破壊を敢行して保健室送りに。昨日指の骨折って今日は腕の骨ですか。このペースだと明日は脚かな?明後日は背骨?

 

「ヤバくない?ウチじゃ、あんなこと出来ない」

「完全に過剰火力、そして過剰範囲。それを訓練で使うなんて中々キマってるな!」

 

 ヒーローは警察と同じだ。基本は制圧。殺傷や大規模破壊は最後の手段になる。あの火力は魅力だが、普段使いには向かない。

 

 物を壊した時の損害賠償がね…。

 新人ヒーローのマウントレディは最近ヴィラン退治でビルぶっ壊して億単位の借金なんだってね。ニュースになってたよ。で、ヒーローチーム勝ったけど訓練じゃなかったら何億の賠償です?参考までに聞いてみたいね。

 

 保健室送りになった緑谷を除いた他の3人が、モニタールームに戻ってきた。それを見てオールマイトの講評が始まる。

 

「まぁつっても……今戦のベストは飯田少年だけどな!」

「なな!?」

「勝ったお茶子ちゃんか緑谷ちゃんじゃないの?」

「なんでだろうなぁ~~~~?分かる人!?」

 

 それに対して、八百万がすかさず挙手して意見を言い始めた。

 

「それは飯田さんが一番状況設定に順応していたから。爆豪さんの行動は戦闘を見た限り私怨丸出しの独断。そして先ほど先生も仰っていた通り屋内での大規模攻撃は愚策。緑谷さんも同様ですね。麗日さんは中盤の気の緩み。そして最後の攻撃が乱暴すぎたこと。ハリボテを核として扱っていたらあんな危険な行為はできませんわ。相手への対策をこなし且つ"核の争奪"をきちんと想定していたからこそ、飯田さんは最後対応に遅れた。ヒーローチームの勝ちは「訓練」だという甘えから生じた反則のようなものですわ」

 

 長い、結構言ってる、内容は割と正確だ。推薦入試を通った奴らしく頭が良さそう。敵に回したら厄介そうだな。

 

 思ったより言われたのか、オールマイトも飯田も固かったとしか言えてない。だがそれでも気を取り直し次の訓練に移る。

 

「さぁ次のチームは準備を!ヒーローチームは先にビルへ!」

 

隣にいた耳朗が立ち上がる。

 

「次はウチらだ。負けないから」

 

ヘイヘイ、お手柔らかに。

 

さて、初めての模擬戦だ。ヒーローらしく、派手に戦ってみせるぜ!

 

 

 

 

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