機動戦士ガンダム三次創作 ゆっくり機動戦士ガンダムZZ 作:泉 とも
「そこだ!」
「アムロ!?」
サザビーのビームショットライフルが、νガンダムを捉えると、アムロ霊が奇声を上げて爆散!
「遅い!ファンネル!」
『アムロ―!?』
放たれたビットがフィンファンネルの隙間を縫って本体を次々に撃破!
「つ、強え……」
「これがこの世界のシャア・アズナブル……!」
軍人でありパイロットとして油が乗った30代。愛する妻子に加え、彼を支える仲間にも恵まれた。
この世界のシャアは、間違いなくアムロとνガンダムよりも強い!
加えて彼が乗るのは、今更な弱点も無く強化された機体。
強化サザビー
他の世界のサザビーと異なるのは、背部のバーニアがバウのように、中央にプロペラントタンクが増設され、パワーダウン防止に機体内部に補助バッテリーを追加。今更な弱点だったエネルギーパイプが掴めないように、バウのように首の付け根の部分に収納。
背部にはリックディアス時代の杵柄として、腰部にビームキャノンを装備しており、頭部は安全性と攻撃力の両立として、ジオング以来の離脱と口撃が可能となっている。
機体表面にはジオン軍のシンボルを思わせるレリーフと、SD闇将軍を思わせる銀色の装甲が増加されている。これはサイコミュを補助し、強化する機能を有している。ご都合的な負け筋を全て潰した機体となっていた。
「どうした、お前の力はこんなものか、アムロ!」
「鬼神の如き強さだ、これがシャア・アズナブル」
「よし、今の内に機体の損傷が激しい者は後退しろ。戦える者は補給に移れ!」
これまでの戦いで消耗した味方が撤収し、そうでない機体はメタスがやったみたいな補給を受ける。
アレ修理装置じゃなくて補給装置だよな。
「ララァアアアアアア!」
「む!」
ガンダム動物園のアムロが猛然と接近する!
狙いはシャアではなく、もう一機のMS
「アムロ、かわいそうに……」
ララァの乗ったリガズィは、容易くνガンダムを振り切ると、返す刀で彼を撃破した。
フルアーマースーパーリガズィ(リファインガンダムツヴァイ)
ツィマッド社製となったガンダムMarkⅡ(ツヴァイ)のバックパックとスカート等がリガズィの物に換装された機体で、機体各部にも追加の推進器を併せた増加装甲が装着されている。
ゼータに引きずられることなく、スーパーガンダムの発展形として改良されたこの機体は、Gディフェンサーの発展型としてBWSを開発。装備したままの戦闘を念頭に置いている。またネオ・ジオン所属ということもあり、装備はジェネレーターを内蔵したハイパーナックルバスターに変更。
二丁装備しているこれを連結することで、狙撃用可能かつ更に大出力の狙撃銃とすることも可能になった。
BWSは前部が大きく伸長しており、機体と合体時に『コ』の字に折りたたむことで、盾を持たずともMS前面を保護するようになっている。またこのために両腕が自由になるので、巡航形態時にも火力を強化できるという強みがある。
「私とあなたが結ばれることを、世界は望んでいないわ。それを分かって、アムロ!」
「ぎゃああああああ!」
50年経っても祝福されない関係!
他所の宇宙まで攻め込む嫉妬心!
その核心を突かれて天パが断末魔を上げる!
「すっげえ、ガンダムが相手にもならねえ」
「愛し合って結ばれたあの二人は、この宇宙で最強なのです」
ゆっくりハマーンがしみじみと呟く。その横顔は嬉しそうで、少し寂しそうだった。
「これで終わりだ!」
「シャアアアアアアア!!」
最後のνガンダムが倒されると、宇宙に静寂が戻る。
「これで終わりか?正直もうダメかと思ったのぜ」
「いや、まだあと一人残っている」
シャアが機体の向きを変えると、そこには一機の初代ガンダムが漂っていた。
「初期ガン……?でも何か変なのぜ」
「たぶんジークアクスのアムロね」
「そうなると依り代が必要なはず。恐らくはこの世界の一般人としてのアムロを乗っ取ったのでしょう」
皆が緊張しながら、MSのフリをした異形を睨む。そして次の瞬間。
「!?しまっ」
「ハマーン!」
ゆっくりたちが乗るゲッターの、ドラゴン号のコクピットにビームが直撃する!
「ハマーン様!おのれい!」
「よせマシュマー!
どう見ても初代のスペックではないビームの威力。迂闊に動いてはいけない、だがマシュマーは怒りに任せて突撃した。
「貴様ほどの男が、なんて器の小さい!」
「喋った!?」
「ぼさっとしてんじゃないよ、撃ちな!」
ガンダム色のエヴァンゲリオンは宇宙でもスイスイ動くと、マシュマーのザクⅢの片腕を切り捨て、そのまま蹴り飛ばす。
「ぐおっ!」
追撃のビームライフルは、シーマの檄により始まった援護射撃により、辛くも阻まれる。
「霊夢!ハマーンがやられちまった!」
「これでもうニュータイプ能力の封印はできない、あいつ、これまでの戦いで学習してるんだわ!」
「なんて禍々しい悪意のオーラ……」
ララァがアムロのプレッシャーに冷や汗をかく。
「貴様を倒してからそうさせてもらう!」
「え?何だって、うお!」
脈絡のない台詞と共に放たれたビームを、ゲッターがギリギリで躱す。
操縦担当は既に切り替えられていたが、この世界のゲッターは他の形態にチェンジできない。
「惚れた異性に振られただけでここまで狂うとは、情けないニュータイプのなりそこないが」
リリーマルレーンの艦長席から、人間のハマーンが吐き捨てる。他の世界の彼女を見せてはいけない。
「世直しのこと、しらないんだな」
「言動が変だわ、まるで録音を繰り返してるだけみたい」
「例えアムロの意思があったとしても、何十年も信仰されたアムロへの人々のイメージが、彼に他の言動を取らせないのでしょう。哀れな人」
嫉妬に塗れた操り偶像(にんぎょう)が、悍ましい怨念に塗れて宇宙を彷徨う。
それは人の業という外は無かった。
「む、皆下がれ!何かが来る!」
シャアがそう言うと、アムロ専用エヴァンゲリオンが口を開いた。
周囲に散らばる機体の破片を吸い込み、体中に持ち主を失ったファンネルが突き刺さって行く。
「ガンダムを、食ってる……!」
無数のガンダムを食らい、ファンネルを食らい、そしてアムロの魂を食らい、それは膨張を繰り返す。
「そういえばちゃんとした機械じゃなかったっけ?」
「でもここで打ち止めだから、後はハイパー化や巨大化で打ち止めのはず」
弾切れ、ネタ切れはどんなコンテンツにも訪れる限界である。
「何だ、奴はまるで、怪獣のように」
グレミーが呆然と呟く。今やガンダムは白い悪魔と呼んで差し支えない外見になっていた。
「なあ霊夢、あれってメカギルギルガn」
「顔がガンダムだからガンダムね」
「せめてデュラクシールみたいなのがよかったのぜ」
「なっとるやろがい!」
まるでバグでおかしな乗り換えをしたかのような組み合わせに、魔理沙はげんなりした。
パロディばかりで話を進めても人は付いて来ない。
「でもこれで逆シャアの展開再現からの返り討ちはできなくなったわ、いったいどうすれば……」
「これがサイコフレームの力です。サイコフレームはこの世に、いえ、どんな世界にもあってはいけないのです」
ララァが決意と主に言い放つ。既にメカギルギルガンの大きさは戦艦並みになっていた。
「シャアは否定しろ!」
「くっこんなバケモノとどうやって戦えっていうんだい!」
「しかしここで退けばどうなる? あれがシャア・アズナブルを殺し、ララァ・スンを手に入れたとして、大人しく帰るとは思えん」
シーマが苛立ち、グレミーが考察する。目の前で吼える規格外の怪物に、一同の士気は崩れかかる。
恐怖、脅威、そしてナンセンス。真面目に向き合うことを躊躇わせる力。それが今、形を成している。
「それでも、戦うしかないと思う」
「元はと言えば、私たちが開いた頁だしな!」
そんな中で、ゆっくりたちはメカギルギルガンへと立ち向かう。既にハマーンはいなかったが、それでも挫けることは無かった。
「あなた、行きましょう。これが最後の戦いです」
ララァもそう言ってゆっくりたちのゲッターを追う。
「ララァ……分かった。シャア・アズナブルからこの宙域の全員に告ぐ」
ガンダムという物語の中で、幾度と無く妬かれてきた、プロメテウスの呼び掛け。
「すまんが、みんなの命をくれ」
それは、運命を切り開くための光であった。