機動戦士ガンダム三次創作 ゆっくり機動戦士ガンダムZZ   作:泉 とも

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・宇宙の奥から来る者

「これより我々は奪われた新型核弾頭の奪還を目的とし、追撃の任に当たる。首謀者はボッシュ・ウェラー少佐。元地球連邦の出身だ。動機や背景は不明、辞令を受け取った者は順次宇宙港へ行き、当作戦用の戦艦に乗艦せよ」

 

 先日の襲撃により特例で軍令部への転向、という名の前線送りになったハマーンから、関係各位に通達があった。

 

「必ずや此度の汚名を雪いでご覧に入れます。ハマーン様」

 

 マシュマーは自室の通信端末から礼を済ませると、宇宙港へ向かった。

 

 そこにはジオン軍が誇る宇宙戦艦が停泊しており、大勢の人間が行き交っている。

 

「エンドラか。新型の戦艦で追撃とは、不謹慎だが胸が高鳴るぞ」

 

「おーいマシュマー」

「む、お前は確か魔理沙」

 

 周りの人間が悲鳴を上げたり呆気に取られたりする中、饅頭たちが飛び跳ねて来る。

 

「私たちも付いて行くのぜ」

「これから大変そうだしね」

「おいおい、遊びに行く訳ではないぞ」

 

 マシュマーはやれやれと肩を竦める。彼はゆっくりたちの存在が全然気にならないのか、

普通に話せている。

 

「分かっています。それよりもマシュマー、私たちが乗る船はあちらですよ」

 

「異形のハマーン様!申し訳ありません」

 

「あいつハマーンなら誰でもいいのぜ?」

「都合がいいから黙ってましょ」

 

 そして一行がもう少し足を延ばすと、そこには。

 

「ザンジバルⅡ……!」

 

 ザンジバルⅡ。

 

 一年戦争時に木馬にこそ及ばないが、ジオン軍の万能戦艦として広く愛され、頼られた名戦艦である。

 

 その後も改良型のⅡが開発され、そこそこのコストでそこそこ以上の火力、装甲、速度を出すため艦長たちから乗りたい戦艦ランキングで、常に上位に位置している。

 

 ドレンはこれより良い戦艦を預かっているが、本人はこっちに乗りたかった。

 

「グリプス戦役でも活躍したそうだが、それでは艦長は誰が」

 

「会ったらご挨拶をするんですよマシュマー」

「勿論です。異形のハマーン様」

 

 マシュマーは歴戦のジオン軍人の下に配置されるのかと、冒険心がくすぐられた。

 

 浮ついた気持ちから足取りも軽く乗り込むが、それも直ぐに現実に引き戻される。

 

「へっへっへ、こりゃまた綺麗な兄ちゃんが来たな」

「む、私はマシュマー・セロ。今日からよろしく頼む」

 

 如何にも犯罪者って感じのおっさん軍人が、その辺の廊下に座り込んでいたのだ。

 

「艦長に挨拶をしたいの。どこにいけばいいのかしら?」

 

「え?ばっばけもの!」

 

 しかしそんな彼らもゆっくりたちを見て腰を抜かした。この辺がモブとの境目である。

 

「失礼しちゃうわね。これでも人間よりもよっぽど高度な生物なのに」

 

「とりあえずブリッジに行くのぜ」

 

 一行は周囲の目を気にせず、ザンジバルのブリッジへ向かった。

 

 そこには。

 

「グレミ―!」

「ま、マシュマー……」

「おやおや、また可愛らしいのが増えたね」

 

 このザンジバル級の名前は『リリーマルレーン』。

 ジオン軍宇宙海兵隊『ガラハウフリート』の旗艦である。

 

 そしてその艦長は。

 

「で、でかい!」

 

 身長180cm代のマシュマーよりなお長身の女艦長。

 シーマ・ガラハウその人である。

 

「核弾頭をかっぱらわれたんだって?」

 

「う、ああ、うむ。我々はその追撃の任を受けました。それで今日から世話になる身、ご挨拶にと思いまして」

 

 マシュマーは圧倒されていた。それもそのはず。この世界のシーマはグリプス戦役にも参戦した歴戦の兵である。

 

 加えて被撃墜から九死に一生を得るも、年齢から来る限界に耐えるため、サイボーグ化、肉体強化重点の強化人間手術、クローン技術によるアンチエイジング、全身への骨延長を施している。

 

 その身長は実に195cm。靴を履くと2m。

 肩幅はマシュマーの倍近くある。

 

「いい心がけだねえ。お行儀のいい坊や。躾の手間が要らないのは偉いよ」

 

 シーマは手に持った鞭を弄ぶ。軽く振ると床の鉄板がべっこりと凹んだ。

 

「そこの坊やも同じだけどね、私を見たら固まってちまってね……」

 

「グレミ―、情けないぞ」

「放っておけ!」

 

 グレミ―は命からがらといった様子でマシュマーの元に来る。

 

「パイロットは訓練するか待機だよ。もう行きな」

『はい!』

 

 言われて二人は逃げ出すよう駆け出した。

 

「じゃあ私たちも今日からお願いするのぜ」

「よろしくね」

「……?」

 

 シーマはゆっくりたちを見て目を擦った。疲れが出たのか、しかしもう一度見ても眼前の饅頭たちは消えない。

 

「何だい、お前たちは」

 

「私たちはゆっくりよ」

「新種の生き物なのぜ」

「サイコミュの生首とは違いますので」

 

 シーマは『サイコミュの生首』に一瞬反応したが、新種の生き物という設定を採用することにした。ここはサンボル時空ではないのだ。

 

「私たちはハマーンの世話になってるの」

「ああ、お嬢ちゃんなら自室にいるよ」

「ありがとうなのぜ!」

 

 本作戦の指揮官はハマーンだが、艦長はシーマである。

 

 なおこういう二重構造というか、頭が二つあるようなことは現場にとって致命的である。

 

 その辺は両者も分かっているので、普段はシーマが指揮を執るが、彼女がMSで出撃した場合は、ハマーンが代理になるよう打ち合わせ済みである。

 

「さあ、グズグズしてる暇はないよ。乗り込みが終わったら出港さね!」

 

『へへえ!』

 

 シーマの命令野郎どもの野太い声が響く。歴戦の女艦長が専用のデカいシートに座り、太くて長くてごっつい足を組む。

 

 足元の虎の毛皮が小さく見える。

 

「ところでハマーン、ボッシュってどういうキャラなのぜ?」

 

「ボッシュは後年の作品の敵役で、本質はアムロをヨイショするだけのキャラです。シャアに比べて商品価値がなく、信者以外には何も魅力のない初代主人公の評価を、外から上げようという姑息なステマ業者とも言えます」

 

 ゆっくりハマーンが酷いことを言う。

 

「しかし時系列的にもルート的にも、この世界では逆襲のシャアイベントが起きないので、彼はモブと変わらないはずです。謎ですね」

 

「言っても仕方がないわ。とりあえずこの船が落とされないように、私たちも出撃できるようにしておきましょう」

 

 あれこれと考えつつ、霊夢たちは格納庫へ向かう。

 

「だけど私たちの機体なんてあるのか?」

「あります。ゴットンに頼んで搬入させましたから」

 

「は~やっぱりこの世界のキャラに来てもらって良かったのぜ」

 

 ちなみに手足が無くても機体を操縦できるのか?という問いについては『できる』と言うしかない。

 

 公式でそれは何度かやってる。

 

「あれ?こんな機体あったっけ?」

「ミキシングよミキシング」

「アレ絶対売れないですよね」

 

 なんてことをやってる間にもリリーマルレーンは出港した。

 

 宇宙スタートなのでそのままソロモンへ。

 

「これがガンダム!悪魔の力よ!」

「あっ、やっぱり駄目だった」

 

 そして既に現場に潜伏していたボッシュが、バズーカと一体化したバックパックを被ったガズサで核を使用。

 

 ソロモンに駐留していた艦隊が消滅した。

 

「まあこの辺は既定路線よね」

 

「スパロボとGジェネ合わせて30回くらいやってるからな」

 

 あいつ何回ソロモンに帰ってんだろう。

 

「でも敵のMS部隊とかいないわよ?」

 

「ボッシュが権力を握るのは還暦を迎えてからなので」

 

「ええ?じゃあテロの単独犯?ここであいつを倒して終わりなの?」

 

 霊夢が不満を顕わにする。ここまで遭遇戦一つ無かった。あまりに呆気ない幕切れ、かに思われた。

 

「ふっふっふっふ、はーっはっはっは!」

 

「何だ!?いきなりオープン回線で馬鹿笑いしてるぞ!?」

 

 核の光が治まり、艦隊の残骸の中に佇みながら、ボッシュは狂ったように笑いだした。

 

「これで!これで奴らが来る!こんな紛い物の世界じゃない!異なる世界から、宇宙の裂け目を伝って、悪魔たちがやって来る!」

 

「何かが来ます!」

 

 ゆっくりハマーンの額から白い電波が飛び出す。

 

 次の瞬間、どこかから放たれたビームがボッシュの機体を貫いた。

 

「これがガンダム、悪魔の力よ!」

 

 勝ち誇りながら爆散した。

 

「艦長!敵が来ます!全機発進させてください!」

「何だって、どういうことだい?」

「私はニュータイプです。敵を感知しました!」

 

 こんな戯言を真に受ける人間は普通ならいないが、今はグリプス直後である。

 

 ニュータイプの名前と威力は最高潮だった。

 

「オカルトかい。いいよ、戦闘態勢に移りな!MS隊は全機出撃。私も出る、ハマーンの嬢ちゃんは代理を頼むよ、回避運動始め!」

 

 ザンジバルからMSが出撃すると、次の瞬間にはレーダーに反応と、アラート音が鳴り響く。

 

 一条のビームが宇宙の闇を切り裂き、モブ兵士の機体を撃ち落とした。

 

「いったい何が起きているのだ、マシュマー!」

「私に聞くな!」

 

 全員が一斉に敵を見た。

 

 強烈なプレッシャー、そんな描写は本編に出たことないのにニュータイプレベルがいつも8とか9に設定されるミスター依怙贔屓。

 

 盛った割りにバランスの悪いビジュアル。

 

 何もない期間が長すぎて一番長く乗った機体という設定を後付けでポン付けされたマシン。

 

「やはり、来てしまいましたか……!」

 

 リック・ディジェと呼ばれる機体。そしてそれに乗るのは唯一人。

 

「アムロォォォォ……!!」

 

 アムロ・レイが現れた。

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