明らかにボロアパートで暮らす獣人彼女はキメているのに「これはタバコ!これはビタミン剤!」とか言い訳しているのだが? 作:SUN'S
嬉しいね、褒められるの。
「ッス……その、変じゃないスよね?」
「は?クソ可愛すぎるんだが?」
タバコを吸ってるけど、クソ可愛すぎる。ウチの両親とも何度か会っているし、越司丸は問題ないはずだ。父さんも喫煙者だから問題ない。
オレの彼女が父親に奪われるッ…!
「あらぁ~♪︎今日はプリンちゃんじゃないのね、茶髪も似合ってて可愛いわよ、ヤクちゃん♪︎」
「ど、どもッス…」
照れ臭そうに視線を右往左往させる越司丸の手を握り、大丈夫だと励ますように笑う。大丈夫だ。越司丸、お前の事は父さんも母さんも好いてくれている。
「秀夫、お前の言いたいことは分かっているぞ。越司丸さんと結婚したいんだろう」
「そうだ。父さん、母さん、オレと越司丸の結婚を認めて欲しい。とう越司丸のところには挨拶してきた。あとは二人が認めてくれれば結婚できる」
「じ、自分からもお願いしまス!か、彼ピじゃなくて、秀夫君と二年一緒に過ごして、すごく楽しくて、この人は自分の汚いところも悪いところも見せても、真っ直ぐ自分の事を見てくれるッス!」
そう言ってオレと越司丸は手を握ったまま頭を下げる。1分、2分と時間が過ぎていき、イヤな汗が出そうになるのも我慢しながら耐える。
「結婚は認めよう。ただし、結婚するときは大学を卒業して就職した後だ。いいな?」
「ママは今でもいいわよぉ~~♪︎」
「は、はは、やった!やったぞ越司丸!」
「にゃへ、み、みとめて、もらえた?」
「どっちも認めてくれたんだ!!」
嬉しさ極まって越司丸を抱き締め、グルグルとリビングで回転してしまう。有言実行!原点回帰!オレの人生はお前と一緒だ!
「にゃふ、にゃふっ」
「あらあら」
「若い頃を思い出すなあ」
ワシャワシャと茶髪になった越司丸の頭を撫で回しながら、大家やアパートの住民にも「結婚を認めて貰えた!」と越司丸と両親を加えた写真を送信する。
「で、だ」
「そうね。問題は此処ね」
「え?も、問題ッスか?や、やっぱり自分」
「ああ、違う違う。ヤクちゃんは良いのよ、私達が言っている問題はどっちのアパートで同棲させたら早く初孫に会えるのかなのよ」
「マジかよ、頑張ろうな。越司丸」
「ま、まだ、早いッスよ?!そ、その、色々と…ふたりで、いっしょに、したい、っす…」
「マジでクソ可愛すぎるッ…!」
オレは越司丸の事を抱き締めながら、可愛くて愛しくて仕方ない彼女の事を更に力強く抱き締めて、父さんと母さんに宣誓するように「絶対に幸せにする!」と叫ぶ。
越司丸。お前はオレの嫁だ。(未来永劫)