明らかにボロアパートで暮らす獣人彼女はキメているのに「これはタバコ!これはビタミン剤!」とか言い訳しているのだが? 作:SUN'S
パチパチと燃える木々。
「大家さん、あれいいんですか?」
「勝手に住み着いてるんだよ」
駐車場の掃き掃除をする大家に近づき、謎のダンボールハウスに包まれたスナフキンみたいな
「にゃ。彼ピにゃ」
「佐藤、あれ誰だ?ゔぉだ、臭ッ!?」
「ペンペンねこにゃ。」
カハァーッと吐き出された紫煙と副流煙に鼻を押さえ、ボリボリとズボン越しにお尻を引っ掻くヤニカスねこから距離を取りつつ、過呼吸になっている大家の背中を擦り、呼吸を手助けする。
大家、トラウマとか抱えてるのか……。
「今日は何のようにゃ?ヤクはアルバイトの面接に行ってるし、アルねこは泥酔してるにゃ」
「越司丸の事は知ってるよ。酒井と西も知ってるけど。オレの今日の用件は大家さんだ」
「ニャー、お腹空いたにゃ」
「……奢らんし、作らんぞ」
「なんでにゃ?おみゃーはヤクの彼ピにゃ。にゃら、ニャーに飯を作るのも奢るのも当然にゃ。寿司が食いたいにゃ、おごるにゃ」
ジャイアニズムが極まってやがるな。
「いや、無理だわ。シンプルに臭い」
「臭くないにゃ」
「いや、臭いって!?」
「臭くないにゃあー!」
カハァーッ!!!と紫煙のリングが吐き出され、慌てて大家とペンペンねこと呼ばれてた獣人を盾にした瞬間、どっちも地面に倒れ伏した。
「やめっ!?」「ひいっ!?」
「見ろ、ヤニカス。お前の始めた物語だ」
「……にゃんか、カッコいいにゃそれ」
このやり取りの最中、すでに目の前に立っているヤニカスは六本目のタバコに火を点け、スパスパと紫煙のリングを作り、遊んでいる。
「ってか。何するんだよ」
「ニャーを怒らせるからにゃ。ニャーは何も悪いことをしていないにゃ。彼ピが逃げるのが悪いにゃ」
「責任転嫁のオンパレードに、どう反応すれば良いんだよ。ったく、大家に同棲の許可して貰おうとしてたのに。またかよ」
「同棲するにゃらニャーもしたいにゃ」
とんでもねえこと言いやがったな。
「どうせ、タバコ代のためだろうが」
「ヤニカス上等にゃ」
「オレと越司丸が良くねえだろ!それと、越司丸の副流煙をビニールに保管してるらしいな。一袋5万円で売ってくれ」
「キッショいにゃー」
「キッショくねえよ!?」
くっ、だが、キッショいかもしれん!
いや、だが、越司丸のだしな。
「ヤクにも聞いてやるにゃ」
「くっ、何が目的だ!」
「飯にゃ」
……そういえば、そうだったな。
ヤニカスもタバコじゃ飢えは凌げないのか。