明らかにボロアパートで暮らす獣人彼女はキメているのに「これはタバコ!これはビタミン剤!」とか言い訳しているのだが? 作:SUN'S
「せ、狭いッスけど。どうぞ!」
「二人ならちょうどいいだろ」
「ッス」
ピコピコと動くクソ可愛すぎる猫耳の生えた頭をワシャワシャと撫でて、オレの着替えや荷物を小さめの三段ボックスに仕舞っていく。
「ヤクちゃん、アシ頼みたいんだけど。だれ?」
「お前こそ誰だ」
また新しい住民に遭遇した事に驚きつつ、オレと越司丸の左手の薬指に嵌まったシルバーリングを見て、瞬間的に目の荒んでいく人間の女の人に困惑する。
「越司丸と、あー、ヤクねこと結婚を前提に付き合っている彼誰秀夫だ。今日から一緒に住むから、宜しくお願いします」
「フゥン……良い筋肉してるわね」
「え?ああ、まあ普段は引っ越し業者のアルバイトとかスイミングスクールのスタッフとかしてるんで、筋肉はあるほうだが」
「野球部とかでしか見たこと無いピッチリシャツね」
「インナー、緩いとイヤなんで」
「前鋸筋まで盛り上がってるわね」
「う、うぅぅあああああ!?彼ピは自分のッスからあんまりベタベタしないでください!」
お?嫉妬かい、クソ可愛すぎるね。
そんなことを考えながら、未だに名乗りもしない目の前にいる眼鏡の女の子の事を越司丸に聞けば漫画家だと教えてくれた。
「ペンネームはおち○ぽ達郎ッス!」
「………………ギャグか?」
「そっちは成人向けのペンネームよ」
「そ、そうか。達郎先生か」
とんでもねえペンネームだなとドン引きしながら、ヤニカスねこが部屋の中に入ってきた。自由すぎて、もう何も言えねえんだけど。
「ニャーは疲れたにゃ。マンカスもヤクも早く来るにゃ。めんどうくせーにゃ」
「お前はぶれないな、ヤニカス」
「彼ピは最近ニャーに冷たいにゃ。ヤク、ニャーのいいところを教えてないのかにゃ?」
「へ?え、えーと、顔が良いッス!」
「お前の方が可愛いだろ」
「ッス…!」
「マンカス、コイツらの交尾を資料にするにゃ」
「確かに資料費が減るわね!」
「見せるわけねえだろ!?」
オレの可愛い嫁さんの可愛い姿は、オレだけのモノだ!他のやろうに見せてやるわけねえだるぉ!?と、更に言葉を続けると「ヤンデレ彼氏、束縛系、気弱なメスケモ……キメ……ありね」と呟きながらタバコを吸う達郎にドン引きする。
「彼ピ、キメセクなんてしてねえッスよ!?」
「いや、それは知ってる」
そもそも、そういうところも清いことも知っている。まあ、正直、クソ可愛すぎるんだが?という感情に呑み込まれることはかなりあるわけだがな。
全部、越司丸が可愛すぎるせいだな!!