あの謁見後私は月夜見様に呼ばれ神様としての仕事を教えてもらった。自分が一体何を象徴とする神なのか、神として人に何を出来るのか、信仰するに足るか、其れをしっかりと理解していないといけないという事を知らされた。その言葉を頭で噛み締めていたら月夜見様が聞いてきた。
「君は何を象徴し、人に何を出来る?君の言葉を聞きたい。」
「私は、食物神です。私に出来る事は、自分の能力で妖怪を祓う事だけです。」
私は正直に今出来る事を言った。都市に来てからまだ日は長くない。正確に理解出来ていない事だってあるからこそ私は馬鹿正直に伝えたのだ。月夜見様を見ていると彼は笑い出した。
「ははは!やはり君は良い人だね。素直所が好感度高しだ。可愛い所も含めてね?」
「ふぇ?…は、恥ずかしいですね。」
褒められた事もそうだが、いきなり可愛いと言われて私は恥ずかしくなった。顔が紅くなってきてるのが分かる程に顔が熱い。恥ずかしがっている私を見て月夜見様は肩を震わせながら右手で顔を抑えていた。
「………(この可愛い生物は一体何なんだ!?可愛すぎる……!)」
如何致しましたか?と聞こうとしたら顔を上げ「何でもないよ?」と言ったのであまり気にしない事にした。
そんなこんなで1ヶ月経ち、稲荷神としてすべき事にも慣れてきた。毎日限らず妖怪討伐に行き、綿月の御頭首の甘味処で店員として働かせて貰い商売繁盛の神として、日頃からお世話になっているお婆様の為に仕事をしている。稲荷神の名を出して私は活動しているので、神に必要な信仰を徐々に集まってきた。
1週間に2.3回は綿月家に行き依姫と豊姫の勉学を教えている。そんな日の続く中で、私はある物を見つけた。それは私が妖怪討伐に行った時に見つけたのだが、まさかいるとは思っても見なかった。
それは狐だ。
何の紛い物ではない本物の狐を見つけたのだ。私の視線に気づいた狐は私に近づき可愛い声で「キュー!」と言ってきたので思わずモフモフしてしまった。この時初めて永琳の気持ちが理解できた。なるほど、これは確かにずっと触っていたくなる触り心地だ。長く堪能した後はその可愛い狐に「一緒に来る?」と聞くと頷き尻尾を揺らした。
そして今、永琳の家にその可愛い狐が居る。まあ私が永琳の家に暮らしているから居るのだが。兎に角この狐は頭が良い!私や永琳の言葉を理解しているのだ。永琳が私をモフモフしながら悪戯半分だったのか狐に、「櫛持って来て〜」と言ったら持って来て「キュー」と鳴いたのだ。二人して唖然としてしまった。本当に可愛い狐だ。
二人で名前を考え麗華と名付けた。麗の字は本人の可愛さから、華の字は、勿論私の名から取り、名を付けた。麗華も交えて綿月家を訪問したり月夜見様に会いに行ったりした。月夜見様には良くして頂いているので、よく会いに行くのだーーーまあ私が彼に会いたくて行っているのだがーーー麗華は本当に良い子だ。今現在の麗華は普通の狐の大きさで、毛は金の様に綺麗で気品の溢れる顔をしている。性別を確認したら女性だった。永琳にその事を話したらうんうん頷き、
「この見た目で女の子じゃなかったら吃驚よ」
と笑っていた。
そして本の僅かではあるが麗華から妖力と霊力が付きつつある事が分かった。永琳に聞くと原因は貴女かもね?と言われた。何でも霊力等の力を強く持った者の近くにずっといると自身の潜在能力が解放され力が増えていくらしいのだ。人間の場合は大丈夫だが狐の場合その力の強さに身体が耐えられるか分からないので気を付けた方がいいわねと永琳に注意を受けた。過度な
心掛けたのだが、その日は突然来た。あの日から早5ヶ月位がたった頃だ。何時も通り6時に私が起きた時だった。私の布団の中に何かいるので永琳かなと思い注意しようとして布団をめくったら知らない少女が裸で丸まっていた。え?え??と混乱していると少女が目を覚ました。
「うぅ…ん、あ、お早う御座います姫華様〜♪」
「あっと、うん。お早う………………で君は誰?」
私がそう聞くとキョトンとした顔で答えた。
「私は麗華ですよ〜?ふぁぁ…眠いです」
「えぇッッ⁉︎」
な、何がどうなってーーーと言おうとしたら永琳が襖を勢いよく開けて入ってきた。呼吸が乱れているのは多分私が大声をあげたからだろう。
「姫華!如何したのーーーえ?どちら様??」
「もう〜永琳様も気づいてくれないなんて悲しいです!」
永琳も咄嗟の事で頭が働いていないのか麗華だと分からなかった。その反応を見て麗華は、プンスカと可愛らしく怒った。私は未だに混乱している永琳に彼女が麗華だと教えた。
「麗華なの⁉︎…という事は彼女が妖力に耐えられて妖怪化したという訳ね。麗華が妖怪化して良かったわ……」
私はその言葉に頷いた。大事な私達の家族が長く一緒に居られるのだ。私は妖怪兼神として、永琳は霊力の強い人間として長らく生きるだろう。故に私達二人は喜んだのだが、麗華の気持ちを考えていなかったと私は反省した。私に引き取られて勝手に自然の定義ーーーつまり本来の生き方ーーー大きく変えてしまった。
「本来の生き方を変えてしまってごめんなさい……!!」
私は頭を下げ彼女に謝った。
「何故謝るのですか?私は嬉しいのですよ〜姫華様と永琳様とずっと一緒にいれられるのでしょう?私はお二人と一緒に暮れしていくのが幸せなのです!顔を上げてください。姫華様は私のご主人様なのですから。」
私は思わず泣いてしまった。あぁ彼女はなんていい娘なんだ。麗華に抱きつき私は泣きながら、ありがとう…と感謝をした。
「はぁ〜なんだか年甲斐も無く泣いちゃったなぁ。麗華此れからも宜しくね?」
私が照れながら言うと麗華は可愛い笑顔で答えてくれた。
「丁度良いかしら……でも…うーん?」
私と麗華が互いの尻尾を触り合っていたら永琳が口元を押さえながら考え事しているのかブツブツ独り言を言っていた。
「如何したの永琳?困り事?」
「貴女の巫女を誰に務めさせるか天照様と月夜見様が考えているのだけど、麗華に務めさせたらどうかしら?と思ったの。あ、そのまま触り合いっこ続けて目の保養になるから」
私の巫女を決めるという事案があったことに驚いた。月夜見様に聞かされたのだが、神で巫女付きとなると中々に神力を持った者にしかいない傾向があるようなのだ。永琳は1人でやる方が無駄が無いと言っていたが。そんなに神力増えたのか疑問に思ったが余り気にしない事にした。あれこれ考えても答えが出ないからだ。故に永琳が最後に言った言葉も気にしない事にした。
「麗華、巫女として私の近くに居てくれる?」
私は直ぐに麗華に聞いた。麗華は私に目を合わせて答えた。
「はい…姫華様のお側に居させて下さい」
二つ返事で答えてくれた。私は嬉しさの余り先程よりも少し激しくモフモフしたら麗華も負けじとモフモフしてきた。
「姫華様の尻尾は綺麗でいい触り心地です〜」
「麗華の尻尾はいい触り心地だね。ふふ可愛い」
今後の生活が楽しみだ。先ずは麗華に剣術なり勉強なりを教えていかないと!私は麗華に何を教えていくか考えながらモフモフした。
「本当に姫華様の尻尾綺麗ですね〜金色に輝いてますし。」
「麗華の尻尾も綺麗で触り心地最高だよ。耳の触り心地はどうかな?」
「ふぇ?耳ですか!私、耳弱いのですよ〜で、でも姫華様に触って頂けるなら大丈夫です!」
「本当に大丈夫?行くよ?」
「は、はい!んっ、少しくすぐったいですね…触り心地は如何ですか?」
「尻尾とは違った触り心地だね。凄いサラサラしてて暖かいね。今度は麗華の番だよ。私の耳触って?」
「は、はい!それでは失礼します……うわわ!サラサラしてて暖かいのです!此れは癖になりますね〜」
「姫華に麗華いい加減触り合いっこやめて服着なさい。正直、かなり危ない画になってるから落ち着きなさい。」
何だか色々飛びまくってるとは思いますが余り気になさらないで下さいw次話もお楽しみに!後狐っ娘可愛い!!