あれから依姫が目を覚まさないので豊姫に勉学を教え2時間経ち、休憩をしている時だった。
「それにしても本当に姫華は強いわね、都市の人間の中で一番の強さを誇る豊姫様に勝つなんて。」
「八意様の言う通りです!あんな子ですけど強いのですよ依姫は。一太刀でいなして気絶させるとはお見事です‼︎」
確かに依姫は強い部類の人間だが永琳には敵わないだろうなと思いながら私は聞いていた。永琳の底の見えなさには正直に言うと私も敵わないのではないかと思う程だ。とりあえず依姫はまだまだ私や永琳の強さには程遠い。大太刀を振り下ろす速度もそうだが、大太刀を使う技術も荒い。磨けば光る原石ではあるんだが、
「ぅうん〜ここは、あ!あの獣畜生は何処いーー⁉︎いたぁ‼︎」
「姫華様に失礼よ依姫。お祖母ちゃんが認めた方なのよ?話してみたら分かるわ。」
そういい豊姫はこちらに微笑み、依姫は先程よりは良くなったがまだ疑わしそうにこちらを見た。
「あ、その獣畜生はーーいや姫華さ、様は何故私の攻撃をあんなにも容易くいなせたのですか?」
獣畜生と言った瞬間に豊姫から視線の圧力を受け私の名前を言ったが、様付けに抵抗があるようだった。まあ様付けでなくていいのだが……。
「正直に申しますと太刀筋が読みやすいですね。私がお教え致しますが宜しいでしょうか?」
私がそう聞くと、まだ抵抗がある様な顔をしながら答えた。
「ご教授頂けるなら受けます。ですがあくまで師事を仰ぐだけですので悪しからず。」
「ふふ、そうですか。それでは厳しめに指導します。ではまずーーー」
依姫が使う大太刀を活かした構えや大太刀の使い方、振り下ろす際の身体の使い方を教えた。一通り教え終わった後に試合をしたいと頼まれたので早速試合をする事になった。
「「礼」」
依姫は先程教えた正眼の構えを取った。彼女は大太刀を使うがただ振り下ろすだけでは能がない。故に”突き”という攻撃の幅を広げたのだ。正眼の構えは突き特化と言える構だ。彼女は先程教えて貰った事を試したいのだろう。
一方私は十太刀の構えを取った。
先に仕掛けたのは依姫だ。彼女はこの左肩を打とうとしてきたので私は、その隙を狙って下から切り上げた。当たる寸前に頭を捻ったので打ちを抜かれた。しかし攻撃の手は止めない。私は二の斬りを打った。これは柳生新陰流の九箇の太刀に分類される”十太刀”と呼ばれる
私は直ぐに打ちを放ったーー柳生新陰流において”魔の太刀”と呼ばれる右片手大廻刀をーーすると彼女は私が予想していなかった速さで左肱切断を放った。左肱切断とは、左肘を切り捨てたものとして動かさない示現流の奥義である。
直ぐさま私は太刀をそのまま左肩に担いで防ぎ、そこから相手の左側に大きく廻りこみつつその勢いのまま反時計回りに一回転し一撃を放つ。しかし大きく躱され隙が出来てしまい依姫は踏み込んで来た。しかし直ぐに、私が振り向き様に何か放つのかと警戒し踏み込みを止めた。しかし私が狙っていたのはその躊躇だ。私は遠心力を得て繰り出す十太刀を放ったが依姫は私の十太刀を受けた。しかしこの
「ぐぁ!かっ、はぁはぁや、やるな…しかし手慣れているな。そんな技術を何処で習ったかは知らないが凄いとしか言いようがない。それと一合打ち合えば分かる。貴女はいい人だ。」
何処のスポ根マンガだよと思わず頬を引きつらせた私は悪くない筈だ。そして私がふぅ…と息を整えていたら永琳と豊姫が声を掛けてきた。
「凄かったです。芸術の域に達していますよ!」
「女として完全に負けたわ…兵士の指導でもしてみる?直ぐに人気出ると思うわよ?」
「お褒め頂き嬉しいです。永琳、私は兵士の指導なんてする予定はないからね?」
永琳は残念そうなフリをしながら言った。その姿を見た豊姫は笑い、依姫はそんな私達を見て少し目を見開いていたが次第に落ち着いたのか笑みを浮かべた。
それから依姫と豊姫に改めて勉学を教えた。19時くらいだろうか?外が暗くなり始めた時間帯に私と永琳は帰宅の準備をした。
「今日の勉学はここまでかしら?また明日宜しくお願い致しますね。」
「八意様、私達に敬語など使わないでもっと親しげにお話下さい。」
「そうですよ!私達の師なのですからお気遣いなくお話下さい!」
「お二人がそう言うなら変えますわ。まだ慣れないけど宜しくね依姫、豊姫。」
「はい!此方こそ宜しくお願い致します‼︎」
「宜しくお願い致します八意様。」
永琳の慌ててる姿を見て私は頬を緩めた。私が彼女達を見ていたら豊姫が私のほうを向いた。
「八意様もそうですが姫華様もです!」
「言い忘れていた。獣畜生と言って済まなかった。都合がいいとは思うかもしれないが、此れからは師として私と話して欲しい。」
依姫の発言に少し予想出来ていなかった部分があって少し驚いた。彼女の師として此れからどう接していくか考えたが別に考えるほどでもないかと改めた。何故ならこれから指導していく内に自ずと決まるだろうと思い至ったからだ。
「分かりました。まだ敬語を完全には取れないけど宜しくね?二人共。」
その後、私と永琳は帰宅した。帰宅中ずっと依姫と豊姫の話をした。これから何をどう指導していくのかをーーー。
次の日から早速昨日永琳と話しながら決めた事を教えていき、依姫には剣術と上に立つ人間の心構えを、豊姫には勉学と政における大切な事を教えていった。そんな日常が続いていく中で唐突だった。何と都市の一番上に立つ天照様と月夜見様に会いに行くーーーつまり日本神話に出る神様に謁見する事が決まった。謁見する日にちは3日後と永琳から聞かされ放心した。いきなり聞かされた事もそうだが
「不安がらないでも大丈夫よ?天照様と月夜見様は最近評判を呼んでる貴女に会ってお話したいだけだから。」
「評判?私何かしたかな……?」
知らず識らずの内に迷惑でもかけたのかと不安になりながら永琳に聞くとため息をつかれながら言われた。
「貴女、毎日綿月家に行く前に妖怪討伐行くでしょう?その事よ。それと貴女の容姿よ。妖怪って大抵が獣や虫の形をした物ばかりなのよ。そんな中綺麗で目を引く美少女な妖怪がいたら注目浴びるに決まっているでしょう?」
「私という妖怪に良く妖怪討伐させてたね?いや私は悪さしようとは思ってないけどさあ…。」
「天照様に何とか取り次いで話して見たら「貴女が信頼出来ると踏んだ方なら何も心配ありません」って仰っていらしたわ。とりあえず天照様は良いお方だから心配いらないわ。」
「天照様”は”って…月夜見様に何か問題でもあるの?」
「月夜見様も良い人なのだけど、一部の人にしか親しくないの。身内の天照様は当たり前だけど私とその他複数人にしか親しくお話なさらないの。だから粗相の無いようにね姫華?」
私はその話を聞き少し不安を感じつつもどんな方なのか気になった。出来れば親しい仲になれたら嬉しいなと思いながら永琳と共に今後の事を話したーーー謁見まで後3日。
「最悪貴女の色気で堕としてみたら面白いかしらね?」
「扇子で頭思いっきし叩くけどいい?」
「ご、ごめんなさい。」
本当に投稿遅れて申し訳ありません>_<次も遅れる可能性が高いです……気長にお待ちしていただけると幸いです。次話もお楽しみに!