お稲荷様の自由記   作:春姫眞友

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第9話 謁見

とうとうこの日を迎えてしまった。不安に苛まれ過ぎて胃が少し痛い。礼儀の作法は慣れているから大丈夫だとは思うが………。不安が表情に強く出ていたのか永琳に何度も心配をかけてしまった。

 

「耳も尻尾もしな垂れでいるわね……本当に大丈夫?」

 

「大丈夫だと言いたいけど、大丈夫じゃないかな…不安だなぁ…」

 

永琳に聞いた内容だと特に問題になるような事は無かったがそれでも不安なものは不安なのだ。そんな私に永琳は笑いながら言った。

 

「普段の貴女らしくないわね。そんなに不安にならなくても大丈夫だから安心なさい?あと服装は普段の格好で問題ないから本気でおめかししないで!謁見するまで面倒な事になるから‼︎」

 

そんなに私の化粧が変なのか永琳は本気で止めて来た。前世で私は幼少期の頃、何故か本家の”巫女”として神楽舞をやらされていた。その時に化粧やら何やら女として必要な事を学ばされていたので”そういう事”には慣れている。故に自信があったーー前世で男だった私が化粧に自信を持つのもアレだがーー。

 

「貴女は本当に……はぁ。無防備が過ぎるわよ。姫華、貴女はいい加減自分の魅力に気付きなさい!というか気をつけて本当に‼︎襲われても私が助けられない時だってあるのだから控えて……」

 

真剣な目で永琳は私に訴えた。どうやらそれ程までに危ないらしい。

 

「分かったよ永琳。ごめんね?」

 

私が見上げる形になり上目づかいで謝る様な格好になってしまった。そんな私を見て永琳は顔を真っ赤に染めて私を押し倒し耳や尻尾をもふもふしてきた。もう何回目だろう?数えるのも面倒なくらい毎日彼女に触られた所為であの快楽に慣れた。まあまだ少しだけくすぐったいが。私の尻尾を触りっぱなしの永琳の頭を舞扇で叩きやめさせた。さっきまでの不安は消え普段の私に戻れたには戻れたが他に方法は無かったのかと疑問を抱いたが気にしない事にした。何故なら触り足りないのかジトッとした目で私の尻尾を凝視しているからだ。そんなグダグダの空気で私と永琳は天照様と月夜見様のいる中心部ーー中央ビルを目指して家を出た。

 

 

 

 

 

 

 

「ここの上の階にいらっしゃるんだよね?」

 

「えぇそうよ。さっ、急ぐわよ?」

 

私達は中央ビルに着いた。少し早歩きをしながら私と永琳はビルに入った。ビルの中はちょっとした高級ホテルの様な装飾がされていて一見様お断りの老舗に似た雰囲気が漂っていた。思わず顔を引きつらせ永琳の方を向いた。

 

「永琳、外見は普通の建物なのに中のこれは何?凄い肩身が狭いんだけど…」

 

「私も最初の方はそうだったわよ?慣れたら平気になるから少しの間耐えて?」

 

永琳も最初の頃はそうだったのかと安心してから少し笑ってしまった。彼女もこういう雰囲気が嫌なんだと思ったからだ。そんなこんなでエレベーターに乗り、天照様と月夜見様のいる階のボタンを永琳は押した。

 

「何だか私も若干だけど不安になってきたわ…礼儀作法は大丈夫よね?」

 

「私は大丈夫だと思っているけど……まあ成るように成る!でしょ?」

 

私がそう言うとキョトンとした顔をしていたが次第に笑い、そうねと言った。私と永琳二人して笑っていたらエレベーターが止まり扉が開いた。その瞬間に私と永琳は気を引き締め直しエレベーターを降りた。降りて先ず目にしたのは巫女だった。巫女は私を見たら微笑んできたので微笑みを返したらポカンとした顔をした。どうしたのかな?と思い声を掛けた。

 

「えっと…如何なさいました?」

 

「い、いえお綺麗だなと見惚れていました。はぅ…正直に言っちゃった……恥ずかしい…!!」

 

この間も似たような事あったなぁと一昨日の事を思い出していた。何時も通り妖怪討伐を終え帰宅している時に視線を感じた。その方向を見たら可愛いらしい女の子が2人が私を見て顔を赤くしていたのだ。少女の可愛いらしさのあまり私は彼女らのそばに行き頭を撫でた。そうしたら更に顔を赤く染めたので笑ったら恥ずかしさのあまりか2人は逃げて行ってしまったことがあったのだ。最近同性異性に凄い見られるなぁと自意識過剰が過ぎるがそう思うのだ。

 

ーーー姫華の精神が肉体に引っ張られてきた所為、いやおかげで女らしさに更に磨きがかかり益々美少女になってきているのだ。今では都市で有名になってきている。妖怪討伐に行く姿を見かけた人からの口コミや綿月家の御頭首からの話で妖怪だという事を承知で本人の知らない所で慕われているのだ。姫華本人は警戒されてると思っている様だがーーー

 

「ありがとう。そう言って貰えて嬉しいです。天照様と月夜見様のお待ちになっているお部屋はどちらですか?」

 

「彼方を右に行きまっすぐ進んでからーーー」

 

 

 

「ここね。さぁ行くわよ」

 

私と永琳は案内された場所の扉を開けた。開けた先に見たのは畳が敷かれた純和室の部屋だった。上座には艶やかで綺麗な黒髪の美しい美少女と片眼鏡を掛けた美しい銀の髪をもった美青年がいらっしゃった。私は銀糸の美青年に目を奪われた。前世では絶対に現実で見る事など叶わない綺麗な銀髪だからだ。永琳の銀糸もそうだが私は銀髪に惹かれやすいみたいだ。私がずっと見ていた所為か彼も私に目を向けた。向けた瞬間に彼は私に向かって笑みを浮かべた。私は突然の事で驚いたが何とか心に留めた。すると彼の隣の上座にいる女性ーー天照様だろう、天照様が口を開いた。

 

「突然お呼びして御免ね?最近噂になってる貴女に会いたかったの」

 

「い、いえ!あ、既にご存知かと思いますが自己紹介をさせて頂きます。妖狐の姫華です。」

 

「自己紹介ありがとう。私達も挨拶させて頂きます。私は天照と言います。一応この都市のリーダーです。月夜見も同じなんだけどね?」

 

「私は月夜見と言う、君は安心の出来る暖かい人だ。近い内に神に任命しようと思ったがやめよう。姉さん今日二人で執り行おう」

 

月夜見様のいきなりの発言にびっくりした。天照様は少し考えていたようだが、パッと顔を上げ言った。

 

「後々でやると絶対猛反対食らうことになりそうだしね〜面倒な神のいない内に任命させますか!姫華は狐の妖怪だから〜んー……尻尾が稲に似てるし…稲成りで稲荷……あ、稲荷大明神はどうかな?」

 

私は驚きの余り言葉を失った。日本書紀の由来と全く違うからだ。

稲荷大神は欽明天皇が即位(539年または531年)する前のまだ幼少のある日「秦(はた)の大津父(おおつち)という者を登用すれば、大人になった時にかならずや、天下をうまく治めることができる」と言う夢を見て、早速方々へ使者を遣わして探し求めたことにより、和銅4年(711年)二月初午の日に秦(はたの)伊呂巨(具)(いろこ(ぐ))が鎮座した。

 

諸蕃(渡来および帰化系氏族)のうち約3分の1の多数を占める「秦氏」の項によれば、中国・秦の始皇帝13世孫、孝武王の子孫にあたる功徳王が仲哀天皇の御代に、また融通王が応神天皇の御代に、127県の秦氏を引率して朝鮮半島の百済から帰化したという記録があるが、加羅(伽耶)または新羅から来たのではないかとも考えられている(新羅は古く辰韓=秦韓と呼ばれ秦の遺民が住み着いたとの伝承がある)。

 

雄略天皇の頃には、当時の国の内外の事情から、多数の渡来人があったことは事実で、とりわけ秦氏族は、先に見たように絹織物の技に秀でており、後の律令国家建設のために大いに役立った。朝廷によって厚遇されていたことがうかがわれるのも、以上の技能を高く買われてのことだと考えられている。彼らは畿内の豪族として専門職の地位を与えられていた。こうして深草の秦氏族は、和銅4年(711年)稲荷山三ケ峰の平らな処に稲荷神を奉鎮し、山城盆地を中心にして神威赫々たる大神社を建てた。深草の秦氏族は系譜の上で見る限り、太秦の秦氏族、すなわち松尾大社を祀った秦都理《はたのとり》の弟が、稲荷社を祀った秦伊呂巨(具)となっており、いわば分家と考えられていたらしい。日本書紀ではこう書かれているのだが実際は違ったらしい。天照様が思いつきで言った稲荷は『山城国風土記』逸文に載っている伊奈利社(稲荷社)の縁起として出てきた話だ。

 

「ん?姫華どうしたの?」

 

心配そうな目線を天照様は向けていた。

 

「いえ!慎んでお受け致します‼︎」

 

「そう言って貰えて嬉しい!此れからも宜しくね姫華♪」

 

私が動揺しながら拝命した事により私は稲荷大明神になった。本当に大丈夫かな私……。

 

 

 

 

 

「これからは稲荷姫華と名乗りなさいよ?姫華」

 

「あ、苗字の扱いになるんだ?」

 

「いえただ単の思いつきよ?でも無いよりはいいでしょ?」

 

「そうだね。にしても神になったけど大丈夫かな?」

 

「貴女綺麗なんだから問題ないわよ」

 

「あのねぇ…」




すみません。凄い急ピッチで進めたので訳の分からん回になってしまいしたね…理解してるなら直せって話ですが(;^_^A後日修正加えます。次話お楽しみに!
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